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2014.05.18
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カテゴリ: 災害
福島県双葉町で鼻血「有意に多い」調査 「避難生活か、被ばくによって起きた」
福島県双葉町では、鼻血などの症状の統計が有意に多かった――。岡山大などの研究グループが町の依頼で健康調査したところ、こんな結果が出ていたことが分かった。一体どうなっているのか。
健康調査は、岡山大、広島大、熊本学園大のグループが、「美味しんぼ」で鼻血の症状を訴えた井戸川克隆町長時代の2012年11月に実施した。全町民にアンケート用紙を配って調査したため、町に配布などの協力を依頼した。

■体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気…
その中間報告が載ったのは、熊本学園大の中地重晴教授が13年11月に学術雑誌に発表した論文だ。「水俣学の視点からみた福島原発事故と津波による環境汚染」の論文によると、住民には原発事故による健康不安が募っていることから、放射線被ばくや避難生活によるものかを確かめるために疫学による調査を行った。
比較するために、双葉町のほか、福島県境にあり放射線汚染地域でもある宮城県丸森町筆甫地区、さらに原発から離れた滋賀県長浜市木之本町でも調査した。その結果、双葉町と丸森町は、体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状で、木之本町よりも有意に多かった。
特に、両町では、鼻血が特に多く、オッズ比を取ると、双葉町が3.8、丸森町が3.5もあった。双葉町では、ほかに肥満、うつ病など様々な症状がオッズ比3以上の高い値を示し、両町では、消化器系の病気や神経精神的症状も多かった。
論文では、「これら症状や疾病の増加が、原子力発電所の事故による避難生活又は放射線被ばくによって起きたものだと思われる」としており、事故の影響であることを明確に認めている。(中略)
双葉町の健康福祉課では、取材に対し、町が岡山大などに調査を依頼し、調査結果の報告も受けたことは認めた。報告を受けたのは、現職の伊澤史朗町長のときになってからだが、なぜ美味しんぼ側に抗議したのか。こうした点などを聞こうとしたが、「担当者が退職するなどしており、詳しくは当時の書類を調べないと分からない」とし、5月16日夕までに回答はなかった。
町の秘書広報課では、「鼻血を出す人がそんなに大勢いないことは、保健所の聞き取り調査で分かっています。岡山大などからの報告を受けたわけではありませんが、町民の健康管理については今後検討していきます」と話している。

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「美味しんぼ」の被曝描写を巡る問題で、以前に

どの程度鼻血が多いのか、という定量的な分析がされているわけではありません。ただ、そのような分析(住民に対する大規模な調査を要する)は、行政機関か、その協力を受けた機関でなければ不可能でしょう。

と書いたことがありますが、実はそのような定量的な分析が行われていたことが明らかになりました。問題の調査を紹介した論文は、こちらです。

水俣学の視点からみた福島原発事故と津波による環境汚染 18ページ
福島県双葉町,宮城県丸森町筆甫地区,滋賀県長浜市木之本町の3か所を調査対象地域とし,事故後1年半が経過した2012年11月に質問票調査を行った。所属する自治体を一つの曝露指標,質問票で集めた健康状態を結果指標として扱い,木之本町の住民を基準とし,双葉町や丸森町の住民の健康状態を,性・年齢・喫煙・放射性業務従事経験の有無・福島第一原子力発電所での作業経験の有無を調整したうえで,比較検討した。
多重ロジスティック解析を用いた分析結果は,主観的健康観に関しては,2012年11月時点で,木之本町に比べて,双葉町で有意に悪く,逆に丸森町では有意に良かった。更に,調査当時の体の具合の悪い所に関しては,様々な症状で双葉町の症状の割合が高くなっていた。双葉町,丸森町両地区で,多変量解析において木之本町よりも有意に多かったのは,体がだるい,頭痛,めまい,目のかすみ,鼻血,吐き気,疲れやすいなどの症状であり,鼻血に関して両地区とも高いオッズ比を示した。(以下略)


つまり、主観的健康感は、同じ被災地(かつ放射能汚染地域)でも双葉町は悪い、丸森町は良いのですが、実際の諸症状を見ると、体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状は、双葉町も丸森町筆甫地区も、被災地から離れた木之本町よりも有意に多かった、ということです。中でも特に鼻血が多かったそうです。

もちろん、その鼻血の原因が何か、ということまでは分かりません。地震と関連があることは、状況から考えて明らかですが、それが被曝のせいなのか、それ以外の有害物質のせいなのか、避難生活のストレスのせいなのか、あるいはそれ以外の要因なのか、あるいはそれらの複合要因なのか、そこはまったく分かりません。
分からないということは、放射能の可能性を完全に否定することは不可能、ということです。
私の個人的な見解では、こういうことは単一の要因のみが原因の可能性は低く、おそらく複合要因だと思います。その複合要因の一つには、おそらく放射能も含まれるでしょう。

1986年のチェルノブイリ原発事故でも、鼻血が増加したことは知られています。

チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた 2万5564人のアンケート調査で判明



これらのことを総合して考えると、鼻血の増加は放射能の原因だと断定することには問題はあるでしょうが※、鼻血が増加しているという事実、その原因が分からない(つまり、放射能が原因ではないと断定することは不可能)という事実は歴然としているように思います。

※もっとも、鼻血を描いて批判を浴びた号では、「鼻血は放射能のせいだ」などと断定的なことは一切書いていないようですが。





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最終更新日  2014.05.18 22:30:26
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