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2014.05.20
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カテゴリ: 戦争と平和
「自衛隊は戦争する軍隊になりますよ」安倍首相のブレーン・岡崎久彦氏に聞く集団的自衛権


長野  安倍総理の会見を受けて、集団的自衛権の行使容認について議論が活発化しています。岡崎さんは反対意見についてどう考えますか。

岡崎  集団的自衛権が権利があって行使できないって言っているのは、世界中でただ一国なんですよ、どんな国でもやっている話なんです、当たり前の話なんです。

長野  集団的自衛権というのは、日本が自分たちが攻撃されていないのに、全然関係ないところで、巻き込まれていって、例えば戦争や地域紛争で、日本の自衛官が血を流すことになるんじゃないか。そうした不安があります。

岡崎  結局ね、鉄砲を打つかどうかというのは、場合によっては国家の命運にかかわる、これはね、結局、総理大臣が決める。
総理がその場で将来の日本の国益を考えて、心血を注いで決めるんです。それ以外にないんです世界的に。で、決める時にですね、くだらない議論で、手足を拘束されないようにする、つまり、権利はあるけれども、行使ができないからちょっと行使できないとかね、そんな事で国の利益を誤ったら大変ですからね、だからそういうつまらない議論を全部払拭して、理論的にきれいにしたうえで、全部総理の決断を仰ぐと。
要するにね、集団的自衛権というのは権利であってね、義務じゃないですからね。なんかあったら戦争しなくちゃいけないというのではないから、するかどうかはね、総理が決める、それ以外にないです。

長野  可能性として、その選ばれた総理が、もし決断をしたら、日本人の自衛官が血を流す可能性があると......。

岡崎  そうです、その通りです。
自衛隊は戦争する軍隊になりますよ。国が危機にさらされたらやりますよ。国が危機にさらされて自衛隊が戦争しなかったらどうするんですか。

■じゃあ、あなた憲法改正やってみてくださいよ

長野  これだけ国民の安全を守るためにやりたい、というならば、なんできちんと憲法改正の手続きを取らないんですか。

岡崎  きちんとってね、じゃあ、あなたやってみてくださいよ。憲法改正やってみてください。
3分の2の多数を集めるなんて大変ですよそんなこと。憲法改正ができるならもうとっくに変えていますよ。
国民投票して決まるなら賛成ですよ。だけどその前に正しいことはした方がいい。だって最高裁がそれで良いって言っているですから。
憲法解釈というものはね、憲法にちゃんと書いてある。誰が持っているかと。これはね、最高裁なんです。最高裁が最終判断の権限を持つってちゃんと書いてあるの。ね。だから、最終判断をするのは、国民でもなくて国会でもないし、ましては憲法学者でもないし、ましてや政府の役人である法制局でもない、最高裁なんです。
最高裁の判断が最終判断なんです。それは砂川判決というものがありましてね、そこで、砂川判決が出るんです。

注)砂川判決とは、1959年に出された最高裁判決のこと。この中で最高裁は、日本は、「平和と安全のため、自衛権を行使することは当然のこと」と判断しました。 ただ、この判決が指す『自衛権』は、集団的自衛権まで含めたものではないとの意見もあります。

岡崎  自衛権は集団的と個別的の区別はないんです。最高裁の判決では。それはもう明快なんです。だからいかなる憲法解釈も砂川判決にはかなわない。だって憲法に書いてあるんだもん。みんなね、憲法を尊重するって言っているでしょ。で、みんな憲法を守るなら、最高裁の通りにしないといけない。

長野  今回安倍総理が、会見で、いろいろパネルで説明された1つの例として「邦人を輸送するときのアメリカの船の防護について」というものがあります。それに対して公明党の山口代表は、これまでの政府の言ってきた考え方でも、まあ対応できると、個別的自衛権でも対応可だから、なんでわざわざ、集団的自衛権に憲法解釈を変えるのかと?

岡崎  結局ね、山口さんの言っているのはね、その場合は守ろうって言っているんでしょ、日本人を」「それなら同じですよ、政府と。法的にどんな小理屈をつけようとね、小細工をしようとね、日本人を守る気があるなら、山口さんは政府と同じことを言っているです。

長野  (総理会見で説明された例はいずれも)個別的自衛権でそれは出来るじゃないかと指摘する反論があります。集団的自衛権が必要とされるほかの例、一番危うい事態など安保法制懇で議論されましたか

岡崎  もう東アジアの安全保障というのがね、日中関係、米中関係なんてものはないです。中国対日米同盟、このバランスで全部考えなきゃいけない、共同で行動することを考えないかぎり、日本の安全は今考えられない。
日本一人でもアメリカ一人でも守れないもん。アメリカ一人で守れと言ったらアメリカ引きますよ、だって勝てないもん。
一番の問題は、日米同盟が危険にさらされた時ですよね、アメリカだけ、アメリカの第7艦隊がやられていて、日本が助けにいかなかったら、アメリカもう(同盟)やめたと、そうなる可能性はありますね、それが一番怖いですね。

---

もともとは、テレビ朝日系の報道ステーションにおけるインタビューだったようです。
安倍ブレーンの、集団的自衛権を容認する理屈がいかに手前勝手で立憲主義に反するか、これを読むと一目瞭然です。ある意味では、こういう連中なら言いそうなこと、という意味での予想の範囲内の発言とも言えますが、まあびっくり発言のオンパレードです。

集団的自衛権が権利があって行使できないって言っているのは、世界中でただ一国なんですよ
それは、もちろん、憲法第9条の規定をもっ国が日本だけ(厳密に言えば、コスタリカとか、他の例もあると思うのですが、主要国では日本だけなのは確かでしょう)何だから、集団的自衛権を認めない国も日本だけというのは、そのとおりかもしれません。だからこそ、それをどうしても変えたいというなら憲法改正が必須でしょう。憲法改正を回避して集団的自衛権の解釈だけを変える、なんてのは、お話にもなりません。

鉄砲を打つかどうかというのは、場合によっては国家の命運にかかわる~総理がその場で将来の日本の国益を考えて、心血を注いで決めるんです。~権利はあるけれども、行使ができないからちょっと行使できないとかね、そんな事で国の利益を誤ったら大変ですからね、だからそういうつまらない議論を全部払拭して、理論的にきれいにしたうえで、全部総理の決断を仰ぐと。要するにね、集団的自衛権というのは権利であってね、義務じゃないですからね。

この発言、その全文、すべて気が狂っているとしか私には思えません。
集団的「自衛」権と、言葉は美しいですが、同盟国に対する攻撃を自国への攻撃とみなして反撃する、つまり自国が攻撃されたわけでもないのに戦争に参加する「権利」というわけです。日本自身が攻撃を受けて、それに反撃する話なら、緊急性、国家の命運に関わる重大性というのは、私も同意します。しかし他国が攻撃されたとき、それに日本が反撃するという話が、日本にとって緊急性があったり、国家の命運を左右する話だとは、私には思えません。

だいたい、岡崎はいみじくも「国の利益」と言い放っています。自分の国が攻められる話なら、利益などという以前のレベルであり、「国を守るために命を危険にさらす」ことも、場合によってはやむを得ないかも知れません。しかし、「利益」のために人の命を危険にさらしてたまるか、って思います。
で、岡崎のいう「つまらない議論」がなぜ生まれたのか。いうまでもなく第二次大戦という破滅的な失敗に対する痛切な反省として生まれたものです。「満蒙は日本の生命線」とか、そんなことを言って日本の領土の外側の「利益」を追い求めた結果、惨憺たる敗北と、300万の戦死者を生んだのです。同じ失敗を繰り返さないために、憲法第9条が生まれ、その後自衛隊が作られて以降も「集団的自衛権はダメ」という縛りが一貫して守られてきたのです。

じゃあ、あなたやってみてくださいよ。憲法改正やってみてください。3分の2の多数を集めるなんて大変ですよそんなこと。

これもまた本末転倒なはなしです。憲法を改正するのは大変だから解釈を変更するのだと、それは「試験は難しいからカンニングするのだ」と言っているも同然であるように私には思えます。試験が難しいなら勉強すればいい。勉強しても受からないなら、あなたにそれだけの能力がないというだけの話です。

5月3日の憲法記念日に紹介しましたが、世論調査では、憲法第9条の改正には反対が過半数を占めていますし、集団的自衛権容認についても、反対が過半数を占めています。(集団的自衛権に賛成する意見の中でも、解釈改憲でOKという人は、更に少数派です)
反対多数なんだから、そりゃ憲法改正は難しいでしょう(私の改正反対ですが)。にもかかわらず、解釈変更という裏技で、明文の改憲を回避するやり口は、立憲主義に対する冒涜であると同時に、世論に対する冒涜でもあります。

で、挙句の果てに

自衛隊は戦争する軍隊になりますよ。

と言うんだから、呆れてものも言えない。繰り返しますが、個別的自衛権の話、つまり日本が攻撃を受けた場合なら、「国が危機にさらされたらやりますよ」というのは分かります。しかし、他国が攻撃を受けただけで「国が危機にさらされた」といしうのは、あまりに無理がありすぎる。そんなに戦争をする国になりたいんですか、と言うしかありません。

「総理がその場で将来の日本の国益を考えて、心血を注いで決める」などときれいごとを言っていますが、結局、総理が前線で死ぬわけではない。死ぬ危険のない人間が「心血を注いで」とか、きれいごとにもほどがある。そんなきれいごとを言うなら、集団的自衛権を認めて、国外での戦争に日本が参加すると総理が決定するなら、まず総理自身が最前線の一番危険な部署で真っ先に死ね、と思います。

こんな人物が「ブレーン」で集団的自衛権の憲法解釈変更とは、あまりに危険すぎます。





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最終更新日  2014.05.20 22:45:21
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