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お互いに好き合っていながら別れてしまった女、生涯に数回すれ違った女の変化など、男女の関係の複雑さや微妙さを描いた短編集です。「戦国自衛隊」や「黄金伝説」などの破天荒で強引な作品を描いたのと同一人物とは思えないような柔らかく物悲しい雰囲気の作品ですが、これはこれで良かったですね。
2001年09月30日
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直接的な恐さではないけど読んでいるうちに首筋の辺りが寒くなってくるような短編集です。見えるはずのない距離から生活を覗く女、新聞の尋ね人の欄に寄せられた死んだ妻と子からとしか思えないメッセージ、見るたびに表情の変わる肖像画・・・それぞれ極端ではない程度に個性的で良かったです。恐い話だけではなくしっとりした話も2、3編収録されていて、個人的にはこちらの方が好きですが。
2001年09月29日
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もう20年以上も前になりますが、息子の家庭内暴力に耐えかねた父親が息子を殺害してしまい、裁判中に母親が自殺するという事件がありました。それから間もなく、高校生が祖母を殺害し、自分もビルから飛び降りて自殺するという事件がありました。前者の事件で殺害されたのは開成高校生、後者の事件で自殺したのは早稲田付属高校生ということで一時期、教育や受験戦争の問題も含めて世論を賑わしたこの2つの事件の克明な資料や多方面からの考察を綴ることで根底に潜む問題や現代日本の歪みを考えさせられる作品です。偏差値という画一化された物差しでのみ優劣を判断し、他の才能があっても伸ばす場の与えられない学校や、それに疑いも抱かず塾や家庭教師を押し付け、自分のエゴのために子供に高学歴を強要する親、その競争にの中で育ち、勉強のために勉強する子供・・・今も20年前と何も変わっていません。教育や青少年犯罪ということだけでなく、今後の日本のありようを考える上でも判断材料にしたい1冊です。
2001年09月28日
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眉毛に鼻、うなじ、あばら骨、盲腸、尻、ふくらはぎ、果ては白髪に垢、臍の緒、しもやけと体に関するありとあらゆる部位や付属、排泄物にまつわる小さな日常のネタや疑問、意外な話などを綴ったショートエッセイ集です。群ようこの開き直ったような豪快な文章と細やかな観察眼、洞察力のバランスが取れていて楽しく読むことができました。雑学本だと思って買うと騙されますが(笑)気軽に読むにはもってこいの一冊ですね。
2001年09月27日
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記念すべき1冊目はもう5回以上読み直している北方謙三の作品です。ヤクザ稼業から足を洗い、スーパーの経営者として暮らしていた主人公の中の獣が土地の買収に絡む嫌がらせをきっかけに目を覚ました。更に、昔の仲間を助けるためにある男を海外に逃がす手伝いを引き受け、主人公は平凡な家庭を持つスーパーの親父という檻から飛び出してゆく。タイトルが良いです。誰しも家庭や会社という檻の中で自分と折り合いをつけながら生きている。 しかしその檻を出てしまうと後は野垂れ死ぬしかないとわかっていても飛び出したくなる時というのが何となく解る作品です。
2001年09月26日
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