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その昔、「デジタル・デビル・ストーリー 女神転生」という小説がありました。 作者は西谷史だったかな。これがゲーム化され、結構売れたために続編を重ね、その6、7作目にあたるゲームを小説化したのがこの作品です。 ・・・ややこしい(笑)内容としてはほぼゲームのストーリーに沿っており、プレイしたことのある人にはそこそこ楽しめますが特に意表を突かれたり起伏を感じることなく終わります。プレイしたことのない人には説明不足の感が強く何だか良くわからないうちに終わってしまいます。どちらにしても少し中途半端ですね。無理にゲームと合わせた展開にせず、背景や一部の設定だけを借りた別のストーリーにした方が良かったかも。
2001年10月31日
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内田春菊、谷崎潤一郎、大槻ケンジ、遠藤周作・・・どう見ても脈絡の無い作家の列挙ですが(笑)それぞれジャンルの差こそあれ“病気”に関する短編を書いたことがあるという点で共通しており、そんな作品を筒井康隆が選び抜いて纏めたアンソロジーです。選者が筒井康隆だけに、肉体的なものより精神的にどこか歪んでいる人々を描いた作品や、題材は肉体的な病気でも、それが及ぼす精神的な作用に重きを置いているような作品が多く、不思議で不気味な雰囲気が味わえます。やや一貫性、統一性に欠ける気もしますが、色々な作品を少しずつつまみ食いするにはいいかも。
2001年10月30日
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室町時代に異国の血を引く子が熊野に引き取られ、様々な修行の末に凄腕の忍者へと成長した。色が黒く口の反り出した異形の面貌から彼は“鴉”と呼ばれ、その名と忍びの技術は代々受け継がれ、熊野の誓紙に従って影の任務を請け負うという・・・その鴉の出自から時代ごとの暗躍を描いた短編集です。真偽のほどはともかく、影の身ながら起伏のある物語は興味深く読めました。 鴉の力量を非常に強大に設定することでややご都合主義的な部分もありますがどこか浪漫のある作品ですね。
2001年10月29日
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卓抜した腕とセンスを持ちながら過度の劣等感や怯えからギターを捨て、巨大タンカーのアンコとして働く主人公、自分なりの歪んだ信念、情念を貫くためなら無駄な思考を行わず、命すらも奪い、投げ出すヤクザ者、類稀な美貌と歌唱力でバンドを引っ張り、何不自由無い生活を送りながらもどこか満たされない少女・・・三者三様の愛と想いが交錯し、虐げられた黒人から発祥した背景を持つブルースの旋律に乗って紡ぎ出される雰囲気が非常に良かったです。救いの無いことが救いに感じられる作風は花村萬月ならではですね。 オススメ。ただ、あとがきは読まなくてもいいかも(謎)
2001年10月28日
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どうやらこんなヘナチョコ日記(?)でも読んで下さる方がいらっしゃるようなので1つ注意事項を。基本的に毎日更新を心掛けていますが、週末(特に金曜)は遊び歩いてる確率120%のため殆ど更新できません。土曜は半々、日曜はさすがに居るのでその時に纏めて更新するので間違えて金曜に見に来てしまった時は捨て台詞でも残して頂ければと思います(笑)さて、本日の一殺はロアルド・ダールの名作、「あなたに似た人」に因んだタイトルの短編集です。タイトルを冠した表題作があるわけではなく、内容的にも特にダールを意識している感じはありませんがちょっと不思議で幽かに怖い作風が阿刀田高らしくて良かったです。 特に「明日を売る女」は題材も興味深くオススメですね。
2001年10月27日
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労組の会長としての給料の他に各種利権を漁り、ヨットや高級車を乗り回し、不満を持つものは会社の人事にまで介入して左遷や解雇させ、“天皇”と呼ばれ恐れられる男を中心に彼の横暴に耐えながら反撃の機会を窺う社長、旗色を明らかにしない前社長、揺れる社内などを描いたドキュメントノベルです。実名を使い、実際にあった事件や醜聞をもとに小説としても読み応えのある作品に仕上げている完成度は流石だと思いました。事実は小説より奇なり・・・と言うか遥かにどろどろしているようです。
2001年10月26日
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翌檜・・・明日は檜になろうと思いながらも結局はあすなろでしか居られないという木にたとえて作者の体験を色濃く繁栄させた少年の成長を描く短編連作集です。様々な時期に出会った友人や女性を通して主人公が感じたことが純文学らしいまっすぐな文章で綴られており、素直に読み進められました。ただ、内容的には同著者の「しろばんば」三部作の凝縮版という感じもあり、個人的には長編の方が好きかも知れません。
2001年10月25日
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代々男児に恵まれず、総領娘に養子婿を取って家を継がせてきた木綿問屋の四代目主人が死去した。残されたのは嫁に出たものの姑と合わず離縁して戻ってきた長女、長女に代わって婿を取った次女、高校を卒業し気侭に過ごす三女である。ところが四代目の遺言状に従い、遺産分配を行おうとしたところで四代目に囲い女が居たことが判明した。婿養子ということで軽んじられていた主人が女を作っていたという驚きと、遺産の取り分が減るという欲得勘定、更に姉妹それぞれが自分に割り振られた遺産に不満を持ち、それに背後で知恵をつける親戚や男、そのトラブルにつけ込んで遺産の一部を掠めようとする大番頭の醜い争いが力のある文章で描かれている長編小説です。ただでさえ金銭絡みの争いは浅ましいものですが、そこに旧家の女系家族という特殊な環境を巧く使うことで雰囲気が良く出ていると思いました。終わり方も予想していたとは言え、きちんと纏まっていて読み応えのある一冊です。
2001年10月24日
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太物卸の老舗から婿養子に望まれ、それまで付き合っていて子まで身篭っていた女を捨てることで大きな身代を築いた男が過去と対面する表題作の他、女の惚れて仕事を捨てた公儀隠密を連れ戻す話など主に男女間の機微や情念を描いた短編集です。藤沢周平らしい親しみやすい雰囲気と丁寧な描写で落ち着いて読めますが、基本的に暗いので沈んでいる時は読まない方がいいかも知れません(笑)
2001年10月23日
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遊び回って留年続きの大学生と、順調に卒業して大手の広告代理店に入社しながらも予想と違う仕事内容にやる気を見出せない会社員。高校時代の同級生2人が思いがけないトラブルからオーストラリアに旅行に行くことになり、しかも到着したその日に有り金の殆どを盗まれてしまった。幸い、ワーキングホリデーのビザを取っていたのでバイトをしながら旅費を貯めることにしたのだが、そのバイト先がとんでもない場所だった・・・ぬるま湯のような生活の中で何となく過ごしていた2人がオーストラリアの大自然と、そこで逞しく生きる人々に接しながら少しずつ成長していく様子が気持ち良く読める作品です。 ややありがちな展開やキャラクターながら、悪いことがあってもそれを吹き飛ばすような陽性の雰囲気が良かったです。
2001年10月22日
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アフリカの小国が核弾頭を買う騒ぎを描くことで核武装の社会を諷刺した表題作の他、スパイの一般化した世界を描く台所にいたスパイ、東京諜報地図など様々な題材を極端に誇張することで滑稽さを出しながらも危機感や問題意識を感じさせられる短編集です。30年以上前に出版された作品にもかかわらず、今現在の問題としても通用する内容は流石ですね。その極端さ故に評価が大きく分かれるところですが1度は読んでおいて損は無いでしょう。
2001年10月21日
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もう何度読み直したかわからない北方謙三の作品です。要するに、読む本が尽きたということです(笑)コンツェルンの会長を務める伯父が居り、法曹資格まで持ちながら喧嘩で人を殺してしまったことで自分に安逸な暮らしを営む資格を認めず人間研究所という看板を掲げて探偵のような仕事をしている主人公に持ち込まれた依頼とその解決(?)への過程を描きながら人の心の不思議さや男であるということなどを考えさせられました。「不良の木」では少年、「明日の静かなる時」、「ガラスの獅子」では老人が依頼対象となっているのが興味深く、良くある探偵ハードボイルドとは違った印象が楽しめると思います。
2001年10月20日
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散歩の途中で見かけた娘に密かに想いを寄せる主人公だったがある日、その娘の姿が見えなくなった。調べてみると父が横領の罪で切腹させられ、身寄りの無い彼女は行方が知れないという。事件の不審さと娘への想いで調べを進める主人公が知った事件の真相と結末・・・という表題作や仕官のため手柄の証拠人を求めて旅をする男の話など、様々な苦難や回り道をしながらも最後はささやかな幸せを得ることが出来るという展開が多く、柔らかい雰囲気の時代物短編集です。チャンバラや戦に代表される重厚さと熱さも時代物の一面ですが、人情や侘び寂びなどを前面に出したこういう作品も悪くないですね。
2001年10月18日
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妻を病気で亡くした主人公に再婚話が持ち込まれてきた。人間を大別すると狐型と狸型に大別されるという話を聞いた主人公は狐型の前妻に浮気がバレた時の気まずい経験から、何事にも大らかそうな狸型の女性を探し出して結婚することにした。ところが・・・自分の都合の良い面しか見えない主人公の間抜けさを描いた表題作を含め、男女間の機微やおかしみなどが感じられる短編集です。遠藤周作と言うと「海と毒薬」のせいか純文学作家という印象が強かったのですが、こういう軽妙な作品も意外に良いですね。
2001年10月17日
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星新一にしては珍しいエッセイ集です。矢張りと言うか、エッセイでも非常に短いです(笑)短いながら作者の体験や考え方を通して彼の作風の一端に触れられるような気がしました。幾らか理解不能な作品もありますが(笑)、ショート・ショートと同じような感覚で読める1冊です。
2001年10月16日
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大量の仏典や経巻が発見されたことで一躍有名になった敦煌の仏洞にまつわる物語です。進士の試験を受け損なったことでその運命が大きく変わってゆく主人公を中心に、戦争に翻弄される国や男女、知識、交易などが重厚な文体で描かれ、様々な激動を経ながら奇妙な静けさを持つ結末との対比が面白く、厚さの割に読み応えがありました。浪漫を感じさせる1冊。
2001年10月15日
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モハメド・アリことカシアス・クレイの名前を貰ったが故にクレイになりきれなかったボクサーカシアス内藤、衝撃的な遺書を遺して自殺した悲劇のマラソンランナー円谷幸吉、安打製造機としてオリオンズの黄金時代を支えながらその性格ゆえに華やかな舞台に出ることなく消えていった背番号3榎本喜八・・・など、表面的には敗れた者ながら何か光っていた運動選手に焦点を当てたルポです。へそ曲がりな自分としては華々しく脚光を浴び続けるような選手よりも様々な要因で力を出し切れなかった、或いは実力以上に評価されなかった選手に目がいく性質なので非常に興味深く読むことができました。周囲の状況やカリスマ性なども実力と言ってしまえばそれまでですが、身体的能力や素質に加えて心理的な部分が勝敗を左右する大きな要因だというのが実感できるような気がします。全体的に暗いのだけどどこか清々しい読後感の一冊。
2001年10月14日
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美濃の蝮と呼ばれた斎藤道三の立身出世の物語に始まり、後半は彼と密接に関わった織田信長、明智光秀を中心に天下盗りの野望を持った男たちの生涯を描いた時代小説です。 当初は道三の物語だけで終わる予定だったせいか、信長たちが霞んでしまうくらい前半の道三の描写が魅力的で良かったです。後半も決して面白くないわけではなく本能寺の変に至る光秀の立場や心情が丁寧に描き込まれていて4巻という長めの構成も気にならず一気に読み終えられました。さすがに1日でではないけど(笑)戦乱の世の雰囲気が良く出ている作品です。
2001年10月11日
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ある小さな国がコンピュータを注文し、私利私欲で動く人間よりはということでコンピュータに政策を打ち出して貰った。ところが出された政策はとんでもないもので・・・結局、コンピュータをどう使うかは人間次第だと改めて思わせられる表題作を含め、広がりすぎた仇討の結末を描くワイド仇討、高齢化社会に対して強烈な毒を投げかける断末魔酔狂地獄など筒井康隆のアクの強さが存分に出た短編集です。鋭すぎ、直截的に過ぎるがゆえに狂気と紙一重の内容はハマるとくせになります(笑)1作品だけ読んで判断せず、一通り読み終えてから評価して欲しい1冊ですね。
2001年10月10日
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TVなどにも出演し、名前が売れるようになった作家の主人公が北方謙三とだぶる短編連作集です。学生運動や恋愛、売れなかった頃などの過去と現在の心情や立場の対比が巧みで引き込まれます。恐らく自分の体験も交えているのではないでしょうか。小説にしては現実味がありすぎ、エッセイにしては出来すぎているバランスが良い方向に作用していると思いました。 長編の重厚さは無いけどオススメ。
2001年10月09日
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信玄かと思いきや、異相の軍師山本勘助の波乱の生涯を描いた作品です。才能を持ちながらそれを怖れられ、今川氏のもとで飼い殺しのような形で捨扶持をあてがわれていた勘助は、自分の兵法で城を取ってみたいという一心で計略を用いて武田家に仕官することに成功した。信玄のもとで水を得た魚のように軍略を駆使し、武田家の勢力拡大に大きく貢献した勘助だったが川中島の一戦で謙信に裏をかかれ、苦戦の中で敵を食い止めるため壮絶な討ち死にを遂げる。捨扶持を貰って生き長らえるくらいなら己が夢、或いは夢を預けられる相手のために死ぬことを選ぶ熱さのようなものが伝わってきました。戦国の世でなくてもこういう心構えには憧れますね。
2001年10月08日
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実際に傭兵たちと共に暮らし、訓練し、時には実際に作戦にも参加して感じたことや、彼等と話したりインタビューした内容を綴ったドキュメントです。想像だけでは描けない傭兵の実体や信条、その訓練の過酷さやエキスパートの凄まじさが伝わってきて薄いながら読み応えがありました。自分には無理だと解っているからこそ憧れますね。
2001年10月07日
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週末だから読んでみたのですが(嘘)いつもの筒井康隆でした(笑)破廉恥で無茶で人によっては眉を顰めそうな文章の中に潜む鋭さが心地良い短編集です。家庭の日常と狂気を描いた表題先を始め、現在まかり通っている習慣や概念が本当に正常なのか怖くなるような作品が多いような気がしました。常識に囚われない人向き!?
2001年10月06日
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もともとはネットで作品を発表していたらしい貞奴という方の詩集です。「日本語のレッスン」というタイトルですが、あまりレッスンにはならないような気がします(笑)いや、なるかも?<どっちだよ内容や韻よりも単語の雰囲気やイメージで独自の世界を創り上げていると思いました。意味を考えると首を捻ってしまうのだけど何度も読むうちに不思議な気分になってきます。そういう詩が好きな人にはオススメ。
2001年10月05日
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単調な仕事と実力よりも上司への覚えが評価に繋がるサラリーマンに嫌気がさしていた主人公は友人からうまい話を持ちかけられた。アメリカ系資本の石油会社がガソリンスタンドの経営者を募集しているというのである。その条件の良さに喜び勇んで応募し、厳しい倍率をくぐり抜けてガソリンスタンドの経営者となった主人公であったが・・・当たり前といえば当たり前なのですが、世の中甘くないということが良く解りました(笑)高度資本主義の世で企業は自らの利益を最優先で考えるのは当然であり、うまい話にはそれだけの何かがあるということですね。尤も、苦労し遠しの主人公も最後には救われる展開で読後感は悪くなかったです。それが逆にリアリティに欠けるという考え方もあるのでどう取るかは読者次第ですが。
2001年10月04日
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ダッカの残飯からハノイのフォー、ベルリンの囚人食、ポーランドのボグラッチ、アドリア海のサルデーラ、エチオピアのバターコーヒーにチェルノブイリのボルシチ、世界各国を旅しながらそれぞれの食事を通して人々の考え方や状況、文化を感じ取ろうとしたルポルタージュです。 体を張った、と言うよりも体でぶつかり、考えたというのが伝わってくる内容にはルポならではの迫力と真実味があって良かったです。日本の食を考えさせられる1冊。
2001年10月03日
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猿飛佐助や三好晴海入道と並び、講談や小説などで真田十勇士の1人として名高い伊賀忍者・霧隠才蔵の生き様を描いた時代小説です。どちらかと言えばリアルさの勝った設定や描写が多いように感じられる司馬遼太郎の作品にしては珍しく忍術の不可思議で超人的な部分も出ている描写は多少、好みが分かれるかも知れませんが己の技を磨き、それを相応の値段で買って貰って仕事をするだけで、主従の信義や忠誠などは馬鹿げたことだというのが信条の才蔵が様々な女性に流され、真田幸村の人柄に惚れ込み、それでもなお自分の生き方を貫く様は読んでいて気持ち良く、終わり方も納得のゆく出来でした。現実に存在したかとか、歴史上でどうだったかなどを気にせず、小説として楽しめる人にはオススメ。
2001年10月02日
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