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あとわずかで2001年も終わろうとしています。ちびっきを始めてまだ日が浅いのですが、こんな面白味のカケラも無い日記を読んで下さった皆様、今年は本当に有り難う御座いました。来年もひとつ、ご贔屓の程宜しくお願いします。というわけで今年最後を締め括る一殺は池波正太郎の戦国短編集です。 大軍に攻められ、来るはずの援軍も見えず風前の灯となった城の士気を上げるため単独で敵軍をくぐり抜け、援軍がすぐそこまで来ていることを確認したものの帰りに敵に捕まり、援軍が来ないと嘘の報告をしろと強いられたのを肯じず壮絶な死を遂げた男を描いた表題作の他、不器用ながら自分を貫く男達の烈しい生き様が中心となっていて、時代物の中でも戦いそのものより心理描写が熱い部類ですね。鬼平や剣客など個々の人物が生きている池波正太郎らしい作品です。 短編で読み応えには若干欠けますが。それでは、良いお年を。
2001年12月31日
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ひょんなことで迷い込んでしまった不思議な街での出来事を描いた表題作の他、オチも何も無くシュールな文章が淡々と続く「中隊長」、「遠い座敷」や、日常的な動作を誇張して描いた「寝る方法」、「歩くとき」、更には問答のような「また何かそして別の聴くもの」など、内容も方向性もよく分からない短編集です。だからと言ってつまらないわけでもないところが筒井康隆の持ち味ですね。 前から順に全部読もうとせず面白そうなところをつまみ食いするのがいいかも。
2001年12月30日
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自分のやりたい音楽を貫くために人気バンドを解散し、ビルの掃除夫のバイトをしながらメンバーを集めて音楽活動をしている主人公は同じバイトとして入ってきた作家志望の女子大生と知り合い、恋に落ちた・・・様々な人間関係を通してブルースの奥底に流れるものを主人公が掴み、成長してゆく短編連作集でテンポ良く読めました。 内容的にはかなりどろどろしているのですが、その中で光る何かが感じられて読後感は悪くないですね。 花村萬月入門向きの一殺。
2001年12月29日
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老舗という暖簾の上に胡座をかき、立地も知名度も申し分無いという条件にもかかわらずそれ以上の経営努力を怠り、業績不振に陥っているデパートに歯痒さを覚え、株の買い占めによる乗取りでそのデパートを経営しようとする男と、学閥や金の力で経営に外部の人間が介入するのを阻止しようとするデパート側の激しい争いを描いた作品です。経歴や体面ばかり重視し、新しい風を入れようとしない業界の壁に挑む男の描写が非常に生き生きとしていて多少アクの強さはあるものの、気持ち良く読めました。沈んだ時に読むといいかも知れません。
2001年12月28日
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大阪夏の陣で華々しく散った豊臣方の2人の名将、真田幸村と後藤又兵衛の認め合いながらも布陣の場所で対立し、それぞれの思い定めた死地へと赴くさまが鮮やかに描かれている表題作の他、派手好きの女房の浪費に急き立てられるように戦場で手柄を立てる男や条件の良い仕官の誘いを蹴って女やその時の気分で主人を決める男など、強いだけでなくどこか憎めない戦国の男達を描いた短編集です。実利よりも自分の信念や気持ちに正直な行き様が自分には出来ないだけに羨ましさを感じました。熱さよりも清々しさのある一殺ですね。
2001年12月27日
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中学生からの筋金入りの極道である著者が刑務所の中で出会った人々や出来事を書いたエッセイ集です。初犯の再犯率は50%、再犯の再犯率は80%という、まさに懲りない面々ながらも矢張り人間である囚人達の悲喜こもごもや驚くような犯罪が経験者(?)ならではの細かい描写で興味深く読めました。文章的には特に優れているというわけではありませんが、エッセイという内容には合っていて悪くないですね。
2001年12月26日
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公正取引委員会の審査官である主人公は何者かの罠で汚職の証拠を捏造され、その職を追われることになった。しかしその解雇はほんの始まりでしかなかった。主人公はある特命を受けてフィリピンへと飛び、様々なコネと人脈を駆使して政府開発援助に関わる談合の証拠を掴もうと調査を開始した。700ページ近くある大作で下調べなどもかなりやったらしく、重厚で読み応えがあり、展開も意表を突いていて面白かったです。 ・・・が、意表を突き過ぎたのか主題であるはずの不正取引の描写が少し弱くなってしまった感じがあります。 読み物としてはいいけど経済(?)小説だと思って読むと物足りないかも知れません。
2001年12月25日
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捨て子として寺で育てられた主人公は17歳の時、初めて知った女に遊ばれていたことを知って殺し、国を出奔して時にはその美貌で女に養われ、時には強盗や殺人をしながら流れ歩いていた。そんな旅の途中、主人公は1人の浪人と知り合い剣術の手ほどきを受けながら殺しを請け負って金を貰うという稼業に足を踏み入れることになった。闇に生き、闇に死んでいく男たちと、何も知らない表の世界の人間の対比が上手く描けていてタイトルも合っていると思いました。厚さも程々だし読み易い一殺ではないでしょうか。クリスマスイヴに合うかどうかはともかくとして(笑)
2001年12月24日
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シンガーソングライターの主人公は車の事故で死んだ恋人の遺品を整理している時に1枚の楽譜を発見した。音楽に全く縁の無かった彼の作曲とは思えなかったが思い出としてこの曲に詞を付け、歌ってみたいと思った主人公は作曲者を探して楽譜の出所を調べてみたところ、それを恋人に渡したと思われる人物も謎の事故で死亡していることが判り・・・・・一応、シンガーソングライターと殺人者の2人の視点で交互に話が展開していくのですが、殺人者側の描写が印象に欠ける感じで構成があまり活きていないような気がしました。 策に溺れたかな?
2001年12月23日
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著者自らこの作品を書くために作家を志したと認める城山三郎の原点ともいうべき作品です。お国のため、天皇のためという大義を信じ、全てを擲って戦争に捧げた人々が降伏によって何を思い、何を感じたかが皇太子に対する考えや行動を通して描かれており、非常に重い内容ですが雰囲気は意外に明るい・・・と言うかまっすぐな感じがして不思議な清々しさのようなものがありますね。私の世代では既に想像することしかできませんが“皇太子とは自分にとって何であるか”ということが生涯最大の問いであったと言い切る著者の思いが込められた一殺です。
2001年12月22日
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ビリヤード、特にスリークッションをやらせたら勝てる相手は居ないとまで言われた腕を持ちながら何故かキューを捨て、喫茶店のマスターに落ち着いた父、それに反発と尊敬の入り混じった気持ちを抱いてビリヤードで小遣い稼ぎをしながら遊び暮らす息子、そして自分の進む道を決められないまま就職活動の傍ら喫茶店でバイトをしている青年を中心に、ミナミの歓楽街に生きる人間模様を描いた作品です。大阪ならではの雰囲気が読んでいて気持ちいいです。色々な過去や現在を持ちながらも生きているという実感が得られるような気がしました。 お薦め。
2001年12月21日
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新人王決定戦まで進みながら相手陣営の策で試合前夜に女と酒の誘惑に負け、無様に敗れた主人公は八百長のボクシングで金を稼ぐ日々を送っていた。そんな彼の前に巨大な体躯を持つ2人のプロレスラーが現れた。 彼等は何故か強引に主人公たちと同行し、偶然出会った主人公の元恋人も加わり、不思議な一行は各地を流れるうちにあるボクサーから封筒を届けるよう頼まれた。 ところが届け先の男は殺されており封筒を開けてみたところ、そこには元イラン国王パーレヴィの隠し財宝の場所が書かれていた。こうして主人公達は財宝を巡ってマフィア、CIA、モサド入り乱れる争いへと巻き込まれてゆく・・・内容だけ聞くとかなり無茶ですが、それを逆手に取った展開が楽しく読めました。 キャラの濃さも上手く調和していて強引さもあまり気になりませんでした。尤も、気になる人には合わないかも知れません。
2001年12月20日
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人柄は良いが滅法酒好きの叔父、良くも悪くも細かくて人使いの荒い叔母、顔立ちは整っているがじゃじゃ馬の従姉妹と共に暮らす獄医の主人公が様々な事件に巻き込まれ、首を突っ込んで解決されるまでの人間模様を描いた短編連作集です。登場人物を見ても分かる通り、人間臭く親しみ易い設定と展開で時代物の中でも気軽に読み進められます。話そのものは繋がってないけど時系列的に一応、「○○の檻」というシリーズでこれは4冊目の最終巻にあたるので興味があったら「春秋の檻」からどうぞ。
2001年12月19日
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切れ者だが利益の為には手段を選ばない多国籍企業の総帥である兄と、エネルギッシュで部下の心を掴むことに長けた中小企業の社長と代議士を兼ねる弟は性格の違いから事あるごとに対立し、反目し合っていた。そんな中、弟が激務に倒れ心筋梗塞で死亡すると兄は会社の整理に乗り出し、感情的としか思えない強引なやり口で未亡人を役員から外し、弟が会社から借金をしていたことをたてに弔慰金も出さず取り立ての催促を始めるようになった。読んでいて胸が悪くなるような展開ですが、これが実話をもとに書かれているというのが更に驚きです。主題は弟が社長になるまでの苦労や努力と、彼の死後の兄の仕打ちを対比させることで社長という存在を考えさせるものではなかったかと思うのですが、兄の冷酷さが強く出すぎた感があります。
2001年12月18日
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探偵小説家である主人公は友人からある依頼を受けた。親戚の娘に不気味な手紙が送られてきたので彼女を安心させるのと調査を兼ねてその屋敷に滞在して欲しいというのである。 承知した主人公は友人と共に屋敷へ向かったが、到着したその日のうちに恐ろしい殺人事件が起こった。 被害者は首を切り取られ、しかも凶器と思われる日本刀は事件が起きたはずの時間には金庫に入っていたのである。明智小五郎と並び日本を代表する名探偵、金田一耕助が活躍する本格派推理小説で同著者の「本陣殺人事件」や「犬神家の一族」と同じく過去の主従関係や血の持つ怨念と堅牢なトリックを巧みに組み合わせた内容はさすがと思わせられるものがあります。 やや古さも感じますが、逆にそれが雰囲気を出している一殺ですね。
2001年12月17日
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シェ・タチバナこと立花隆がマンションの床を抜いたほどの蔵書や資料の一部、これまでの読書生活などを紹介しているエッセイ(?)集です。私も1日1殺を2年以上続けているし、子供の頃から読書量には自信がありますが、この人にはかないません。小学校低学年で漱石は幾ら何でも早熟すぎでしょう(笑)尤も、その後は読むための読書というよりも知識や情報を得るための読書に転向し、そういう読み方のコツや読書録などが綴られていて興味深く読めました。本好きなら読んでおいて損は無い1殺。
2001年12月16日
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経済小説を多く手がけている著者が日本の経済や経営、社員教育などについて感じたことや思うことを述べているエッセイ(?)集です。タイトル通り、考えるよりもまず働くことが良しとされる方針や考え方に疑問を投げかけ、経営者や大企業の立場を優先し、弱者のことを考えない日本の経済システムを憂えるなど苦言の多い内容ですが、それに終始しているわけではなく現状の提示や分析も行うことで読者にも考えさせるところが良いと思いました。 多少内容が古い感はありますが。
2001年12月15日
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主人公は自動車で事故に遭い、気が付くと見知らぬ部屋に居た。 それどころか自分が誰なのかすらわからなくなっていた。 所持品を調べて自分の本名は判ったが実感は湧かず、何でもいいから思い出そうとするうちに6月19日という日付と、その日に結婚式を挙げるということを思い出した。 しかし相手も場所も思い出せず、しかも6月19日は1週間後だった。記憶喪失による自分探しという題材は意外に使われていますが、1週間後に結婚式を控えているという設定が独創的で、二転三転する展開も興味深く読めました。読み易いけどしっかりしたミステリィです。
2001年12月14日
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学生時代からの友人と奥穂高の難所に挑んだ主人公はザイルが切れるという信じられない事故によってその友人を失った。 追い打ちをかけるように切れるはずのないザイルが切れたのは取り扱いに不備があったのではないか、或いは人為的に切られたものではないかなどという不躾な憶測が飛び交い、死んだ友人の女性問題なども絡んで主人公は苦しい立場に立たされる。 それでもザイルが切れたのは事故だったと固く信じる主人公だったが・・・・・雄大で厳しい山の情景と、せせこましい人間の営みの対比が効果的でメリハリのある内容ですね。無骨な主人公ゆえの信念と迷いも上手く描けていると思いました。 読み応えのある一殺。
2001年12月13日
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「おじゃる丸」の作者でもある犬丸りんが幸せということについて(?)Q&A、4コマ、エッセイその他様々な形で書き綴った作品集です。一見、ノー天気で軽い雰囲気ですが、その通りです(笑)だからと言って不真面目というわけではなく、くよくよしても始まらないから前向きに考えようという気持ちにさせられるところが良いですね。お馬鹿なノリを笑って受け入れられる人はどうぞ。
2001年12月12日
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ホテル側の手違いで部屋が足りず、100年以上も前に建てられた、イギリス人提督が住んでいたというビクトリア調の古い屋敷を別館として使うことになり、そこへ案内された9人の男女に恐ろしい出来事が振りかかった・・・以上(笑)ベタベタなホラー映画を活字にしただけという印象で雰囲気やホラー的な描写は悪くないものの、内容は陳腐と言ってもいいレベルですね。そういう定番ホラーが好きならともかく、景山民夫が好きというだけで読むのは止めた方が良いかも。
2001年12月11日
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乱暴な語り口ながら歯に衣着せず様々な事柄に対して真っ向から論じる姿勢に好感の持てるエッセイ集です。人によっては受け付けない可能性も大ですが。基本的に人間というのは褒めたり肯定的な文章よりも貶したり否定的な文章の方が面白く、かつ色々と考えながら読める傾向にあると思うのですが、その利点を良く活かしている作品ですね。貶すと言っても一方的にこき下ろすのではなくどうすればより良くなれるか、どうしてこういう状態になってしまったのかという展開なのも○。
2001年12月10日
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徹底したソロバン勘定と回米問屋で培った経験、それに働き一両・考え五両というモットーであらゆる知識や情報を集めて米相場からスタートし、百戦百勝。“相場の神様”とまで呼ばれた人物をモデルにした主人公の生涯を描く経済小説(?)です。貧しい農家に生まれながら、奉公に出された後は真面目な性格と常に何か考えて行動しようという心構えから徐々に貯えを増やし、その堅実な計算で相場でも勝ち続ける主人公の、幸運ではなく自分で掴み取った運という印象が気持ち良く読めました。相場以外は波瀾に富んだ人生も面白く、相場というやや古臭くて馴染みのない題材ながらお薦めの一殺。<番外編>映画版「ハリー・ポッターと賢者の石」観ました。映像、音響技術は凄いし配役や雰囲気も良かったけど原作がそれほどの評価でもない私にとっては並んで観るほどじゃねぇ、って感じでした。原作が好きなら観て損は無いでしょう。ただ、設備のヘボい映画館だと迫力50%減。
2001年12月09日
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独り暮らしの女性が監禁された末に惨殺されるという連続殺人事件が発生した。 コンビニの連続強盗事件を追っていた主人公は隣に住んでいた女子大生が失踪したことで独自に事件を追うことを決意した。そんな中、コンビニ強盗事件の捜査中に意外なことから殺人事件の容疑者が浮かび上がり、事件は急展開を見せてゆく・・・独り暮らしの孤独さと都会の中の無関心という題材はベタだけど共感を覚えて悪くなかったです。事件の絡み合いや心理描写も上手く、テンションを下げずに読み進められました。内容は少しサイコだけどお薦め。
2001年12月08日
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あることがきっかけで“フクロウ”と呼ばれる殺し屋を追っている主人公はフクロウが必ず仕事の後現場に戻るらしいという情報を知って殺人現場を専門に撮るカメラマンになった。その主人公が良く足を運ぶバーには様々な裏の世界の人間たちが居り、中にはフクロウから守るためのボディガードを依頼されているという人物も居た。彼はその依頼を受けるかどうかで迷っていたがバーのマスターがフクロウらしい手口で殺されたことで主人公と既に組んでいたフクロウに弟を殺された元軍人と組み、その依頼人を囮にすることでフクロウと対決することを決意した・・・雰囲気や内容は悪くないけど主題(?)となっている烙印の描写が弱くて少し納得がいかない気がしました。雰囲気にこだわりすぎてまわりくどい感じですね。
2001年12月07日
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柳美里の公演(?)や対談を本に纏めたものです。ジャンルとしてはエッセイに近い印象ですね。内容はタイトル通り「自殺」。自分でも自殺を考えたことがあるという柳美里と高校生達との対談は一種の真摯さのようなものが感じられて悪くなかったです。 ただ、内容そのものは在り来りで青臭い感じもあってあまり感銘は受けません。私がスレてるせいかも知れませんが(笑)微妙に人を選ぶ一殺です。
2001年12月06日
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職場の新年会に備えて加賀友禅を買いに行った主人公はある着物の柄に強く惹き付けられるものを感じた。聞けばまだ作者は若いながら加賀友禅の第一人者の弟子として独自の感性に期待されているとのことだった。主人公はその作者に偶然呉服屋で出会い、その後も知人の手伝いなどで会う機会を重ねるごとに彼の作品だけでなく彼自身にも惹かれてゆく・・・恋愛小説としては金沢という舞台や着物という題材が落ち着いた雰囲気を醸し出している中で、恋愛の光と影が控え目かつ情熱的に描かれていて立原正秋のような印象も受けますが、現代人(?)らしい感性も生きていて悪くなかったです。 ただ、無難過ぎる感じも。
2001年12月05日
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サラリーマン生活に馴染めず、会社を辞めて翻訳の仕事で生計を立てている主人公はある日高尾山で黒い箱を手に空を飛ぶ男性を見かけた。夢を見たような気分で仕事場のマンションに行くと何故か鍵が開いており、部屋には見知らぬ女性が当たり前のような顔で待っていた。追い返して家に帰ると妻は行先も告げずに旅に出ていた。その後も謎の女性は仕事場に出没し、戸惑いながらも少しずつその生活に慣れてゆく主人公を通して使い方や役割はわかるものの内部はどうなっているのか理解できないブラックボックスだらけになってしまった世を描いた作品です。黒い箱という題材の使い方が若干強引な気もしますが内容や雰囲気はとても興味深く読むことができました。わからないものはわからないままでいい、黒い箱は納得し、折り合っていくだけという考え方も面白くて1つの在りようだと思いますね。
2001年12月04日
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毎年兄と来て帰る前に来年のためのウォッカを冷凍庫へ入れておいた海沿いの家を題材にした表題作の他、酒や時計、手袋などその物体そのものよりもそれに込められた想いや意味を感じさせる短編集です。ハードボイルドの欠片、という印象で雰囲気はとても好きですが、短編と言うよりも1シーンで終わる内容は少し物足りなく感じるところもあるかも知れません。尤も、そういう内容ならではの良さもあるのでこれはこれで完成しているという考え方もありますね。
2001年12月03日
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ファミリーレストランで突然男が炎上し、周囲にも大きな被害を与えて死亡した。 調査の結果、ベルトに爆燃性の薬品と時限発火装置が仕込まれていたことが判明し、殺人事件として捜査が進められることになった。また、男の足にはかなり大きな犬らしき獣の咬傷がありその原因も含めた捜査の最中、獣による連続咬殺事件が起こり、事件は思わぬ展開を見せてゆく・・・独創的な事件の内容もさることながら主人公の女刑事とパートナーを組むことになったベテラン刑事のやりとりを通した男女差別や家族の問題、動物とのふれ合いなど様々な題材を内包した内容が上手く絡み合って読み応えがありました。 ミステリィにして直木賞受賞というのも頷ける作品ですね。
2001年12月02日
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著者のベストセラーである「リング」、「らせん」そして「ループ」のサイドストーリー3本を収録した作品です。当然ながら(?)そちらの方を読んでないと話の筋が見えません。 雰囲気は悪くないけど内容的には片輪ですね、そういう意味では。読んだことのある人にとっては作品世界を更に良く知ることはできますが、ホラーという性質上、背景が見え過ぎるのは良いことかどうかは微妙です(笑)あくまでもオプション的な位置付けとして読むかどうかは本編に対する感想で決めるのが良いでしょう。
2001年12月01日
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