King of a suicidal explosion
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大晦日と言う日は年に1度、都心(自分が生まれた地)に行き「そば寿司」を買うのだ。幼い頃から食べているので、コレを食べないと年が越せない(気がする)。前日からの天気予報で東京も雪が降るようで、あまり乗り気ではなかった。それは数年前に体験した大雪での遭難まがいの出来事があったからで、クルマでしか移動手段のない自分にとってまさに命がけ(大袈裟)とも言える愚行だからだ。(過去回想)それは夕方4時過ぎから降り出した。客先から出るとけっこうな雪が降っていた。そのまま道をまっすぐ下ると自宅へ着くのだが、クソ真面目な性格もあって、その日は特に予定もなかったのに会社に戻った。みるみるうちに雪は激しさを増し、会社で定時を迎えるとさすがにヤバいと思い、クルマを出して帰路についた。もうその頃には道路に雪がうっすらと積もっていたため、普段使わない高速道路で早く自宅へ・・・と考えたのが過ちの始まりであった。時刻は午後6時。皇居近くの入り口から高速に入ったらそこがまた大渋滞であり、入ってすぐのトンネルで停車。そこで3時間を経過した。普段なら10分もかからないトンネルである。止まってはノロノロを繰り返し、トンネル出口で異様な光景を目にするのだった。トンネル出口はけっこうな坂になっていて、クルマがそこを登れないのだ。滑って・・・。チェーンを付ける場所さえなく、またこの大都会でチェーンなど装備しているものは皆無であったためか、2車線ある道路を1台ずつ無理やりというか、力任せにオケツを振りながら坂を登るという光景だった。積雪はこの数時間で異常なくらい積もっていた。すでに道の端、路側帯に置き去りになっているクルマさえあった。さすがにこれにはあせった。こっちはFF車とはいえ、タイヤはノーマルでそれも名前さえわからないアルミホイール付4本¥35800という格安のもので、普通のカーブでもそれは外れない?パンクしない?というくらいの悲鳴を上げるものだった。幸いそのまま坂を登りきったが・・・(FF車万歳!)しかしすでに雪はぼっこぼこに降っており、東名高速に向かう3号線に入る頃にはまた数時間を要したのであった。この3号線というのは国道246号に真上を通る高架であり、うれしいことに道路の起伏というか上ったり下りたりを繰り返す難所である。積もった雪でブレーキを踏むと、即座に滑る。あたりまえだ。それにチェーンなんか持ってない。坂道で止まるとその状態で止まっていることはない。上り坂ではずるずる~っと下がる。下り坂では進む。みんなこんな調子なので危なくて前後のクルマは車間を開ける。ここは東京じゃない・・・・ラジオからはどこどこの道が止まっているという情報が入ってくる。自分のいる首都高速も通行止めらしい。(まだいるのに・・・)でもちょっとばかしは進んでる。どこに行くのだろうか不安がよぎる。渋谷の降り口は閉鎖。次の降り口は三軒茶屋。時間は午前1時を回った。しかし、ここにきてクルマの数はめっきり減った。道路に置きっぱなしで放棄された車両あり、進行を断念して退避しているものあり・・・。しばらくは誰も走っていない、前が雪で見えない道路を滑りながら走って行った。もしかしたら、このまま自分の降りる用賀まで行けるかも・・・三軒茶屋の下り口は開いていたが、高架から降りる坂が急で止まれないと判断した。道路情報では降りた後もどこも通行止めで足止めだ。このまま用賀で下り、環八に出た方が得策だろうし、道はこんなに空いている。が、それがまたもや過ちであった。しばらくして東名高速の全面通行止めがラジオから伝わる。道は相変わらず誰も居ない。たぶんみんな用賀で降りているのだろう・・・。そして用賀出口まで数キロというところで前方に車列が見えて止まった。止まったのはいいが一向に前に進まない。ぼっこぼこの雪の中、クルマを降りて前方に歩いていくと、その列は東名高速開通待ち?トラックの運ちゃんなんか寝てやんの。動かないし・・・。1人1人起こすわけにもいかず、なにしろ動いてないんだもの。クルマに戻るとこちらももうアキラメムードが漂い始めた。ここで次のトラブルである。ガソリンが少なくなってる・・・・。動かないクルマを暖房のみに使っているわけにもいかず、またこのビバークがいつまで続くかわからないのでコートをかけてシートを倒し、エンジンを切った。ヤバいかも・・・それでもいつ動くかわからない車列の中、寝るなんてことはできずいつまで降り続くかわからない雪を見てたらやってきた。生理現象がぁ。(液体の方ね)選択肢は3つ・・・1.激しく降ってる雪の中、外に出てする。2.我慢する(すでに限界なので却下)3.クルマの中でする。幸いくるまにはコンビニの袋がたくさんあったし、ティッシュもあるので袋の中にティッシュを詰め込み、シートに座ったままに決定!しかし、これがまたしづらい。なにせはじめての経験だった。腰を浮かし、(というか行ったことないけどソ~○の「潜望鏡」状態?)コートで隠した中で数回に分けてミッションを完遂した。(30分以上を要した。)そんなまんじりとしない時間を過ごし、夜は明けた・・・。でも出口にはまだかなりの距離があった。午前9時頃、雪の日の次の日は晴れという東京ジンクス(?)の通り陽まで照ってきて、道の雪も融け始めているとき、前方から1台1台クルマを覗き込む人間を発見。JHの職員だった。一晩をこの逃げられない状況下で過ごした労をねぎらうかの如く、食料の配給であった。パン1つと牛乳を取ると、「遠慮せずにもっととっていい」とのことで、パンをあと3つ取り、「あ、家内が用賀インターのトイレ行ってるので・・・」とウソをつき、さらに牛乳1つとパン2つを頂戴した。そうしてやっと出口を下り、もうすっかりチェーンなんかつけて走ってるクルマもいない環八に出てすぐの自宅に着くと昼の12時を回っていた。会社を出て18時間・・・。遭難しかけた・・・かも。(現実に戻る)家を出ると雪が降り始めた。また前のようなことはイヤだ。一刻も早く目的地に着いて帰って来たい。都心へ向かう高速は空いているはずと用賀入路まで行くと普段15~20分の表示が65分だった。また身動きが取れなくなるのが怖く、国道を選択。高速は事故だったらしく、国道はガラガラで雪も止んだようだったので1時間程度でそば屋に到着。そば寿司を確保したあたりでまた雪が降りだした。それも今度こそ積もるようなイキオイで・・・。なので、すぐに出発。当然高速道路の選択も考えたが、ウラになる可能性もあるのでまた国道選択。国道は件の高速の下を通るので雪は関係ないが、だんだん道が詰まってきたし、高架下ではない歩道には雪が積もり、歩いている者が足を取られている・・・。三軒茶屋で高架下から抜ける道を選択したのは、これだけ降っている雪でも交通量がある道ならばタイヤの跡をだどれば滑らないと思ったから。しばらくして東名が止まったと聞く。けけけ。国道外れて正解。とはいっても、この日の降り方もハンパじゃなく、止まってるクルマの屋根には少なくとも5センチは積もっている。でもそれもあと数回角を曲がれば家に着く。が、降り積もった雪は容赦なくタイヤを滑らせ、ハンドルを取る。止まるのだって一苦労だ。あ、そうだ・・・タイヤが減って換えなきゃダメだったんだぁ。角を曲がるのだって最徐行。発進もセカンド。もう完全に初心者以下。という状況でやっとたどりつく。帰路2時間(ふつーは1時間)。首都高、東名は通行止めなので、乗ってたらあの時の再来だった。それにあと30分出るのが遅れたら・・・遭難だったろう。あの18時間の授業はムダではなかった。東京ったらこんなトコ。
2004.12.31
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