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ビジネスパーソンが職場で「何を言うか」を考えるとき、多くの人は「これは言っていいことか、言ってはいけないことか」という二択で判断しがちです。
しかし、実際の職場には、その二つの間にもう一つ、大きな領域があります。
「言ってもいい。でも、あなたの評価は下がる」
という言葉です。
たとえば、会議で上司から「この企画についてどう思う?」と聞かれたとします。
「正直、私はこの企画にはあまり意味がないと思います」
これは、おそらく「言ってはいけないこと」ではありません。
意見を求められた以上、反対意見を述べること自体は悪いことではないでしょう。
ただし、言い方やタイミングによっては、「この人は否定から入る」「協調性がない」「相手の立場を考えない」と評価される可能性があります。
同じ内容でも、
「目的は理解しています。そのうえで、実行する場合には○○のリスクがあると思います。もし可能であれば、△△という方法も検討したいです」
と言えば、印象は大きく変わります。
つまり、仕事における発言は、 正しいか間違っているかだけでは評価されないのです。
「事実だから言った」
「正論だから言った」
「聞かれたから答えた」
これだけでは不十分です。
重要なのは、 その発言によって、相手に自分がどういう人間だと認識されるかです。
「それ、前にも失敗しましたよね」
「私はそう思いません」「それは○○さんの仕事じゃないですか?」
「そんなことも知らないんですか?」
これらも、状況によっては事実だったり、正当な指摘だったりします。
しかし、わざわざ口にすることで、自分の評価を下げることがあります。
職場では、「言ってはいけないこと」よりも、むしろこの**「言ってもいいけれど、言わないほうが得なこと」**のほうが圧倒的に多いのです。
これは、黙って我慢しろという話ではありません。
必要な指摘はするべきです。問題があれば伝えるべきです。
間違っていることに対して声を上げることも大切です。
ただし、そのときに考えたいのが、
「言う権利があるか」ではなく、「今、この言い方で言う必要があるか」
という視点です。
言葉には内容だけでなく、「タイミング」「相手」「場所」「言い方」があります。
正しいことを言う能力と、正しいことを 相手が受け取りやすい形で伝える能力は別物です。
そして、会社で評価されるのは、必ずしも「何でも率直に言う人」ではありません。
「必要なことは言う。でも、余計な一言は言わない」
「相手の間違いを指摘する。でも、相手の面子を潰さない」
「自分の意見を持っている。でも、相手の意見も尊重する」
そういう人は、単に「発言が正しい人」ではなく、 一緒に仕事をしたい人として評価されます。
だからこそ、発言する前に一度だけ考えてみる。
「これは言ってはいけないことか?」
だけではなく、
「これは言ってもいい。でも、言うことで自分の評価を下げないか?」
と。
この一呼吸ができるだけで、職場での人間関係も、自分の評価も、少しずつ変わっていきます。
仕事ができる人ほど、「言うべきこと」だけでなく、 「言わなくてもいいこと」も見極めています。
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