浅きを去って深きに就く

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

March 5, 2016
XML
カテゴリ: 文化
過酷な労働に当たっている人は、時々、配置換えも行ったり、食料を分け合ったりしたといいます。建設への貢献が大きかったからと、ソ連側から先に日本に帰国させてやろうと言われた人がいました。しかし、彼は言うのです。「体が弱っている者がいる。彼らを先に返してほしい。ただし、このことは誰にも言わないでもらいたい」

永田さんは457人全員の名前と住所をすべて覚えたといいます。紙に書くとスパイだと疑われかねません。そこで毎日、朝と晩、復唱し頭にたたき込んだというのです。

京都・舞鶴港に帰還した後、ほとんどの人が一目散に郷里を目指す中にあって、永田さんは舞鶴に数日間とどまりました。記憶した名前と住所を紙に記し名簿化するためです。郷里に帰れば多くの人に会って忘れてしまうかもしれない。そう語っていました。

彼らは、ほとんどが10代から20代。永田さんも24歳という若さでした。その若者たちによるリーダーシップ、皆で成し遂げようとする姿などは稀有な例ではないでしょうか。



私は、ナボイ劇場の建設に従事した日本兵捕虜の話を約10年にわたって取材。昨年の秋に『シルクロードにオペラハウスを建てた』(角川書店)として上梓しました。

昨年は戦後70年ということもあり、日本や日本人の在り方について議論がさまざまに交わされました。しかし、世界に向き合う日本はどうあるべきか、もっと根本的な議論がなされてもよかったのではないか。そう感じてなりません。
戦争は二度と繰り返してはいけない。その上で、過酷な状況の中で自分も仲間も生かしつつ一大プロジェクトを成し遂げた若者たちがいたことを、多くの方に知っていただければと思っています。

(ジャーナリスト、NPO法人ウズベキスタン協会会長)



【文化】公明新聞2016.1.20

(おわり)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  March 5, 2016 03:45:57 AM
コメントを書く
[文化] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

聖書預言@ Re:池上兄弟とその妻たちへの日蓮の教え(10/14) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
背番号のないエースG @ 関東大震災 「福田村事件」に、上記の内容について記…
とりと@ Re:問われる生殖医療への応用の可否(04/03) 面白い記事なんですが、誤字が気になる。
とりと@ Re:●日本政策研究センター=伊藤哲夫の主張(03/21) いつも興味深い文献をご紹介いただき、あ…
三土明笑@ Re:間違いだらけの靖国論議(11/26) 中野先生の書評をこうして広めていただけ…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: