浅きを去って深きに就く

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March 23, 2016
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カテゴリ: 抜き書き
ある社長の息子である。

親の財産と会社をついだが、結局それらのものをすべてなくしてしまった。理由は簡単である。彼には自己主張がなかった。したがって彼を操作して、甘い汁を吸おうというずるい人ばかりを周囲に引きつけてしまった。周囲の人は、彼を、他人にとって望ましいことをしなければならないという“べき”で包囲した。

彼は周囲の人の“好意”と“尊敬”を維持するために、周囲から望まれることをした。彼は周囲の期待にこたえ、“尊敬”されることで、自分の内面の空白から目をそむけていたのである。しかも彼は、周囲からその時に得ている“尊敬”が、本当の尊敬ではないということを気づかなかったのである。

操作するための“尊敬”であったにもかかわらず、彼は自分が尊敬されていると勘違いした。見捨てられることにおびえていたから相手の本心が見ぬけない。

彼は自分が社長であるためには、周囲から望まれることを、つねにする必要があると錯覚していた。この“べき”に奉仕し過ぎて、本当の自分は空無と化していたのである。

やがて会社はかたむき、財産はなくなった。その時、彼は愕然とした。今まで“この世に二人といない社長”というほど自分を“尊敬”していた周囲の人々は、口汚く自分をののしりだしたのである。

そかも、ののしることまでが操作で、周囲の人々は最期の血の一滴までしぼりとろうとした。その社長は何と自分の家族を養うのに精いっぱいだったところへもってきて、住んでいた家まで売られてしまったのである。

社長にむかって会社の中で、「出ていけ」とまで周囲はののしった。それまでは、「社長は人がよすぎるところがある。少し隠し財産でもつくったほうがいいんじゃないんですか」とまで言っていた人が、やはり「出ていけ」と言って、住んでいる家屋敷を売りとばす手続きをとりだしたという。

見捨てられる恐怖から、他人にとりいることを続け、自己を空無化してしまった人間の末路である。








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Last updated  March 23, 2016 05:58:01 AM
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