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まず笑顔や姿勢を意識
坂本九さんの歌「上を向いて歩こう」の作詞などでよく知られる永六輔さんが亡くなった。以前に通っていた理髪店のラジオから流れてくる永さんの軽妙な語り口が好きだっただけに、とても残念な思いがする。
「上を向いて歩こう」というのは、心の健康にとっても大切な発想だ。悲しいからといって下を向いて歩いていると、ますます気持ちが沈んでくる。上を向いて歩けば心が強くなる感じがする。
ある本にシンクロナイズドスイミングの選手の笑顔について書かれていた。選手は、会場に入るときに満面の笑みを浮かべている。演技をする前にさぞ緊張しているはずなのになぜあのような笑顔になれるのが不思議思っていたが、その本によると、意識的に笑顔を作っているのだという。
逆に、そうしなければプレッシャーに押しつぶされてしまう。そうならないために笑顔を作る。笑顔になれば緊張が和らいで、演技で本来の力を発揮できる。
これは「外から内へ」と呼ばれるこころの働きだ。一般に私たちは楽しいから笑うと考える。悲しいから泣くというのも同じだが、これは内(こころ)が外(表情や態度)に影響するという意味で「内から外」への影響と呼ばれる。逆に、表情や態度がこころの状態に影響することが研究からわかっている。
笑顔になればポジティブな情報が入りやすく、緊張が和らぐ。背筋を伸ばして前を向いて歩けば、気持ちも前向きになってくる。まさに「笑う門には福来る福来る」だ。だからこそ「上を向いて歩こう」の歌に励まされた人がおおかったのだろう。
(認知行動療法研修開発センター 大野裕)
【こころの健康学】日本経済新聞 2016.7.24
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