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カテゴリ: ネット論
「わら人形論法」

 これは、なにかの相手=対象を批判するさいに、対象について自分できちんと調べたり理解することを省いて、頭の中だけで適当にでっちあげたイメージであるとか、単なる世間的なイメージ、あるいはどこかの誰が言ったようなことを鵜呑みにし、批判してみせる論法のことである。

 こういう批判のしかたというものは別に新しいものではなく、昔々のローマ教会による異端派狩りのように、ことさら意図的に行われることもある。つまり、こいつらはこんなにひどい悪魔のような連中なのだというように、相手の言葉などを一方的に歪曲して宣伝し批判してみせるわけだ。

 いつの時代でもどこの国でも、大掛かりな政治的弾圧や宗教的弾圧などでは、多かれ少なかれこういった論法が用いられる。そういった例は、たとえば江戸時代のキリシタン弾圧、ナチスによるユダヤ人迫害、かつての共産党による 「トロツキズム批判」、戦後アメリカの映画界などで吹き荒れた 「マッカーシズム」 と呼ばれる赤狩りなど、枚挙にいとまがない。

 こういう宣伝が大々的に行われると、トロツキーやマルクスなど一度も読んだことがないような人たち、ユダヤ人と付き合ったことがないような人たちまで、なんて悪いやつらだ、世の中が悪いのはすべてこいつらのせいなんだとばかりに憎悪を燃やし、自分たちの回りにもそのような悪魔の手先が潜んでいやしないかと、あわててかぎまわり始めたりするのである。

 最近の 「左翼たたき」 だとか 「リベラルたたき」 みたいな風潮にも、往々にしてこのような傾向が見られる。相手の主張をきちんと聞いたり、その論拠を確かめることもせずに、「反日」 だの 「自虐」 だのといった誰かが言い出したようなレッテルだけ貼って、 「お前の言いたいことなんてどうせこんなもんだろう」 などと決め付けるような態度は、その最たるものだろう。

 こういう論法を意図的に使う相手に対しては、そもそも議論など成り立たぬものだが、困ってしまうのは、本人は善意なのかもしれないが、そういう意図的な歪曲や宣伝などを真に受けて、「そうだ、そうだ、そのとおりだ」 と同調してしまっている人や、自分では気付かず無意識のうちに、そういった論法に陥っている人が結構多いことである。

「カニは甲羅に似せて穴を掘る」 という諺がある。人間の理解力というものはみな限られているし、人それぞれに専門分野や得手不得手はあるものだから、自分には理解できないというようなことはいくらでもあるものだ。基礎的な知識や学習が欠けているのに、いきなり高度な理論などに跳びついたりすれば、理解が困難なのは当然である。ガリレオやニュートンについて知らない人が、いきなり相対性理論に跳びついたって分かるわけはない。

 そういうときは、「関係ないね」 とでも言って立ち去るか、基礎からちゃんと学習して本当に理解できるようになるまでとりあえず判断を留保しておけばいいのだが、人間というものはやっぱり妙なプライドを持った動物であるから、これは自分には分からないなどとは、なかなか認めたくないものなのである。

 そこで、自分の限られた知識や理解力の範囲内だけで、 「この本に書いてあることは、たぶんこういうことだろう」 とか 「この問題の本質は、要するにこういうことだろう」 みたいに、適当なところで思考を停止し、性急に 「批判」 なるものを展開してみせるのである。

 こういう人たちは、架空の敵を相手に戦いを演じ、ただの案山子を叩き伏せてみせては、 「どうだ、おれは強いだろう」 とか 「おれは頭がいいだろう」 みたいに威張っているのだが、傍から見ていると馬鹿馬鹿しくってしょうがない。どう見てもかえって自分の無知や不勉強、理解力の不足を世間にさらしているだけなのだが、当人だけはそのことに気付いていないのである。


 ああっ、天から唾が





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Last updated  2008.09.04 06:24:36 コメント(9) | コメントを書く


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