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おかあさんに、手紙を書いてみようと思うけど、 どうしてもかけない。 だってさ、 手紙を書くっていうことは、 それを読んでもらうっていうのが前提でしょ? いないんだもん。 どこにもいないんだもん。 どこか遠くとか、 お空の上とか、 死んだあとの国とか、 そこにいるというのなら、 手紙を書くより前に、 私は母に会いに行きたい。 どうしても、どうしても、会いたい。 どんなことをしてでも、 会いたいんだよ、おかあさん。
2016年10月28日
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NHKの番組制作会社が、 私のドキュメンタリー番組を作ってくださった。 暑い夏に、 買ったばかりの部屋のエアコンと、 車のエアコンが同時に壊れてしまった時期でした。 丁寧に話を聞いてくださり、 石巻まで一緒に車を走らせ、 車に乗るところや、車の中の様子もカメラを回していました。 とても美しい一番お気に入りの場所である、 日和山から北上川の河口を眺められるところと、 もう何にもないすすきが揺れている実家の跡も、 撮影なさっていきました。 その放送日が決まり、 番組のディレクターから連絡が来た時に、 それを知らせる人が、あまりにいなさすぎる自分にびっくりしました。 一番知らせたいと頭に浮かんだのは、 やっぱり「母」でした。 なんでもかんでも、 すぐに母に連絡して、 母とたくさん話していた私は、 いつも無意識に母の存在を探し求めてしまいます。 そして、もういないのだということに、 また、あらためて気づくのです。
2016年10月26日
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こころがざわざわとささくれだつ 一度壊れたものは、 二度ともとどおりにはならない。 やはり私は、 さよならしてからではないと、 前に進めない、 そんな馬鹿者だと思います。 理屈ではない 嫌なものは嫌なのです。 震災のあと、決めたのです。 嫌だと感じたことはしない、と。 嫌いになった人とは、離れると。 よっぽどのことがなければ、 そんなことにはならないのですけれど。
2016年10月24日
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10月23日は、 お父さんの誕生日。 生きていたとしたら、 今年で、88歳。 だから、 もし、津波で助かっていたとしても、 今年まで生きているかはわからない年齢。 足はちょっと悪かったけれど、 頭はしっかりしていたから、 もし生きていて、 私が「おめでとう」の電話をしなかったら、 いじけて、きれいな文字できれいな指先で、 嫌味たっぷりの短歌を一首詠んでいたにちがいない。 もっともっと、してあげれることが、たくさんあっただろうに。 息子の成長を、息子の大学や大学院進学や、 海外への留学や、いろんな国へプライベートで、学校のカリキュラムで出かけたことを、 いちばん喜んでくれたのは、父と母だったろうに。 プライドが高くて、 車椅子はおろか、 杖をつくことも拒み、 家中に手すりを付けた工事のあとは、 母の支えも極力不要と意地を張り通し、 方や腕の筋肉だけが、隆々としていたっけ。 息子の高校の卒業式には、 車椅子でもなんでも必ず出席すると言っていたのに。 そんなんだから、 きっと、今年の春の武道館での最高学府の入学式にも、 やっぱりなにがなんでも出席してくれただろうね。 近くには、ずっと行きたかったであろう、 でも、ずっと行けなかったであろう、 靖国神社もあるんだよ。 そこに一緒にいったのにね。 おとうさん。
2016年10月23日
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6年と7ヶ月と9日経ったって、 人の前で震災の体験を話す活動を続けていたって、 大好きな母と無残な形で別れた苦しみからは私は救われない。 この苦しみは乗り越えたり、忘れたふりを、無理してしなくても良いのだと教わってから、 少しだけ楽になった。 背負っていけないのなら、ずるずるひきずってでも持っていかなければいけないこの事実。 これだけだって十分しんどいのに、 人から見たら小さい小さい嫌なこと、 生きてりゃたくさんあるんですわ。 自分のしたことたなにあげて、 私のことを悪者にしたがる人が、 信じていた人の中に、いるんですよ。 嫌な予感はしていたのよ。 私も自己中だけれど、 その人も自己中。 必死に悩んで決断してその人のための思ってしたことなのに、 こんなかたちで裏切られるなんて。 私もまだまだ甘いなあと痛感。 でも、がれきの中から、泥と砂にまみれた母を引き出したことに比べたら、 こんなしょうもないこと、どうでもいいわ。 さっさとさよならして、 次に行きましょう。 人生毎日カウントダウン。 無駄な時間はありません。 何度裏切られても、 人を信じてしまうこのおバカさ加減は、 母によく叱られたものでした。 嫌な人は、嫌な渦に巻き込まれていなくなれ。 淀んだ空気の中でいつまでももまれていればいい。 きっとどこかでこのしっぺがえしはあるでしょう。 大好きなあの子がその昔教えてくれました。 嫌な人とは離れるのが一番。 そのひとのために使っていた時間を、 うちのにゃんこたちをひとなででもふたなででもする時間に使いましょう。 さあ、週末はまた私に新しい風がふく予感。 この出会いは、また新たな道を指し示してくれる。 そんなパワーを持った人たちと会うことができる。 静かにされど「今」を生きていく。
2016年10月20日
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