水谷修先生の語りは引き込まれます。
一時期、NHKか何かで語られたシーンを
音声で取り込んでCDに入れ、そのCDに「 教師力
」と名付けて、何度も聞いていたことがあります。
道徳の時間に水谷先生のエピソードが映像化されたドラマを10分ほど見せたこともあります。
本当に一生懸命、「いま」を生きておられる先生だからこそ響いてくる言葉が、そこにはあります。
そんな水谷先生の、震災後に出版された本です。
『夜回り先生いのちの授業
』
(水谷修、日本評論社、2011/7、1200円)
この本には、水谷先生が子どもたちに語りかけられる内容が、
そのまま書いてあります。
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『夜回り先生 いのちの授業』
・「平等」は正しく美しい言葉に聞こえますが、
現実の社会では「悪平等」ということにもなります。
悪平等とは、公正な評価をせずただ一律に平等に扱うために、
かえって不公平になることをいいます。
・さらに、私は「平等」に機械的な冷たさを感じます。
優しさや思いやりを感じることができません。
私はこの国の社会が「公正」になってほしいと、いつも考えています。
「悪平等」の例がいくつか載っていて、本当はそれを引用すると
大変よくわかるのですが、長くなるのでやめます。
安易に”「平等」=いいこと”みたいに思っていました。
機会が「公正」でない不平等は是正されなければなりませんが、
平等だからいい、ということは一概に言えないと学びました。
「平等」「公正」という言葉に敏感になっていきたいです。
・ (私が担任をしているとき、4月に生徒たちにこう伝えました。)
「教室の掃除については、当番は決めません。
自分たちが、そして私が、毎日お世話になる教室です。
きれいにしようというこころを感じた人が掃除をすればいい」
その日から私は、率先して掃除をしました。
・最初の日から何人かの生徒たちは手伝ってくれました。
1か月後には半数以上の生徒たちが楽しそうに掃除をし、
1学期が終わるころには、ほとんど全員で
教室を毎日掃除するようになりました。
・私は、小学校、中学校、高校時代に いつも教科書を書き写していました。
じつは、これは伝統的な日本の勉強法なのです。
・寺子屋では、「 読書百遍、意おのずから通ず
」といって
『論語』などの難しい本を、意味もわからない幼いころから
ひたすら読まされ、書き写すことを命じられました。
・今も昔も、 勉強は繰り返していくことから しか、始まらないのです。
・私は自分のからだに無理をさせ、追い込むことが好きでした。
中学校の部活で仲間が校庭を20周走ったら、
自分は40周走りました。
このことが、今の私に 強い精神力
と 生きる力
を与えてくれています。
○苦しいことがあったら、逃げずにぶつかってみませんか。
そして、ちょっとだけ無理をして挑戦してみませんか。
つらい時こそ一人ぼっちで部屋に閉じこもらず、
外に出て人と触れ合うのです。
今の無理が、きっと明日の幸せをつくってくれると信じています。
・禅の基本は、「 止観無我 (しかんむが)」です。
この「観」には深い意味があります。
「感じる、想う、考える」など、すべての意識活動を意味します。
人は感じるから、想うから、考えるから、
苦しんだり悩んだりするのです。
それをやめて、自分の存在、すなわち 「我」を捨ててみる。
「止観無我」まではいきませんが、
自分のやりたいことをちょっとおいておいて、
全体のことを一番に考えると、自分の個人的な想いから解放されて、
かえって自分が生き生きできるときがあります。
実は今日、ちょっと全体としてうまくいっていないと感じることがありました。
だからこそ、全体のために何とかしたい、どうしたらいいか、と考えると、
不思議とパワーがわいてきました。
「自分はこうしたいんだ!」と我を通そうとするのとは違う感覚です。
「自分のことはおいておく」。
子どもたちにもよく言う言葉ですが、実際に本当にこれを行ってみると、
思いのほかすんなりことが運んでびっくりすることが多いです。
だからこそ、「止観無我」という言葉に惹かれました。
これを会得するとストレスなく生きていくことができそうです。
のみならず、全体を変えていくときにも、必要な力だと思います。
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本で読むのもいいですが、
水谷修先生の人間的な魅力を肌で感じるなら
やはりまずは講演映像からだと思います。
DVDが出ているのでそのリンクも貼っておきます。
【26%OFF】[DVD] 夜回り先生・水谷修のメッセージ~いいもんだよ、生きるって~
【26%OFF】[DVD] 夜回り先生・水谷修のメッセージ2 生きていてくれてありがとう
ブログを読んでいただいて、ありがとうございます。
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