ゲーム擁護論
のようなことを書いている、にかとまです。
ネット上で、子どもたちになぜゲームが人気なのか、その世界に近づいてみよう、という丁寧な論考を教えていただいたので、紹介します。
著者は、児童精神科医の 関正樹
(せき・まさき)さんです。
▼ 「
子どもたちはゲームやインターネットの世界で何をしているんだろう?」
(「こころ」のための専門メディア 金子書房 2020/8/22)
この中の第4章は、
「子どものゲーム好きと 大人は どんな風に付き合ったらいいんだろう?」
と題されています。
ゲームを悪者として排斥するのではなく、子どもたちが興味関心を持っているゲームの世界を理解するために、その入り口となりそうな論考です。
僕は通級指導の時間の中で、子どもが今何に興味を持っているのかを聞き取ります。
ゲームの話題は、わりと多いです。
緘黙のお子さんでも「どうぶつの森」のゲームの世界の中で友達とコミュニケーションをしていたりして、実際に会ってしゃべる以外の様々なコミュニケーション経路があることを、むしろ喜ばしく感じていたりします。
大人の価値観でシャットアウトしてしまうのではなく、子どもの世界に学び、よさを感じたいものだ、と思います。
ちなみに、僕も3DS版の「どうぶつの森」をちょっとやってみたりしているのですが、忙しいのでなかなかプレイせず、ちっとも進みません。僕がいない間に、「どうぶつの森」の世界では花火大会があったりして、楽しいイベントがたくさん企画されていたようです。(^^;)
上の論考第4章から少し引用してみます。
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「おしまい」のためのゲームをめぐる約束事を作っていくうえでは、子どもがどのようなゲームを好み、それを通じて何をしようとしているのかを想像したり、子どもに教えてもらったりすることが大切
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大人として、親としては、自分の子がゲームをしていると、
「もう〇時だから、終わりなさい」とか、
「ごはんだから、終わりなさい」と、声をかけることがあります。
しかし、ここで無理やり電源を切ってしまうと、重松清氏の「カレーライス」の話のように、子どもとの仲が険悪になることうけあいです。
『カレーライス 教室で出会った重松清』 (新潮文庫) [ 重松 清 ]
ゲームを早く終わらせてほしいタイミングがいっぱいあるからこそ、
ここで書かれているような
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「おしまい」のためのゲームをめぐる約束事
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を、大人が大きな目で広くとらえていくこと。
そういうことが、必要なのではないか、と思います。
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なかなか、学校の友達やリアルの友達と一緒に気軽に遊ぶことができない世の中ですから、離れていても一緒に遊べるゲームは、子どもが子どもの世界から切り離されないうえでとても大切なものになります。
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というくだりは、特に身につまされるものがあります。
子どもたちは、昔と違って気軽に思いっきり友達と遊びにくいこの世の中で、懸命に友達と遊ぼうとした結果、「ゲーム」というものを選ばざるをえなくなったのかもしれません。
続く第5章のタイトルの中に出てくるのは、 「居場所としてのゲームの世界」
。
その機能は、大人が思っているよりもずっと、切実なものかもしれません。
大人にとってゲームは暇つぶしや気晴らしの1つにすぎないかもしれませんが、
子どもにとっては、もっと切実な1つの居場所になっているのかも?
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