僕が書いた意図を、僕以上にわかってくださっている気がしました。

今、僕はスクールカウンセラーとしてあちこちの学校と関わっていますが、ある市では全市をあげて「非認知能力育成」に取り組まれています。僕もそのお手伝いをさせていただいてますが、各校で研修会をしながら、改めて、非認知能力の大切さを痛感しているところです。

その中で関係支援の宣伝もしっかりさせていただいてますが、こうしてブログに書いていただけることで、その考え方に賛同していただける方が増えることはこの上ない喜びです。

ほんとうに、ありがとうございました。 (2024.05.08 05:24:55)

きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

全て | カテゴリ未分類 | 生活をよくする | 本の紹介 | 共に生き、共に育つ | たのしいべんきょう | 個人的な日記 | 体育 | 音楽♪ | 道徳 等 | 問題解決 | 考え方 | 話し合い・話す・聞く | 特別支援教育 | 小学校 | 阪神間 地域情報 | PC・デジタル関係 | 教材・教具 | 食育(自立生活・家庭科)・園芸 | 仕事術 | 旅行(温泉含む) | 英語学習 | 環境保護・エコ | 作文・書くこと・漢字 | よのなか(社会) | いのち | 人間関係・コミュニケーション | 子育て | 地震・防災 | 算数 | 心理・カウンセリング・セラピー | 読む・音読・朗読 | エクセルでのプログラミング | 北播丹波 地域情報 | 教員免許 | 教育改革 | 休校期間お役立ち情報 | 映画 等 | 創造性をはぐくむ | プレゼン | 通級 | 健康 | ゲーム
2024.05.07
XML
以下の本の読書メモを書いています。


関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』
(拝野佳生
(はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)

今回が、第4回(最終回)です。

↓過去記事は、こちら。スマイル
第1回:  子どもたちをつなごう!
第2回: 「人権意識の”変わり目”となったエピソード」
第3回: 「『関係支援』の具体的展開」

前回の続きのページで、僕がどうしてもふれておきたいのは、 Dさんの事例
(p62~69 第2章第2節第4項「『仲間の変化』とマイペースなD」)

Dさんは転入生でした。
広汎性発達障害の診断を受けており、「ちょっと変わったやつ」という印象をもった子だったそうです。
(p62)
トラブルメーカーだったDさんですが、トラブルつづきだったところから、変化が変化を呼び、Dさんは次第に落ち着いていきます。
その説明の中で著者は、
まわりが変わってDが変わる。Dが変わり、まわりも変わる。
と書かれていました。(p65)

そして、象徴的なのが、3学期に入ってすぐの、長なわの練習のシーンです。
Dさんが長なわを跳べたことを自分のことのように喜ぶクラスメイトの作文が、紹介されていました。

その作文について、担任だった著者は、次のような感想を述べています。


・この文を書いた子はDが跳べたことをクラスの喜びとしてとらえ、
 自分が跳べたかのように素直に綴っています。
 こういう思い方ができる子を育てることが、
 「関係支援」がめざす1つの着地点だと考えています。

(p66より)




担任の経験がある者なら、こういった経験は、少なからずお持ちではないかと思います。

仲間の成功を自分の成功のことのように喜ぶ。

ここでは、自分と他者の境界線が区切られることなく、自分と他者が一体化しています。

学校でみんなと学ぶ意味 は、まさにこういったところにあるのではないかと思います。ぽっ


実は本書の後半では「着地点」だけでなく「終着点」としての事例も述べられています。


このブログ記事は公開直後に著者の拝野先生にも見ていただいているのですが、拝野先生から、次のような言葉をいただきました。

このように、関係支援の着地点は"周囲の変化"でした。しかしこの後に登場するGさんは、周囲の変化もさることながら、"本人の劇的な変化"が見られました。
 これを私は『関係支援の"ひとつの"終着点』であると言ってます。

「終着点」に関する事例は、僕は拝野先生の研修会で直接お聞きしたのですが、これは「又聞き」ではなく、ぜひ、直接ふれていただきたい事例です。

本書ではかなり詳細にそのことにふれられていますので、その詳細は、ぜひ本書でご確認ください。大笑い



ほかにも、本書ではまだまだたくさんのことが述べられています。
ただ、それを全て書いているときりがないので、最後に、ひとつだけ。
「教育の目的」を大きくとらえ直すところについて、紹介して終わりたいと思います。

前回もテーマに挙げた「育てる」ということ、「教育する」ということについて。
その全体をとう捉えるのか。

本書は一貫して、当事者の人権という視点に立った考察がされています。
最後に引用するのは、「 子どもの権利条約 」です。
その、「教育の目的」の部分です。


・子どもの権利条約(6)「教育の目的」(第29条)
 「教育は、子どもが自分のもっているよい所をのばしていくためのものです。
  教育によって、子どもが
  自分も他の人も みんな同じように大切にされるということや、
  みんなとなかよくすること、
  みんなの生きている地球の自然の大切さなどを
  学べるようにしなければなりません」


(p111 ユニセフ訳による)


非常に分かりやすく、読みやすい訳です。びっくり

本書では「ユニセフ訳」となっていますが、今ネットで検索すると、同様の内容はアムネスティ・インターナショナルのサイトで見られました。

他の条文も含めて、ぜひ読んでみてください。
▼​ 子どもの権利 - 子どもの権利条約 ​(アムネスティ日本のサイトより)

分かりやすい本も出ています。興味があればそちらも参照してください。ぽっ


『子どもの権利条約ハンドブック』
(木附 千晶・ 福田 雅章
、自由国民社、2016、1870円)

最近は、中学校の校則を子どもの意見をふまえて見直すなど、「第12条 意見を表す権利」にもスポットが当たるようになってきましたね。

本書でおこなわれている「子どもをたいせつにする」ということの具体は、子どもの権利条約に表されているような、子どもの権利に依って立つものです。

それは、決して大人の都合や、強制により、おこなわれるべきものではありません。

そういった原点を再確認して、4回にわたって書いてきた本書の読書メモを終わります。
この4回の連載記事については、公開直後に著者の拝野先生にも見ていただき、ご感想をいただくことができました。
すばらしい著書を世に出していただいたことに、改めて感謝申し上げます。
多くの皆様が本書を手に取って、読んでいただけることを、切に願います。ぽっ

たいせつなことを たいせつにしよう






「どんな子どもも、それは1つの個性であり、正解である」 ~映画「夢みる小学校」
 (2022/12/18の日記)​​

「今、学校に求められていることは?」~佐藤豊先生より
 (2007/03/17の日記)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.05.08 05:04:42
コメント(2) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:「自分も他の人もみんな同じように大切にされる」 ~拝野佳生『関係支援を核とした学級づくり』その4(05/07)  
jack2424 さん

Re:「自分も他の人もみんな同じように大切にされる」 ~拝野佳生『関係支援を核とした学級づくり』その4(05/07)  
拝野先生、何度もコメントをお寄せくださってありがとうございます。

お褒めの言葉をいただき、光栄です。(^ ^;)

「非認知能力」については僕はあまり詳しくないのですが、テストでは測れない、見えない学力といった大雑把なとらえ方をしています。先生が著書でお書きになった、仲間と共に学ぶ力は、まさに「非認知能力」の代表的なものかもしれませんね。また教えてください。(^o^)

先生のお書きになった本の内容が、読まれた皆さんの心にも響いているようです。

なんと、この4回分のブログ記事は、それぞれ現時点で
 第1回・・・19回
 第2回・・・15回
 第3回・・・10回
 第4回・・・ 7回
Facebookにて、シェアされています。
(各記事の一番下に数字が出てきます。)

こんなにシェアされていることに、驚きです!
多くの方に注目していただき、うれしいです!

今後もぜひ、多くの方に読まれますように! (2024.05.08 20:05:30)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

にかとま

にかとま

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Archives

2024.11
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: