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珈琲マニア歴が長くなりますと過去の経験から、例えば深煎りのネルドリップと聞けば、どのような珈琲なのか、珈琲を飲む前にだいたい予想できるようになります。また、ネルドリップと言っても珈琲のオイル感が多めにでて、口当たりがまろやかになるものの、それほど劇的に味が変わるわけではないとも思っていました。そんな珈琲マニアの傲慢な心を珈琲の神様がへし折ってくれた。昨年訪問した折り鶴のレビューを食べログの方に書いてみました。折り鶴では珈琲豆も数種類購入し、自宅でネルドリップで抽出してみましたが、お店で飲んだようにはなりませんでした。ネルドリップという抽出方法をもっと真剣に研究したくなりました。
May 16, 2015
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2013年の年末にバッハを訪問しました。訪問した時のレビューは食べログの方に書くことにして(食べログに投稿したバッハのレビュー)こっちにはお店で購入した珈琲豆の感想などを記しておきます。コロンビア、マンデリン、モカをそれぞれ100gずつ豆のままで購入。お店でもらったパンフレットには珈琲抽出の基本として、お湯の適温は82~83℃と書かれていたのでほぼ指示通りに抽出してみました。ただ、バッハのドリッパー(三洋産業製)は所有していないのでハリオの円錐ドリッパーと漂白したペーパーフィルターを使用。コロンビア・タミナンゴ 100g 650円中深煎り。酸味、甘味、苦味がバランスしてコロンビアならではのコクを作り出している。このコロンビアを飲んだ後で、他の自家焙煎店のコロンビアを飲むと何が加えられていて何が足りないのかが良く分かる。教科書のようなコロンビア(これは褒め言葉になっているのか?)優等生のようなコロンビア(これなら褒め言葉になっている?)このコロンビアよりも美味しいコロンビアを提供している珈琲店はたくさんあれど、それはそのお店の個性が付け加えられた結果だとすれば、正しいコロンビアはどっちなのか。珈琲の正解は一つではないので、素人の珈琲マニアとしては、自分が美味しいと思う珈琲を飲むだけですが、珈琲の世界の模範店としては、教科書のようなコロンビアを正しいとしても不思議ではない。このコロンビアを飲んでいると、これこそがコロンビア本来の味であると納得してしまう。(ぼくの味覚が、バッハの名前に負けているとも言えます。)スマトラ・マンデリン ブルーバタック 100g 750円中深煎りで、マンデリン特有の癖のある香りや苦味がきれいにでていて、甘味は控えめに感じられる。絵に描いたようなマンデリン(これは褒め言葉になっているのか?)マンデリンとしては、ややおとなしい印象ですが、このマンデリンを飲んでいると、これこそがマンデリン……(以下、コロンビアの感想の繰り返し)モカ・マタリNo,9 100g 950円中煎りの浅めの焙煎。甘くフルーティで華やかな香り。一口目の印象はフルーティ、その後から酸味、ほのかな甘味。全体に軽やかな印象。モカマタリ特有の香りが弱いように思うものの、このモカを飲んでいると、これこそがモカ……(以下、コロンビアの感想の繰り返し)最近では珈琲の世界では、サードウェーブもでてきて思いつく限りのバリエーションが溢れ珈琲を飲むだけでも何を選べばよいのか迷ってしまいます。その中でバッハの珈琲は、灯台の光のように珈琲の基本を指し示しているようでした。自宅でバッハのコロンビアを飲んでいたら、なぜかアインシュタインの言葉を思い出しました。Everything should be made as simple as possible, but not one bit simpler.
Jan 4, 2014
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あけましておめでとうございます最近は、ブログよりも食べログの方に訪問したお店のレビューを書いています。2013年の年末は、浅草を中心に、コジロウ、なにわや、カフェ・バッハを訪問しました。バッハは、長文になってしまったので次の日記に書くことにします。ではまた。
Jan 4, 2014
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8月のお盆の頃にほぼ20年ぶりにカフェ・ド・ランブルを訪問しました。レビューは食べログの方に書きました。カフェ・ド・ランブルのレビュー(食べログ)ランブルを訪問した後で、ダフニ(過去の日記)も訪問しました。最近は、東京に行ったときはダフニで珈琲豆を購入しています。ランブルとダフニ。達人の珈琲は、押し付けがましくない点で共通しているように思いました。(暑い日に訪問したので、そのように感じただけかもしれません。)
Sep 22, 2012
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昨年の年末に訪問しました。お店のホームページをみると、珈琲に関する情報があふれていて圧倒されます。しかも、すべてマスターの独自の考察によるオリジナルで珈琲の本などに書かれていないことばかりです。訪問した時のレビューを書こうと思いつつも、あまりにもお店がユニークすぎて自分の中で情報を消化しきれず、機会を逸しました。いまだに混乱していますが、忘れないうちにと思いレビューを食べログのほうに書きました。ハーモニーのレビュー(食べログ)お店を訪問して以来、自分で珈琲を抽出するときのスタイルも影響を受けていろいろと変わりました。例えば、・ペーパードリップのときに珈琲の粉を山のように円錐状に積み上げるようになった。 ただし、ぼくがやると抽出の終わり頃は山が崩れてしまいますが……・珈琲の粉をドリッパーに入れてから振動や衝撃を加えないようになった。 (ドリッパーに振動や衝撃が加わると珈琲の粉が締まってお湯が通りにくくなるため)・抽出のときのお湯をできるだけ珈琲に近づけて注ぐようになった。 (お湯が珈琲にぶつかるときの衝撃は、珈琲にとっては見た目以上に大きな力であり 味に影響がでるため) これは、卵料理のコツは卵をそっと扱うことという「試してガッテン」ネタを 思い出して納得できました。・お湯の粘性を考えながらお湯を注ぐようになった。 (お湯の温度が下がるほど、お湯の粘度が高くなりお湯が珈琲の粉の中を通りにくく なるため)ではまた。
Sep 18, 2012
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名古屋に滞在中に珈琲専門店を6店訪問しましたので、食べログの方にレビューを書きました。訪問したお店(愛知県)の地図(食べログ)名古屋は深煎りのお店が多い印象でした。その中で今回の収穫は、ペギー館で食べたレアチーズケーキでした。チーズケーキは珈琲と相性が良いと言われていますが実は今まで実感としてわかっていませんでした。ペギー館(食べログ)これからしばらくは、珈琲と相性が良いレアチーズケーキを探して洋菓子店巡りをしてしまいそうです。
Feb 19, 2012
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先日,札幌に行く機会がありました.限られた時間の中で珈琲店を3店訪問できましたのでレビューを食べログに書きました. リヒト珈琲 トミー館 深煎りの珈琲 basicしかし,個性的なお店ばかり短時間で訪問したため,情報量が多すぎて混乱しました.美味しい珈琲って何?ぼくが飲みたい珈琲って?頭(論理)の中で考えている珈琲のイメージが混乱する一方で心(感覚)の中から本当に飲みたい珈琲が浮かび上がってきました.ぼくが本当に飲みたい珈琲は,……おわり(これがブログの最終回だったりして)
Sep 23, 2011
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だしパックでドリップをブログに書いてから,フレンチプレスで抽出したようなオイル感が多めの珈琲を飲んでいてふと疑問が出てきました.これがぼくが飲みたかった珈琲なのだろうか?その反動で,ネルドリップに戻りました.まずは,2年前に購入して放置していた某メーカーのネルを使ってみました.すると,抽出した珈琲の表面にオイルが浮かぶ.確か,ネルフィルターを繰り返し使って古くなるとこの現象が起きて,そうなったらネルフィルターを交換する時期であるとフレーバーコーヒーさんが,どこかに書いていたような…しかし,新品のネルフィルターなのになぜかオイルが浮かぶ.もしやハンドドリップで左手でネルを持ちながら右手でお湯を注いでいたためにネルが安定しないで不必要な動きが加わっているためではないかと思い,そう思うとネルを固定するためのヤグラが無性に欲しくなりました.以前,地元の珈琲店のキャラバンサライでネルドリップ用のヤグラが店頭に展示されていたのを思い出して,さっそくお店に行って買ってきました.ヤグラには値札がついてなかったので,展示用で売り物ではなかったのかもしれませんが売ってくれました.購入したヤグラはたぶん,これと同じものだと思います.さっそく,ヤグラにハンドドリップの柄をつけた状態のネルを載せて抽出してみましたが,結果は同じで珈琲の表面にオイルが浮きました.おそらくハンドドリップの金枠よりも少しだけネルフィルターが小さく,その結果,ネルフィルターが引っ張られてフィルターの目が広くなってオイルが通っているのではないかと推測しました.これは,このメーカーのネルフィルターの仕様であると納得しました.そこで,今度はやはり2年ぐらい前に購入して放置してあったメリタでもカリタでもないマルタのネルフィルターを使ってみました.これは珈琲の表面にオイルが浮かぶことも無く,うまく抽出できました.手付きネル マルタA-1 1~3人用【本体+替え布3枚セット】今回のマルタは,ハンドドリップ用の金枠がヤグラよりも大きいため,金枠を使わずにネルフィルターだけを直接,ヤグラに載せて使うことにしました.フィルターをクリップなどで固定したほうが良いのかもしれませんが,20g前後の珈琲を抽出するには,固定しなくても問題ありませんでした.実際にやってみて,ヤグラにネルフィルターを載せるだけと言うのは準備や後片付けが簡単で考えている以上に便利でした.ネルで抽出すると,味がまとまって一体感がでてきて珈琲の飲み物としての完成度が高くなるようです.それがなぜなのか,そのしくみを知りたいものです.
Sep 21, 2011
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パライソdeカフェさんが閉店されたようなのでこのブログのトップページの目次代わりのリンクから削除しました.ついでに他のリンクも整理しました.
Sep 18, 2011
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フレーバーコーヒーのノンタンさんが指摘されている「水を含んだペーパーは、油をはじくので油を通しにくい」実は,これから導かれるもうひとつの可能性に気づいていました.「水を含みにくい(ポリエチレンなどの)材質をフィルターに使えば,油を通しやすい」実際に,ペーパーフィルターを使わないコーヒーメーカーやドリップパックは,製品として市販されています.コーヒーオイルが多めの珈琲を抽出するだけなら,ペーパーに穴をあけるよりも効果的ではないかと思い,やってみました.地元のスーパーで売っていた大きめのサイズのだしパック 材質は,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリエチレン円錐ドリッパーに合うように,適当にカット やわらかいので,ドリッパーにセットしにくい 珈琲を16g入れた所抽出した結果は,ペーパーフィルターの穴あけ法よりも,オイル感が多め(微粉末も多め)の珈琲になりました.オイル感と微粉末の入り方は,ゴールドフィルターと同程度の印象でした.抽出速度はペーパーよりも少し遅いように感じました.不織布を使った製品は,多くのメーカーからさまざまな種類が販売されています.お茶パックでも同様に実験してみました. 結果は,だしパックよりもお茶パックの方が,微粉末の混入が多くなりました.お茶用ということで,繊維のすきまが広い不織布が使われているようです.水を吸いにくい不織布は,繊維の隙間の大きさを適度にコントロールすれば,抽出技術を必要とせずに,だれでも簡単に油脂の量だけならネルドリップと同程度になるようなフィルターができる可能性が……などと漠然と考えていたら,すでにコーヒー専用の不織布「コーヒーミラクロン」が開発されていました.「コーヒー ミラクロン」http://www.yamanaka-sangyo.jp/products/nowoven_filter/miraclon.htmlリンク先から引用『コーヒーの液面に、浮遊油脂分の出ないクリアな液色が得られ、雑味感のない味が楽しめます。』「コーヒー ミラクロン」を使ったドリップパックも市販されていました.簡単!ドリップバッグ フック...価格:480円(税込、送料別)コーヒーバッグ ロイヤルブレンド...価格:350円(税込、送料別)上記のリンク先で気になるところを引用『ネルドリップと同じ特性を引き出すために開発された』『毛細管現象でコーヒーの味を落とす油脂分を取り、粉をバッグに吸着する』現時点で,「コーヒーミラクロン」を使った製品はドリップパックしかないのは残念です.いつの日か,ペーパーフィルターよりもネルドリップに近い特性を持たせた円錐ドリッパー用の不織布のフィルターが販売されるのを期待しています.(どれだけ需要があるのかは未知数ですが.)フレンチプレスやゴールドフィルターのようなコーヒーオイル(と微粉末)が多めの珈琲を抽出するのでよければ,だしパックでドリップはお勧めです.(勧めておきながら,今日はネルドリップで楽天から撤退されたナチュカフェさんのマンデリンを飲みました.)
May 4, 2011
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支援を必要としている人に届きますように東北関東(東日本)大震災障害者救援本部ゆめ風基金震災後は流通が混乱していたため,珈琲は地元のお店で購入していました.そんなときに以前から気になっていたアリーカフェさんに行ってみました.山小屋のようなお店に入ると,数名のお客さんがマスターと談話中でした.店内の中央には木製の長方形のテーブルが置かれていて,両側に3名ずつ座れるようになっていました.初めてのお店で珈琲を買うときはいつも迷います.お店に並べられた珈琲豆をにらみつつ,タンザニア,マンデリン,トラジャに魅かれつつも今回は見送り,普段から飲みなれているコロンビア,ブラジル,グァテマラと,訪問したときのお勧めだったパナマを100gずつ購入しました.マスターに注文すると,なぜか注文の仕方が良いとほめられました.珈琲を買うときにほめられたのは初めてです.何をほめられたのか,わからないでいると,ぼくの注文が中南米の珈琲生産国をひととおりなぞっているとのことでした.そういえば,パナマは,コロンビアとグァテマラの間の国でした.(参考:アタカ通商 SPECIALTY COFFEE WORLD MAP)ぼくの場合は単純にストレートの珈琲が好きなだけなのですが,マスターに珈琲マニアと認定されたようです.もし,立場が逆で,ぼくが珈琲店を経営していたとしてコロンビア,ブラジル,グァテマラ,パナマをオーダーされたとしたら,同業者の偵察か,中南米好きのひねくれた珈琲マニアかと疑うことでしょう.自分の姿は,自分が考えているよりも周りの人からのフィードバックでよくわかるというものです.一応,素人の珈琲マニアでブログを書いていることなど自己情報を開示してきました.しかし最近はWebにショップレビューなどが書かれますので素人の方が怖いとも言えます.ぼくの場合はこれでも営業妨害にならないように気をつけているつもりです.お店では,プレスで抽出したパナマを試飲させていただきました.バランスが良く透明感のある味わいのように感じましたが,同じ珈琲を同時に試飲されていた他のお客さんは,しきりに濃度が濃いと言っていたので,珈琲の感じ方の違いがわかって勉強になりました.お店で試飲した珈琲がプレスで抽出されていたことからも推測されるようにコーヒーオイルを重視した焙煎であるように思いました.このため自宅ではおもにペーパーフィルターの穴あけ法で抽出しました.今回購入した珈琲のメモ的な感想などグァテマラ レタナ農園 イエローブルボン珈琲の成分やコーヒーオイルが多めの印象で柑橘系の酸味が特徴的でした.ネルドリップで抽出すると,柑橘系の風味だけ残して酸味が引っ込み,全体と調和してさらに美味しくなりました.パナマ エスメラルダ農園 甘味,酸味,苦味がバランスしてコクだけが残ったような印象で,飲み終わった後にチョコのような風味がじわじわと存在感を増してきて驚きました.コロンビア アピア村コロンビア特有の風味があって,ぼくのボキャブラリーではコロンビアらしさとしかいえないのですが,ほど良い甘みと酸味,ほんのわずかに苦味が強めのバランスでコロンビアらしさが浮き彫りになるように表現されているようでした.個人的にコロンビア好きなのでもう一味欲しいと思っていたら,このブログを書いている時点でコロンビアのCOE入賞豆の販売が開始されていました.ブラジル セラード農園 イエローブルボンミルクのような甘みやカカオのような風味のある上品なブラジルでした.いずれも珈琲ごとの個性的な風味がうまく表現されていて美味しい珈琲でした.タンザニア,マンデリン,トラジャは,次回訪問時に購入したいと思います.今度は珈琲を買うときにマスターに何と言われるのか楽しみにしています.アリーカフェ (カフェ / 磯部駅、割出駅、三口駅)昼総合点★★★★☆ 4.0
Apr 30, 2011
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先日,行きつけの床屋さんで,友人がシェクープルというカフェをオープンしたという話を聞きました.そのお店では,石を使った珈琲を出しているそうです.石??普段から趣味は珈琲と言っていると,珈琲に関連したいろいろな話を耳にしますがこれには意表を突かれました.珈琲と石から連想されることと言えば……石臼? 石臼だと微粉末が……ランブルのミルはいつできるのだろう……などと考えていると自家焙煎のcafe agre(カフェ・アグレ)さんのホームページを見せてもらえました.石とは戸室石のことで,遠赤外線焙煎ということでした.カフェ・アグレさんは,ホームページの存在は知っていたのですが,そのたたずまいから本当に営業しているのか半信半疑だったため,まだ飲んだことがありませんでした.これは珈琲マニアとしては,シェクープル(CHEZ COUPLE)さんに行ってカフェ・アグレさんの珈琲を飲まねば.Webで情報を収集してみると,シェクープルさんはオムレツライスが美味しいと評判の人気店でした.混雑が予想されたため,土曜日のお昼の少し前,早めの時間に行ってみました.11時25分ごろに着いてお店の入り口を探してうろうろしていると,お客さんが次々と吸い込まれていく所があり,そこがシェクープルさんでした.お店ではぼくの前にすでに3組のお客さんが入っていて12時の少し前にほぼ満席になりました.帰るころは,並んで待っているお客さんは一組だけでしたので,行列ができるほどではなく適度な混み具合でした.今回注文したのは春野菜とひよこ豆のクリーム煮込み添えオムレツライス 1180円(税込1239円)スペシャルブレンドコーヒー 500円(税込 525円)飲み物は,食事やケーキなどと一緒に注文すると200円引きになるシステムで合計 1554円オムレツライスは,ひよこ豆,春野菜(ブロッコリーなど),オムレツそれぞれの素材の食感が多様で全体に優しい味でまとめられていました.お皿が下げられて少しの間をおいてから,珈琲が運ばれてきました.逆円錐形の珈琲カップが面白い.ブラックで一口飲むと,昔,珈琲に凝り始めた頃に飲んだモカのイメージが蘇ってきて懐かしくなりました.懐かしさに浸っていると口の中に甘みが広がっていることに気がつきました.その後から苦味が広がってきました.飲み進めるとくどくなりすぎることなく,ほどよい感じでややとろみのあるコクがあり繊細かつ微妙な味がしっかり表現されている自家焙煎ならではの珈琲であることがわかってきました.不思議なことに酸味はほとんどなく,なぜ最初にモカのイメージが出てきたのかと考えていると,ほんのかすかにこげ味が感じられ,それが引き金になったのではないかと思い当たりました.昔,珈琲初心者だったころにこげ味のモカを良く飲んでいたのを思い出したわけです.このこげ味は焙煎にうるさい珈琲マニアなら騒ぐかもしれませんが,世の中のほとんどの人は問題にしないレベルだと思います.ここにこう書くことが騒いでいることになるので,本当は書くこと自体がまずい.珈琲の味がどうでもよいレベルなら書かないのですが,今回は書きたくなるぐらい美味しい珈琲だったということです.書くほどに藪蛇になっているような気がしますのでこのへんでやめます.料理が優しい味だったこともあって,料理と珈琲の味のバランスが良く,最後まで楽しめました.料理やケーキと珈琲の両方が美味しいお店は探してもなかなかみつからないものです.ぼくの少ない経験のなかでは,両方美味しいお店は金沢近辺では2店目です.(1店目はワイーさんです.)基本的に出不精なため,当分この2店から増えることはないでしょう.シェクープルさんでは,珈琲の余韻に気を取られて代金を支払っているときも完全に無口になっていました.お店の人にはぼくが不機嫌なように見えたのではないかと心配です.ちょと反省してここに書いておきます.ご馳走様でした.美味しい料理と珈琲をありがとうごさいました.シェ クープル (オムライス / 額住宅前駅、馬替駅、乙丸駅)昼総合点★★★★☆ 4.0
Mar 6, 2011
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「コーヒーに憑かれた男たち」と「コーヒーの鬼がゆく」を読んで以来,気になっていたダフニさんを昨年の年末に訪問しました.お昼前の11時頃にお店に行くと,焙煎中でした.焙煎機の稼動音に加えてぼくの声が小さくて聞き取りにくかったようで,会話がうまくかみ合いませんでした.機械で抽出しているのかとか,(ペーパードリップなら)これが飲みやすいとか,モカは深煎りしかないとかのやり取りをしたあとで,お店でモカを飲ませていただきました.深煎りのモカは,甘みがさらさらしているような印象で,飲み終わる頃にコクがじわじわと存在感を増してきました.今までいろいろな珈琲を飲んできましたが,ぼくの体調によるものなのか,そういう珈琲なのか,このさらりとした甘みの感覚は初めてでした.こんな表現の珈琲が可能なのかとちょっと驚きました.次に飲むときはまた印象が変わると思いますがこのモカを飲めてよかった.深煎りのモカの感覚が面白かったので他の珈琲がそれぞれどんな感じに仕上げられているのか興味がでてきて,悩んだ結果,定番のキリマンジャロとブラジル(ともに中煎り)を購入して帰ってきました.自宅でハリオの円錐ドリッパーでペーパーフィルターで抽出した感想は次のとおりです.ペーパーに穴を開けなくても甘みは十分にでました.ブラジル サンタバーバラほのかな酸味,ほのかな甘み,木の実のような風味がまとまって一体化していて飲みやすく,ちょっと面白いブラジルでした.キリマンジャロ酸味は強すぎず,弱すぎず,甘みもほどよく,期待しているコクがしっかりしていて飲んだ後に満足感のあるキリマンジャロでした.共通した印象としては,ごく普通のたたずまいでありながら,珈琲豆本来の味がしっかり抑えられていて,普通であるがゆえに本質が浮き彫りになり,はっとさせられる.そんな感じの珈琲でした.その後,自宅でペーパードリップの穴あけ有り,無し,湯通し有り,無しといろいろな組み合わせで抽出して飲んでみました.その結果,どうやっても美味しい珈琲になってしまいました.なぜ美味しくなるのかを考えてみると,珈琲の甘みとコクがしっかりしていて個人的にツボの味であることが大きいようです.今回は購入しなかったグァテマラやマンデリンはどうなっているのか興味が尽きません.東京に行くことがありましたらまたお邪魔します.評価うんぬんはどうでも良い次元のお店なので星5つです.Daphne (コーヒー専門店 / 三田駅、田町駅、芝公園駅)昼総合点★★★★★ 5.0
Jan 5, 2011
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年末に埼玉県の実家に帰省したときに東京近辺の珈琲店を訪問するのが恒例になっています.今回は babi-yarさんのCoffee Concierge を参考にして晩秋さんに行ってみました.JRの上尾駅からバスで市民体育館入り口まで移動.バス代170円.バス停からお店に向かって歩いていくと,珈琲の香りが漂ってきてお店の場所がすぐにわかりました.お店ではCOE1位のホンジュラス ドン・アマードと,その他に通常の珈琲を3種類それぞれ100gづつ購入.250g以上珈琲豆を購入すると,珈琲を1杯無料で飲めるということで,エルサルバドル サンタエレナを飲みました.晩秋さんは,フレンチプレス抽出のお店です.自宅以外でフレンチプレスで抽出した珈琲を飲んだのは,これが初めてでした.テーブル席で待っていると,プレスの抽出器具に入れられた珈琲と砂時計が運ばれてきました.砂時計で3分経過したら,自分で上端のバーを押し込んで珈琲カップに注いで飲む方式でした.個人的にはフレンチプレスは,珈琲の粉っぽさが気になり好きではないのですが,このとき飲んだエルサルバドルは粉っぽく感じることもなく,ドリップした珈琲のような感覚で飲めました.飲み始めはさわやかな印象で,後味がフルーティな珈琲でした.このさわやかさが青りんごの風味と言われればそのように感じました.自宅では,ハリオの円錐ドリッパーとペーパーフィルターで抽出しています.ペーパーフィルターでも,小さい穴をあけるだけでオイル感のある珈琲が抽出できます.特に,プレス抽出のために焙煎された珈琲は,穴あけ法によるペーパードリップは効果的だと思います.(一方,ペーパードリップのために焙煎された珈琲は,穴あけ法で抽出するとオイル感が増すメリットは少なく,味がぼけてしまう傾向があるようです.)晩秋さんはプレス抽出のお店なので,今回購入した珈琲は,自宅ではペーパードリップの穴あけ法で抽出しました.簡単な感想などは以下のとおりです.ホンジュラス ドン・アマード(COE1位)購入当初は華やかな香りで,日が経つにつれてやや陰のあるような単一のフルーティな香りが強くなってきました.(これがカシスの香りなのかぼくはカシスを知らないので不明です.)揮発性の成分が豊富なためか口のなかがさわやかになる感覚もあり分析的に飲むと複雑多様な味が感じられ珈琲と言うようりも新種の美味しい飲み物を飲んでいるようでした.ブラジル カピンブランコ(中深煎)やや粘りのある感じの甘みに,カカオや木の実のような風味が感じられる愉悦感のあるブラジルでした.ザンビア テラノーバ(深煎)ほろ苦く甘みが間接的な印象.余韻に複雑な感じがでているかのよう.エチオピア・モカ イルガチャフェ(中深煎)鋭角的なモカフレーバーが豊かで甘みも豊富.個人的にはジャスミンの香りを苦手にしています.数年前にしげとし珈琲さんで何度か購入したモカイルガチェフは,ジャスミン系の香りだったため「イルガチェフ=ジャスミンの香り」と思い込み,イルガチェフは敬遠していました,しかし,晩秋さんのイルガチェフはどんな仕上がりになっているのか興味を持ち,あえて購入して正解でした.ジャスミン系の香りも感じられるものの,飲んでみると柑橘系?と思われる酸味があり,個人的に記憶しているモカのイメージに近い味でした.これでイルガチェフに対する苦手意識を修正できました.数年前のジャスミン系の香りが強めにでていたしげとし珈琲さんのイルガチェフも,かなり高品質なモカだったので,飲めたことは今では貴重な経験です.今回購入した珈琲は,どれもスペシャルティコーヒーの特性が過不足なくストレートに表現されているようでした.一通り購入した珈琲を飲み終わったところで,購入しなかったニカラグア COE2位 モンテ・クリスト が気になってきました.晩秋さんでは珈琲豆250g以上購入で1杯無料ですが,COE2位のニカラグアは100円追加でした.このためお店では条件反射的に無料のエルサルバドル サンタエレナを選択してしまいました.冷静に判断すれば追加料金でもニカラグアでした.豆を購入したときにマスターが言っていた「COEのニカラグアは100円追加です」が頭の中でリピートされています.晩秋 (コーヒー専門店 / 上尾駅)昼総合点★★★★☆ 4.0
Jan 4, 2011
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最近飲んだ珈琲と手抜きの感想です.5~6月に飲んだ珈琲フレーバーコーヒーさん コロンビア メキシコ マンデリンモルティブさん コロンビア スプレモ ナリーニョ キューバ JAS オーガニック ブラジル トルマリン ブルボン土居珈琲さん コロンビア サンチュアリオ農園 メキシコ カサンドラ農園 ブラジル ヘカント農園いずれも美味しい珈琲でした.コロンビアを飲み比べてみて,今まで気づかなかった微妙な違いがわかりました.モルティブさんは,隠し味的に苦味が効いていてフレーバーさんは,酸味が効いていました.珈琲の味がどのように作られているのかが,ちょっとだけわかったような気になりました.ぼくが一番好きなコロンビアは,モルティブさんのナリーニョですが,フレーバーさんのコロンビアにはたまげました.ぼくが焙煎をしていたら,どうすればこのようなコクがだせるのか悩んでしまうことでしょう.土居珈琲さんでは,メキシコが一番印象に残りました.珈琲豆のパワーのような味のレベルを超えた勢いが感じられる珈琲でした.コロンビアは,フルーティな成分を活かしていてバランスが良い印象でした.きわめて個人的な感想ですので,参考にしないでください.
Jul 4, 2010
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Googleで「北山珈琲」「焙煎」をキーワードにして検索していたところ、下記のレポートを発見しました。@nifty:デイリーポータルZ:コーヒーを飲むこと以外は、許されない喫茶店リンク先を見ると、普段は撮影禁止の店内の様子がよくわかります。なぜ、北山珈琲の焙煎に興味を持ったのか……ここから口コミです。毎年、年末に実家に帰省したときに北山珈琲店を訪問するのが恒例になりつつあります。今回で3度目の訪問です。上野駅の入谷口から歩いて行くと、お店の入り口のドアが20cmほど開いた状態になっていました。年末も営業していることはWebで確認済みでしたがいつもと様子が違うので少し不安になりました。お店の中に入ると既にテーブル席に2人座っていました。ざわついた雰囲気が気になってドアの左側を見ると焙煎機が稼動していました。奥さんに、こんな状態で済みませんねと謝られ珈琲豆を買いに来たのかと尋ねられたので珈琲を飲みたいと言うと、カウンター席を勧められました。稼働中の焙煎機からは煙が放出されていて店内はうっすらと煙っていました。上記のリンク先のレポートにあるように息子さんが焙煎機を操作していました。なんとなく落ち着けない雰囲気だったため今回は、価格の安い普通のモカブレンドを選択しました。珈琲の味は、相変わらず見事でした。ブレンドなのに、しっかりしたモカの味がして角の円い甘味も強めにでていて、後味もすっきりしていました。焙煎機の回転音と煙に加えて、ぼくの後からも別のお客さんが2名来店して、さらに珈琲豆の注文の電話もかかってきて、店内はちょっとしたカオス状態でした。珈琲を飲み終わるころに、突然、乾いた破裂音が聞こえてきました。焙煎中の珈琲豆の2ハゼ?(1ハゼ?)が始まったようでした。その音が綺麗にそろっていて、こんなにタイミング良く一斉にハゼるものかとちょっと感動しました。こんな音を聞かされると、自分でも焙煎したくなってしまいます。今回は珈琲マニア的には、貴重な経験でしたが、お店を出た後もしばらく髪の毛が煙くさかったのには参りました。焙煎機が稼働していたとの口コミは、まだ無いようなのでふつうの営業日には、焙煎機は動いていないものと思われます。また、他の方の口コミで、雅(みやび)が値上がりしたとも書かれているため、お客さんが増えてオールド珈琲の在庫が残り少なくなっているのかもしれません。北山珈琲店は、いろいろな意味で突き抜けています。このまま個性を保って、独自路線を突き進んで欲しいものです。北山珈琲店 (コーヒー専門店 / 入谷、鶯谷、上野)★★★★★ 5.0
Feb 27, 2010
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もう10年ぐらい前のことなので、お店の口コミとしては適当でないかもしれません。このときは仕事で出張した帰りに、たまたま金沢市の額方面を通りました。ちょうど自宅の珈琲豆のストックがなくなるタイミングだったため、キャラバンサライ額店に立ち寄って、シモサカを含めて何種類か珈琲豆を購入しました。自宅に帰ってシモサカを飲んでみると、これが旨い。甘味がコリッと凝縮していて、ツヤがあるような印象でよくわからないけれど自然に消費するペースが早くなってしまう。珈琲の味の表現は、今ではなんでも有りのような状態で複雑かつ多彩になりました。しかし、どんなに香りが華やかで、味がとてつもなくても飲んでいる人が旨いと思わなければ意味がないわけです。本当に美味しい珈琲は、言葉で表現された味とは関係ないところで決まっているのではないかと疑っています。(単に美味しさを言葉に置き換える努力を放棄しているだけとも言えますが。)理屈ぬきに自然にリピートして飲む回数が多くなる、このときのシモサカが、そんな珈琲でした。購入した分を全部飲み終わり、もっと飲みたくなって1週間後にシモサカを買うためだけに同じお店に行きました。シモサカは買えたのですが、すでに別物になっていました。普通の珈琲という印象で、美味しいのですが、自然に欲するというほどではなくなっていました。最初に購入したシモサカは、焙煎が奇蹟的にうまくいったのか、シモサカの生豆のロットが奇蹟的に美味しい豆だったのか。個人的にぼくはこれを幻のシモサカと呼んでいます。ぼくが今まで飲んだ中で一番美味しかったシモサカです。この時以来、キャラバンサライで何度かシモサカを購入していますが未だに幻のシモサカには出会えていません。キャラバンサライ額店の前を通るたびに、幻のシモサカを思い出します。(現時点ではキャラバンサライではシモサカの取り扱いを中止しています。)キャラバンサライ額店は、珈琲豆の販売が中心のお店で珈琲豆の鮮度も良く、お勧めできます。キャラバンサライ 額店 (コーヒー専門店 / 額住宅前、乙丸、馬替)★★★☆☆ 3.0
Feb 22, 2010
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ポイントサービスにつられて食べログにID登録しました。まだ食べログの機能を良く把握していませんが、ブログに投稿すると連動して食べログにも自動的に口コミが投稿される機能があるようなので、試しに前回の日記と、過去の日記でテストしてみました。制約が多く評判が良くない楽天ブログで動作するか興味深いところでしたが、とりあえず、トラックバック利用と、タグ埋め込みの2つのパターンとも機能したようです。細かい評価値などまでは対応しないようなので、食べログ側で後から入力しました。食べログ > ブログ記事から口コミを投稿する 食べログ > トラックバックを介さないでブログから口コミを投稿する食べログを少し使ってみたところGoogleマップと連動した機能が便利でした。口コミを投稿しなくても、お店の評価値を入れるだけでマップに表示されます。ぼくが今まで利用したことがあるお店のマップも簡単に作れてしまいました。訪問した珈琲専門店のマップ(石川県版)(地域を変更すると全国のマップも見られます。)マップの★の数は、評価の基準が自分の中で固まっていないため、かなり適当です。一応、キャラバンサライを3点として基準にしました。できたマップを見ると、自分の行動範囲が一目瞭然になり、日常の行動がパターン化しているのが良くわかります。珈琲店の好みもかなり偏っているため、ぼく以外の人が見てもあまり意味が無いような気もしていて、このマップは自分の行動記録を整理するために有効なように思います。すなわち、一番のユーザーは自分と言うことになります。マップを利用したシステムとしては郵便ポストをひたすらマークするポストマップが有名です。ぼくはまだ登録していませんが、自分の行動範囲の地図を眺めながら、まだ登録されていないポストを探したりしていると時間が経つのを忘れてしまいます。郵便ポストや、食べログのお店の評価値のようにマップ上に足跡をマークしていくという行為は、人をひきつける何かがあるようです。ぼくの場合は基本的に出不精なので、食べログの口コミも10件ぐらいが限界であとはこのブログと同様に、放置することになると思います。
Feb 21, 2010
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キャラバンサライの泉が丘支店は、カフェと珈琲の豆売りが半々ぐらいの割合のお店です。お店で珈琲を飲んだことが無いので珈琲の豆売り部分に限定した口コミです。キャラバンサライの支店の中では比較的自宅に近いのでときどき利用しています。スタッフの対応も丁寧で、チェーン展開している珈琲豆の販売店としては、模範的であるように思います。上有松(かみありまつ)のバス停からは、お店は坂の上にあるので運動がてらに10分ほど歩いて坂を上ってお店に行っています。個人的には中煎りぐらいの焙煎度合いの珈琲が好きなので、昔のキャラバンサライでは、浅炒りコロンビア(ぼくの基準では中煎り)を良く買っていました。いつの頃からか、珈琲の農園名や個性的な品名が強調されるようになり、キャラバンサライでも珈琲が入れられている瓶のラベルに、珈琲の銘柄ではなく、見慣れない品名が書かれるようになりました。そんなときに、久しぶりに珈琲豆を買いに行って瓶のラベルを見ながら「アンデス・マラヴィーヤ」と「ボア・コリーナ」とオーダーしたところ、お店のスタッフにあっさり「コロンビア」と「ブラジル」ですね。と言われてちょっと恥ずかしくなりました。しかし、スタッフは仕事とはいえ、多種多様な品名から珈琲の銘柄がわかるとはよく勉強していると思います。昔、他のお店で、ブラジルを買おうとしたら、そのお店では、ブラジルには「サントス」としか書いてなかったのでたまたま対応してくれたそのお店の中学生くらいのお子さんは、どれがブラジルなのかわからずお店のご主人を呼びに戻ってしまいました。また、趣味の手作り石けんで使う「苛性ソーダ」を薬局に買いに行ったときには、「水酸化ナトリウムください」と言ったら、アルバイトらしき店員さんに「苛性ソーダ」とわかってもらえなくて少し不安になったことも思い出しました。閑話休題泉ヶ丘支店は、珈琲豆も良く売れているようなので豆の鮮度も良くスタッフの対応も丁寧なので、お勧めできます。キャラバンサライ 泉が丘店 (コーヒー専門店 / 野町、西泉)★★★☆☆ 3.0
Feb 21, 2010
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最近は、珈琲豆を地元のワイーさんで購入する頻度が高くなりました。(過去の日記参照)2週間前にワイーさんで購入ホンジュラス ミラバジェ農園 中煎り フルーティなコクが充実していて、 全体に明るい印象が個人的にホンジュラスらしいと思っています。 購入後2週間目にペーパードリップの穴あけ法で抽出したところ、 フルーティさが際立ってフルーツジュースのようになりました。エルサルバドル エル・レクエルド農園 中煎り フルーティなコクが充実していて、 全体に落ち着いた印象が個人的にエルサルバドルらしいと思っています。 地理的には、ホンジュラスとエルサルバドルは隣接しているのに 個性にはっきりした違いがでるのが面白いところです。グァテマラ クライマ農園 中深煎り 複雑かつ多様な成分が充実していて 品質の高いグァテマラに特有のコクが楽しめました。 あまりにも複雑かつ繊細なため、 ぼくの語彙ではグァテマラらしいとしか表現できません。 グァテマラもエルサルバドル、ホンジュラスと隣同士。コロンビア スプレモ 中深煎り コロンビアならではのコクが楽しめました。 前回購入したときよりも印象が変わったように感じましたが、 寒さでぼくの味覚が変わったとも言えます。マンデリン トップゴールデン 深煎り 個人的に深煎りは苦手なので敬遠していましたが、 ワイーさんの焙煎する深煎りに興味があり試しに購入。 マンデリンの独特の風味が楽しめました。 ワイーさんのトルマリンの深煎りも飲んでみたくなりました。 願わくば、次回に訪問するときまで残っていてほしいものです。 (ワイーさんは最近、珈琲の銘柄の入れ替えが激しいので……) (ケニアが終了するのなら購入しておくべきでした。)ワイーさんの珈琲は、購入してから2週間後ぐらいに飲むとコクの厚みが増して重厚な味になるのは見事です。焙煎後2週間目の珈琲はお店では飲めないので(頼めば飲めるのかもしれませんが)珈琲豆を買って酸化しないように保管した後、自分で抽出して飲むしかなく、これも自家焙煎店の珈琲を飲む趣味の醍醐味ですね。この記事は、購入後2週間目のホンジュラスがあまりにも美味しかったので勢いで書いてみたものです。追記:お店を訪問したときに食べたモンブランも美味でした。モンブランといえば、有名な山を模倣した形のケーキとばかり思っていましたが、アバウトなアレンジが斬新で、固定観念が心地良く崩壊しました。(ぼくのケーキの知識が貧弱なだけ?)ワイーさんは全席禁煙ですので、クリアーな空気の店内で珈琲とケーキを楽しめます。定休日:金曜日お店の場所のGoogleマップ
Feb 7, 2010
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正月休み明けに、香港のお土産のコーヒーをいただきました。前回、コーヒーをもらったとき(『古くなったコーヒーで起きた悲劇』参照)から既に5年が経過しましたが、コーヒーに興味が無い人にとっては、依然としてコーヒーの賞味期限は1~2年のようです。今回いただいたコーヒーは、密封容器としても使える缶の中に、袋詰めの状態で入っていました。コーヒーは挽いてあり、袋にはガス抜きのバルブがついていました。缶の底を見ると、賞味期限は2011年4月30日になっていました。いつもなら賞味期限を1年として製造日を逆算するところですが、現時点で、1年以上の期限設定。香港でもコーヒーの賞味期限は1~2年なのでしょうか。賞味期限が2年の設定だとすると、9ヶ月前の焙煎。おそらくこの可能性が一番高いでしょう。賞味期限が1年半の設定なら、約3ヶ月前の焙煎。賞味期限が1年4ヶ月の設定なら、約1ヶ月前の焙煎。ものは試しに飲んでみることにしました。袋を開封してみると、粉が細かく、エスプレッソ用に挽いてあるようでした。エスプレッソマシンは持っていないため、いつものペーパードリップで抽出しました。おっかなびっくり、一口、口に含むと意外にも酸化したコーヒーに特有の舌を捻じ曲げるような酸味は、ありませんでした。苦味が口の中に広がるものの、それほどきつい苦味ではない。これは飲めるかも。とりあえず、抽出した一杯分は飲んでみました。余韻に、かすかながらハワイコナ特有の南国を思わせるコクの名残が感じられました。飲む前に原産国:コロンビア、コスタリカ、ハワイ、メキシコの表記を読んでいたため、10年以上前に飲んだハワイコナの記憶が舌に影響したのかもしれません。飲み終わった後で、なんとなく胃が重くなり気分が落ち込みました。ぼくの場合は、お土産のコーヒーは酸化していて危険であるという思い込みが強いので、ノーシーボ効果(マイナスのプラシーボ効果)が起きたようです。それでも、この味であれば、インスタントコーヒーが好きな人には喜ばれるのではないかと思いました。今回は、コーヒーの粉が袋詰めの状態で、さらに、しっかりした密封容器に入っていたため、それほど酸化が進まず、かろうじて飲用に耐える品質を保持していたようです。結局、コーヒーの焙煎日はよくわかりませんでした。挽いて粉にしたコーヒーは、開封して空気に触れた状態では急激に酸化が進んで味が劣化してしまいます。残ったコーヒーは、飲まずに無駄にするのももったいなかったので大型のコーヒーメーカーで抽出してすみやかに消費しました。その際、粉の挽き方が細かいためなのか、コーヒーメーカーの抽出温度が高すぎたためなのかかなり濃い味になってしまい、飲んだ人には不評でした。この珈琲を飲んだ人の間ではぼくが淹れるコーヒーは濃すぎて飲めないという評価が定着したようです。今後、もしも珈琲をもらえるものなら、焙煎技術が確かで、信頼できる自家焙煎店で購入した珈琲を焙煎してから1週間以内の鮮度が良い状態で、挽かずに豆のままでいただきたいものです。
Jan 30, 2010
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年末に埼玉の実家に帰省しているときに昨年の9月にオープンしたららぽーと新三郷に行ってみました。予備知識が無い状態でふらふらと歩いていると、丸福珈琲店を発見。なんで埼玉に丸福が……。そのままお店に入りました。珈琲を注文すると、ウェイトレスさんが珈琲はかなり濃いけれど大丈夫かどうか聞いてきました。ぼくの後に入ってきたお客さんにも聞いていたので、丸福珈琲を知らないお客さんが濃度の濃い珈琲にびっくりしないようにと配慮しているようです。関東にも「濃厚な珈琲=丸福珈琲」の認識が根付く日は来るのでしょうか。珈琲はブラックで飲むと、秋葉原の丸福で飲んだとき(以前の日記参照)よりも、濃厚さが少しやわらいで、その分だけ雑味が気になるような印象を持ちましたが、ぼくの気のせいかもしれません。砂糖とミルクを入れれば、多少の雑味も味を豊かにする方向に働くので問題ないでしょう。それよりも、新三郷の丸福珈琲は、カレーなどの食事のメニューに力を入れているようでした。しかし、昼食時で周りのお店がそれなりに混雑しているにもかかわらず店内はお客さんよりもウェイトレスさんの方が多い状態だったので今後、新三郷に丸福珈琲が定着するのか心配になりました。全席禁煙なのでタバコの煙にわずらわされないのは、うれしいところです。
Jan 11, 2010
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先日、とある自家焙煎店から初めて珈琲豆を購入しました。そのお店では、扱っている珈琲豆はすべてスペシャルティコーヒーでした。初めてだったので、試しにコロンビアとマンデリンを100gずつ購入。珈琲豆は欠点豆の混入もなく仕事が丁寧な印象でした。初めに、コロンビアを飲んでみました。焙煎は、中煎りから中深煎りぐらいの感じで、香りが良く、ペーパードリップでお湯を注ぐと良く膨らみました。飲んでみると、一呼吸おいてコロンビア特有のナッツ系のコクが広がりそのあとからカカオ系の風味が追い討ちをかけてきました。珈琲豆のポテンシャルが高く、それを素直に引き出しているような印象で、個人的に好きな味でした。味は気に入ったのですが、ただ一点だけ気になる所がありました。飲んでいる途中で、口の中から水分が奪われる。渋いとは思わなかったものの、この感覚は渋みに分類されるのでしょうか。次に、マンデリンを飲んでみると個人的にマンデリンに期待している刺激的な風味がしっかりあり、やはり珈琲のポテンシャルを素直に引き出しているように思いました。その一方で、コロンビアほどではないものの、口の中の水分が奪われる感覚も同居していました。この奇妙な感覚を除けば、素直に美味しいコロンビアとマンデリンだったのでこのお店の他の珈琲も飲んでみたくなりました。良いお店が見つかったものだと喜んでいたのですが……それから約10時間後に、評価を変えざるをえない事態が発生しました。下痢になりました。それでも、風邪の引き始めのような感覚もあったので、珈琲が原因とは思っていませんでした。しかし、その後、この珈琲を飲んだ日には下痢になり、飲まない日は下痢が治るということを3回繰り返したため、原因は珈琲と考えるにいたりました。思い当たるのは、口の中から水分が奪われていく感覚です。珈琲を飲んだ後でもこの感覚が持続しているならば、胃や腸の内壁が刺激されて、体が危険物質と判断して下痢になっているのではと想像できます。(下痢は精神的なものも含めてさまざまな原因が考えられますので、あくまでも素人の妄想です。)今回の件があってから、ネットで検索してみたところ、珈琲を飲むと下痢になる人は、かなりいるようです。ぼくの場合は、鮮度が悪く油が酸化して酸っぱい味になった珈琲や、焙煎が不完全?で不思議な味の珈琲を飲んで下痢になったことは、過去にもありましたが、今回のように、美味しいと思った珈琲で下痢になったのは初めてです。最近では、新型インフルエンザも流行っていることですので、下痢になったときの原因を特定できるように、これからは、初めてのお店を試すときは、体調が万全なときに限定することにしました。念のため、今までこのブログに書いてきたお店の珈琲を飲んで下痢になったことは一度もないことを付け加えておきます。(珈琲に敏感な体質の人にはなんの保証にもなりませんが。。。)
Dec 13, 2009
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評判どおりの美味しい珈琲でした。個人的には深煎りの珈琲は、味が単調に感じれられ苦手にしています。飲んでいるうちに退屈してきて飲むのがつらくなってきます。ぼくが深煎りの珈琲の味わい方をわかっていないだけとも言えます。しかし、二三味(にざみ)珈琲の深煎りのブレンドは、味が単調ではなく奥行きが感じられ、飲んでいて楽しくなりました。金沢市内で二三味珈琲が飲めるお店 コラボン あうん堂(運がよければ中川ワニ珈琲も飲めます)
Aug 30, 2009
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いつも出張するときは、出張先で珈琲店を探す際に自家焙煎珈琲店めぐりさんのウェブページの情報を頼りにしています。特に、金沢界隈の自家焙煎店では、金沢に10年以上住んでいながら今まで見落としていたお店も発見できて大変参考になりました。また、自分のブログにワイーさんを書いていないという状態が続いており、改善しようと思いつつ、すでに半年以上経過してしまいました。(ワイーさんの推薦者としてぼくの名前まで掲載していただいており ありがとうございます。)そんなときに久しぶりにワイーさんのホームページを見ると、限定品としてCOEのグァテマラを販売されていました。そこで、限定品を目当てに5月のゴールデンウィーク中にお店を訪問しました。訪問した日はお店の入り口に、お勧めの珈琲「ケニア」と書かれていて、思わず飲んでみたいという衝動に駆られましたが、ちょうどこの日は散髪に最適な日だったため(過去の日記のぼくのハゲ対策参照)珈琲を購入しただけで、床屋に直行しました。今回購入した珈琲と個人的な感想は次の通りです。グァテマラ フロレンシア 甘いグァテマラ特有の香りの背後に複雑な香りがあり 香りそのものが豊かで厚みがある印象。 ふわりとした香りのかたまりを飲んでいるよう 油分が豊富でその油分が甘く滑らかな食感 珈琲の成分が豊富で、圧倒的に美味しいエルサルバドル シャングリラ 香りは華やかさの断片が飛んでくるような複雑な印象 輪郭がはっきりしないような自然でフルーティな甘味 全体に軽やかで後味はすっきりしているコスタリカ エルサル オーガニック どちらかというと柑橘系のさわやかな印象 後味の甘味がハチミツ?のような印象 温度が下がってくると柑橘系のニュアンスが変化して面白い ときおりダークチョコも感じられる オーガニックのためか、余韻のグラデーションが自然で まったり感が長引くケニア AA-TOP アイボリー 香りからフルーティな酸味が感じられる 全体にとろみが強めでまとわりつくような甘味と酸味傾向のコク珈琲と一緒に購入したシフォンケーキも、外側がしっかり焼かれていて内側がふわりとしていて素朴な味わいでした。使われている素材の安心感が隠し味として効いているようです。ワイーさんは過去に数度訪問していて自分の嗜好に合った焙煎であることはわかっていたため、今回はお店の目玉商品だけ購入してきました。しかし、それがいかにも珈琲マニアですと言っているようでもう少しポピュラーなコロンビアやブラジル、マンデリン、モカも選択すべきだったと反省しています。購入した豆は、どれも個性的で飲みごたえがありました。特に、ケニアは購入後4週間経過した時点で飲んだところ、痒いところに手が届いているような不思議な充足感がありました。次回訪問するときは、お店でもゆっくり珈琲を飲みたいと思います。それには床屋に行く周期と珈琲を購入する周期がずれてくれると良いのですが。ぼくの場合は、頭髪の不安が美味しい珈琲への執着を上回っているようです。
Jun 15, 2009
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先日、珈琲カップの上にドリッパーを乗せた状態で移動させているときにバランスを崩してドリッパーを落としてしまいました。セラミック製のドリッパーなので、完全に壊れたものと思いましたが取っ手が取れただけで円錐部分の本体は無事でした。本体を軽くたたいてみても澄んだ音がしますのでヒビも入っていないようです。取っ手が取れたところが尖っていて少々危険ですが、珈琲の抽出には問題ないので使い続けています。指を切らないうちにヤスリで切り口の角をまるめようと思いつつすでに2ヶ月が経過してしまいました。実際に取っ手がとれたのは3月ごろでしたが、このころは日本各地で取っ手がとれる現象が続発していたようです。niagara-cafeさんとネタがかぶったのでこの日記は没にしていましたがネタがなくなったので復活させました。ハリオのセラミック製ドリッパーを愛用している方々に参考にしていただければ幸いです。
May 17, 2009
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ペーパードリップでコーヒーオイルを通すために穴をあける方法でcafeistさんのブログを読んで、今まで円すいのペーパーフィルターの頂点に1つだけ穴をあけていました。しかし、この穴のあけ方だとペーパーをふやかす方法と比べてオイル感が少し弱いようにも思っていました。そんなときに、cafeistさんのブログを見てみると、画像付きで穴のあけ方が書かれていました。円錐の頂点から1cm程度離れたところにペーパーを畳んだ状態で貫通するように穴をあけるのが正解でした。頂点付近に穴は2つあくことになります。さっそく試してみたところ、確かにこの方がオイルが良く通るようです。安定してオイルが多い珈琲が抽出できるようになりました。さらにノンタンさんは、穴を4つ同時にあける装置まで製作されていて、さすがにこの方法の本質を理解しておられる。頂点の先端に1つだけ穴をあけるものと思いこんでいたのは、ぼくだけ?
Mar 12, 2009
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前回までの日記で、熱湯でふやかしたペーパーでドリップすると珈琲の油分がペーパーフィルターを通り抜けるものの、舌を刺激するような雑味もでてしまうことがわかりました。この雑味がなんなのか、気になっていました。初めは、ペーパーフィルターをふやかしたことで、珈琲の雑味がペーパーを通り抜けているものと思っていました。しかし、舌がわずかにピリッと刺激されるため、珈琲の雑味としては不自然でした。そんなときに、カフェグッズ社のコットンパワーコーヒーフィルターの広告が目にとまりました。ペーパーフィルターの原料の木材にはリグニンが含まれていて、刺激的な味の原因になるようです。これを読んで、1つの可能性が浮上してきました。ペーパーをふやかして抽出したときの雑味は紙の成分のリグニン?ではないのか。ふやかすことで、ペーパーの成分が溶けやすくなったのではないのか。これを確認するのは簡単です。30分程度ふやかしたペーパーフィルターを良く絞った後に湯通しする。湯通しした後のお湯を飲んでみると、確かに、珈琲の雑味だと思っていたあの刺激的なピリッとする味がしました。雑味の原因は、珈琲ではなくペーパーフィルターでした。しかし、ペーパーフィルターの原料のリグニン?が溶け出したと考えたのは間違いでした。雑味の本当の原因は、この実験の数日後にわかりました。それまで使っていたペーパーをすべて使い終わったため、新たにペーパーフィルター100枚を購入しました。念のために、開封した直後にペーパーフィルターの味を確認してみました。30分程度ふやかして絞った後に、湯通ししたお湯を飲んでみると、その味は、わずかにお湯にとろみがついて、かすかに紙の粉っぽい味がするものの、舌を刺激するようなことは無く、この程度なら珈琲の味に影響しないと思えました。考えてみれば、極端に価格が安いものは除いて、現在販売されているペーパーフィルターで明らかに珈琲の味を壊すような刺激的な味がするはずがありません。この実験でようやく真実に気がつきました。あの舌をピリッと刺激する味は、それまで使っていたペーパーフィルター特有のものでした。新品との違いは、ペーパーを自宅で保管していたことぐらいです。おもむろに、それまでペーパーを保管していた食器棚に頭を突っ込んで匂いをかいで見ると、あの刺激的な匂いが充満していました。今のアパートには、すでに10年以上住んでいるため特に気にしていませんでしたが合板から化学物質(ホルムアルデヒド?)が未だに出つづけていて食器棚の中に溜まっていたようです。そんなところに、しっかり密封しない状態でペーパーフィルターを保管していたためペーパーに化学物質が吸着したのも当然でした。フレーバーコーヒーのノンタンさんも「紙をぬらすべきか、否か?」でペーパーの保存が重要であると書かれていたのを思い出しました。不思議なのは、古いペーパーを使っていたときに、通常のペーパードリップでは問題なく、ペーパーをふやかしたときだけ刺激的な味がしたところです。ふやかすことで、ペーパーに吸着しているいろいろな成分が溶けやすくなるようです。これからは、ペーパーフィルターも、珈琲と同じぐらい気を使って密封して保管することにしました。それと、ときどき食器棚の扉を開放して、空気を入れ替えることにしました。現在のところ、時間が無いときは穴あけ法、時間に余裕があるときは、ふやかす方法で珈琲を淹れるのが習慣になりました。ふやかしたペーパーフィルターで抽出した珈琲は味がいまひとつ安定しない欠点がありますが、珈琲の本来の味をダイレクトに味わっているような印象になります。もはや、通常のペーパードリップで淹れた珈琲は、何かが足りないように感じてものたりなくなってしまいました。抽出法による甘味の変化がないと思っていたモルティブさんの珈琲もふやかしたペーパーでドリップすると、甘味の表情が変わるようです。もうもとには戻れなくなりました。しかし、ペーパーを長時間ふやかすと紙から何かが溶けてくるかもしれません。あくまでも自己責任で、ペーパーをふやかしてドリップしています。
Mar 1, 2009
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ペーパードリップでコーヒーオイルを通す方法としてペーパーフィルターをふやかす方法を紹介しましたが、もっと簡単な方法を既にcafeistさんが書かれていました。これがベストな抽出法(かも)|穴あけペーパードリップ法円錐のペーパーフィルターの頂点に、小さい穴を1つあけるだけでオイルが通るようになるようです。詳細は、cafeistさんが書かれていますが、要点だけまとめますと 円錐ドリッパーで抽出しているときは、 ペーパーフィルターを通り抜けられないコーヒーオイルなどの成分は、 円錐ドリッパーの一番下(頂点)の部分に溜まって、 ペーパーにさえぎられている状態になっている。 このため、頂点の先に小さい穴を1つ開けるだけで、 せきとめられていたコーヒーオイルが、 穴を通り抜けてコーヒーカップに入る。 小さい穴を1つ開けるだけなので、微粉末の混入もほとんど無い。さっそく実験してみました。使用したドリッパーとペーパーフィルター ナチュカフェさんのケニアは飲み終わってしまったので珈琲セットの中に入っていた エルサルバドル・モンテシオン農園 (中煎り) スマトラ・マンデリン (やや深煎り) グァテマラ・ニルマ農園 (深煎り)を使って、穴あけ法とふやかす方法を飲み比べてみました。その結果、穴あけペーパードリップ法の方が、珈琲の甘味、酸味、コクの輪郭がはっきり感じられて、美味しくなりました。ペーパーをふやかす方法は、舌を刺激するような雑味が感じられ、雑味のために全体の味がぼやけた印象に感じられました。駄目押しで、穴あけしたペーパーをふやかしてドリップしたところ、オイルが多めになるものの、刺激的な雑味もでるためワイルドな印象の珈琲になりました。穴あけペーパードリップ法は、甘味の強さではふやかす方法と同等かそれ以上に感じられました。このことから、コーヒーオイルも十分に抽出されていると推測できます。(ナチュカフェさんのコーヒーは、甘味とオイルが密接につながっています。)ペーパーフィルターをふやかす方法は、やり過ぎだったようです。ペーパーの濾過能力が劣化してしまうようです。(珈琲の微粉末を除去するなど、雑味を抑える対策をすれば、 ふやかす方法が有効になる可能性も少しだけあります。)また、前回の日記に湯通しの欠点を書きましたが、穴あけペーパードリップ法は、湯通しとも相性が良いようです。湯通ししてオイルと関連した珈琲の成分がペーパーを通りにくくなっても頂点に開けた穴から通り抜けていく。湯通し復活です。と書くと、珈琲のプロの方々に嫌がられそうなのでペーパーフィルターを湯通しする、しないは好みで選べば良いと思います。なんだか、前回までの日記を全否定するような結果になりましたが技術は常に進化発展していきますので……今後は、個人的には、ペーパーフィルターは紙の繊維のクズが気になるので、湯通しをするか、お湯で洗ってから使うことにします。頂点に穴を開けて。
Feb 8, 2009
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ペーパーフィルターの紙臭さを洗い流すために、湯通しをする方法があります。(過去の日記「ペーパーフィルターの湯通し」参照)しかし、珈琲のプロの方々や、珈琲の抽出法のセミナー(まだ一度も参加したことが無い)などでは、ペーパーフィルターの湯通しに否定的なことが多いようです。その理由として、湯通しすると珈琲の蒸らしがうまくできないなどが指摘されていますが、いまひとつ納得できず、個人的にはペーパーフィルターを湯通ししてから抽出していました。湯通しする最大の理由は、湯通しした後のお湯が不味い!ためです。湯通しをしない方法を推奨する人には、あのお湯を飲んで欲しいものです。しかし、もしもペーパーフィルターを湯通しすることで、珈琲の成分が十分に抽出されないのなら、話が違ってきます。ここで、フレーバーコーヒーのノンタンさんが指摘されている水を含んだペーパーは、油をはじくので油を通しにくいということが、真実ならば、ペーパーフィルターを湯通しするということは、抽出する前に、わざわざペーパーに水分を含ませて、珈琲の油分を通りにくくしているということになります。また、ペーパーフィルターを湯通ししない場合は、蒸らしのときのお湯を慎重に珈琲に注いでいけば、最初に抽出される珈琲液(油分を含む)がペーパーに染みこむため、自然とペーパーが油分を通す状態を作り出せると考えられます。(逆に、蒸らしのときにお湯の量が多すぎると、 お湯が珈琲を素通りしてペーパーに染みこみ、 珈琲の油分をはじくようになってしまう。)本当に、ペーパーフィルターを湯通しすると油分が通りにくくなるのか実験してみました。使った珈琲は、ナチュカフェさんの珈琲セットに入っていた特別なケニア(やや深煎り)。(なぜケニアかは、前回の日記「ケニアの甘味」参照。)通常のペーパーフィルターで、湯通し有りと無しで抽出。使用したドリッパーとペーパーフィルター その結果、ペーパーを湯通しした場合、見事なまでに甘味が無く殺伐とした印象の味になる。 湯通ししない場合、控えめながら甘味がでてきて美味しくなる。甘味の差はわずかですが、全体の味の印象がかなり変わりました。この実験からも、フレーバーコーヒーのノンタンさんが書かれている水を含んだペーパーは、油をはじくので油が通りにくいは、正しいと言うことがわかりました。また、通常のペーパーフィルターでも湯通しをしなければ、多少は油分を通していることもわかりました。これまでの日記に書いた方法で、ナチュカフェさんのケニアを抽出して甘味の強さで比較すると、次の表のようになりました。甘味が強い順に並べてあります。 抽出方法 湯通しの有無 甘味の強さ 1 ネルドリップ 湯通し無し 甘みが最も豊富 2 ふやかして柔らかくしたペーパー 湯通し無し 甘みが豊富 3 機械的に柔らかくしたペーパー 湯通し有り ほのかに甘い 4 通常のペーパーフィルター 湯通し無し ほのかに甘い 5 通常のペーパーフィルター 湯通し有り 甘味がほとんど無いネルドリップは、布の水分を良く絞ってから抽出するので、湯通し無しと分類しています。3の機械的に柔らかくしたペーパー(湯通し有り)と、4の通常のペーパー(湯通し無し)は、ほぼ同等の甘味の強さでした。ペーパーを柔らかくする度合いにより3と4は逆転すると思います。ナチュカフェさんの(フレンチプレス用に焙煎された?)ケニアほど極端な結果にはならないと思いますが、普通のペーパーフィルターで湯通しをすると、珈琲の油分が抽出されにくくなり、その結果、油分と結びついている珈琲の微妙な成分も抽出されずあっさりした珈琲になることが予想されます。逆に考えれば、油分の少ないあっさり、さっぱりした珈琲を飲みたいときはペーパーフィルターを湯通しをしてから抽出すれば良いことになります。個人的には、個性をダイレクトに味わえるような珈琲が好みなので、これからはペーパーフィルターを湯通しするのは止めることにします。しばらくは、ペーパーをふやかす方法とネルドリップを併用して珈琲を楽しみたいと思います。(以前の日記「ペーパーフィルターをふやかす」参照)追伸:ペーパーをふやかす方法は、オイル感が出るものの、ネルドリップとの直接比較では、刺激的な雑味もでていることがわかりました。ネルドリップは、口当たりがまろやかで、味にまとまりがあり完成度が高い印象でした。口当たりのまろやかさや、雑味のコントロールの点で紙1枚の薄い平面で抽出するペーパーフィルターの濾過能力には、限界があるようです。やはりネルドリップは最強でした。
Feb 1, 2009
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正月休みにネルドリップを始めてから、いろいろな珈琲をネルドリップとペーパーフィルターで飲んでいましたが、興味深いことに気がつきました。(まだ、前回の日記に書いたペーパーをふやかす方法を思いついてなかったため ペーパーフィルターを普通に使った場合です。)MOKICHI珈琲のケニア(ケントメアー農園・フルシティロースト)を飲んだとき、ペーパードリップよりも、ネルドリップの方が、甘味が強い。これと似たような経験を半年前にもしています。スペシャルティ珈琲!ナチュカフェのケニア(カラバ・やや深煎り)を飲んだとき、ペーパードリップよりも、ゴールドフィルターの方が、甘味が強い。ネルドリップやゴールドフィルターは、ペーパードリップよりもオイルが多めに抽出されます。推測ですが、ケニア、というよりも珈琲のオイルを重視している?自家焙煎店の珈琲は、オイルが甘いのか、甘味がオイルに溶け込んでいるのか、甘味とオイルが密接につながっている傾向があるようです。それに対して、ぼくが最も頻繁に飲んでいるコーヒーモルティブ下北沢の珈琲は、普通にペーパードリップしただけでも甘味が十分に強くでます。このため、ネルドリップで抽出しても、オイルが増えるものの、甘味の強さはそれほど変わらない印象でした。甘味とオイルは独立して存在しているようです。その結果、適当にペーパードリップで淹れても、甘味が豊富で美味しい珈琲になります。ここが落とし穴でした。珈琲が美味しいので、現状で満足してしまい、今まで、ネルドリップや他の抽出法を試す必要が無かったわけです。ぼくはモルティブさんの珈琲に頼りすぎていたのかもしれません。これは、焙煎の上手下手というよりも、お店が目指している方向性の違いだと思っています。(ぼくは焙煎の技術的なことはまったく知りません。 焙煎された珈琲が最も美味しくなるように抽出したいと思っているだけです。)甘味とオイルの関係に気づいてから、ナチュカフェさんのケニアの甘味は使えると思いました。いろいろな抽出法を試すとき、オイルが良く抽出されたかどうかを甘味の強さで比較すれば良いことになります。そこで、前回までの日記(柔らかくする、ふやかす)の実験では、モルティブさんの珈琲を抽出して油分が多めにでることはわかっていましたが、本当にペーパーフィルターを珈琲のオイルが通っているのか自信がなかったため、最終確認のために、甘味とオイルが密接につながっていると思われるナチュカフェさんの珈琲セット(ケニアを含む)を購入しました。その結果は、前回の日記に書いたとおりです。ペーパーを揉んで柔らかくしたときに、ほのかな甘味がでてきて、ペーパーをふやかしたときに、はっきりした甘味(ネルドリップとほぼ同等)になりました。ということで、ペーパーをふやかすことでオイルも十分に抽出されていると判断したわけです。半年前にナチュカフェさんのケニアを購入したときは、ペーパーをふやかす方法に気づいていなかったため珈琲のレビューに甘味がないなどと書き込んでしまいましたが、原因は通常のペーパーフィルターで抽出していたためでした。フレンチプレスやスチールフィルターを推奨しているナチュカフェさんの珈琲はふやかしたペーパーフィルターでドリップすると、オイルが十分に抽出され、フレンチプレスのような微粉末の混入もなく、甘味も豊富で、珈琲の多彩な成分が躍動していてとてつもなく美味しくなります。ペーパーフィルターで甘味がでなかったのは、別の原因もありました。明日の日記に続く…
Jan 31, 2009
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昨年の12月頃、ちょうどペーパーの油通しを試していたときに、フレーバーコーヒーのノンタンさんが、ブログに興味深いことを書かれていました。2度ごしを何度も繰り返すと … オイル感がでる?参考Webページ「ニ度ごしを試そう」(ノンタンさんのブログにはペーパードリップとは書かれていませんが、 ぼくは勝手にペーパードリップと思い込んでいます。)最初は、ニ度ごしを繰り返すことでペーパーフィルターに珈琲の油分が染みこんで油分が通るようになったのではないかと推測していました。その後、前回の日記に書いたとおり柔らかくしたペーパーフィルターは油分を多少は通すということもわかってきました。ここで、ふと気がつきました。ニ度ごしを繰り返しているうちに油分が抽出されたのは、ペーパーに油分が染みこんだと考えられる一方で、単純に紙がふやけて柔らかくなったのではないか。紙を揉んで柔らかくする方法は、紙の繊維にむりやり力を加えるため、どうしても紙を痛めて、こまかい亀裂ができてしまいます。紙を水につけてふやかせば、紙の繊維を痛めずに全体を満遍なく柔らかくできます。そこで実験してみました。ふやかして柔らかくしたペーパーフィルターでドリップ【注意】これは間違ったペーパーフィルターの使い方です。 実行する場合は、自己責任でお願いします。手順1.ペーパーフィルターをお湯または水に浸して、数十分程度放置します。 (お湯の方が紙臭さも抜けて良いように思います。 どれくらいの時間ふやかせば良いのかは、まだ良くわかりません。)【注意】ふやかしているときに雑菌が繁殖する可能性があります。 衛生面には十分にお気をつけください。2.ペーパーフィルターがふやけて柔らかくなったら取り出して、水分を絞ります。 このとき、ペーパーは非常にもろい状態になっていますので、 ペーパーに穴をあけないように丁寧に圧力をかけて水分を取り除きます。 画像では、折りたたんでつぶすように絞っていますが、折り目に亀裂が入る可能性があります。 時間がかかりますが、折らずに自然乾燥させても同様の効果があることは確認しています。3.水分を絞ったペーパーフィルターを広げてドリッパーにセットします。 フィルターがしわだらけでドリッパーに密着しませんが気にしません。 また、湯通しもしません。(紙臭さは、ふやかしたときに抜けています。)4.珈琲の粉をフィルターにセットして、後は普通にドリップします。 ふやかして絞ったペーパーフィルターは、水分を良く吸収します。 最初に抽出される珈琲液(油分も含まれる)が、 ペーパーフィルターに吸収されることも狙いの一つです。 画像は18gの珈琲をセットしたところこれはうまくいきました。抽出した珈琲をみると、油分が豊富に含まれるためか表面の泡がすぐに消えます。まるでネルドリップで抽出したような状態です。珈琲を飲んでみると、ぼくの下手なネルドリップで淹れた珈琲とほぼ同じ印象でした。ペーパードリップでここまでの味がだせるとは思いませんでした。今回の実験で使ったペーパーフィルターとドリッパーV60用ペーパーフィルター01用(1~2杯用)100枚入酸素漂白ハリオV60透過ドリッパー01セラミックW (1~2杯用)原理は、ふやかして柔らかくするだけですので、他のペーパーフィルターとドリッパーの組み合わせでもたぶんうまくいくと思います。(ペーパーフィルターの材質がケナフなどのように異なる場合は、わかりませんけれども)この方法でなぜ油分がペーパーフィルターを通るようになるのかまだ、はっきりわかっていません。今のところ原因として思いつくのは、次の3つです。 1.ふやかしてペーパーの繊維の隙間が広くなった。 2.ふやかして絞ったあと、湯通ししないでドリップすることで 最初の油分を含んだ珈琲液がペーパーに染みこんで油分をはじかなくなった。 3.ふやかして絞るときに細かい亀裂が入った。個人的には1と2が同程度に効いていると思っています。3は、30分程度熱湯でふやかした後に、折らずにもとの形のまま1日程度放置して自然乾燥させたペーパーフィルターでも油分が通りましたので、それほど効いていないと思います。ただし、ふやかす方法は、珈琲の油分を通すためにペーパーフィルターの濾過能力をわざと弱めていますので、渋みやえぐみなどの分子の大きい雑味成分も出やすくなると思います。抽出するときは、普通のペーパードリップよりも丁寧にお湯を注ぐ必要があります。ペーパーフィルターをふやかして、(ネルドリップのような)油分の多い美味しい珈琲を楽しみましょう。動的ドリップに続いて今回もフレーバーコーヒーのノンタンさんの情報をヒントにして、この結論にたどり着けました。ノンタンさんの問題提起(ペーパーでオイル感を出す)が無ければ、この発見はありませんでした。貴重な情報を公開されているノンタンさんに感謝いたします。追記:ペーパーフィルターをふやかすのに水では、ほとんど効果が無いようです。熱湯でふやかすのがお勧めです。追記2:ふやかす方法では、コーヒーオイルがペーパーを通るものの雑味も多めにでてしまうため、コーヒーの美味しさを損なうようです。代わりにcafeistさんの穴あけペーパードリップ法をお勧めします。
Jan 28, 2009
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前回の実験の続きです。珈琲の油分を通すペーパーフィルターができないものかと考えているときに、思い出しました。ぼくの実家には布を切るための専用のはさみがありました。子供だった頃、そのはさみで紙を切っていると母親に怒られました。紙を切ると、はさみの切れ味が悪くなるという理由が、子供だったぼくには納得できませんでした。(紙を切ったぐらいで金属のはさみの切れ味が鈍るなんてあり得ない。)その後、仕事で大量の紙を扱うことも多くなりました。紙をさばくときに指を切った経験は誰でもあると思います。痛い思いを何度か繰り返しているうちに、ようやく気がつきました。紙という物質は硬い。指が切れたり、はさみの切れ味を悪くするほど硬い。珈琲のペーパーフィルターは、紙の中では柔らかい方だと思いますが、ネルドリップのネル布よりも、確実に硬い。紙が硬いのなら、柔らかくすれば良いのではないか。やってみました。柔らかくしたペーパーフィルターでドリップ手順1.ペーパーフィルターを揉んだりくしゃくしゃにして柔らかくする。2.くしゃくしゃにしたペーパーフィルターを広げてドリッパーにセットする。3.紙の繊維のクズなども大量に出ると思いますので、 ペーパーフィルターに湯通しした方が良いでしょう。4.普通にペーパードリップする。この方法で抽出すると、わずかに油分が入ったような印象の珈琲になりました。少しは効果があるようです。しかし、あまり激しく揉むとペーパーフィルターに細かい亀裂が入って珈琲の微粉末も混入してしまうようです。実験は続く…(次が最後です。驚愕の結果になりました。なぜ今まで気づかなかったのか。)
Jan 27, 2009
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ネルドリップが最強の抽出法であるとしてもペーパードリップの手軽さも捨てがたい。ペーパードリップで(ネルドリップのような)油分の多い珈琲を抽出するには動的ドリップ法が有効というのは以前の日記に書いたとおりです。しかし、珈琲の粉を動かさずにそっとお湯を置くように抽出する方法が理想であると、心のどこかにすり込まれているためなのか、動的ドリップ法でドリッパーを上下運動させながら抽出していると、すごく邪道なことをしているようで、後ろめたくなってきます。ペーパーフィルターに工夫をして(ネル布のように)珈琲の油分を通すようにできないものか。そんなときに、ふと、思いつきました。水が染みこんだペーパーが油分をはじいて通さないのなら、油分が染みこんだペーパーは油分を通す。(以前の日記参照)やってみました。ペーパーフィルターを油通ししてドリップ手順1.ペーパーフィルターを油通しするための油を用意。 3~4粒の珈琲豆を挽いて、珈琲のカッピングをするときのように、 コーヒーカップなどの容器に入れ、お湯を注いで数分間待つ。2.ペーパーフィルターをドリッパーにセットし、 1.のコーヒーカップの表面の泡を取り除いて、 上澄みの油分をスプーンですくい取って、 ペーパーフィルターにかけて油通しする。3.あとは普通にペーパードリップする。この方法では、確かに油分の多い珈琲ができました。しかし、ペーパーを油通ししたときの油が珈琲の中に入っただけとも考えられ、微妙な結果になりました。また、油通しをするために珈琲の油を用意するのも面倒です。実験は続く…ところで、他の珈琲の油だけ取り出して混ぜた珈琲はブレンドコーヒーと言うのでしょうか。
Jan 25, 2009
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年末にコヒア・アラビカを訪問したときに、ついでに珈琲豆も購入しました。100gでは売ってくれなかったので200g購入。 コロンビア(中煎り) 200g 2000円コロンビア特有のコクの深い香りがして、ペーパードリップで淹れたところ、個人的な好みからすると酸味が強めであるもののコロンビアのコクと甘味もそこはかとなく感じられました。飲み終わって、ペーパードリップした珈琲の出し殻を片付けようとしたところ、あることに気がつきました。珈琲の出し殻の香りが非常に良い。こ、これは、もしかして、ペーパードリップでは、この珈琲豆の成分を十分に抽出できていないのか。それで3年前に購入したものの、気が進まずに放置してあったネルを急遽引っ張り出して使ってみました。メリタでもカリタでもなく、マルタのネル。マルタ ネルドリップ 1人用金具セットフィルターの素材は、綿(80%)、ポリエステル(20%)で起毛はあるのかないのかわからない。布の形状は、縦方向に長め。18g前後の珈琲を抽出するのにちょうど良い大きさです。ネルドリップで抽出した珈琲は、油分が豊富に含まれるためか、抽出した珈琲の表面に浮いている泡がすぐに消えるところが新鮮でした。ネルドリップで抽出するようになって、いろいろな珈琲を飲んでみると、ペーパードリップでは出てこない味があります。珈琲豆の個性の他に焙煎の状態までも伝わってくるようです。珈琲豆を焙煎する人に、ネルドリップを愛用している人が多いことが納得できました。以上が、ぼくがネルドリップを始めた理由です。200g2000円の珈琲豆のもとをとろうとしたのが動機なので単に貧乏性なだけとも言えます。(ネルドリップした後の出し殻も良い香りでした。)
Jan 24, 2009
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久しぶりに赤坂のコヒア・アラビカを訪問しました。約15年前に2度訪問しているため、今回が3度目です。最後に訪問したときは、マスターと話をしているうちに話の流れで勧められるままに超浅煎りのモカを飲みました。これが衝撃的な珈琲だったため今でも良く覚えています。珈琲が出されたときは、何かの間違いではないかと目を疑いました。珈琲カップに入っていたのは、良く見ると珈琲の褐色がかすかに認められるものの、限りなく無色透明に近い、お湯のような液体でした。一口飲んでも、珈琲と言われなければお湯を飲んでいるようでした。しかし、よくよく味わって飲むと、わずかにお湯にとろみが感じられ口の中に粘り気が残りました。味そのものの記憶は無く、限りなくお湯に近かったというイメージだけが残っています。そのときマスターに説明されたとおり、一般に珈琲は焙煎が浅いほどカフェインが強くなります。お店を出た後は、カフェインの影響のためか気分が妙に高揚し、その上、普通の珈琲を期待していて肩透かしを食らったような状態だったため異常に珈琲が飲みたくなり、別の喫茶店を探したことを覚えています。確かな技術の裏打ちがあればこそ、このような超浅煎りの珈琲が可能なのだと思います。今回は、中煎りのモカを目当てに訪問しました。昼前に到着し、入り口の階段を降りて地下にある店内に入るとお客さんは誰もいませんでした。店内は広く、普通の喫茶店よりもテーブルが広い間隔で置かれていて個人のスペースが十分に確保されるよう配慮されています。カウンター席に座り、マスターから渡されたメニューを見ると珈琲はすべて1000円以上。このメニューの金額を見ると場違いな所に居るような気分になります。モカは数種類あり、深煎りのモカは2000円。超浅煎りを選択しないように、慎重に焙煎度合いをマスターに確認しながら中煎りのモカを注文しました。 アラビアンモカNo.1 1500円ネルドリップのネルは、カウンターの台に固定されていて、数回にわけてお湯が注がれていました。出された珈琲を飲むと、モカの香りは思っていたよりも強くなくまるみのあるしっかりした酸味のあとから、甘味が広がりました。かすかに野性味?のような風味が感じられたのはぼくの錯覚であろうか。それでいて雑味は全く無く、後味はすっきりとしていて甘味のあるコクがわずかに口の中に残りました。甘味は控えめであるものの、自然な印象でこの珈琲の本来の甘味のように感じられました。ぼくが考え込みながら飲んでいたためか、マスターから珈琲の味は冷まして飲めば良くわかると言われたので、飲み干さずにカップに1cmほど残して冷ましてみました。その珈琲は綺麗に澄んでいて濁りが全く無く、紅茶のような水色。冷まして飲んでみると、味の傾向はそのままで、雑味がまったく無いのが良くわかりました。これで当分はモカを飲まなくても済みそうです。コヒア アラビカ (喫茶店 / 赤坂見附、赤坂、永田町)
Jan 12, 2009
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年末はJRのシステムトラブルで上越新幹線のダイヤが乱れたため上野で時間の余裕があるか心配でしたが、北山珈琲店を訪問できました。今回が2回目の訪問です。初めて訪問したときに飲んだメキシコには衝撃を受けました。(過去の日記参照)味を記憶に留めようとすると別の味がその背後にあることに気づきそれも記憶しようとすると、その背後にも別の味があり、それが際限なく続くため記憶するのをあきらめました。珈琲の味の要素をカップの中に凝縮したような、口の中で珈琲の要素が次々に展開されていくような、珈琲の成分で作った構築物という印象でした。1回目の衝撃があまりにも強いとどうしても2回目、3回目の感動は薄れてしまうものです。お店に行っても1回目のような感動的な珈琲にまた出会えるのだろうか?「落馬したらすぐに馬に乗れ」落馬したときの恐怖の記憶は、時間が経つほど頭が勝手に増幅してしまい次に馬に乗るのを避けるようになってしまう。前回の北山珈琲の体験は、落馬に匹敵するぐらいの衝撃だったため時間が経つほど記憶が美化されてしまい、それを壊したくないという作用が無意識に働いて、自然とお店に行きにくくなる予感がしています。こうなると、まったく同じ物を飲んだとしても、美化された記憶に負けてしまい、それほど美味しいと思えなくなる。この感覚を一度リセットするために今回の訪問は必須でした。昼食後に訪問すると、本来は定休日の月曜日だったためなのか、他にお客さんは無く、カウンター席に座りました。(年末は月曜も営業することは、お店のブログで確認しておきました。)店内は1年前に訪問したときよりも片付けられて少しだけ広くなっていました。今回は、Webでも飲んだという人が多い、 雅(みやび) 1500円を普通の濃度で注文。珈琲が運ばれてくると、凝縮した珈琲の成分が、濃度が濃すぎて液体の状態を保てずに気体になって立ち昇っているような密度の濃い甘い香りがして軽くショックを受けました。一口飲むと、言葉で表現すれば、一番近い単語は苦味ということになるものの珈琲のエキスが濃縮されたような深めの焙煎の濃厚な珈琲に特有の味でそれがさらに複雑になったようないろいろな成分が積み重なった集合体でありそれでいて舌を刺激するようなことはなく、全体に丸みがあり、飲み進めると舌に馴染んでくるような印象。苦味とともに甘味も豊富で単純でなく、いろいろな甘みが感じられました。その甘味の中の一つに、ときおりクリームのような滑らかさとともに気品が感じられブルーマウンテンが連想されました。雅にブルマンが使われているのかは良くわかりませんがブルマンのエッセンスを凝縮したような気品のある甘味が体験できただけでも、ぼくにとっては、この雅を飲んだ価値がありました。後味もすっきりしていて嫌な味はありませんでした。これほど濃度が濃いと、ゆっくりネルドリップで落とせば渋みなどの分子が大きい雑味成分は液体の中に溶け出さないことを直接体験しているようでした。雅は珈琲の濃度が濃く、焙煎も深めのため、珈琲を飲みなれない人が飲むと苦味しか感じとれないかもしれません。ぼくはクリームなしで、最後までブラックで飲んでしまいましたがクリームや砂糖を入れれば美味しい飲み物になるのも容易に想像できます。しかし、クリームを入れたのでは雅の特徴がわかりにくくなってしまうことも予想され悩ましいところです。個人的には中煎りの珈琲が好みであるため、前回飲んだメキシコの方が苦味、甘味、酸味のバランスが良く飲みやすいように思いました。雅を飲んだことで前回のメキシコの衝撃がやわらぎ、記憶の中で落ち着いたようです。また年末に訪問するのを楽しみにしています。
Jan 10, 2009
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年末に埼玉県の実家に帰省したときに途中下車してネルドリップのお店を訪問しました。babi-yarさんのCoffee Concierge(埼玉県)でお勧め度が三ツ星の道化宿(どうけじゅく)です。Googleマップで道順を確認し、JR南浦和駅の西口から足取りも軽やかにお店を目指すはずでしたが道が少しだけではあるものの上り坂になっていて出鼻をくじかれました。帰省するときは、いつもお土産に中田屋のきんつばをリクエストされるため実家とご近所さん用にかなりの量のきんつばを持って移動することをしいられます。中田屋のきんつばは、金沢のお土産としては定番中の定番で、餡が甘すぎず小豆の風味が引き立つように絶妙のバランスで仕上げられていて老舗の風格が感じられる逸品です。しかし、きんつばというお菓子は、小豆の塊なので単純に重たい。坂道を登る足取りも自然に重くなりました。Googleマップは、坂道情報も表示するように改良してほしいものです。緩やかな右カーブの上り坂を歩いていくと、夕暮れで暗くなりかけた路上に「コーヒー好きの店」と書かれた看板が明るく輝いているのが見えてきて珈琲マニアを歓迎しているかのようでした。お店に入ると、そこはウッド調で統一された温もりが感じられる空間でした。夕方に訪問したためか、他にお客さんは無く、マスターがBGMにジャズをかけるのと同時にカウンター席に座りました。店内はスペースは広くないものの、カウンター席にもがっしりした両袖の木製の椅子が使われていて落ち着けました。最近のモカ騒動のため、モカがあるかどうか心配でしたがマスターに聞くとあるとのことでしたので、予定通りモカマタリ(600円)を注文しました。ネルドリップでネルは矢倉に固定されていました。珈琲が出されて飲もうとするとモカの香りが立ち昇りその香りからも、抽出時のお湯の温度が高いことがわかりました。再加熱はしていないため、熱すぎるほどではなく、一口飲むとまるみのある酸味が感じられ、続いてしっかりした甘味が広がりました。渋みなどの雑味は全く無く、後味はすっきりとしていてまろやかな甘みのあるコクがうっすらと口の中に残りました。babi-yarさんの情報で、独特の抽出方法であることがわかっていたため、モカ以外の珈琲はどうなっているのか興味があり次にマンデリン(500円)を注文。マンデリンの傾向はモカと同様で、酸味と甘味、すっきりした後味。モカと比較するとマンデリンの方が酸味、甘味ともに弱い印象でした。モカの後に飲んだためか、個人的に記憶しているマンデリンの味と異なり、珈琲という飲み物の表現方法の多様性を再認識しました。ぼくには2杯続けて珈琲を飲んで、客観的に味を判断するのは無理なようです。モカの珈琲豆としての力強さは、良くわかりました。浅めの焙煎で、はっきりした酸味がありそれでいて甘みが良く出ていて雑味が全く無いのは、見事としか言いようがありません。すっきりとした後味と甘みのあるコクの余韻も印象に残りました。機会があればメニューにある珈琲を全部試してみたいものです。帰省するときの楽しみが増えました。道化宿コーヒー店 (喫茶店 / 南浦和)
Jan 7, 2009
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年末年始は、帰省したときに購入した珈琲を飲んでいました。パライソdeカフェ(埼玉・大宮) 3度目の訪問。(前回の訪問記) 今回は入り口の高い段差でこけなかった。 ドリップパック(香味ブレンド・中深焙煎)5パック入り 550円 実家は珈琲抽出器具が無いので、自家焙煎の珈琲を使った ドリップパックがあると助かります。 グァテマラSHB(中深焙煎) 100g 550円 甘味とコクが軽やかな印象でした。MOKICHI珈琲(千葉・八柱) 2度目の訪問。(前回の訪問記) 看板が少しだけわかりやすくなり、お店に入りやすくなっていました。 それでも、通りすがりの人が見たらここで珈琲豆を販売しているとは 気づかないように思いました。 ケニア ケントメアー農園(フルシティロースト)100g 560円 複雑で変わった風味のコクと甘み。 コロンビア トレド(シティロースト) 100g 500円 香りが良く、ほどよい酸味、まろやかなナッツ系のコク、確かな甘味。 コクが広がりすぎることなく適度に立体的に感じられて 個人的に好きな味でした。いずれも美味しい珈琲でした。普通に美味しい珈琲を毎日飲めるのが一番です。それでも、ときどきプロが淹れた珈琲も飲んでみたくなります。年末に3店訪問しましたので、感想などを書いてみたいと思います。
Jan 4, 2009
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奇妙な夢を見ました。夢の中で、なぜかMOKICHI珈琲のテーブル席に座っていました。向かいの席には、他のお客さんがいて、「こうするとうまい」と言いながら珈琲に(液体状の)卵を入れ始めました。その後、ぼくの方に焼きたてのシフォンケーキが運ばれてきたところで目が覚めました。今まで珈琲に卵を入れるのは、あり得ないと思っていました。過去の日記(「苦味についてのメモ(続き)」参照)も、そのつもりで書いてました。ところが夢の中の自分は、珈琲に卵を入れているのを見ても不思議に思わず自然に受け入れていたため、目が覚めたときに奇妙な印象が残りました。気になったのでネットで調べてみると珈琲に卵を入れるのはポピュラーなレシピのようです。発見したレシピカフェウフ おおまかな作り方 卵黄に蜂蜜とラム酒を混ぜた後、 コーヒーに投入し、良く攪拌する。 気分でナツメグやホイップクリームを添える。カフェ・ド・ランブルでも飲めるようです。なおこさんの「卵黄入りコーヒー」が非常に参考になりました。氷川きよしさんもランブルで飲んでいるようです。日卵協のWebページによると、苦味をやわらげる効果があるリン脂質は、卵黄に集中しています。カフェウフのように珈琲に卵を入れるレシピは卵黄だけを使うのがポイントのようです。ラム酒や蜂蜜は用意するのが面倒なので、リン脂質が本当に苦味をやわらげるのか体験するべくシンプルに卵黄だけで実験してみました。珈琲は、ブラジル・トルマリン・ムンドノーボを選択。ムンドノーボは中煎りでありながら独特の良質の苦味がありますので、卵黄で苦味がどうなるのか興味深いところです。実験1(珈琲と卵黄だけで良く攪拌) 卵の卵黄だけを取り出し、卵黄の薄皮もできるだけ取り除いてから 珈琲に投入。 卵黄がカップの底に沈んだため、良く攪拌してから飲んでみました。 珈琲の苦味は感じられない。 そのため今まで苦味に気を取られて気づきにくかった ムンドノーボ特有のコクが際立って感じられる瞬間がある。 全体にまろやかになり、クリームを混ぜた珈琲とほぼ同じ印象。 余韻で卵黄の味が口の中に残る。余韻が少しくどくなる点以外は、珈琲と卵黄が良く馴染んでいました。あらかじめ珈琲に砂糖を入れておくと、卵黄が浮くようです。実験してみました。実験2(卵黄を浮かす実験:珈琲と黒砂糖、卵黄で攪拌なし) 一杯分の珈琲に黒砂糖(約4g)を2つ溶かす。 卵黄を珈琲に投入する。 投入した直後は卵黄が沈むものの、すぐに浮いてくる。 ランブル流に混ぜないで飲むと、 珈琲の表面に浮いた卵黄が直接口に入り、 卵黄の味が口の中に広がった後、珈琲と混ざる。卵黄の味がダイレクトすぎるので、卵黄を浮かして飲む場合は、本来のレシピ通りに卵黄に蜂蜜やラム酒で味付けした方が良さそうです。今回は中煎りのブラジル(トルマリン・ムンドノーボ)で実験しましたが卵黄のリン脂質が珈琲の苦味をやわらげますので、深煎りの珈琲との相性も良さそうです。珈琲に卵黄を入れることに抵抗が無ければ、ミルクやクリームと同じ感覚で卵黄を使うのも十分に成立すると思いました。珈琲が苦くて飲めないという方に特にお勧めします。追伸1:夢で見た場所がMOKICHI珈琲だったのは、昨年訪問したときに(過去の日記参照)他のお客さんがケーキセットを注文していて、そのケーキが美味しそうだったからではないかと推測しています。実際のMOKICHI珈琲には、カフェウフは無かったと思います。カフェウフは簡単なレシピですが、喫茶店で提供するには、生卵の品質管理や、卵黄だけ取り出したり、(口当たりが悪くならないように)卵黄の薄皮を取り除いたりするのが面倒かも知れません。追伸2:余った卵白を使って考えていたもう一つのネタ。スープを澄ますときに卵白を使う手法からヒントを得て、珈琲と卵白と水を混ぜて煮出し法で抽出。卵白は60℃前後で固まり始めるので、徐々に加熱すれば珈琲から雑味が出てくる前に卵白が珈琲を包み込み、その上、珈琲の分子が大きい成分は卵白に吸着されて雑味のない澄んだ珈琲ができる?実際にやってみたところ、得体の知れない物質ができて鍋が焦げただけでした。珈琲マニア的には、卵白を使う方が今回のメインだったのですが……
Nov 30, 2008
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ドイコーヒーの「初めてのセット」と一緒に購入したコロンビアは、For Europe (ヨーロッパ仕様)と明記されている銘柄でした。コロンビア クラシコ ウィラ For Europe(フルシティロースト)到着してから3日目に飲んでみました。3日目に飲んだ感想 フルシティローストにしては酸味が強め。 穀物系の味。 全体に薄い印象。 甘味はほとんどない。見事に抽出に失敗しました。珈琲が美味しくないと気分が落ち込みます。一時はドイコーヒーは、ぼくの味覚に合わないのかとも思いましたが、気を取り直して焙煎後5日目に2杯目を飲んでみました。失敗の原因としては、抽出温度が低すぎたことが思い当たりました。西欧の方々は低温抽出などやっているはずがありません。今回はヨーロッパ仕様なので高温で抽出してみました。5日目に飲んだ感想高めの温度(おそらく90℃以上)で抽出 濃厚、密度が高い、滑らか。 初めに酸味が感じられるものの、すぐにコクと一体化する。 ビターチョコレートのようなコク。 ナッツ系の他にもうまく表現できない複雑な風味。 全体にワンランク上がったような充実感、力強さ。 後味は絹のように滑らかで切れが良く、 ほのかな甘みを背景に複雑なコクの余韻が消えていく。ようやく、このコロンビア本来の味に出会えたようです。酸味を派手に出しながら珈琲豆本来の力強さを追求しているかのようです。甘味が印象的なエメラルドマウンテンとも明らかに方向性が違います。それにしても、この酸味は……昔見たテレビ番組で、日本のりんご農家の方がフランスにりんごを売り込みに行き、苦労されていたのを思い出しました。そのとき、フランスではフジのような甘味が強いりんごは、りんごらしくないと評判が悪く、酸味のあるりんごの評価が高くなっていました。また、斉須 政雄 著『フレンチ十皿の料理』では、梅干しを使った第八皿「紫蘇のスープ」と酢とバターだけで作ったソースを味わう第九皿「エイとキャベツ」が印象的で、フランス人はかなりの酸味好きなのではと想像しています。酸味がこのコロンビアのヨーロッパ仕様の重要な要素であるのは確かなようです。それ以上に、全体に充実した味わいで珈琲豆そのものの力強さが感じられました。日本人がお米にこだわるように、珈琲を飲んできた歴史が長い欧米では珈琲にこだわる。本当に良い珈琲豆は、欧米に買い占められている。先日、1年間のドイツ出張を終えて戻ってきた同僚も「本当に良い珈琲豆は西欧に流通していて、日本では手に入らない。」と言っていたので、最近日本でも買えるようになったトルマリンコーヒーを勧めておきました。そういえば、味の傾向は全く違うものの味以前にこのヨーロッパ仕様のコロンビアを貫いている芯の強さはトルマリン珈琲にどことなく似ている……ぼくの想像ですが、日本で考案された低めの温度で抽出する方法は、品質の低い珈琲豆を美味しく飲むためのやむを得ない工夫だったのか……(低温抽出法の本当の狙いは、耕 八路 著『究極の珈琲』(入手困難)に書かれている通り 抽出後の珈琲の味を劣化させずに長時間保存することです。)日本でネルドリップや低温抽出や松屋式ドリップで珈琲の雑味を出さないように技術を尽くしているときに、欧米では何も考えずにお気楽にエスプレッソやフレンチプレスやコーヒーメーカーやらで高温の熱湯で抽出しても美味しくなってしまうワンランク上の珈琲が普通に飲まれていたのか……(あくまでもぼくの妄想です。)ヨーロッパ仕様のコロンビアは、確かに極上の珈琲でした。ここまで書いてから、ドイコーヒーのウェブページでこのコロンビアの味の評価を見てみました。ティスティング評 香り◎ コク◎酸味については何も無し。会員の生の声でも、酸味の強さについて書かれているものは無し。味の感じ方は個人差が大きいとは言え、ぼくの酸味の感じ方は独特のようです。フルシティローストでここまで酸味があるのになぜ?本当にフルシティ?見た目はフルシティのようですけれども……もはや疑心暗鬼の状態です。初めてのお店は、いろいろな意味で基準がわからないのでとまどいます。常連にならないと、お店の本当の味はわからないのかも知れません。ドイコーヒー恐るべし。
Nov 2, 2008
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ドイコーヒーから「初めてのセット」を購入しました。内容はときどき入れ替わるようです。ぼくが購入したときは、ブラジルとグァテマラでした。珈琲の袋は、ガス抜きのバルブがついているタイプで袋に焙煎日が記されていました。いつも通りの抽出方法で飲んでみました。使用した器具 ドリッパー:ハリオV60透過ドリッパー01セラミックW (1~2杯用) ペーパー:V60用ペーパーフィルター01用(1~2杯用)100枚入酸素漂白沸騰したお湯を細口のポットに移して(おそらく90℃より低めの温度で)抽出グァテマラ オリフフラマー農園(フルシティロースト) 一口目からグァテマラらしい多様な成分がどっと広がる。 その一つ一つを表現するのは、ぼくのぼきゃぶらりーでは不可能です。 酸味は微か、甘味が確かで背景で味を支えている。 グァテマラ特有の漆黒のコク(←個人的な命名で一般的ではない)も ときおり顔を出し、賑やか。華やか。複雑。 それでいて、全体の印象は軽やか。 フルシティローストのグァテマラらしさが増量されているようでした。ブラジル ダテーラ農園(シティロースト) ほのかな酸味に彩られたビターチョコレートのようなコク。 バニラアイスのような甘味。 雑味が無くどこまでもクリア。 個人的に好みの味でした。 記憶にあるブラジルらしさが無いけれど旨い。 個人的にブラジルらしさと記憶していたのは、シモサカの味であって、 ブラジルの一般的な味では無かったことに気づきました。グァテマラもブラジルも繊細かつ透明感のある味わいで珈琲豆の個性がきわ立っていました。実は「初めてのセット」を購入するときに、同梱に勧められていたコロンビアも一緒に購入しました。これがとんでもないコロンビアでした。次の日記につづく……
Nov 2, 2008
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これを使う日が再び訪れようとは……。 ゴールドフィルターです。珈琲抽出に興味を持った人なら一度は目にしたことがあると思います。ただ、価格が高いため、購入するのは躊躇します。ぼくもかなり迷った記憶があります。すでに15年以上過去のことなので、どこで購入したのかも思い出せませんが、ケースにSEIBUの値札シール5800円也が貼ってあるところからすると都内のどこかの西武デパートで買ったものと思われます。かなり長い間使っていなかったため、果たして使えるのか不安でしたが見た目にはカビなども無く、フィルターは、2重に金メッキされていて金は腐食に強いので、たぶん大丈夫でしょう。樹脂の部分の耐久性は良くわからないですが、気にしないことにします。メーカーはスイスのリッター社とケースに書いてあります。現在販売されているゴールドフィルターは、会社名が異なり、価格も安くなりました。デザインも樹脂部分が少なくなって洗練されたようです。 ゴールドフィルターで珈琲を抽出してみると、珈琲に微粉末が混入します。購入した当時のぼくは、この微粉末に耐えられず、数回使っただけで見切りをつけて、棚の奥にしまい込んでいました。先日、プレスやスチールフィルターを推奨しているナチュカフェさんから珈琲豆を購入したため、「郷に入っては郷に従え」で、久しぶりにゴールドフィルターを引っ張り出して使ってみました。15年前に気になった微粉末は、今回はそれほど気になりませんでした。確かに微粉末は混入しますが、珈琲の油分が多量に抽出されるため油分が全体を包み込むような食感になり微粉末の存在がわからなくなるようです。ぼくが歳をとって細かいことが気にならなくなったとも言えます。予想していた以上にゴールドフィルターで淹れた珈琲が美味しかったので、いろいろな珈琲を立て続けに4杯飲んだところ、さすがに胃がもたれました。油分の多いコーヒーは1杯を味わって飲むのに適しているようです。ゴールドフィルターに味をしめて、今まで使うことを拒否していたフレンチプレスを地元のデパートで購入しました。さっそくプレスで抽出してみましたが、珈琲が派手に濁り、味覚的にはゴールドフィルターの方が優れているように感じました。ぼくはプレスで珈琲を味わうまでの境地には至っていないようです。フレンチプレスの抽出方法は、まだ改良の余地があるということで、フレーバーコーヒーさんがプレスの改良を書かれていて参考になります。今後の展開にも期待しています。ゴールドフィルターは味覚的には満足できましたが、ペーパーフィルターと比較して後片付けが面倒です。そこで、ペーパーフィルターの動的ドリップ法で抽出してみたところゴールドフィルターとほぼ同等の珈琲が抽出できました。(個人的に油分が多い珈琲の評価に慣れていないため、どこまで同等かは不明です。 多めの油分にまどわされて、ぼくには同じような珈琲に感じられたということです。)ペーパーを使うため微粒子の混入もありません。個人的には、動的ドリップ法で満足です。久しぶりに使ってみたゴールドフィルターですが、フィルターに付着した珈琲の油分が酸化しないようにお湯で念入りに洗ってから、再度、棚の奥に保管しておくことにします。
Aug 16, 2008
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昔々、珈琲に興味を持ち始めた中学生の頃、初めてコーヒーミルを購入したときのことです。自宅の近くには珈琲専門店が無く、日本茶を販売しているついでに珈琲豆や珈琲の器具類も扱っているお茶屋さんに買いに行きました。コーヒーミルを買いたいということでお店のご主人に相談すると、本来は肉を挽くための道具なのだけれどと前置きをつけて最初に勧められたのがスポングのミル。この頃はスポングのミルが流行っていたようで、お店のご主人も愛用しているとのことでした。今にして思えば、本当に良いミルを勧められていたわけです。しかし、珈琲初心者の中学生だった当時のぼくにその価値がわかるはずもなく、独特のマニアックな形状と、台に固定しないと使えないという使い勝手の悪さから、丁重にお断りしました。次に勧められたのが、ザッセンハウスのミル。これには心を惹かれましたが、蓋付きのデザインの良いものほど高くなる。迷っているとその次に勧められたのが、良くわからないメーカーのミル。ミルの外側にアルファベットが3文字書かれた赤いシールが貼ってあっただけで、未だにメーカーはわかりません。ご主人の話では、歯がドイツ製でしっかりしているとのことでした。値段は5千円ぐらいだったと思います。形は長方形の箱形で、蓋が閉まるタイプ。ドイツ製の歯とデザインに惹かれて、このミルを購入しました。その内部は、ザッセンハウスのミルよりもごつい感じの歯がついていて切れ味が良さそうな印象。歯の軸がぶれないように軸の上下ががっちり固定されていました。粉の粗さは、ミルの中に手をつっこんで歯の軸の下端についているレバーで操作する仕組みになっていました。ミルを購入したものの、このころは、欠陥品のドリッパーを使いつづけていたり(以前の日記参照)いろいろな思い込みがあって、美味しい珈琲を淹れることができませんでした。ぼくが抽出した珈琲をまわりの大人に飲んでもらっても首をかしげるばかりで、『道具だけは一人前』と言われ続けていました。このため、しばらくして珈琲への興味が薄れこのミルを手放してしまったのは今でも悔やまれます。それから数年が経過し、再び珈琲に興味を持ち始めた頃最初に購入したミルを再度入手すべく探してみたのですが、既に市場から消えていました。デッドストックを狙っていろいろなお店に行ったり、アンティークや、最近ではネットオークションでも探したりしていますが、見つけることができず現在に至っています。このため、現時点で自分用に使っている手挽きミルはザッセンハウス社 コーヒーミル 169とカリタ ダイヤミル。電動ミルは、カリタナイスカットミル レッドに落ち着いています。 ぼくが購入した169は、素人目にも初歩的なミスとわかる不良品でした。歯の軸を固定するナットが斜めの状態で無理矢理ねじ込んでありました。その顛末は以前の日記に書いたとおりです。このときのミルが169でした。初期不良品の169を快く交換してくれたのはお茶屋さんのご主人でした。それはさておき、ぼくがザッセンハウスの169を購入するときに決め手になったのは、歯のついた軸がぶれないように軸を上下で固定する仕組みになっているところです。フレーバーコーヒーさんも書かれているように、最近のミルは、コストを下げるためなのか、歯を軸の上側だけでしか固定していないものが多くこれでは珈琲豆を均一に挽けないのではと疑っています。日本のメーカーには、ザッセンハウスを超えるミルを作って欲しいものです。そのザッセンハウスのミルも今では入手困難になりネットオークションでも状態の良いものはプレミア価格でやりとりされているようです。昨年の年末に訪問したパライソdeカフェさんの商品棚に新品の169が置かれていて少し驚きましたが、あれは売り物だったのでしょうか。年末はパライソdeカフェさんで珈琲を購入した後で久しぶりに新宿のヤマモトコーヒー店に行っていろいろなミルを眺めてきました。そのときにヤマモトコーヒー店のご主人にも聞いてみましたが、ぼくが初めて購入したようなミルは、今ではどこも扱っていないとのことでした。帰り際にふと見ると店頭にユニオン製のスポングのミルの復刻版が置かれていて、思わず衝動買いしそうになりましたが、なんとか思いとどまりました。某有名店のWebページに1年以上前から書かれている微粉が出ない小型のミルも気になります。いつ完成するのでしょうか。個人で手の届く範囲の価格で、珈琲を均一に挽けて微粉末が少ない普通に納得できる実用的なミルが欲しいものです。 I will not become a collector. I will not become a collector. I will not become a collector. ・ ・ ・追記1:ザッセンハウスの169は、名前が「ラパス」になって販売が再開されました。ただし、値上がりしたため電動のナイスカットミルも視野に入る微妙な価格になりました。追記2:その後、ネット上で、ぼくが最初に購入したミルと非常に良く似たミルを発見しました。既に売却済みになっていますが、リンクさせていただきました。古道具のwebshop パゴダコーヒーミルKYM本体のシール(菱形で赤い背景に三文字のアルファベット)やミル全体の形状、がっちり組み込まれた歯がそっくりです。良くわからなかったメーカーはドイツのKYM社だったようです。このようなミルを現時点で作っているメーカーは無いのだろうか。
Jul 26, 2008
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前回の「ドリップと重力」からの続きです。重力が大きいところでペーパードリップをすれば、油分が多い印象の珈琲ができる。それでは、重力を大きくすることはできるのでしょうか。重力そのものを変えることはできませんが、重力が大きいのと同じ状態をつくるのは簡単です。ニュートンの法則を持ち出すまでもなく、エレベーターが加速しながら上昇すれば、エレベーターに乗っている人には、下向きの力がかかります。エレベーターに乗っている人は、エレベーターが加速上昇したのか、重力が大きくなったのか区別することができません。ということは、単純にドリッパーを上向きに加速運動させれば、ドリッパー内のお湯に下向きの力が加わるため、重力が大きくなったのと同じ状態になります。実際に、この方法で抽出したところ、油分の多い印象の珈琲ができましたので抽出方法を紹介します。フレーバーコーヒーさんの「アポロくん・ミニ」をヒントにして考えたため、「アポロくんミニもどき」と名前をつけても良いのですが、ぼくは「アポロくんミニ」で抽出した珈琲を飲んだことはありませんのでどこまで、もどきの味になっているのかわかりません。それで、抽出中にドリッパーを動かすため「動的ドリップ法」と勝手に命名してみました。動的ドリップ法 【注意】ここに書いてある抽出方法は危険をともないます。 珈琲が派手にこぼれてやけどしたり、 ドリッパーやサーバー、コーヒーカップをぶつけて壊す場合もあります。 また、ハリオの1~2人用円錐ドリッパーで18gの珈琲を使って実験していますが とくに珈琲の粉が多くなる場合は、ペーパーが珈琲の重みに耐えきれずに 破れる可能性もあります。 この抽出法を実行することでどのような事態が発生しても、 この文章の筆者は何の責任もとりません。抽出方法 ハリオやコーノの円錐ドリッパーを使って普通にベーパードリップします。 珈琲を抽出しているときに、ドリッパーの中にお湯がある状態で ドリッパーから下に落ち続けている珈琲がサーバーに入るのを確認しながら おもむろにドリッパーを持ち上げ、ラーメンの湯切りをするように ドリッパーを上下運動させます。 下向きから上向きに方向転換するときに、ドリッパー内の珈琲に下向きに 大きな加速度がかかるように動かすのがコツです。 ドリッパーの中のお湯がすべて落ちきる前に元に戻して 次のお湯をドリッパーに注ぎ、抽出が終わるまで繰り返します。抽出方法の補足 ドリッパーからコーヒーカップに直接抽出する場合は、 ドリッパーとカップを手でしっかり密着するように持って カップごと上下運動させた方が珈琲がこぼれにくく、うまくいくようです。 この場合は、抽出が進んでカップの中の珈琲が多くなってくると カップから珈琲がこぼれないように注意する必要があります。珈琲の味との関係 一般には、ドリップの終わりに近づくほど、雑味などの溶けにくい成分が多く溶けてきます。 このため、ドリップの後半に上下運動させると雑味が多めの重たい印象の珈琲になるようです。 特に、ドリップが終わる直前に上下運動を1回するだけで味の印象が変わったりします。 雑味を少なく、油分だけ多めに抽出するには、ドリップの前半に上下運動させた方が 良いと思いますが、まだよくわかっていません。 上下運動させるタイミングや回数を変えて、自分の好みの味になるところを 探している段階です。 現時点での個人的な好みは、ドリップの前半に集中的に10~20回の上下運動ですが、 明日は違うことをやっているかもしれません。 (油分の多い珈琲を飲みたいときしか、動的ドリップをやらないのでデータが集まりにくい。)「アポロくん・ミニ」と同様に、お湯が落ちる速度が速くなりすぎる場合は珈琲の挽き方を細かくすると対応できます。メリタやカリタのドリッパーでもできると思いますが未確認です。穴の大きさでお湯が落ちる速度が制限されますので円錐ドリッパーよりも効果は小さくなると思います。また、フレーバーコーヒーさんが松竹コンボドリップで書かれているようにお湯で珈琲を攪拌するように(高いところから注いで)水圧をドリッパー内の珈琲にかける方法でも、同じ原理で油分の多い珈琲になります。しかし、この方法では珈琲が攪拌される or わざと攪拌するため、雑味成分も多く出てきます。これに対して動的ドリップ法では、上下運動させるときにできるだけ水平方向に動かさないようにすれば、珈琲に余分な力がかからず雑味成分が出にくくなりますので、雑味が少なく油分の多い珈琲ができます。動的ドリップ法を実践される場合は、くれぐれも火傷や器具の破損にはお気をつけください。あまり勢いよく上下運動させるとペーパーが破れますので適当に加減してください。以上の方法は、あくまでもペーパードリップで油分が多い珈琲を抽出するための方法です。ネルドリップの場合は、事情が異なるようです。やはりフレーバーコーヒーさんがネルドリップの研究に書かれているように、珈琲の油分が染みこんだネルの布は、ペーパーのように油をはじかないため通常の使用方法で、油分が抽出されるようです。ネルを固定した状態で、お湯をそっと注ぐ方法は、珈琲の粉を動かさずに雑味を出さないための工夫だと思っていましたが、フィルターに余分な圧力をかけないための工夫とも解釈できます。(特に1杯分を淹れるときが圧力は最小です。)この場合は、ネルの布フィルターを(重力だけで)自然に通り抜ける珈琲の成分を抽出していることになります。ネルのフィルターとしての働きが弱くなる外側起毛にすると油分や珈琲の微妙な成分が多い珈琲になるというのも頷けます。一方、ネルドリップ(内側起毛 or 外側起毛)でも、抽出中にネルを上下運動させれば、下向きの力が大きくかかったときに油分や分子の大きな成分がネルを通りやすくなり、油分の多い印象の重たい and/or まろやかな味の珈琲になることは容易に想像できます。ネルドリップの喫茶店で、ネルを上下に動かしながらドリップしているお店は、珈琲の味をコントロールする(油分を多めに抽出してまろやかにする?)ために意識的にネルを動かしているのか聞いてみたいところです。珈琲の味をコントロールするためにドリッパーを上下運動させるのはネルドリップの世界では昔から知られている方法なのかもしれません。(ネルはもともと油分が通るため、ペーパーフィルターほど味が変化せず、 ただ抽出のリズムを取るために動かしているとも考えられます。)「重力が大きいところでドリップするとどうなるか?」という疑問からスタートして「動的ドリップ法」にたどり着きました。ペーパードリップでは、ドリッパーは固定して使うものという先入観があったため今まで気がつきませんでしたが、「動的ドリップ法」で抽出するとペーパードリップでも簡単に油分の多い印象の珈琲を淹れることができます。ペーパーフィルターでオイル感を抽出する方法を惜しげもなく公開されているフレーバーコーヒーののんたんさんに改めて感謝いたします。
Feb 3, 2008
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昔、議論好きの友人と珈琲を飲みながら話をしていたときに聞かれて今でも記憶に残っている質問です。「(地球以外の惑星のように)重力が違うところでドリップ式で珈琲を淹れるとどうなるのか。」重力が小さくなるとドリップができなくなるのはすぐにわかります。無重力状態では絶対にドリップはできません。重力が大きいところでは、どうなるのか。そのときは、重力が大きくなるとお湯が速く落ちて抽出時間が短くなるぐらいで、それほど違いは無いのではと適当に答えましたが、何か引っ掛かるものがあり、時々考えてみるもののそれが何なのかわからず現在に至っています。これとは別に、普段は自分で飲むために1.5杯分の珈琲をペーパードリップで抽出しています。ときどき、3杯分以上の珈琲を抽出すると、いつもの1.5杯分で抽出したときの味にならないことを体験していました。それはなぜなのか。そんなときに、フレーバーコーヒーさんが減圧抽出装置「アポロくん」を開発され驚いている間もなく、続いて「アポロくん・ミニ」を開発され、今ではその装置も販売されています。40杯分の多量の珈琲をペーパードリップで抽出すると通常のペーパードリップでは抽出されない珈琲の油分が抽出されるということをヒントにして、サーバーだけ減圧する「アポロくん・ミニ」を考案されたそうです。フレーバーコーヒーさんのサイトの「アポロくん・ミニ」に書かれている内容で参考にさせていただいたところをまとめてみますと、水と油は反発するため、水を含んだペーパーは油分を通しにくくなる。(ペーパードリップしているときに、珈琲の油分はペーパーの直前まで 来ていてペーパーに遮られている。)そこで、油分がペーパーを通り抜けるだけの力を加えてやれば、ペーパーフィルターでも珈琲の油分を抽出できる。ということになります。 ここでは油分とかきましたが、実際には、油分の他にも 分子の大きい成分がペーパーを通り抜けるものと思われます。 (一般には珈琲の雑味成分?微妙な成分?も分子が大きいと思われます。) そこで、珈琲の中にとけ込んでいて水に馴染みやすく珈琲の味を 重たい and/or まろやかな印象にする成分のことを、 以下の文章では総称して油分と呼ぶことにします。 珈琲の表面に浮いて見える油(水に馴染みにくい? 粘度が高い?) とは区別しています。 珈琲を飲んでいるときに油分として感じられる成分は何なのか、 その性質として水との馴染みやすさや粘度の違いはどうなっているのか、 などは調べていません。 詳細な成分の分析は化学が得意な人におまかせします。閑話休題「アポロくん・ミニ」の原理を知ったことで、冒頭の「重力が大きい状態でドリップすると…」の疑問が解けました。ペーパードリップしているときに、ドリッパー内の珈琲に重力よりも大きな力をかければ、通常の重力だけではペーパーフィルターを通れない珈琲の成分がペーパーを通って抽出できるようになる。ということは、珈琲の味(特に油分が多く重たい and/or まろやかな印象)が変わる。1.5杯分と3杯分や40杯分の抽出では、ドリッパー内のお湯の量や流速が異なり、ペーパーフィルターにかかる圧力が変わるため、ペーパーフィルターを通り抜ける珈琲の成分が変わる。フレーバーコーヒーさんの「アポロくん・ミニ」は、ドリッパー内のお湯に重力以外の力を加えるために、ドリッパーの下にサーバーを密着させて減圧しています。減圧することでドリッパーからサーバーに引っ張る力(下向きの力)を加えています。それでは、サーバーを減圧したり、ドリッパー内のお湯の量を変える以外にペーパーフィルターに加わる圧力を大きくする方法は無いのでしょうか。重力の大きさを変えられれば良いのですが、そんなことは可能なのでしょうか。明日の日記に続きます。
Feb 2, 2008
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帰省したときに東京の自家焙煎の喫茶店を訪問しようと思い、ネットで最近の状況を調べていると食べログの東京のコーヒー専門店で年末の時点で北山珈琲店が1番人気になっていました。オールドビーンズ専門で入り口に張り紙があるので有名なお店です。 30分以上いられない。携帯禁止。禁煙。待ち合わせ禁止。などぼく自身は、怒られないようにお店のご主人の機嫌を伺うようなお店は苦手です。このため北山珈琲店も張り紙のイメージから今まで敬遠していました。しかし、訪問した人の口コミを読むと珈琲を真剣に飲んでいる限り問題なさそうです。年末に訪問してみました。上野駅の中央改札から出て入谷方面に歩いて行こうとすると足元に人の頭があることに気づき、ギョッとしてよける。ちょうど曲がり角のわかりにくい所で頭だけだして寝ている人がいたため危うく踏むところでした。10分ほど歩いていくと、黄色い看板のお店が見つかりました。入り口の張り紙は、新しい紙になっていたようですがちょうどお店からでてきた先客と入れ違いで入ったため何と書いてあるのか見るのを忘れました。店内には他にお客さんは無く、何も言われなかったのでカウンター席に座りました。お店の中は西部劇のセットのようでした。特に注意をひかれたのはカウンターの内側で、砦のように一段と高く板で囲われていてご主人はその中で作業しているため、全く見えませんでした。ネルドリップで抽出しているところを見たいという願望はあえなく打ち砕かれました。すぐに店員さんが水を持ってきてくれたのでお店のブログを見てあらかじめ決めていた今週末のストレートサービスの秘蔵11年熟成「メキシコ ハイランドコアテペック」をオーダーしました。濃度の基準がわからないので普通のホット(800円)を選択。長時間歩いて喉が渇いていたため単純に水を飲みたかったのですが、水が入ったグラスには、透明の大きな氷の塊が詰め込まれていて、氷の隙間を埋めるように少ししか水が入っていませんでした。珈琲の前にあまり水を飲まないようにとのメッセージのようです。ただし、水がなくなると店員さんがすぐに継ぎ足してくれました。氷が入っているので、水はちょっとしか入らないのですが。店内はジャズが小音量でかけてあり、ときどきスピーカーが空気をつかむように振動させていました。しばらくして店員さんが珈琲を運んできてくれて珈琲の香りがカップから立ち上ってきました。カップの上面に珈琲の香りが溜まっているのが見えるようでした。いつもの調子で一口飲むと、濃度が濃いためか、香りが強いためか、むせそうになり、なんとかこらえました。油断してました。カウンターの上にはコーヒー豆が入っているビンがずらりと並べられているので濃厚な珈琲に慣れていない方はカウンター席に座るのは危険だと思いました。テーブル席がお勧めです。気を取り直して味わうと、通常のホットでも十分に濃厚で、個人的に苦手なオールド特有の香りは感じられず、飲みやすかったのは意外。苦味、甘味、酸味はそれぞれ感じられるもののすべてが渾然一体になり重厚。それでいて重すぎず洗練された印象。これ以上は、何がなんだかわからない。何かすごいものを飲んだという記憶があるだけです。店員さんの接客は家庭的で暖かく、帰り際に砦の中から挨拶されたご主人の声は人の良さそうなやわらかい印象でした。『ご馳走様でした。』自分でも驚くぐらい素直に言葉が出てお店を後にするとなぜか体に力が入りにくく、ふらふらしていました。気が付くと体の細胞の隅々まで活性化されたような爽快な気分になっていました。日常的なこまごまとしたことはどうでも良くなり口の中に残る珈琲の余韻をたよりに今飲んだ珈琲を頭の中で反芻していると感嘆の唸り声をあげずにいられない。お店から上野駅に戻る途中は唸りながら歩く怪しい人になっていました。東京に住んでいたらやみ付きになるところでした。今後、上野界隈に行く機会があるときは、万難を排して訪問したいお店になりました。
Jan 12, 2008
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ここ数年は、1年に1度帰省したときにお墓参りに行くことにしています。ぼくの実家のお墓は八柱霊園にあって、いつもJRの新八柱駅を利用しています。たまたま新八柱駅のすぐそばに2年前にオープンしたばかりの自家焙煎店をインターネット上で発見したため、お墓参りの帰りに寄ってみました。MOKICHI珈琲実は1年前にも行こうとしたのですが、お店が駅のすぐ近くということで油断して詳細な場所を確認していなかったため、見つけられませんでした。そのときは駅前の花屋さんでも、近くに自家焙煎の珈琲ショップが無いか聞いてみたところ、知らないと言われたため、駅を勘違いしたのかと思い諦めて帰ってきました。実際は、その花屋さんから50mぐらいのところにお店はあったわけですが、一般の人にとっては、自家焙煎の珈琲ショップは興味の対象外にあることがよくわかりました。今回はGoogleマップで詳細に場所を確認して行ったため、すぐに発見できました。お店の看板が道路に面して置かれているものの、隣りの99円ショップの雑然とした商品にまぎれてわかりにくい状態になっていました。入り口は、道路から3mほどビルの中に入ったところにあり、ビルの管理事務室のようでした。お店の看板やドアの色調はビルの壁の色と統一感があり、ビルに溶け込んだようなカメレオン効果のため前回は見つけられなかったのが納得できました。お店の中は定員が6名ほどの喫茶店として利用できるようになっていました。昼食後だったので、食後の珈琲としてブレンド・チョコラーダをオーダーしました。深炒りでありながら苦みが強すぎることも無く、とろりとした厚みのあるコクがあり、後味はすっきりとしていて、普通の喫茶店のレベルでは味わえない美味しい珈琲でした。その後、ブラジルとグァテマラを100gずつ購入して帰宅。ブラジル チョコレートのようなコクが前面に感じられるブラジルは これが初めてでした。 それでもグァテマやコロンビアのチョコレートのようなコクとは 違ってブラジルらしさがあるので、珈琲って面白いですね。 甘味も豊富でした。グァテマラ 香りが良く、ほのかな甘味、とろみ感があり、 いろいろなニュアンスが感じられて複雑かつ繊細な印象でした。いずれも珈琲豆のフレッシュ感がよく表現されていました。お墓参りをするときの楽しみができました。
Jan 11, 2008
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年末に埼玉の実家に帰省したときに、大宮で途中下車して、今では楽天を撤退されているパライソdeカフェさんに行ってきました。大宮駅からお店に行く途中はドトールやスタバなど珈琲店が密集していてそれだけこの地域には珈琲好きな人が多いということなのかと考えながら歩いていると到着。前回2年前に訪問したときは不在だった店長さんに今回初めてお会いしました。女性焙煎家&店長のオーラ?が感じられました。お店は年末の休み前のセール期間中だったため、ぼくの前にすでに子供づれのお客さんがいて別のお客さんもぼくの後から来店されていたので自己紹介をして珈琲を購入して5分ほどで帰ってきました。今回はモカマタリとコロンビアを購入。モカマタリNo.9 珈琲の代名詞にもなっているモカマタリ。香りが素晴らしい。 丁寧かつ徹底的に欠点豆をハンドピックしてあるので モカマタリの酸味の個性がよくわかります。 後味は澄み切っていて飲み終わった後に時間がたつほど ほのかな甘みがじわじわと感じられます。 このようなモカマタリが飲めるのは贅沢なことだと思います。コロンビア(エスメラルダ) 前回飲んだときよりも焙煎が若干浅めになっているような印象でした。 酸味とコクが良く出ていて後味がさわやかです。帰るときに入り口の段差でこけないように足元に気をつけていたら手元がおろそかになり、購入した珈琲の入った袋を落としてしまいました。女性客の比率の高い手作り感覚のお店は、珈琲マニアには調子が狂うようです。
Jan 10, 2008
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もう半年以上前になりますが、ノンタンさんのブログに時々金沢のTさんがコメントを書かれていました。そのTさんのコメントで金沢には桂珈琲店という名店があることを知りました。東京から金沢に移り住んですでに10年以上経ちましたが、その間に兼六園は一度行っただけで、桂珈琲店も全く知りませんでした。インターネットであらかじめ下調べしてみると、珈琲はブレンドだけでメニューがなく、オーダーに応じてブレンドしてくれるようです。仕事が休みだった平日に行ってみました。お店は兼六園下の交差点に面したビルの2階にあって、狭い階段を上って店内に入ると平日の午後の中途半端な時間だったため、お客さんは誰もいませんでした。カウンター席に座ると、一呼吸置いてマスターに 「マイルドな珈琲にしますか」と聞かれました。少し考えていると、次に 「どのような珈琲がお好みですか」と聞かれました。実は、個人的に飲みたいブレンド珈琲のイメージがあって、あらかじめ考えておいたのですが、このとき正確にはどのようにオーダーしたのか忘れてしまいました。確か 「酸味が強くなく、苦味が強くなく、中煎りぐらいの珈琲」とオーダーしたように思います。しかし、よくよく考えてみると、これではマイルド珈琲と言っているのと同じことであり、我ながらお粗末なオーダーの仕方でした。ぼくの中途半端なオーダーでマスターがブレンドをつくってくれてカウンター越しに珈琲が出されました。その珈琲をブラックのまま一口飲むと …… 味が …… 無い。苦みと酸味が無くオーダーが忠実に再現されていました。それにしても、味そのものが無いというのは極端ではないのか、などと考え、口の中の珈琲を飲み込むと、舌の奥でまろやかなコクが感じられました。もう一口、飲んでみると、やはり口に入れた直後は味が無く飲み込むとコクがある。不思議に思って、確認しながら繰り返し飲んでいると、2~3分で飲み終わってしまいました。すると、珈琲を飲み終わったころに、ぼくの心を見透かしたかのように、マスターが 「サービスするわけではないのだけれど……」という独特の表現で、お代わりの珈琲をカップに注いでくれました。ぼくのオーダーした珈琲を淹れるときに多めに抽出されていた残りの分も頂いてしまいました。2杯目を飲むと、今度は口に入れた瞬間からまろやかなコクがありました。珈琲は抽出されて液体になった後も、数分単位で味が変わることを実感できました。他にお客さんも居なかったためマスターの話を聞いていると最近は頭でっかちが多いとしきりに言われていて、それが、素人ながら珈琲に関連したブログなどを書いているぼくには耳が痛い話でした。帰り際に「いかがでしたか」とマスターに珈琲の感想を聞かれたときに言葉に詰まって半笑いで「美味しかったです」としか言えなかったのでマスターが気を悪くされなかったか心配です。2杯分の珈琲をいただいたのに、代金は1杯分だけ支払いお店を後にしました。「凄く濃厚な珈琲」とか、「酸味が強い珈琲」とオーダーするとどんな珈琲が出てくるのか考えるだけでも怖ろしい。その後も訪問してみましたが、兼六園という観光地の近くのためか満席で入れなかったので「もの凄く濃厚な珈琲」とオーダーするとどんなことになるのか不明です。ブログに書いてしまうとお店に行きにくくなるのが難点です。
Dec 23, 2007
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