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2008.12.21
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カテゴリ: Figure Skating(2008-2009)

中野選手のグランプリ・ファイナルのフリーの得点は衝撃的だった。トリプルアクセルで失敗し、ステップでつまずいたとはいえ、100点に満たない99.85点。もちろんこれはどこかでダウングレードされているからだ。フリップからの連続ジャンプのスロー再生のときに、解説の伊藤みどりが、「あ、フリップがちょっと… こういうところをジャッジは見てるので、どう判断されるでしょうか」と心配していた。そしてもう1つ最後の3+2+2のところ。最後の2Loが完全に回転不足でおりてきてしまったのを、スロー再生ははっきり映し出していた。


案の定プロトコルを見ると、3Aにくわえて、3F、2Loの3つがダウングレード。3FにはNHK杯に続いて「!」マークまでついてしまった。中野選手のフリーのステップはなかなかレベル3がつかない。今回もレベル2で、そこからつまずいた分GOEで減点されたので、ますます減点が多くなった。


初戦のアメリカ大会のフリーでは、中野選手はトリプルアクセルを回避してダブルアクセルにし、今回と同じ構成で115.07点を出した。それより15点以上下がってしまったということだ。アメリカ大会はやや認定が甘かったかもしれないが、とにかく、これは現実に中野選手が出した点だ。


もちろん、点が大幅に下がった原因は大技トリプルアクセルを入れたことだ。以前から書いている「大技を入れると連動して起こるジャンプミス」。これに見事にはまっている。


中野選手のジャンプのプロトコル(成績表)を見てみよう。右の点はGOE後の実際の獲得点数


3A(<)   1.36点   (アメリカ大会では2Aで3.7点)
3F(<)(!) +2T   2.52点 (アメリカ大会では同じジャンプで回転不足やエッジ違反がなく6.8点)
3S+2T   6.2点 (アメリカ大会6点)
2A  4.1点 (アメリカ大会3.9点)
2Lz   1.66点  (アメリカ大会では3Lzを跳んで、若干GOEでのみ減点され5.6点)
3F 5.85点 (アメリカ大会では6.05点。NHK杯ではこの3Fでダウングレード)
3T+2T+ 2Lo(<)  4点(アメリカ大会8.28点)


大技を入れると連動して起こるミスのパターン
1 次に難しいジャンプを失敗する(4回転を入れるとトリプルアクセル、トリプルアクセルを入れると3ルッツ)
2 後半の「いつもなら難なく跳べるジャンプ」を失敗する


これに見事に当てはまっている。つまり3Aを入れることで、そこで集中力を使い、トリプルアクセルの次にむずかしい ルッツが2回転になってしまった 。さらに後半の 最後のジャンプ2Loを回りきる力がなくなり、ダウングレードされた 。これにさらに フリップの回転不足判定が重なった 。ステップでもつまずいた。つまり「大技を入れることで起こるミス」のパターンを見事に現実化したうえに、 もう1つジャンプの回転不足 を取られてしまったのだ。そのうえトリプルアクセルも決まっていない。「減点されたら負け」のルールでは、最悪のパターンにはまった。


もう1つ。中野選手が3Aを跳ぶと3Fが回転不足気味になるというのは、昨シーズンからしばしばプロトコルを通じて指摘されていた。3Aを入れない場合でさえ、3Fでダウングレードされることがある。3Aを入れればなおさら体力がなくなってそのリスクが高まる。だから、「特に3A入れると3Fが足りなくなる」というのは、中野選手の隠れた「お約束の失敗」なのだ。それをやはり、今季も克服できなかった。


中野選手はグランプリ・ファイナルのショートで3位につけ、フリー滑走に入る時点では106点出せば表彰台だった。過去の実績から考えても3Aをやらなければ3位はキープできた。では、中野選手の3Aは「 やってはいけない愚かな挑戦 」だったのだろうか。


それは違う。


まずは、大技を入れるときの過去の実績。大技は他のジャンプを決めてこそ大きな武器になる。中野選手はすでに今季、3Aを入れないフリーですべてのジャンプをきれいにまとめるという課題をクリアした試合もあった。ただ、不安要素もあった。それは「フリップ」と「ルッツ」。安藤選手の昨シーズンほどではないにせよ、エッジの矯正にともなって中野選手はこの2つのジャンプが不安定になっている。3Fのつもりが2Fになったり、3Lzのつもりが2Lzになってしまっていた。3回転+3回転のない中野選手にとって、この不安定さは大変に痛い。連続ジャンプのファーストや単独3回転ジャンプで、それが2回転になるのは、3+3のない選手にとっては「やってはいけないミス」なのだ。


もう1つの不安要素は、中野選手のトリプルアクセルの完成度。中野選手は3Aで転倒までしてしまうことはないのだが、ほとんど常に「ちょっとだけ回転不足」だ。安藤選手や浅田選手のセカンドの3ループ以上に、「肉眼でわかるほどの回転不足」なおりかたをしてしまう。これは何年かけても中野選手がまったく克服できなかった問題点。結果認定度が低い。昨シーズンの世界選手権でもそうだったが、ダウングレード判定が非常に多いのだ。

認定されたジャンプも、スローで見ると「ちょっとだけ足りていない」ことがほとんど。大技の認定がさらに厳しくなった今年、認定される3Aを中野選手が跳べる確率は高くなかったと思う。だが、どこかで試さなければ、認定されるかどうかなどわからない。


過去2試合で跳んでいない3Aをここ一番の大きな試合で入れることのリスクは?


これについても、問題はなかった。中野選手はすでに世界選手権のような大きな試合を何度も経験してきている。ショートで3位という好位置につけたからには、トリプルアクセルをここで試すのは非常に合理的な判断だ。このあとに4大陸や世界選手権が来る。より大きな大会に向けて、出来と認定具合を見るには絶好のチャンスだった。うまく決まれば(上位2人の出来次第では)もっと上の位置に行けるかもしれない。
そして、3位を守りきるという面から見ても、3A挑戦は決して無謀ではなかったのだ。3Aなしで他のジャンプをきれいにまとめて中野選手が得た得点は115点。そのうちの2Aの得点が3.7点。3Aで転倒する確率が非常に低い中野選手がダウングレード転倒(つまりマイナス点になるということ)することはほとんど考えられないが、たとえ3Aで失敗してそのジャンプの得点がゼロ前後になったとしても、失敗がそれだけなら、110点前後は出せるのだ。


ところがやってみたら、ほぼ最悪の結果になった。「大技にともなうパターン化したミス」をやってしまったうえ、中野選手のお約束の「3A入れると3Fが回転不足に」もやってしまった。スピンはレベル4が3つにレベル3が1つ、スパイラルもレベル4と申し分ないのだが、ジャンプで起こった連鎖的なミスとステップでの失敗が痛かった。


中野選手が3Aを成功させつつ、これらの連鎖的なミスを克服できる可能性は非常に低いと思う。フリップの回転不足は去年からジャッジに「狙われている」お約束なのだ。それをまたやっている。つまり、中野選手のジャンプの力に対して、3Aは負担が大きすぎるのだ。「実力をこえたジャンプ構成をとると、こういう悲惨なことになります」の見本みたいなもの。


だから、中野選手は「トリプルアクセルを入れないほうが強い」のだ。 2Aの基礎点3.5点に対して、3Aの基礎点は8.2点。4.7点しか違わない。この4.7点を上乗せしようとして、15点もの点を失った のが、今回のグランプリ・ファイナル。このやり方は明らかにナンセンスだ。


それより、中野選手のフリーにはまだまだ「現実的に向上させられる部分」がある。


1 3Aをいれずにすべてのジャンプを成功させること(アメリカ大会で達成)
2 スピンですべてレベル4を並べること(NHK杯でのみ達成)
3 ステップでレベル3を取ること(これもNHK杯のみで達成)


すべて中野選手は一度はできていることだ。それをどの試合でもできるようにすること。3Aほどの大きな点の上乗せはできないが、博打のような3Aをいつまでも試合で使って、そのたびにダウングレードされるよりははるかに合理的な戦略だと思う。大技を入れなければ、スピンやステップに力をさくことが可能になる。大技ばかりに執着するから他のエレメンツの底上げができないのだ。


3Aに関しては、中野選手は年齢的な限界もある。すでに彼女は「世紀の天才ジャンパー」伊藤みどりが現役引退(のちに一度現役復帰するが)した年齢を超えている。ジャンプの高さは18歳がピークといわれるなかで、努力に努力を重ねて3Aをおりる力を維持してきたが、高さがないジャンプで無理やり3回半まわっても、着氷は常に不安定なままになる。大技認定が異常に厳しい今季のルールでは、まず認定されるジャンプを跳ぶことは難しい。


中野選手はジャンプで加点がなかなかもらえないのだが、2Aだけにはそこそこ加点がついていた。だが、その加点も今シーズンはとても小さい。アメリカ大会では基礎点3.5点に対して3.7と3.9。グランプリ・ファイナルでは4.1。あまり高い評価ではない。つまり高さ(それに飛距離)がないということだ。2Aの質もそれほど高くないのに、むりやり回転力だけで3Aを回っても高い評価はしてもらえない。3Aは減点幅も大きくなった。仮に回転不足判定されずにおりたとしても、GOEでの減点が待っている。中野選手は単独の3回転ジャンプでもGOE減点が多いのだ。


こういったさまざまな点から考えると、 中野選手はむしろ、「トリプルアクセルを跳んではいけない」というのが今回のグランプリ・ファイナルでの教訓 だ。


そうなると、中野選手は何点取れるのだろう?
たった4.7点の上乗せにしかならないトリプルアクセル を今後も意地になって跳び、ほかの連鎖的なミスを引き起こして大量の減点をくらうなど、もはや 愚の骨頂 。今回の挑戦でそれがハッキリしたはずだ。「中野といえばトリプルアクセルぅ~!」などという周囲の煽りには耳を貸さず、現実的な戦略を立てるべきだ。







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最終更新日  2008.12.26 01:32:27
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