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おはようございます。今日はMSWの仕事の一つ、「社会復帰援助」について解説していこうと思います公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会(↑↑MSWの仕事が載っているので、興味のある方はクリックしてみてください)1.療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助2.退院援助3.社会復帰援助4.受診・受療援助5.経済的問題の解決、調整援助6.地域活動1.社会とはそもそも社会とは何でしょうか?改めて考えたことも無いかもしれませんが、社会復帰を考えるうえでこの「社会」という概念を理解しておかなくてはいけません「社会」とは複数名の人間が存在し、ある共通のルールや生活様式に則って生活をする集団のことを指します(社会学でもまだはっきりとした結論はなく諸説あるようです)「日本」も一つの社会ですし、私の住んでいる「北海道」も一つの社会と捉えられます共通項は言語でもあるし、住所地と言う事も言えますもう少し狭い範囲で言うとあなたが通っている学校やクラス、勤めている会社や部署も一つの社会ですし、働いている人を総称して「社会人」という呼び方もしますまた趣味でやっているサークルや部活動等も全て社会です他にも共通のユーチューバーのファン、SNS上の繋がり等直接会う事の無い人たちであっても今の時代なら社会は成立しますつまり複数の人たちが何かしらの目的や共通の何かを持っていればそこに社会は存在し、「社会」と「人間」は切っても切れない関係にあると言えるでしょう2.MSW業務としての社会復帰援助とはここからはMSW業務としての社会復帰援助を考えていきます業務指針を見ても分かるように、MSW業務としての社会復帰援助が指す「社会」はもっと限定的な意味合いで使われますここで言う社会復帰援助とは復学や復職を指します長期間の入院や治療で長らく学校や仕事へ通えていなかったり、病気や障害の影響で復帰するにしても何かしらの配慮が必要になったり、学校や職場との打ち合わせや調整が必要になることがあります例えば、復学であれば・体力が低下しており授業の30分おきに5分程度の休憩が必要・飲み込みに問題があり食事が摂れなくなって、皆と一緒の給食を食べられないため家族の準備したものを食べられるように配慮してもらう・体調面での観察ポイントや注意点を伝える 等復職であれば・病気で重たい荷物を持てなくなったので、仕事の内容をデスクワークに変えてもらう・抗がん剤等で定期的な通院や急な体調不良で休みが取れるように休みが取れやすい環境を整えられないか相談する・業務での制限や配慮(屋外での仕事は15分まで、車の運転はしない、5キロ以上のものは持たない等)を職場の担当者とやり取りをする 等大事なポイントとしては病気や障害があっても働き続けられるように患者の不安を軽減させるのと伴に、受け入れてくれる職場や学校側の不安も軽減することですつまり社会復帰援助とはMSWが患者の希望を聞きつつ職場(学校)と病院の橋渡しを行うことです社会復帰援助の楽しいところは、病院というフィールドを飛び出してより地域と関われること、「患者」としての本人だけではなく一人の人間として「仕事や学校」へ通っている時の本人の様子を見ることが出来ること、普段かかわることのない色々な仕事や学校のことを教えてもらえることですソーシャルワーク全般で言えることですが、他人の人生を追体験出来て、自分一人の限られた時間や人生の中だけでは到底体験できないような人の生き方や人間関係を知ることが出来ることは、最高に知的好奇心をくすぐられますこれがMSWとしての最大の魅力ではないかと個人的には思っています3.治療と就労の両立支援最近のMSWの業務トレンドとも言っていいかもしれませんが、治療と就労(仕事)の両立支援というものがあります厚生労働省から病気になっても仕事を続けられるように、医療機関と企業がもっと連携していきましょうと通達を出して治療と仕事の両立支援という新たな取り組みを打ち出したのがH28です(私はH30に両立支援コーディネーターの受講)厚生労働省 治療と仕事 両立支援のためのガイドライン最初はがんだけが対象の疾患として始まりましたが、そこからがん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などへ対象疾患も増えてきました(私の働いている病院では疾患は定めずに、対象外の疾患は自費の診断書を作成することで対応しています)この取り組みが始まった背景には少子高齢化による労働人口の低下や、医療技術の向上により病気になっても一定のADLを確保することが出来るようになったこと等が挙げられます高齢化に伴って労働者は減ってているが若い世代の人口は減っているので、高齢者を支えるためにも働いてほしいけど働ける若い人が少ないというのが日本の現状ですそこで政府が目を付けているのは外国人労働者、まだ働きたいと思っている高齢者、病気になって仕事を続けたいのに辞めていた人達です若い人が増えないのであれば外から来てもらうか、今いる人たちの中で働ける人に働いてもらうしかないというのが国の考えで定年退職の年齢を遅らせているのも、外国人技能実習生と言って東南アジア等から働きたい人を呼び込んでいるのも、治療と仕事の両立支援として病気になっても働けるように環境を整えようとしているのもとにかく労働者人口を増やしたいためです(働く人が増えないと経済も社会保障も弱体化してしまいます)この両立支援では医療機関だけではなく、企業にもコーディネーターを置いて相互に情報交換をしやすくしようと言う狙いがありますそのため医療機関は労働基準法や会社の労務規定などを理解して、企業側は病気に対する基礎知識等を学べるようなカリキュラムとなっていますMSWとしての具体的な取り組みとしては仕事をしている若い世代の方が病気で入院や通院をして、仕事へ戻ることが不安であったり会社へ上手く伝えられない度の心配があった時に患者と面談を行いますそこで業務内容や仕事復帰への不安、思いなどを聞き取って会社側から労働時間や休業規定、業務内容等の情報収集を行いますそして医師とも相談し、仕事へ復帰する際の条件や注意点を書面で会社へ情報提供します病院からの情報提供を基に必要であればMSWと職場の担当者で連絡を取り合うなどの配慮も必要です実際に仕事を始めてから再度面談を行い、実際に働いてみての感想や再度考慮してほしい部分などを打ち合わせて医師や職場と共有していきますこのフィードバックを行いながらMSWの介入が不要となったところで援助は終結となりますこれまで病気になったことをきっかけに「働きたいけど会社の理解も得られず働けなかった」人たちを支援しようと言うのがこの両立支援の最大の目的です「病気だろうがなんだろうが働きなさい」という労働を強いるものでは無いので、病気になっても働く意欲のある方はぜひ知っておいてもらって損は無い内容だと思います*まとめ*社会とは共通の思考やルールを持った複数名の集団が作るコミュニティのことを言う国、宗教、市町村、学校、サークル、会社、SNS上などあらゆる「社会」が存在するMSWの行う社会復帰援助とは主に復学、復職の支援を行うこと治療終了まで長い期間を要した人、もしくは治療を続けながらの通学や就職を支援する最近のMSWのホットワードの一つとして治療と就労(仕事)の両立支援が挙げられるMSWは労務管理について学び、企業(職場)は治療について学び、治療をしながらでも仕事を続けていけるように相互連携を図る動きが今後ももっと加速していく主役は患者本人ですが、支える役割としてMSWが支援の中心を担うことになるのは明らかだと思います人生100年時代&少子化によりどうやったって労働者は減っていくので、少しでも労働力を確保できるように今後も病気になっても働きたい人を支える環境整備は重要な役割になると思います
2022年01月28日
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おはようございます。今日はMSWの仕事の一つ、「退院援助」について解説していこうと思いますこのシリーズはMSWの業務指針に書かれている業務内容を基に解説しています公益社団法人 日本医療ソーシャルワーカー協会(↑↑クリックしてみてください)1.療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助2.退院援助3.社会復帰援助4.受診・受療援助5.経済的問題の解決、調整援助6.地域活動0.一番イメージされやすい「退院援助」MSWの仕事として一番イメージがしやすいのがこの退院援助ではないでしょうか看護師や医師等からしてもMSW=退院調整する人と思っている人は多いと思いますその理由は診療報酬上で退院支援に点数がついているからだと思っていますつまり、MSWがいることで病院へお金が入るからですそんなの当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、これまではMSWを病院へ置いたからと言って診療報酬では特に何の点数も尽きませんでしたそのためMSWは「無生産部門」と呼ばれ、仕事をしても病院にとっては1円もプラスにならないと言う状況の中で働いてきました看護師さんは行った処置や配置人数に応じて病院にお金が入りますし、医者は診察をしたり書類を書くことで病院にお金が入ります他の専門職のリハビリ、検査技師、臨床放射線技師、臨床工学技士等も基本的には配置されることや行ったことに対して病院にお金が入るので、MSWは病院の専門職の中でも異様な存在でした2010年ごろから初めて社会福祉士(MSWの基礎資格)を配置することで病院にもお金が入ることになり、その仕事の内容が退院援助に関する内容でしたこの診療報酬上で評価されたこともMSW=退院支援のイメージを定着させた要因の一つだと思いますそして病院がMSWを増員等を行う根拠にもなりえたのがこの診療報酬改定だったと思いますもう一つは退院支援を行うことは他の専門職にとっては不得手だということです治療や検査までは病院でやることですが、その後の行先探しや介護保険、障害福祉サービスなどの知識、ケアマネ、包括、施設、市役所などとの外部機関との連携については医師も看護師もわからないことが多いです逆にMSWは社会制度の知識や外部機関との連携・調整を得意としているので、他の専門職の苦手なところをカバーできるという点でMSWの仕事として退院援助は他から見てわかりやすく、頼りにされる業務の一つだと思います1.退院援助とは退院援助とは病気やケガが原因で入院前の生活に戻ることが難しくなった時に、家族やサービスの力を使って生活を続けて行けるように調整を行ったり、在宅へ戻ることが難しくなった時に施設や病院など次の生活の場を探す調整をすることを言いますそのためMSWは介護保険や障害福祉サービス、地域の医療機関の役割や情報、介護・障害系の施設を初めとする社会資源の情報を持っていないといけません病院へ入院すること自体が大抵の人にとっての非日常な体験なので、ただでさえ不安が大きいものですが治療が終わって、いざ退院するとなるとそれはそれでまた不安なものです障害も後遺症も残らずに治療が終わって帰れれば良いですが、何かしらの後遺症が残った場合にはより退院に向けて不安を感じますさらに国の方針として何十年も前から在院日数の短縮は挙げられているので、急性期病院(治療を主な役割とする病院)での平均在院日数は14日を切っているところがほとんどですつまり入院から治療が終わって退院まで2週間もないことが一般的です「平均」なので病気や状況によっては治療が終わるのに1か月ほどかかる人もいたりするので、必ずしも2週間で退院と言う事では無いですが、それだけ入院期間は短くなっていると言うことです冷静に考えたら入院は非日常のことなので、早く退院して自宅に帰って元の生活に戻れることが一番だと思いますが病気の後遺症や退院への不安などが大きくなると「一日でも長く入院させてもらえないのか」という患者・家族の心情があることも理解は出来ますが国の方針としてそれを許さない状況があると言う事は覚えておくと、いざという時の準備が早めに始められると思いますこの限られた時間の中で患者や家族だけで退院や次の病院や施設を探すのには限界がありますし、そもそもいきなり病院や施設を探してくださいと言われても何から始めていいかもわからないと思いますそこでMSWが退院のお手伝い(退院援助)をすると言う事です2.退院援助の必要な人退院援助は入院したすべての患者さんに必要なものではありません病気によっては治療して痛みが無くなるなど、治療前より良くなって帰れることもありますし、生活面の工夫や家族のフォローがあれば生活を送れる方もいますでは退院援助が必要になる人はどのような人かイメージできるでしょうか具体的には脳の疾患で半身麻痺が残ったり、がんの手術によって退院後にも医療処置が必要になったり、入院期間が長くなっことで筋力低下や認知力の低下をきたしてしまった場合(廃用症候群)等ざっくりとまとめると入院前に比べて体の状態が悪化した人、医療的な処置や介護が必要になった人です入院する前から生活が立ち行かなくなっていて、入院を契機にサービスを導入して在宅での環境を整えたりするなんてこともあります入院するすべての患者にとって必要なものではないという点が、一つポイントになるかと思いますつまりMSWにはどの患者に退院援助が必要かというポイントを看護師や医師、他の専門職と協力しながら早期に発見して介入していくことが求められます先に述べた診療報酬で加算を取るためにも、この退院援助の必要な患者を早期発見する体制を構築することが求められているので加算を取っている病院では入院後3日以内に患者家族から入院前の情報の聞き取りや、退院後の生活の場所、MSWとの面談希望の有無などを入院早期から聞き取りをして1週間以内に看護師やMSWと情報共有のためのカンファレンスを実施しているはずです「入院早々、もう退院の話をされるのかよ」と思われるかもしれませんが、裏を返せば入院早期から退院へ向けての手伝いをしてくれると言う事なのでむしろその病院は退院援助に力を入れていて、帰る時には色々と手伝いをしてくれると持ってもらっても良いかと思います*まとめ*退院援助はMSWの仕事として一番認識されている全患者が退院援助が必要なわけではない退院援助が必要になる人は後遺症が残った、退院後も介護や医療処置が必要になった方など、入院前に比較して何かしらの生活のしづらさ(ADLの低下)を抱いた人全患者に必ず関わるわけではない職種なので余計にMSWの認知度が上がらないんだろうなと思っています逆にMSWの関わる人は何かしらの困り感を抱えている人なので、その人の人生にとって大きなインパクトを残せる可能性を秘めているのも事実です「この人に相談できてよかった」「あの時相談できたから今の生活がある」等、かなり大きな感謝をしてもらえることも多く、最初の5年間くらいはそれが大きなモチベーションになったり、やりがいになってくると思います目に見えて人の役に立てたり、感謝される実感を得られると言う点では一つのMSWの仕事の魅力と言えるかもしれません新年一本目の記事、ようやく書けましたブログを見て頂いているあなたにとって少しでも役立つ情報を今年も提供できればと思います本年もよろしくお願いします
2022年01月19日
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