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モダンで新鮮な色彩感覚と映像リズムによる独自の世界観を作り出し、『清順美学』言われた鈴木監督の映画は、あまり観ていません。ストーリー:流れ者の歌をくちづさむ本堂哲也を、数名の男がとり囲んだ。彼らは、哲也の属する倉田組が、やくざ稼業から不動産業にかわったのを根にもち、ことごとく倉田組に喧嘩をうろうとする大塚組のものであった。だが哲也は倉田の無抵抗主義を守りぬいた。哲也は恋仲の歌手千春と結婚して、やくざをやめる決心をしていた。倉田は経営が苦しく金融業の吉井からビルを担保に金を貸りていた。哲也はそれを知ると単身吉井に会い手形延期を申し込んだ。これを大塚のスパイで、事務員の睦子から聞いた大塚は、部下を使い吉井に担保のビルの権利書一切を渡せと脅した。電話で権利書をとられ、吉井が殺されたことを知った哲也は、怒りに身をふるわせた。大塚は邪魔者の哲也を殺すため殺し屋辰造を雇った。だが辰造は哲也の敵ではなかった。その頃大塚は倉田に哲也とひきかえにビルの問題から手をひくともちかけた。かけでこれを聞いた哲也は単身大阪に発った。だが辰造はしつこく哲也を追った。一方東東では大塚が、権利書を戻すかわりに、ビルの地下で千春にクラブ商売をさせて欲しいと申し出た。倉田は自分の利益のために哲也を見殺しにしようとしていた。東京に帰った哲也は、千春を捜した。しかし千春は、哲也が殺されたと聞かされ大塚のクラブに出ていた。哲也と千春を慕う敬一は、千春に哲也の健在を知らせ哲也に千春のいる場所を知らせた。怒った哲也は、倉田、大塚に銃弾をむけた。悽惨な死闘の末、哲也はやくざのみにくさを思い知らされた。夢をなくした哲也は、千春に書置きを残すとどこへともなく去っていった。 ストリーは前時代的で一本調子の展開です。シュールなセットは、美術の木村威夫。スタンリー・キューブリックを思わせるような不思議な映像でした。ラストがあまりにも虚無的過ぎて、日活上層部からの批判で取り直させられた作品です。鈴木清順ファンにはたまらない作品ですが、そうでない人には何だこれといった作品です。それにしても、なつかしい予告編のスタイルです。
2019.07.25
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アーヴィング・ストーンによる伝記小説「ミケランジェロの生涯 苦悩と歓喜」が原作の1965年の米国とイタリアの合作映画です。華麗なる・・・は、「華麗なる賭け」でヒットした邦題の二番煎じですね。ストーリー:1508年。法皇(レックス・ハリソン)はローマに住むミケランジェロ(チャールトン・ヘストン)を自分が建てたシスチネ礼拝堂へ案内しその天井に使徒のフレスコ画を描けと命じた。ミケランジェロはどうしても気が進まず、ジョバンニ枢機卿とその妹コンテシナ(ダイアン・シレント)にも苦しみをうちあけた。そして彼は描きかけのまま、ローマから姿を消した。法皇お気に入りの建築家ブラマンテ(ハリー・アンドルース)が、若い画家ラファエルを紹介したが、法皇の気に入らず、直ちにミケランジェロの行方を探せと布告を出した。彼はカララの石切場に隠れ、大理石を切り出していたが、法皇軍が探しに来て山に逃れたある夜、突如構想がひらめく。旧約創生記を描くことである。やがてとらわれ、天井画制作に心魂を傾けはじめた。法皇が時々見にくるのにはくさるがある日、彼の視力が急に衰え足場から落ちた。コンテシナのお陰で徐々に恢復したが法皇自ら彼を見舞いに来て、仕事を他の画家にやらせようという。嫌がらせで気力をよみがえらせようという配慮だった。この頃、法皇庁に外患が頻発する。フランス軍が侵入し、ドイツ軍が迫り、さらにフェララとボロニアが同盟して反旗を翻す。ある日、ミケランジェロが仕事にかかろうとすると足場のとり払いが行なわれている。早速法皇に抗議を申し込むと、公開したいからだという。その権利は画家にあると口答えして、法皇の象牙のムチをうけた。彼はローマを去ろうとするが、コンテシナの励ましで、法皇に完成まで描かせてほしいと申し出、その承認を得た。やがて法皇は病床につき、スイスとイギリスの救援を得て、外敵は制圧した。彼の仕事も着々と進み、天井画は完成した。37歳の時の偉業が成り、やがて89歳までの仕事が始まるのであった。(KINENOTE)1970年に月曜ロードショーで見たことがありましたが、別物の感があります。まず最初に10分間くらい、ミケランジェロの作品紹介があります。そのあとタイトルが流れます。上映時間も138分とかなりの大作でした。テレビは2時間枠ですから、だいぶカットされていたものだったようです。大根役者のヘストンと名優レックスハリソン。面白い組み合わせでした。システィーナ礼拝堂もアカデミア美術館も、愛方と見に行きました。いっしょにこの映画を観た母を、元気な時に連れて行ってあげたらと少し後悔です。 ラファエロと制作中のアテネの学堂も出てきます。いやな役でブラマンテも
2019.07.24
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ストーリー:正義感の強いベテラン刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)は、オ チーム長(オ・ダルス)率いる広域捜査隊でスタイル抜群のミス・ボン(チャン・ユンジュ)、肉体派ワン(オ・デファン)、年少のユン(キム・シフ)とともに特殊強力事件を担当している。ある日ドチョルは、政府にも影響力を持つ大財閥の3世チョ・テオ(ユ・アイン)とパーティーで出会い、彼から犯罪の匂いをかぎ取る。それからまもなくしてテオの同族会社シンジンブ物産社員が自殺。彼の死にテオが関連しているとにらみ、ドチョルは一人で捜査を開始する。チームは上層部からの圧力にも屈しず執念を燃やすドチョルとともに一丸となって捜査にあたるが……。(KINENOTE)韓国映画はあまり見ないのですが、新聞のテレビ評にひかれて観ました。正義感溢れる刑事たちと凶悪な財閥の御曹司との対決を描くアクション映画。ナッツ・リターン事件など、韓国の財閥の子息らの傍若無人な振る舞いが話題となった世相も反映して観客動員数は1,300万人を超え、韓国映画で歴代4位の観客動員数を記録した(2019年時点)。財閥系列企業の運転手がテオに暴行を加えられるというエピソードは、SKグループ創業者の甥である崔哲源が系列企業のトラック運転手に金属バットで暴行を加えた事件をもとにしたものである。(ウィキ)タブーの財閥に切り込むのですから、面白くないわけがありません。運転手を子どもの前で殴り倒すシリアスなシーンと、少しユーモラスな広域捜査チームの描写がバランスよく、勧善懲悪のスカッとした終わり方でした。先輩後輩、上位下達、過剰な暴力シーンと、こういうのがやはり韓国では受けるのでしょう。旦那の刑事を怒鳴り倒す奥さんの権幕もすごいです。財閥の御曹司とそのいとこの常務を演じた役者さんもなかなかよかったです。多彩な演劇陣です。
2019.07.23
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続きです。誰も知らない、そして父になる、海街diary、海よりまだ深くに続く、一連の家族ものの延長線上の作品です。樹木希林、リリー・フランキーと是枝作品にお馴染みの役者さんに加えて安藤サクラさんです。みんな良かったけど、やはり子役二人がいいですね。やはり台本を渡さずにやったのでしょう。カメラワークも子ども目線?脚本段階では子どもに「お父さん」「お母さん」と呼んでほしいと願う主人公の想いが重点的に描かれており、撮影中につけられていた映画のタイトルは『万引き家族』ではなく『声に出して呼んで』だった。(ウィキ)面白いエピソードですね。リリー、安藤のお父ちゃん、お母さんと呼ばせたい感じが伝わってきます。(誘拐じゃなくて)「拾ったんです、捨てた人ってのは他にいるんじゃないですか?」(万引き以外)「他に教えられる事がないんです」と、重いセリフもありますが、やはり樹木希林演じるおばあちゃんが最後に海岸で口をパクパクさせるシーンが気になります。「私は家族が持てなかったけど、いましあわせな家族に恵まれている。」そんな風に言っていたのでしょうか。縁側で花火を音で見るシーンもいいですね。家族に関するほのぼのエピソード/映画『万引き家族』カンヌ公式記者会見https://www.youtube.com/watch?v=aSI86xkD_BA 「見終わった後は、この家族の一員になりたいと思った」という感想が寄せられると、「この家族が実際にいたとして、日本で報じられたら、ただの犯罪者の集まりでしかない。ただ、カメラがあの家に入った時に、報じられるだけではない、ある種の豊かなつながりや、僕たちが感じられない色や光があって、その家族を描くことで、逆に僕らの家族とか共同体というものが照らされるというか、そんな存在としてあの家族を描きたいと思ったんです」と話した。最後に、家族の形は人それぞれでしょうが、しっかりした厳格な父よりも、少しだらしないエリートとは真逆な方が温かいいい家族、ほのぼの家族になるのではと思ってしまいました。
2019.07.21
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ストーリー:再開発が進む東京の下町のなか、ポツンと残された古い住宅街に暮らす一家。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、生活のために“親子”ならではの連係プレーで万引きに励んでいた。その帰り、団地の廊下で凍えている幼い女の子を見つける。思わず家に連れて帰ってきた治に、妻・信代(安藤サクラ)は腹を立てるが、ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことから境遇を察し、面倒を見ることにする。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らす一家は、JK見学店でバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)、新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていたが……。(KINENOTE)第71回(2018年)カンヌ国際映画祭にてパルムドール受賞。2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、読者選出日本映画第1位、読者選出日本映画監督賞受賞。カンヌの受賞に対して安倍首相が不快感を示し、「無視」したことが話題になった昨年の話題作です。テレビ放送は早いですね。次回作カトリーヌ・ドヌーブ主演の「真実」の公開が10月ですから、映画の宣伝にしては早すぎます。同じ時間のNHKの選挙番組「各党党首は・・・」を見た後なので、安倍首相の演説内容との大きなギャップを感じました。5070問題、年金詐欺にヒントを得たそうで、現代日本社会の一面を写しだした作品です。政治が真っ当なら、こんなにひどい社会にはならなかったでしょう。豊かな日本の一面を描いたことで、世界が驚いた作品でもあります。年金2000万円不足同様、安倍首相が見たくないないことにしたい現実なのでしょう。「海賊と呼ばれた男」は見ても、これは見ないだろうと思いました。まあ、安倍さんでは見ても理解できないでしょう。疑似家族でひと時のやすらぎを得た幼女が、またDV家庭に戻るラストはつらいです。偶然とはいえ、投票日前日安倍政治の闇をあぶりだすメッセージとなりました。それも何とフジテレビからです。
2019.07.21
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史上最低の監督と言われた男、エドワード・デイヴィッド・ウッド・ジュニア、通称エド・ウッドの愛すべき、奇想天外な半生を描いた1995年の伝記映画1995です。 ストーリー: 30歳のエド・ウッド(ジョニー・デップ)は、“オーソン・ウェルズは26歳で「市民ケーン」をとった”を座右の銘に、貧しいながらも映画製作の夢に燃えていた。 ある日、性転換した男の話を映画化する、と小耳にはさんだ彼は早速プロデューサーに売り込む。「これは僕のための作品です。僕は女装が趣味だから、人に言えない辛さが分かる」と力説するが、バカ扱いされて追い返された。 その帰り道でエドは往年の怪奇スター、ベラ・ルゴシ(マーティン・ランドー)と運命的な出会いを果たす。ベラの出演をエサに監督になった彼は友人のオカマ、バニー(ビル・マーレイ)や恋人ドロレス(サラ・ジェシカ・パーカー)らの協力を得て、監督・脚本・主演した性転換の話「グレンとグレンダ」を完成させた。 これを履歴書代わりにいろいろ売り込むがうまく行くはずもなく、自分で資金を集めることに。その間にもエドの元には、頭の足りない巨漢プロレスラーのトー・ジョンソン(ジョージ“ジ・アニマル”スティール)、インチキ予言者クリズウェル(ジェフリー・ジョーンズ)など、一風変わった仲間たちが集まってきた。 次回作「原子の花嫁」がクランク・インするが、アンゴラのセーターと女装に執着するエドにあきれたドロレスは怒り爆発し、彼の元を去った。失意のうちにテレビで人気の妖婦ヴァンパイラ(リサ・マリー)に出演のアプローチをするが、けんもほろろ。そんな中、麻薬中毒のベラの病状は悪化する一方で、エドは彼を入院させた。その病院で彼は心優しい女性キャシー(パトリシア・アークェット)と出会うが、彼女は彼の女装癖も受け入れてくれるのだった。 一方、エドは心からベラの容体を心配していたが、入院費用が払えず、彼に嘘をついて退院させねばならなかった。「原子の花嫁」が配給会社により「怪物の花嫁」と改題されプレミア試写が行われた。ブーイングの嵐だったが、エドは満足だった。そして数フィートのフィルムを残してベラが死んだ。 傷心の彼の前に、バプテスト教会の信者という新たなカモが登場。早速資金を調達した彼は、史上最悪の映画と後世に名を残す「プラン9 フロム・アウタースペース」に着手。ついにヴァンパイラの出演も取り付け、ベラの形見のフィルムや多くの仲間たちと共に意気揚々と撮影に入った。 ところが、今回の出資者はあれこれと撮影に口を出し、エドは爆発寸前。お気に入りのアンゴラを着ても心が落ちつかない彼は撮影所を飛び出すが、入ったバーで尊敬するオーソン・ウェルズ(ヴィンセント・ドノフリオ)と遭遇する。彼から「夢のためなら闘え。他人の夢を撮ってどうなる?」と教え諭されたエドは胸を張って撮影所に戻り、自身の納得のいく作品を堂々完成させた。ティム。バートン、ジョニー・ディップコンビの作品です。 もっと面白く笑わせてくれるのかと思いましたが、拍子抜けでした。 本人はいたって真面目、映画愛があふれる作品です。 オーソン・ウェルズのシーンは本当かと思いましたが、こちらは創作のようです。 ドラキュラ俳優ベラ・ルゴシが良かったです。齢をとらないとできない役ですね。アカデミー賞受賞です。 史上最低な監督の生涯を、真面目に撮った一見面白くない映画でした。 アメリカ最低の映画監督へ愛を込めて【10月10日】https://www.youtube.com/watch?v=c2jJRKVU2IY
2019.07.20
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正統派歴史映画ではなく、知り合いがひとりもいない異国にたったひとりで嫁いできた14歳の少女の物語です。ストーリー:オーストリア皇女アントワーヌ(キルスティン・ダンスト)は、フランス王室とオーストリア王室の同盟の証として14歳でフランス王太子のもとに嫁ぐことになる。彼女は未来の王妃マリー・アントワネットとしてフランスの地に踏み入る。ヴェルサイユ宮殿に到着したマリーは国王ルイ15世や宮廷貴族たちに歓迎される。王によって紹介された15歳の王太子ルイ・オーギュスト(ジェイソン・シュワルツマン)は未だ幼い少年のようであったが、二人は宮殿の聖堂で華やかな結婚式を挙げる。マリーのヴェルサイユでの奇妙な生活がここから始まった。そんな中、夫オーギュストはマリーに関心を示さず、同じベッドに寝ていても指一本触れようとしなかった。やがて虚しさを紛らわせるかのように、マリーは浪費に楽しみを見出し始める。そしてルイ15世が崩御し、オーギュストはルイ16世として王位に就き、マリーは王妃となった。しかしルイはマリーと体を重ねようとせず、マリーの享楽の日々はさらにエスカレートしていった。そんな折、マリーのもとを実兄のヨーゼフ2世が訪ね、彼のアドバイスによってマリーとルイはようやく結ばれ、娘が誕生する。母となって生活を一変させるマリー。別荘で娘とともにすごし、マリーは社交場では得られなかった安らぎを感じ始める。しかしその頃、既にフランスには危機が迫っていた。国の財政は破綻寸前、飢えに苦しむ国民の怒りは宮殿で不自由なく暮らすマリーたちに向けられていたのだった。そして怒り狂った群衆がバスティーユ監獄を襲撃したという報告が届くに至る。側近は国外脱出を進言するが、ルイはヴェルサイユにとどまる事を決め、マリーも彼のそばにとどまると言い切った。初めて夫婦としての信頼に結ばれる二人。しかし、暴徒と化した群衆がいよいよ押し寄せ、マリーたちが宮殿を離れる時が来た。マリーは一家と共に馬車に乗り込み、ヴェルサイユに別れを告げるのだった。(kinenote)*処刑シーンはありません。ミュージックビデオを見るようなポップな映像が楽しいです。Marie Antoinette-Shoes and Cakehttps://www.youtube.com/watch?v=pk62PYiWav0公開出産は知っていましたが、「公開」着替えは知りませんでした。フランス王室のばかばかしい習わしに戸惑うマリーです。平民出身の雅子さんもきっと皇室の習わしに、苦しんだことでしょう。出産のプレッシャーも、同じです。marie antoinette part 2https://www.youtube.com/watch?v=_nfL6zWmJUM 1日16000ユーロ(200万円)の撮影料を払って、3か月にわたって撮影した作品です。何度目かの渡仏で、初めてベルサイユを訪れました。1日かけて小トリアノンや 「ル・アモー・ドゥ・ラ・レーヌ」(王妃の村里)も見てきました。ベルサイユ宮殿はこの映画のもう一つの主役です。マリー・アントワネットの母国オーストリアのシェーンブルン宮殿に張り合った宮殿です。Marie Antoinette - Arriving at Versailles (HQ)https://www.youtube.com/watch?v=hNtvInB0gz0第79回アカデミー賞にて衣装デザイン賞を受賞(受賞者: ミレーナ・カノネロ)。 The many dresses of Marie Antoinettehttps://www.youtube.com/watch?v=kW4JByCwzXw Marie Antoinettehttps://www.youtube.com/watch?v=GoYozK0WasY PS:私のフランソワーズ - 荒井由実https://www.youtube.com/watch?v=dpdOAKklrDgフランソワーズ・アルディに触発されて作った曲です。50年前ミッシェル・ポロナレフなどのフレンチポップが流行った時代がありました。
2019.07.14
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いまやすっかり有名になったカズオ・イシグロ原作の1993年の米国作品です。ストーリー:1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。 そんな折、以前屋敷で働いていたベン夫人(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは彼女の元を訪ねることにする。離婚をほのめかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる彼は、過去を回想する。 1920年代、スティーヴンスは勝気で率直なミス・ケントン(後のベン夫人)をホールの女中頭として、彼の父親でベテランのウィリアム(ピーター・ヴォーン)を副執事として雇う。スティーヴンスはケントンに、父には学ぶべき点が多いと言うが老齢のウィリアムはミスを重ねる。 ダーリントン卿は、第二次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。 36年、卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇する。当惑しながらも主人への忠誠心から従うスティーヴンスに対して、ケントンは卿に激しく抗議した。2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンスに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。 ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。最後の期待をかけ、スティーヴンスに結婚を決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった。 それから20年ぶりに再会した2人。孫が生まれるため仕事は手伝えないと言うベン夫人の手を固く握りしめたスティーヴンスは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。どっしりと落ち着いた作品です。執事を演じるアンソニー・ホプキンスと女中頭のエマ・トンプソンの火花を散らすような演技がいいです。仕事一途な男にも、やっぱり人生の後悔はつきもの。夕暮れは一日のうちで一番いい時間と言いながら、そんな感じはしませんでした。彼は最後まで職をまっとうして、父のように死んでしまう。それはないですね。彼には心配してくれる家族がありません。階級社会イギリスの一端を見せてくれる濃厚な映画でした。https://www.youtube.com/watch?v=AOSnPuL3HCw この監督の「眺めのいい部屋」も好きな映画です。PS:いろいろな国の英語が飛び交います。The Remains of the Day - A Dinner (Christopher Reeve)https://www.youtube.com/watch?v=Pypq5GnFv-U The Remains Of The Day 1993 Full Moviehttps://www.youtube.com/watch?v=l_NM9Y5pTK8
2019.07.13
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ストーリー:東京都葛飾区小菅にあるアパートで、絞殺された女性の遺体が発見された。被害者はハウスクリーニングの会社に勤める滋賀県在住の押谷道子。殺害現場であるアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっているが、押谷道子との接点が全く見つからず、松宮(溝端淳平)たち警視庁捜査一課の刑事たちによる捜査は難航する。やがて、押谷道子は学生時代の同級生である演出家・浅居博美(松嶋菜々子)を訪ねて東京に出てきたことが判明するも、浅居博美と越川睦夫との間にも接点はなかった。そんな中、近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮。その遺品の中には、日本橋を囲む12の橋の名の書き込みがあった。それを知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺。それは、孤独死した加賀の母に繋がるものだった……。人間の業の哀しさを描こうとしたのでしょうが、「砂の器」などの名作に及ぶべきもない作品でした。春風亭昇太をはじめとする警察の描き方が、異常のテンションで演出されていて本作が大切にしなければならなかった情感が台無しです。演出の福沢は所詮テレビドラマどまりかなと思いました。ストーリー展開もはしょった感が強く、ご都合主義に感じました。「新参者」の最終作だそうですが、残念な作品となりました。テレビドラマのダイジェストとしてみれば、あまり違和感はないでしょう。映画『祈りの幕が下りる時』公開記念 5分で分かる「新参者」https://www.youtube.com/watch?v=aCvhgwEsBmA
2019.07.12
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ストーリー:リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)は財テク番組『マネーモンスター』のパーソナリティを務め、巧みな話術と軽妙なパフォーマンスを織り交ぜながら、株価予想や視聴者へのアドバイスで番組の看板スターとなっていた。いつもの通り、リーがプロデューサーのパティ(ジュリア・ロバーツ)の指示を無視して、ノリのいいアドリブで視聴者ウケを狙っていた生放送の最中、彼の背後に一人の男(ジャック・オコンネル)が現れる。その男、カイルは完全にテレビ画面にフレーム・インし、拳銃でリーを脅す。番組で語られた株式情報を鵜呑みにして全財産を失ったというカイルは、復讐のためリーを人質にとり、自分を嵌めた株式のカラクリを生放送内で明らかにしろとパティに指示する……。2016年のサスペンス映画。ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが出演して、監督がJ・フォスター。ダイアン・レスター(アイビスの広報担当)、犯人の恋人役など女性がかっこよく描かれていた娯楽映画でした。アルゴリズムのバグの内実が明らかにされますが、その金融工学者=クオンツがソウル在住の韓国人というのがいかにもです。ロシア人もちらり。日本人はハイテクの蚊帳の外なんですね。98分間、飽きさずに見せてくれます。『マネーモンスター』 ジョディ・フォスター監督来日インタビューhttps://www.youtube.com/watch?v=gA0BjyZPBOQ
2019.07.11
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川本三郎の同名のノンフィクションの映画化で、2011年の作品です。ストーリー:1969年。理想に燃えながら新聞社で週刊誌記者として働く沢田雅巳(妻夫木聡)は、激動する“今”と葛藤しながら、日々活動家たちを追いかけていた。それから2年、取材を続ける沢田は、先輩記者・中平武弘(古舘寛治)とともに梅山(松山ケンイチ)と名乗る男からの接触を受ける。「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」沢田は、その男に疑念を抱きながらも、不思議な親近感を覚え、魅かれていく。やがて、「駐屯地で自衛官殺害」のニュースが沢田のもとに届いた……。沢田=川本=妻夫木聡、梅山= 菊井良治(日本大学文理学部哲学科在学中) =松山ケンイチなのでしょうが、梅山というのがなんとも言えないキャラですね。沢田は東大卒らしく頭でっかちでセンチメンタル。最後は酒場で泣いてしまうという体たらくです。体制側におもねったり取り込まれていった新左翼の担い手のその後を知っていたので、学生の頃は全く心が動きませんでした。その後のオウム真理教や初期のネット右翼など熱に浮かされやすい時期や人たちが一定程度いるというのが、よくわかる作品です。とても真面目な作品で、すこし息が詰まります。おかしな過激派に無残に殺された自衛官に合掌です。雨を見たかい/Have You Ever Seen the Rain/CCRhttps://www.youtube.com/watch?v=EkkjHBoqho0 "My Back Pages" Bob Dylan / the best version you've ever heard.https://www.youtube.com/watch?v=7seZjqkk2n0
2019.07.08
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観たい映画はほかにもありましたが、これが時間的に合ったので見てみました。ストーリー:20XX年、クリスマスイブ前日の12月23日未明。沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、日本の領土が占領された。海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群を現場に向かわせる。その旗艦こそ、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》であった。計画段階から「専守防衛」論議の的となり、国論を二分してきた《いぶき》。艦長は、航空自衛隊出身の秋津竜太一佐(西島秀俊)、そしてそれを補佐する副長は、海上自衛隊生え抜きの新波歳也二佐(佐々木蔵之介)。そんな彼らを待ち受けていたのは、敵潜水艦からの突然のミサイル攻撃だった。さらに針路上には敵の空母艦隊が出現。想定を越えた戦闘状態に突入していくなか、政府は戦後初めての「防衛出動」を発令。迫り来る敵戦闘機に向け、迎撃ミサイルが放たれる……。劇中の東亜連邦は中国、初島は尖閣ということなのでしょうが、変えることなくそのままの方が良かったのではと思ってしまいました。「自衛」のための戦争を描いた作品ですが、やはり現場の暴走が気になります。ちっぽけ島を守るために、国全体を戦争に巻き込みかねない武力行使。見ていてぞっとしました。自衛隊、政治家、国民と重層的に描かれていて、とても面白い映画でした。物議をかもした佐藤浩市さんの首相の演技もよかったし、外務省局長の役回りも立派でした。冷静な官房長官もよく、かつての後藤田さんをなつかしく思いました。今のナチスのゲッペルスのような言論弾圧、秘密警察で圧力を今かけるようなやり方は感心しません。副総理兼外務大臣、防衛大臣はやりすぎかな。安倍や河野は、この映画を見てどう思うことでしょう。根本は論外でしょう。今や日本と中国の国力の差は約3倍です。米国も何れ中国に抜かれてしまうことでしょう。GDP:米国 19兆4850億ドル中国 12兆2370億ドル日本 4兆8720億ドル戦わずして勝つというよりは、外交で東アジアの安全保障体制を構築すべきでしょう。米国が日米安保は不平等と主張するこの機に、見直すのも一法です。それにしても、ハワイとグアムを守るために6~8000億円もかけてイージスアショアを設置するなんて、まさに「亡国のイージス」です。まずは、小学校で習った分度器の使い方を再学習です。この映画を見て野党が出てこないと面白がっていたのもいましたが、戦闘に国民は不在です。ネットや街頭TVで、初めて知ります。国民を守ると言いながら、現場の暴走で国民が巻き込まれないのか。80年ほど前にも似たようなことがありました。やはり「知る権利」は大切ですね。この映画に自衛隊は強力しなかったそうです。いいですね。やはり、自衛隊が協力する映画と言うのはうさん臭いですから。以前観た「亡国のイージス」よりもずっと面白かったです。*映画館の売店です。「いそかぜ」の艦長・浮船武彦は、“本気モード”になるとつい関西弁が出てしまい、敵駆逐艦との攻防では敵のことを“やっこさん”と呼んだり、砲撃するときには“いてまえー!”と叫ぶところが、なんともユーモラスに感じました。山内圭哉という役者さんです。映画『空母いぶき』敵駆逐艦と護衛艦「いそかぜ」攻防シーンhttps://www.youtube.com/watch?v=H-bjoj4TNPM
2019.07.05
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ストーリー:2012年のある夜、敦也、翔太、幸平の幼馴染同士3人は、以前ナミヤ雑貨店があった廃屋に忍び込む。かつてナミヤ雑貨店は悩み相談を受けることで知られていたが、もう廃業してしまった。中には3人のほか誰もいないはずだが、突如シャッターの郵便口から手紙が落ちてくる。その手紙は32年前に書かれた悩み相談で、3人は戸惑いつつ、当時の店主・浪矢雄治に代わり返事を書くことに。手紙のやり取りをするうちに、雑貨店の秘密や、相談者たちと敦也たちの共通点が浮かび上がり、思わぬ奇蹟が起きる。2017年の映画です。東野圭吾作品で最も泣ける作品とのコピーでしたが、えっこれがという感じでした。32年前の1980年と2012年をつなぐ「タイムマシン」について行けるかどうかでしょうが、荒唐無稽に感じました。一晩だけなのに、何度も手紙のやり取りは?注目の二世若手俳優ということでしたが、この軽さはなんなのと思ってしまいました。成功した女性経営者も、ちょっと「きれい」すぎました。途中で結末がわかり、これが奇蹟と思ったら、しらけてしまいました。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』門脇麦が山下達郎の「REBORN」を熱唱!https://www.youtube.com/watch?v=38_LYZknQ10 やっぱり、これは山下達郎が歌う歌です。https://www.youtube.com/watch?v=29o60Y6UPqc 参考:https://www.youtube.com/watch?v=VrRXP73KDjc
2019.07.02
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1973年の米国映画ですが、舞台は2022年の20ニューヨークです。49年後の近未来ですが、今見ると牛肉も野菜もあるのでまだ先という感じですね。ストーリー:2022年のニューヨーク。ここも地球上の全ての土地と同様、人口過剰と食料不足にあえいでおり、ごく1部の裕福な人を除き、4000万市民の大部分は週1回配給される食品を食べて細々と生きている。この食料はソイレント会社が、海のプランクトンから作っていたがすでにそのプランクトンさえ激減していた。最近、同社は「ソイレント・グリーン」という新しい製品を発表したが、品不足から配給が思うようにいかず、仕事も家もない何百万市民の不平不満は、一発触発の暴動の危機をはらんでいた。彼らに比べれば、市警察殺人課の刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)は、職があるだけによほどましな暮らしである。むさくるしいが2階屋のアパートに老人のソル・ロス(エドワード・G・ロビンソン)と住んでいる。ソルはいわばソーンの人間ブックで、事件の背景を調べ、ソーンの捜査を助けている。ソーンは、ソイレント会社の幹部の1人ウィリアム・サイモン(ジョセフ・コットン)が自宅で惨殺された事件を担当することになった。彼にはボディー・ガードのタブ(チャック・コナーズ)と、「ファーニチャー」と呼ばれ、家具の1つとして配置されている女たちの1人、シャール(リー・テイラー・ヤング)が付ききりだったが、あいにくその2人は買い物にでかけ留守だった。タブは物盗りの仕業というが周到な計画殺人であることが、ソーンにはすぐに判った。その後、何度かシャールと接するうちに2人は愛し合うようになった。一方、ソルの調査から事件の背後に大物の手が動いていることを知ったソーンが、捜査に本腰を入れようとした矢先、上司のハッチャー(ブロック・ピーターズ)から捜査を打ち切るよう圧力をかけられた。頑として拒否するが、たちまち臨時に狩りだされ、ソイレント・グリーン配給の警備に廻されてしまう。そこには、少ない配給量に対する市民の怒りに火をつけ、暴動のどさくさに紛れてソーンを消そうとする殺し屋が待ち受けていた。ソーンは足を射たれるが殺し屋も誤って暴動鎮圧用シャベルに押しつぶされてしまう。一方、ソルはブック仲間の集まりでサイモン殺人事件の動機となったソイレント社の秘密を知りショックを受ける。彼は現実のあまりの厳しさに絶望し、安楽死させてくれる「ホーム」に向かう。そのことを知ったソーンは「ホーム」に駆け込むが間に合わず、老人の孤独な臨終を痛恨の思いで見とるばかりあった。だが、息を引き取る直前にソイレント・グリーンの秘密を明かされ愕然とする。新製品のソイレント・グリーンが人肉だったとは・・・。その帰り道、タブと数名の男たちに襲撃され、激しい射ち合いになったが、折りよくハッチャーが部下と共に応援に駆けつけ、タブは射殺されるが、ソーンもまた重傷を負う。ソーンは担架で病院に運ばれる途中、ソイレント・グリーンの秘密を告発するよう、繰り返しサッチャーに訴え続けた・・・。ローマクラブの「成長の限界」が発表されたのが1972年なので、それなりに注目された作品だったかもしれません。主演は、あの大根役者です。飢えに苦しむ人がいる一方で、飽食の時代。この映画に描かれている貧富の差に注目したいです。「本」や「家具」というのも、興味深いです。ついこの前まで、世界の人口は90億人が限界と言われていましたが、18日の朝日新聞にはこんな記事が載っていました。今のところピークは105億人だそうです。日本の人口減少は、一層拍車がかかるようです。確かに年金は期待できそうにないですね。移民に背を向けることなく、移民政策に取り組んでほしいと思います。余談ながら、日本人に限っていっそ二人までクローン人間を認めるなんてのはどうでしょう。もちろんSF小説のネタとしてです。
2019.06.23
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https://www.youtube.com/watch?v=i928dOYLfMQ F・ゼフィレッリ監督が、お亡くなりになりました。ロミオとジュリエットは中学生のころ観たなつかしい映画です。後年家で娘たちといっしょに観ました。色あせない青春映画です。 https://www.youtube.com/watch?v=AiXwizT1LKg なつかしい淀川節もどうぞhttps://www.youtube.com/watch?v=4GLxOONtRGM 「ブラザーサン・シスタームーン」も好きです。https://www.youtube.com/watch?v=gFgXxoEepnQ https://www.youtube.com/watch?v=6vp8cDBK5jY フランコ・ゼフィレッリ監督が死去、96歳2019年6月17日10時25分 朝日新聞[ローマ 15日 ロイター] - イタリアの映画監督で、「ロミオとジュリエット」(1968年)などの作品で知られたフランコ・ゼフィレッリ氏が15日、ローマで死去した。96歳だった。批評家よりも一般の人々から高く評価されることが多かったゼフィレッリ監督は、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ビットリオ・デ・シーカらと同じく、第2次大戦後に成人したイタリア映画界の巨匠の世代の最後に当たる。「ブラザー・サン、シスター・ムーン」(77年)など20本以上の映画を世に送り出した。オペラの演出家としても活躍し、マリア・カラス、プラシド・ドミンゴらの歌手が出演した。故郷フィレンツェのナルデッラ市長はツイッターで「さようなら、マエストロ。フィレンツェはあなたのことを決して忘れない」とその死を悼んだ。*新聞と内容が異なります。 『ロミオとジュリエット』フランコ・ゼフィレッリ監督が死去シネマトゥデイ 映画情報 / 2019年6月17日 14時10分 映画『ロミオとジュリエット』『チャンプ』『エンドレス・ラブ』などを手掛けたイタリアの巨匠フランコ・ゼフィレッリ監督が、6月15日(現地時間)にローマの自宅で亡くなった。96歳だった。ゼフィレッリさんは長らく病を患っていたが、息子のピッポさんが The Hollywood Reporter に語ったところによると、最期は苦しむことなく亡くなったそうだ。ゼフィレッリさんは、1923年にイタリアのフィレンツェで、仕立て屋の息子として生まれた。フィレンツェに住む英国人の婦人たちとの交流で、英語が堪能となり、第2次世界大戦中には英国軍の通訳を務めたこともあった。1945年から、フィレンツェのペルゴラ劇場でセット・デザイナーとして働き、そこで舞台監督をしていたルキノ・ヴィスコンティさんと出会い、彼に師事することになる。1950年代~1960年代にかけては、ウィリアム・シェイクスピア作品からテネシー・ウィリアムズ作品まで、セットデザイン、衣装、舞台監督など、さまざまな舞台の仕事に携わった。そしてヴィスコンティさんが映画にも進出すると、ゼフィレッリさんもまた助監督として映画にも関わるようになった。1968年に古典劇をベースにした『ロミオとジュリエット』でオリヴィア・ハッセー、レナード・ホワイティングらのティーンエイジャーの役者を主演に据えて、シェイクスピアの作品としては、記録的な成功を収めた。その後も、リッキー・シュローダーをゴールデン・グローブ賞新人男優賞に導いた『チャンプ』、ダイアナ・ロス、ライオネル・リッチーによる同名主題歌がアカデミー賞歌曲賞にノミネートされた『エンドレス・ラブ』、自身の半自伝的な作品となった『ムッソリーニとお茶を』、伝説のオペラ歌手マリア・カラスさんを描いた『永遠のマリア・カラス』などの作品を手掛けた。またゼフィレッリさんは、オペラの演出家としても長年活躍し、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場など、世界中の歌劇場でオペラを演出した。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)AFPは、こんな一面も報じています。ゼフィレッリ氏は政界に進出したこともある。1994~2001年には、実業家のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏(後に首相)が結党した中道右派政党フォルツァ・イタリア(Forza Italia)の上院議員を務めた。
2019.06.18
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天声人語で取り上げられる映画監督はあまりいないので、目に留まりました。降旗康男監督、敗者の美学貫いた映画人生 2019/5/30 日経新聞「人間の美しさ、琴線に触れる部分は、負けた人、失敗した人の生き方の中にしか見いだせないのではないか。成功者に興味はない」20日に世を去った降旗康男監督は、そんな敗者の美学を描き続けた人だった。射撃選手としての重圧から家族を失った刑事(「駅 STATION」)、組合運動の筋を通して退社した男(「居酒屋兆治」)、廃線間近のローカル線の駅長(「鉄道員」)。不器用だが真っすぐな男を高倉健が演じ、高倉の後期の代表作となったが、それは降旗の資質でもあった。大勢に迎合せず、はじかれてしまった人々を描くという点で、デビュー作「非行少女ヨーコ」から「新網走番外地」シリーズ、自身の戦争体験を原作に重ねた「少年H」、孤児たちの再会を描いた遺作「追憶」まで一貫していた。撮影現場では静かな人だった。コンビを組んだ撮影の木村大作が大声で現場を取り仕切るのとは対照的で、目立たず、言葉少なに俳優の演技をじっと見ている。俳優たちには「そのまま、その人として、立っていてくれたらいいんです。映画は映るんです。映り方なんです」と語り、あれこれと演技指導はしない。それなのに完成した映画はどれも降旗の色に染まっていた。真贋(しんがん)を見抜く冷徹なまなざしが降旗美学の根底にあった。(古賀重樹)降旗さんの映画の撮影を担当した木村さんの談話です。待ちの人、最後「頼むね」と 映画監督・降旗康男さんを悼む 撮影監督・木村大作さん2019年5月31日 朝日新聞映画監督の降旗康男さんが20日、84歳で亡くなった。高倉健さんが主演し、降旗さんの代表作と言われる「駅 STATION」「鉄道員(ぽっぽや)」「ホタル」などで撮影監督を務めた木村大作さん(79)が、盟友との思い出を語った。 ◇降(ふる)さんとは16本やっているよ。健さんも言ったように降さんは寡黙な監督。40年近い付き合いで怒鳴っている姿を見たこともない。かたや俺は怒鳴っているので有名なカメラマン。だけど、初めての「駅 STATION」から馬が合ったんだ。性格は違うけど、進む映画の道は同じだと感じてくれたんだろうね。現場で静かに見ている代わりに、俺みたいながんがん行くスタッフに好きなだけやらせる。頭が切れる人だから、現場で得になることを分かっている。「待ち」の人というかな。天気が悪くて撮れないと言うと、「そうでしたか。帰りますか」だけ。そんな監督、いないよ。そんな降さんとやりたいと言うのは決まって健さん。そのくらい健さんがほれ込んでいた。俺が監督した「劔岳(つるぎだけ) 点の記」や「春を背負って」、「散り椿(つばき)」は全部、一緒に現像所で見た。でも、いつも見た作品の話はせずに、飲みに行って宴会だよ。感想は直接聞いたことがないけど、「点の記」について降さんが言っていたと伝え聞いたのは、「大ちゃんは、山を登って神々しいものに出会いたかったんだろうね」。うなったね。だって、俺はそれだけのために「点の記」を撮ったようなものだから。最後に会ったのは2月、渋谷の喫茶店だった。コーヒーを飲みながら、降さんの新しい企画について話したんだ。戦後、昭和の物語。だいぶ進んでいるようで、「大ちゃん、頼むね」と。84歳と言っても、体調も悪そうじゃないし、歩き方も俺よりしっかりしていた。でも、亡くなった今、考えてみると、「頼むね」の声が少し切実だった。もう自分の最期を意識していたのかもしれないね。俺は、自分の作品よりも何よりも降さんが第一。降さんから「頼む」と言われたんだったら、自分が監督する作品もそっちのけよ。健さんも83歳で亡くなった。俺も79歳だから、先行きねえなあと思うけどさ、降さんから「次だ」とせかされているように感じるよ。次の企画を進めないとなって。映画人ってのは、撮ってないとダメなんだ。(聞き手・小峰健二)
2019.06.05
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石田三成と徳川家康を主人公に、豊臣秀吉の死から天下分け目の関ヶ原の戦いに至るまでの過程を描いた司馬遼太郎原作の歴史小説『関ヶ原』の2017年の映画化作品。1991年から構想し26年目に実現した原田監督の作品です。ストーリー:1600年10月21日、長く混迷を極めた戦国時代を終わらせ、その後の日本の支配者を決定づけた戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”は、たった6時間で決着した。石田三成(岡田准一)は豊臣家への忠義から立ち上がり、圧倒的に有利と言われた西軍を率いて合戦に挑んだ。しかし、権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康(役所広司)に敗北を喫する。そして、命懸けで三成を守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない淡い恋の行方は……。「演出の都合で、音声が聞き取れない場合があります。その場合は、音声モードを」とのテロップが入ったのには、しらけました。演出の都合か何か知りませんが、セリフが観客や視聴者に伝わらなければNGでしょう。今回は、若い俳優が多かったので演技力をごまかすため?なんて勘繰ってしまいました。小声で早口、展開も早いですので、講談調の作品を期待すると裏切られます。面白かったのは、秀吉をはじめとする名古屋弁のオンパレードです。秀吉を筆頭に卑しき出で成り上がりですから、リアルな品のなさでした。尾張VS近江なんてのも面白かったです。忍び・初芽役の有村架純さんは、時代劇初出演でよかったです。
2019.06.04
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『ローレライ』『戦国自衛隊1549』『男たちの大和/YAMATO』など、日本の軍備を描いた作品への協力を防衛省が積極的に行なった一連の作品のひとつで、戦後60年目の2005年の作品です。ストーリー:海上訓練中の海上自衛隊護衛艦“いそかぜ”が、FTG(海上訓練指導隊)の溝口3佐を騙り乗り込んだ某国のテロリスト、ヨンファと副艦長・宮津の共謀によって乗っ取られた。乗員たちが全員離艦させられる中、諜報機関DAISの調査官・如月と共に艦内に残った先任伍長の仙石は、彼らの謀略を阻止すべく反撃を開始するが、ヨンファたちは対水上訓練の予定されていた“うらかぜ”を対艦ミサイル“ハープーン”で撃沈させると、この前代未聞の事態に急遽召集された梶本総理以下、国家安全保障会議の面々に、宣戦布告とも取れる通告をする。それは、米軍が極秘裡に開発した、僅か1リットルで東京中の生物を死滅させる威力を持つ“GUSOH”なる特殊兵器の存在を明らかにしなければ、その特殊兵器で東京を攻撃すると言うもので、既にそれはヨンファたちの手に落ちていた。やむを得ず、核爆発に匹敵する熱量を生み出すGUSOHの解毒剤とも言える爆薬“テルミット・プラス”の使用を決定する政府。だが、多くの犠牲者を出したものの、仙石たちの活躍でヨンファの計画は壊滅し、GUSOH奪還にも成功。東京湾内を暴走するいそかぜも、過ちに気づいた宮津によって爆沈し、日本は戦争の危機を免れるのであった。(KINENOTE)大がかりなセットでしたが、なんとも現実味のない大味な作品でした。副長の宮津の要求は、GUSOHやDAIS防衛庁情報局の存在の公表、DAISが息子の隆史を暗殺したことの公表ですが、それで東京を攻撃というのは、なんともわけがわかりません。特に息子の殺害の公表なんて私怨でしょう。終盤では急に翻意してしまうというのも、納得できません。某国工作員とは北朝鮮でしょうが、まったくばかげていて漫画みたいなストーリーです。中井貴一さんの演技は、韓国映画の北朝鮮工作員を参考にしたのでしょう。北朝鮮の工作員を演じたチェ・ミンソさんは、アクションがよかったですね。安藤政信などやめて、男性陣もいっそがっしりした体のいかにも人間兵器といった韓国人俳優で固めても良かったかもしれません。本作品は当初2000年に映画化する予定だったが、企画を持っていった1999年当時の防衛庁(現:防衛省)側は「現職の海上自衛隊護衛艦艦長が叛乱を起し、最新鋭護衛艦を乗っ取り、日本政府に対して脅迫をするなどという内容の映画には、一切協力はできない」と強く拒否した経緯がある(その後の映画版でも、叛乱の首謀者である宮津の役職が艦長から副長へ変更されている)。 2度目の協力要請の時、同庁広報は再度拒否するつもりだったが、同作品の読者であった石破茂長官(当時)が再考を促し、また原作者や映画制作関係者が艦艇部隊や江田島(幹部候補生学校等が所在)などをくり返し見学し、映画の内容修正を行ったこともあって、防衛庁側の協力が実現した。 (ウィキ)それにしても、この手の映画ではいつもながらの首相はじめ政治家・役人たちの慌てふためきぶりです。北朝鮮の工作ではなく、自衛隊内部からのクーデターがあった場合は、どうなるのでしょう。その時の対処のために、首都圏に米国の軍隊が駐留しているなんて言う見方もあります。日本軍国主義復活阻止の重しですね。
2019.06.01
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2004年の民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだったボー・ウィリモンが同選挙に着想を得て、2008年に書いた戯曲『Farragut North』が原作のジョージ・クルーニーが共同脚本・監督・主演を務めた作品です。 Farragut Northは、ワシントンの駅名で日本でいえば永田町です。原題のThe Ides of Marchは、ガイウス・ユリウス・カエサルが暗殺された紀元前44年3月15日。シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」からです。クルーニーの案だそうです。この映画でのシーザー、ブルータス、カシウス役は?ストーリー:アメリカ合衆国大統領の座をめざし、民主党予備選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は、選挙ツアー最大の正念場を迎えようとしていた。ペンシルベニア州知事として政治家の実績を積んだモリスは、ハンサムで弁舌に優れ、カリスマ性も十分。そのうえ清廉潔白な人柄と揺るぎない政治信条で多くの有権者を魅了し、ライバル候補のプルマン上院議員をじわじわと引き離しつつある。来る3月15日のオハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、ホワイトハウスの主になることはほぼ確実。いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。モリスを支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)。ある日、スティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、何らかの情報提供をちらつかせるダフィの言葉巧みな誘いに負けてしまう。ダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。だがモリスに心酔しているスティーヴンは、その申し出を即座に拒絶。その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。翌日、スティーヴンはダフィとの密会の件をポールに打ち明け、謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。二人の間には亀裂が生じ、ダフィとの密会は新聞記者アイダ(マリサ・トメイ)にも嗅ぎつけられてしまう。圧倒的優勢を見込んでいたスーパー・チューズデーの雲行きも怪しくなり、スティーヴンを取り巻く状況はまたたく間に悪化していった。そんな中、ポールからクビを宣告されたスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意するが、態度を豹変させたダフィにすげなく門前払いされてしまう。怒濤の嵐が吹き荒れるスーパー・チューズデー前夜、正義を売る者たちの最後の壮絶な駆け引きが始まった……。(KINENOTE)広報官スティーヴン・マイヤーズの役はもともとはデカプリオだったそうですが、ライアン・ゴズリングが見事に演じ切りました。金融恐慌を起こしても、嘘の戦争(イラク戦争)を起こしても大統領は責められませんが、インターンとのSEXはご法度、それが米国ですね。クリントン大統領はじめ大統領候補でも同様なスキャンダルがあったということで公開当時米国で注目された作品です。民主党支持者のジョージ・クルーニーの作品というところが、米国という国の懐の深さを感じさせます。偉大な国を目指すトランプですが、自身の下半身はすでに偉大?いやスキャンダルまみれのようです。日米で指導者の品格低下競争です。
2019.05.31
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第二次世界大戦当時、ナチスに略奪された美術品奪回任務に従事した連合軍特殊部隊“モニュメンツ・メン”の活躍を描いた実話映画。ジョージ・クルーニーが、監督・脚本・主演を兼任し、原作はロバート・M・エドゼルのノンフィクション『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』。日本では、2014年4月11日より公開予定だったが、秋に延期され、その後中止となっていたが、2015年11月6日よりプレシディオの配給で全国公開され、延期理由がいろいろと憶測された作品です。ストーリー:第二次世界大戦が激化する中、ヨーロッパ各国に侵攻したドイツ軍が、大量の美術品略奪を重ねていた。危機感を募らせたハーバード大学付属美術館の館長フランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、ルーズベルト大統領を説得。歴史的建造物や美術品を守る特殊チーム“モニュメンツ・メン”を結成する。そのメンバーは、リーダーのストークス以下、メトロポリタン美術館で中世美術を管理するジェームズ・グレンジャー(マット・デイモン)、建築家リチャード・キャンベル(ビル・マーレイ)、彫刻家ウォルター・ガーフィールド(ジョン・グッドマン)、ユダヤ系フランス人美術商ジャン・クロード・クレモント(ジャン・デュジャルダン)ら7人。略奪された美術品の追跡、発掘、保護を使命としてヨーロッパへ旅立った彼らは1944年7月、フランスのノルマンディー海岸に到着する。だが、激戦を終えたばかりの連合軍から十分なサポートは期待できない。やむなく2,3人ずつに分かれてヨーロッパ各地へ移動し、別々に任務を遂行することとなる。様々な困難を乗り越え、着実に成果を挙げて行くモニュメンツ・メン。ストークスたちは、パリで美術品略奪に加わったシュタールという男から重要な地図を奪取。坑道に隠されていた数多くの美術品を発見する。パリを訪れたグレンジャーは、クレール・シモーヌ(ケイト・ブランシェット)という女性の信頼を得て、ナチが運び出した何千点もの美術品の台帳とそれらの運び先の情報を入手。その一方で、2人のメンバーが命を落としていた。やがてドイツに集結したモニュメンツ・メンは、最大の隠し場所と見られる場所に向けて決死の行動を起こす。果たして、そこには消息不明となったミケランジェロの作品も隠されているのか?だがその行く手には、横槍を入れてきたソ連軍の影がちらつき、ヒトラーの自殺によって全てを破壊しようとするナチの脅威が待ち受けていた……。スリリングな美術品奪還作戦を期待した人にとっては、とても物足りない作品でしょう。大した山場もなく淡々と物語が進行します。実話とは言うものの、たった7人というのはいかにもすくなく史実に反しているようです。ノルマンディーやバルジ、レマーゲン鉄橋なんて聞くとかつての戦争映画が浮かびます。ブルージュやノイシュバインシュタイン城、サンタマリア・デッレ・グラツィエ教会といった観光名所もなつかしいです。そして、数々の美術品に思いをめぐらすのも楽しいです。映画では30年後にも人々は感謝するだろうかと問うていますが、50年後でもイエスです。https://style.coresv.net/the-monuments-men 唯一の女性キャストはケイト・ブランシェットですが、オーストラリア人の彼女がフランス人を演じて違和感はないのでしょうか。『ミケランジェロ・プロジェクト』マット・デイモンとケイト・ブランシェットの大人の恋… 2人の淡いラブシーンhttps://www.youtube.com/watch?v=b-SCL39XVW0 映画『ミケランジェロ・プロジェクト』予告編https://www.youtube.com/watch?v=Ef_kZl648PI 大列車作戦 予告編https://www.youtube.com/watch?v=F3OlJOmOJQ4 イタリア以外に存在するのは僅か3点、1点はルーブル美術館、もう1点はエルミタージュ美術館そしてブルージュの聖母教会。 制作年は1501年から1504年、ミケランジェロ26才~29才の頃の作品で、ヴァチカンのサンピエトロ寺院にあるピエタ像の後に造られた大理石の母子像である。一説によるとブルージュの裕福な商人がローマを訪れた際、購入して、1514年に教会へ寄進したらしい。
2019.05.29
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セザール賞主要十部門(作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、主演男優賞、撮影賞、録音賞、編集賞、美術賞、音楽賞)受賞。アカデミー外国語映画賞ノミネート。フランソア・ トリフォー監督最大のヒット作で、1980年の作品です。ストーリー:第二次大戦中、ナチ占領下のパリ。人々は夜間外出を禁止され、地下鉄の終電車に殺到する。この混乱の時代は、しかし映画館や劇場には活況を与えていた。そんな劇場の一つモンマルトル劇場の支配人であり演出家のルカ・シュタイナー(ハインツ・ベネント)は、ユダヤ人であるため、南米に逃亡し劇場の経営を妻であり看板女優のマリオン(カトリーヌ・ドヌーヴ)にまかせていた。彼女は、今、ルカが翻訳したノルウェーの戯曲『消えた女』を俳優のジャン・ルー(ジャン・ポワレ)の演出で上演しようとしていた。相手役には新人のベルナール・グランジェ(ジェラール・ドパルデュー)が起用された。ジャン・ルーは、この戯曲の上演許可のため、ドイツ軍の御用批評家ダクシア(ジャン・ルイ・リシャール)とも親しくしているというやり手である。連日稽古が続けられるが、稽古が終ると、ベルナールはカフェで数人の若者たちと会って何か相談し合っており、一方マリオンは暗闇の劇場に戻って地下へ降りていく。地下室には、何と、南米に逃げたはずのルカが隠れていたのだ。夜マリオンが会いに来るのを待ちうけ、昼は、上で行なわれている舞台劇の様子を通風孔の管を使って聞き、やってくるマリオンにアドバイスを与えた。つまり、彼は地下にいながら、実質的な演出者だったのだ。初演の日、『消えた女』は、大好評のうちに幕をとじるが、ルカは満足しなかった。そして、翌日の新聞でダクシアは酷評を書いた。マリオンは、舞台の稽古をしながら、いつしかベルナールに惹かれている自分を感じていたが、あるレストランで彼がダクシアに酷評の謝罪を迫ったことで彼に怒りをおぼえた。『消えた女』は好評を続けるが、ベルナールがレジスタに参加するために劇場を去ることになったある日、初めて会ったルカから「妻は君を愛している」と言われ動揺するベルナール。そしていよいよ彼が去る日、二人ははじめて結ばれた。連合軍がノルマンディーに上陸し、パリ解放も目前に近づいた。ルカは屋外に出ることが実現し、ダクシアは国外に逃亡する。そして、マリオンは、愛する夫の演出で、愛する若手俳優ベルナールと共演し、艶やかな笑顔で観客に応えているのだった。カトリーヌ・ドヌーブ(当時37歳)の美しさに見とれてしまい終わってしまいました。ナチの占領という異常事態で揺れる女ごころですね。そして、トリフォーお得意の三角関係?おとなの恋愛映画でした。やはりフランスです。トリフォーのオリジナル脚本ですが、モデルがいます。· ジャコ少年のモデルは当時10歳だったトリュフォーであるが、実際にたばこの葉を栽培していたのはトリュフォーの祖父である。· ルカのモデルはルイ・ジューヴェで、実際に彼が自分の劇場の地下室に隠れていたという噂があった。また、マルセル・カルネ監督の『悪魔が夜来る(フランス語版)』や『天井桟敷の人々』の美術監督アレクサンドル・トローネルと作曲家ジョゼフ・コスマの仕事は、実際に地下室に身を隠しておこなわれたという事実もある。· ダクシアのモデルは「演劇界の帝王」とよばれていた悪名高い親独派の劇評家、アラン・ロブロー(フランス語版)。· ベルナールのモデルはジャン・マレーで、彼の自伝『美しき野獣』のなかに、ジャン・コクトーの芝居『地獄の機械』を酷評したアラン・ロブローをマレーがどしゃ降りの雨のなかで殴りつけたというエピソードがある。· ジャン=ルーのモデルは劇作家のサシャ・ギトリで、FFI(フランス国内軍)に捕らえられてパジャマ姿のまま連れ出されるエピソードも実話にもとづいている。· マリオンには直接的なモデルはいないが、当時の新聞に「現在の女性にとっての流行の先端を行く職業は劇場の支配人」という記事を読んだトリュフォー監督の創作である。(ウィキ)背景が書割に変わるラストも楽しませてくれます。そして出演した役者紹介もいいです。Le Dernier Métro Trailerhttps://www.youtube.com/watch?v=lxxxzSi8Z34 【予告】没後30年フランソワ・トリュフォー映画祭https://www.youtube.com/watch?v=ih29XBtM3xg トリフォー作品で1本と言われたら、これです。Les deux anglaises et le continent(恋のエチュード) -Epiloguehttps://www.youtube.com/watch?v=QHqRGG9ZhSkPS: 戦争が終わって、戦時中見ることができなかった欧米の映画が敗戦国日本で封切られました。それを見た多くの日本人が思ったそうです。こんな素晴らしい映画を大金をかけて作っていた国々と闘っていたのかと。ドイツに占領されていたフランスも例外ではありません。マルセル・カルネの天井桟敷の人々はそんな一本ですね。米国の風と共に去りぬは1939年の制作ですが、公開は戦後の1952年。戦争前に公開されていたら、愚かな戦争をしようとは思わなかったでしょう。米国の強大さを認識しながらばくち好きの軍人の口車にのった昭和天皇も愚かです。
2019.05.26
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実話をもとにしたスピルバーグの2002年の作品です。原題のCatch Me If You Canは、「できるもんなら捕まえてみろ」の意味で、鬼ごっこの時の掛け声で、「鬼さんこちら」に当たるものです。ストーリー:1963年、NY州ブロンクスヴィル。16歳のフランク・アバグネイル・ジュニア(レオ ナルド・ディカプリオ)は、両親の離婚のショックから家を飛び出し、生きるために小切手詐欺を思いつく。だが偽造小切手は怪しまれやすい。そこでパイロットの制服を手に入れた彼は、人々をあざむきつつ、提携する航空会社の飛行機で世界中をタダで飛び回る。やがてFBIが動き出す。ベテラン捜査官のカール・ハンラティ(トム・ハンクス)は躍起になって犯人を追うが、なかなか正体をつかめない。そんな中、フランクは偶然行った病院で新米看護婦ブレンダ(エイミー・アダムス)に一目惚れし、その瞬間、小児科医に変身。病院に就職してしまう。ブレンダの心も手に入れ、彼女の父親(マーティン・シーン)が検事だと知ると、今度は弁護士になりすまし、ブレンダの父が経営する法律事務所に就職。だがブレンダとの婚約パーティーの時、ついにカールらFBIが乗り込んできた。フランクはブレンダにすべてを話して逃げたが、彼女に裏切られ、ついに逮捕されてしまう。しかしフランクは、偽造小切手を見破る能力を高く評価され、FBIで働くようになるのだった。小気味よいテンポで展開する犯罪コメディ映画でした。それにしても、16~21歳の若者が、パイロット、医者、弁護士になってよく騙せたと思います。相当の老け顔だったのでしょうか?パイロットで騙せたのは制服の力も大きかったのでしょう。60年代の再現映像も楽しめました。空の旅といえばパンナムの時代で、NYのパンナムビルも映っていました。私も家内の希望で一度だけ乗ったことがあります。Frank Abagnale (2007)フランク・ウィリアム・アバグネイル, ジュニア(Frank William Abagnale, Jr.、1948年4月27日 - )は、アメリカ合衆国のセキュリティ・コンサルタント。以前行なっていた信用詐欺、小切手詐欺、身分詐称、脱出などの犯罪歴で知られる。航空機パイロット、医師、連邦刑務局職員、弁護士など少なくとも8回の身分詐称を行なったことで有名になった。21歳になるまでに警察の拘留から2回逃れ、うち1度は空港誘導路、もう1度は連邦刑務所からであった。5年以内に出所し、その後連邦政府に勤務。現在連邦捜査局アカデミーや現場事務所でコンサルタントや講師をしている。また他に金融詐欺のコンサルタント会社アバグネイル・アンド・アソシエイツを経営している。 1980年、彼の人生のストーリーを織り込んだ自伝『Catch Me if You Can 』をスタン・レディングと共著で出版。これを基にした映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』が2002年に公開され、2011年4月よりブロードウェイでミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の上演が開始された。( ウィキ)
2019.05.25
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「郵便配達は二度ベルを鳴らす」で有名なジェームズ・M・ケインの1941年の小説『ミルドレッド・ピアース』の映画化で、「カサブランカ」のマイケル・カーティスが監督、ジョーン・クロフォードが主演の1945年の米国映画です。クロフォードにとってはMGMからワーナー・ブラザースへ移った最初の主演作で初のアカデミー主演女優賞受賞作品です。ストーリー:ある夜、地元の名士モンティ・ベラゴンが射殺される。事件の容疑者として被害者の妻ミルドレッドの元夫バート・ピアースが逮捕されるが、ミルドレッドは刑事に「バートは犯人ではない」と主張する。凶器の拳銃がバートのものであり、アリバイがない上に犯行を否定しないバートが犯人でないと言い張る理由を問い質されたミルドレッドは事件に至るまでの経緯を語り出す。 4年前、平凡な主婦だったミルドレッドは、不動産屋を経営していた夫バートが職を失い、しかも浮気していることからバートを家から追い出す。2人の娘をこれまで通り、上流階級の娘のように育てたいミルドレッドは職を探すが、専業主婦だった彼女に職は見つからない。しかし、偶然入った大衆食堂が人手不足と知ると、その場で自分を売り込み、ウェイトレスとして働くことになる。すぐに優秀なウェイトレスになったミルドレッドだったが、そんな仕事をしている母親を長女ヴィーダは恥ずかしいとなじる。ヴィーダを叱りつけたミルドレッドだったが、これをきっかけに自分でレストランを経営したいと思うようになる。 夫バートのかつてのビジネスパートナーだった友人ウォーリーの紹介で、金に困っている富豪モンティ・ベラゴンが所有する物件を手に入れたミルドレッドは、自分の店の開店準備を進める。そんなミルドレッドに惹かれたモンティは彼女に積極的にアプローチし、2人は深い仲となる。ところが2人で過ごした後に家に戻ったミルドレッドは次女ケイが急病で倒れたことを知る。慌てて駆けつけるが、ケイはあっけなく息を引き取る。 ミルドレッドの店は、ビジネスパートナーとなったウォーリーとウェイトレス時代に親友となったベテランウェイトレス、アイダ・コーウィンの働きもあり、開店初日から盛況となる。その後も店の経営は順調に進み、3年で5店舗を抱えるレストランチェーンとなる。 一方、ヴィーダは母親の恋人モンティとともに過ごすことが多くなり、彼の贅沢な生活に触れる中で、額に汗して働く母親を一段と見下すようになる。ところが、モンティは実質的に破産しており、彼の贅沢な生活はミルドレッドによって支えられていたのだ。その状況にミルドレッドは、ヴィーダをこれ以上堕落させたくないと、モンティに別れを告げる。 ところがヴィーダの奔放な生活は変わらない。金持ちの息子と関係を持ち、嘘の妊娠で示談金をせしめたことを知ったミルドレッドは激しい衝撃を受ける。しかも、ヴィーダは母親を含め、今までの自分の生活の全てと縁を切るためには金が必要だったのだと言う。ミルドレッドは激怒し、ヴィーダを家から追い出す。 しばらくして、音信不通のヴィーダがウォーリーの経営する酒場で歌手として働いていることを知ったミルドレッドは、ヴィーダを取り戻すために、ヴィーダが望む「モンティのような生活」を手に入れようと、モンティと結婚し、彼の屋敷を手に入れる。しかし、この結婚は愛のない契約に過ぎず、モンティは結婚の「対価」としてミルドレッドの会社の共同経営者となる。 希望通りにヴィーダを取り戻したミルドレッドはこれまで以上にヴィーダに贅沢な生活をさせる。しかし、これにより会社の経営は著しく悪化、しかもモンティが会社の株を売っていると知ったミルドレッドは、意を決し、かつてバートが残していった拳銃を手にモンティの下に向かう。しかし、そこでミルドレッドが目にしたのはモンティがヴィーダと抱き合い、愛を交わしている姿だった。ショックを受けるミルドレッドに、開き直ったヴィーダはモンティが愛しているのは自分だと追い討ちをかける。ミルドレッドがその場から逃げ出すと、モンティはヴィーダに「お前のようなあばずれと結婚する気はない」と告げる。怒ったヴィーダはミルドレッドが落としていった拳銃でモンティを撃ち殺してしまう。銃声を聞いて戻って来たミルドレッドは、ヴィーダの頼みを断り切れず、ヴィーダの犯行を隠す工作をすることになる。 ミルドレッドはウォーリーに罪を着せようとしたが失敗、自分が殺したと告白する。しかし、犯行時刻にヴィーダが現場にいたことを突き止めていた警察は、高飛びしようとしていたヴィーダを既に捕まえていた。ミルドレッドはそれでもヴィーダをかばおうとするが、ミルドレッドが全て話したという刑事の嘘を信じたヴィーダが母親をなじったことでヴィーダの犯行が明らかになる。 憔悴し切ったミルドレッドはバートに支えられ、2人で警察を後にする。 (KINENOTE)回想形式でドラマが進行します。犯罪ミステリーですが、女性の一代記+母娘の愛憎劇でもあります。主演のクロフォードが魅せてくれ、アカデミー主演女優賞に納得です。1945年の映画です。大女優のアカデミー賞受賞作品ですが、公開時期を逸したようで日本未公開作品です。プロローグで桟橋から入水自殺しようとする風情のミルドレッドを警官が見咎めて、"lf you take a swim, l'd have to take a swim."(あなたが泳ぐと、私も泳がなければならない)といさめます。豪華な毛皮です。サンタモニカに建つ別荘。いかにも当時の水着です。たぶんこの作品が戦後すぐ公開されていたら、敗戦国の日本国民はこんな豊かな国と戦争していたことに驚いたことでしょう。黒人のメイドが出てきますが、甲高い声のステレオタイプでした。人種差別まる出しの時代だったのですね。
2019.05.24
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ロバート・アルドリッチ監督で、ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォード、往年の二大女優競演の1962年の米国映画です。134分のモノクロ映画です。カラーの案もあったそうですが、視覚効果を高めるためだそうです。題名は知っていましたが、観たのは初めてです。ぐいぐい引き込まれるストーリー展開で、一気に観てしまいました。ストーリー:ジェーン・ハドスン(ベティ・デイヴィス)は6歳の時から名子役として、その芸達者をうたわれ、ベビイ・ジェーンの芸名で稼ぎまくっていた。(1917年)やがて年が経った。(1935年)ジェーンは子役としての魅力を失い、代わりに姉のブランチ(ジョーン・クローフォード)が美しいスターになった。彼女が人気絶頂の時、突然の自動車事故で生涯不具の身となった。が、一緒に乗っていたはずのジェーンはかすり傷ひとつさえも負わなかった。年月が経った。(1962年)まだその事件を覚えているのは、ジェーンとブランチだった。2人は古屋敷に孤独の生活を続けていた。その孤独を破るのは、掃除婦だけだった。ジェーンの次第に度を越してくる異常な行動や飲酒癖は、ブランチを極度の不安に陥れた。ある日、ジェーンは、突然カムバックを夢見て少女時代そのままの舞台衣装を注文した。ブランチは不自由な体で電話をかけようとした時、ジェーンにみつかり、部屋に入れられ、唇にテープを貼りつけられて、ベッドにくくりつけられた。そして、それを見た掃除婦はハンマーで殺された。夜明け、ジェーンはブランチを海岸に連れていき、彼女を生き埋めにするかのように大きな穴を掘った。ブランチは最後になって初めて告白した。少女時代、妹ジェーンの影に育ったブランチは、自分が映画スターになってもその復讐を忘れず、彼女を不具にしようと自動車事故を起こしたのだ、と。が結果は逆になってしまった……。それを聞いたジェーンの態度が変わった。その狂った心に、ある優しさをよみがえらせたのだった。「アイスクリーム買ってあげるね。」ジェーンはアイスクリームを買いに町へ行った。そして警官に捕らえられると周囲の群衆を見回して、突然、気どった身ぶりで自分が6歳の時に喝采をはくした、その演技を始めるのだった。(KINENOTE)精神的に不安定な(あるいは狂った)高齢の女性を主人公とする、サイコ・ビディ(Psycho-biddy)というジャンルの元になった作品です。ヒートアップしてゆくベティー・デービスの怪演ぶりが、すごいです。往年の大女優はこの作品で復活です。私的にも仲が悪い二人ですが、こんなエピソードも周囲の心配をよそに撮影現場では諍いごとを起こさなかったベティとジョーン。しかし、実は水面下で壮絶な闘いが繰り広げられていた。こっそりと電話を使おうとしたブランチにジェーンが暴行を加えるシーンでは、ベティは偶然を装って本気でジョーンの頭を蹴りつけて怪我をさせてしまう。一方、ジェーンがブランチをベッドから引きずりおろすシーンでは、逆にジョーンがわざとベティに体重をかけたため、ベティは腰を痛めて入院してしまった。さらに、ジェーン役でベティがアカデミー主演女優賞にノミネートされると、ノミネートされなかったジョーンはアンチ・ベティ・デイヴィスのキャンペーンを敢行。ベティ・デイヴィスに投票しないようにとアカデミー会員に呼びかけて回ったのだ。授賞式当日、プレゼンターとして登場したジョーン・クロフォードは高らかに受賞者であるアン・バンクロフトの名前を読み上げ、満面の笑みでベティを見下ろした。こうして2人の確執は決定的なものとなってしまったのだ。ちなみに、1977年にジョーン・クロフォードが亡くなった際に、ベティ・デイヴィスはこう語っている。“死者を悪く言うのはいけないことよ。いい事だけを言わないと。ジョーン・クロフォードが死んだ。いい事だわ。”ベティ・デイヴィスは、ジョーン・クロフォードに対しては「彼女の使った後の便座だけには座りたくない」と発言したことはあまりにも有名。また、前述した『ふるえて眠れ』の主演にあたり、ジョーン・クロフォードとの共演を拒絶し「ペプシ・コーラのセールス・ウーマンと共演するなんて真っ平ごめん」と言って、大嫌いな彼女を降板させた経緯がある。http://angeleyes.dee.cc/joan_and_bette/joan_and_bette.htmlデイヴィスは他の女優が嫌がる様な役や尻込みする役を積極的に演じ、しかも迫真の名演技で賞賛され、スクリーンで観客を釘付けにした。「フィルムのファースト・レディ」("The First Lady of the American Screen") と呼ばれるゆえんです。 主な撮影は約1か月で終了したと伝えられている。低予算が大ヒットに化ける走りの一作であり、本作の場合、約75万ドルと云われる製作費を僅か11日間で回収し、公開一年後には約900万ドルの興行成績を記録した。これは現在の貨幣価値で、約7,250万ドルを優に超える額だと換算されている。こわいもの見たさというのは、いつも映画の魅力のひとつです。何がジェーンに起ったか? 予告篇【作ってみた】https://www.youtube.com/watch?v=qS3UaDf0APA What Ever Happened to Baby Jane? (1962) Official Trailer - Bette Davis Moviehttps://www.youtube.com/watch?v=Cth9aakWf38 海外ドラマ「フュード/確執 ベティvsジョーン」予告https://www.youtube.com/watch?v=1wAar0G-GBo
2019.05.23
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アメリカのタバコ産業の不正を告発したTVプロデューサーと大手タバコ会社副社長を描いた骨太の社会派ドラマで、実話を基にした1999年の米国作品です。ストーリー:CBSの人気報道番組『60ミニッツ』のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)はタバコ産業の極秘資料を入手。彼は全米第3位の企業ブラウン&ウィリアム(B&W)社の元研究開発部門副社長ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・クロウ)と接触。彼はB&W社が利潤追求のためタバコに不正な手段で人体に有害な物質を加えているという秘密を握っていたが、病気の娘の医療手当をはじめ家族の生活を守るため、B&W社の終身守秘契約に同意していた。彼がマスコミと接触したことを知った社は、陰日向に彼とその家族に圧力と脅迫を加える。信念と生活への不安の板挟みでワイガンドは苦悩するが、ついに『60ミニッツ』のインタヴューに応じ、法廷で宣誓証言することを決意。番組の看板ジャーナリスト、マイク・ウォレス(クリストファー・プラマー)のインタヴュー収録も終わったが、ここで問題が発生。CBS上層部はタバコ産業との訴訟沙汰を恐れ、番組ではワイガンドのインタヴューをカットして放映する決定を下したのだ。さらにタバコ産業はワイガンドの旧悪を暴露するアンチキャンペーンを展開。バーグマンも『60ミニッツ』を降板させられた。だが、彼は事件の真実を『ニューヨークタイムズ』にリーク、全てを表ざたにして、ついに番組の放映を実現させるのだった。(KINENOTE)アル・パチーノとラッセル・クロウと聞いただけで観たいと思う作品でした。内部告発者に対して、脅迫などのいやらしい圧力がかけられます。CBSの本社も訴訟リスクを恐れて腰砕けで、一時は万事休すでしたが最後は勝利です。過去が暴かれ離婚、CBSへの信頼喪失など苦い勝利でした。「7人のこびと」と揶揄されたたばこ会社の7人の社長です。それにしても、体に悪い毒物であるタバコを作って売るなんて、どんな料簡なのでしょう。諸外国並みの税金を課して、販売を抑制すべきです。ひと箱1000円にして、がん予防です。専売公社からJTになった会社の製品を食べたいとは思いません。内部告発者の人格を貶めるやり方は、昨年の前川次官を貶めるやり方と同じです。読売新聞はあっさりこの公安・官邸情報に飛びつきましたが、ウォールストリートジャーナルやニューヨークタイムズは違いました。御用新聞と言われるゆえんです。ラストでバーグマンがCBSを去る時の「もう、情報提供者に大丈夫とは言えないからだ」というセリフが印象的でしたが、インタビューアーのマイク・ウォレスが「名声はすぐ忘れられるが、不名誉はずっと記憶される。」というのも印象に残りました。そんなことにお構いなしの人もいるようですが、功成り名を遂げた人は、死後の評価も気になるものなのですね。ワインガンドの家庭は戻りませんが、その後も高校教師を務め優秀教師に選ばれたというナレーションが救いです。ジェフリー・ワイガンド(Jeffrey Wigand, 1942年 - 、ニューヨーク生まれ)は、かつて大手タバコメーカーのブラウン・アンド・ウィリアムソン(B&W)社の研究開発担当副社長であった。 CBSニュースの番組「60 Minutes」において、B&W社がニコチンとタバコの健康への影響の調査データを改竄(かいざん)しようとした行いを暴露したことで 内部告発者になった。このことでワイガンドは、匿名の脅迫を受けたと訴えた。 この事件は映画『インサイダー』で描かれ、ラッセル・クロウがワイガンドを演じた。 ジェフリー・ワイガンドはニューヨーク市ブロンクス区にあったカトリック教徒の家庭で育った。子供時代に両親はニューヨーク州内のフェザントバレーへ引っ越す。 ニューヨーク州立大学バッファロー校理学部卒、ニューヨーク州立大学バッファロー校理学研究科博士課程修了。ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどいくつかの健康産業を経て、ユニオンカーバイド東京支社のマーケティングディレクター、テクニオンインスツルメンツ社の副社長を歴任。 1989年1月にブラウン・アンド・ウィリアムソン(B&W)社に入社。研究開発担当副社長となるが、1993年3月24日に解雇された。その後、ブラウン・アンド・ウィリアムソンの内部告発者として報道されるようになった。彼の日常生活は、B&W社による嫌がらせや家族に対しての脅迫などで崩壊したが、1年半後、ワイガンドは高校で教鞭をとり始め、今日まで続けている。最初の妻リンダと1970年に柔道教室で出会った。結婚のすぐ後に、リンダは多発性硬化症を発症し、離婚することになった。ジョンソン・エンド・ジョンソンで働いているとき、1981年に彼は2番目の妻ルクレティアに出会った。 柔道有段者。東京駐在の経験があり、ある程度日本語が話せる。 (ウィキ)The Insider - Trailer - HQ - (1999)https://www.youtube.com/watch?v=5rkvxi5hdbA PS:終身守秘契約私の場合は、3年間でした。もう真実を話しても、訴えられることはないでしょう。
2019.05.22
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ブライアン・デ・パルマ監督、アル・パチーノ主演なので観た1993年の作品です。ニューヨーク州最高裁判所の元判事エドウィン・トレスの同名小説、およびその続編『それから』を原作としたものですが、同判事もプエリトリコ出身です。それにしても判事が小説を書くなんて、米国ですね。ストーリー:1975年、ニューヨーク。カリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は、組織のお抱え弁護士クレインフェルド(ショーン・ペン)の尽力で、30年の刑期を5年で終えて出所した。かつては麻薬王としてならした彼も、今度こそ足を洗い、バハマのパラダイス・アイランドでレンタカー屋を営むことを夢見ていた。だが、従兄弟の麻薬取引のトラブルに巻き込まれたカリートは、心ならずも手を血で染める。彼は昔なじみのサッソ(ホルヘ・ポルセル)のディスコに、死んだ従兄弟の金を投資し、儲けを貯め始める。街はすっかり様変わりし、信頼していた仲間のラリーン(ヴィーゴ・モーテンセン)は検事となって偵察にきたうえ、チンピラのベニー・ブランコ(ジョン・レグイザモ)がのしていた。昔の恋人であるダンサーのゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)と再会したカリートは、彼女への愛に生きることを誓う。その頃、コカインと汚れた金に溺れていたクレインフェルドは服役中のマフィアのボス、トニー(フランク・ミヌッチ)に脅され、脱獄の手引きをさせられる。彼に恩義があるカリートは断りきれずに手を貸す。だがクレインフェルドは深夜のイーストリヴァーで、脱獄したトニーとその息子フランクを殺す。間もなく彼はマフィアに命を狙われて重傷を負う。一方、ノーウォーク検事(ジェームズ・レブホーン)はカリートに、クレインフェルドの犯行を証言すれば免罪にすると司法取引を持ちかける。検事は、彼がカリートをハメようと虚偽の証言をしたテープを聞かせた。カリートは取引に応じず、裏切り者のクレインフェルドをマフィアに殺させるように仕向けてカタをつけた。ゲイルと落ち合うグランド・セントラル駅へ急ぐカリートは、追って来たトニーのもう一人の息子ヴィニー(ジョゼフ・シラーヴォ)一味と構内で壮絶な銃撃戦を演じる。ゲイルと列車に乗り込もうとした瞬間、カリートは寝返った用心棒のパチャンガの手引きでベニーに撃たれ、静かに息絶えた。 前半はやや退屈ですが、後半は畳みかけるような展開で楽しめました。ショーン・ペンは怪演でした。グランドセントラル駅での銃撃戦は、アンタッチャブルを思い出させます。悪徳弁護士に司法取引、出世目当ての検事と、この頃はまだ米国の話しと思っていましたが、今はそうでもないようです。ゴーンが起訴されたのに、西川が不起訴だなんて、高額報酬や私物化は似たり寄ったりなのにと思った人も少なくないでしょう。不正検査の反省もしない会社で、なくてもよい会社です。トップレスバーやディスコもなつかしかったです。エンドシーンの最後もお見逃しなく。こういう遊びが好きです。Carlitos Way - You Are So Beautiful (Joe Cocker)https://www.youtube.com/watch?v=8_ykHPPWOl0Carlito's Way Final Scene + You Are So Beautifulhttps://www.youtube.com/watch?v=gwmg-5HsspQ
2019.05.21
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You Only Live Twice / 007 は二度死ぬ 1967https://www.youtube.com/watch?v=05QJlF06F4s&t=45s 1964年の東京オリンピック直後に日本ロケが行われ、1966年に1964公開された作品でシリーズ最低作品との評価もあるものです。シリーズ5作目で、香港と日本を舞台にスケールアップし、筋も荒唐無稽です。ストーリー:運航中のアメリカとソ連の宇宙のカプセルが、頻々と軌道から姿を消すという怪事件が起った。米・ソは互に相手国の仕業と疑い国際的危機は高まるばかり。イギリス情報部は、妨害ロケットが日本から発射されているらしいと探知した。007号ジェームス・ボンド(S・コネリー)は十日後のアメリカのジェミニ打ち上げまでに、敵の正体と本拠地、その目的をさぐれと命をうけた。日本の秘密諜報機関長田中(丹波哲郎)と秘書アキ(若林映子)の協力を得て、神戸に碇泊中の貨物船が怪しいとわかり、ボンドは神戸に急行したが敵の罠にかかり捕えられた。ボンドを救ったのは、赤髪の美女ヘルガ(K・ドール)だったが、そのため彼女は死んだ。日本南端のアキ島に不気味な事件が続き、さらに例の貨物船が現われたと知ると田中はボンドを日本人漁師に変装させアキ島に急行した。地元民の疑惑をさけるためボンドはキッシー(浜美枝)と結婚した。危険を共にしいつか愛しあうようになっていたアキは、別れの夜ボンドの身代りとなって殺された。アキ島の火口湖の底に敵の秘密基地を発見したボンドは、単身基地に潜入し捕えられていた米ソの宇宙飛行士たちを助けたが、妨害ロケットの発射をくい止めることはできなかった。敵は強大な国際犯罪組織スペクターの一号ブロフェルド(D・プリーゼンス)だった。その時田中の指揮する特殊部隊がなだれこみスペクターとの激闘が展開された。ボンドはロケットのコントロール・ルームに飛び込み妨害ロケットの爆破装置を押した。今はこれまでと覚悟を決めたブロフェルドは秘密レバーを引いた。火山全部が吹っ飛ぶような大爆発が起った。すばやく海上へ脱出したボンドとキッシーは飛行機から投げ落されたゴム・ボートに乗り、はじめてゆっくりと抱き合った。(KINENOTE)You Only Live Twice - 人生は二度しかない二度死ぬの方が、いいですがその必然性はありませんでした。1964年東京オリンピック開催直後の高度経済成長期の東京を中心にロケが行われたため、地下鉄丸ノ内線やホテルニューオータニ、旧蔵前国技館、東京タワー、銀座4丁目交差点、駒沢通りなど、当時の東京の風景を随所で窺うことができる。 また、特殊部隊の訓練場を姫路城に設定しているほか、鹿児島県坊津の漁村や霧島山新燃岳などでもロケを行い、付近一帯ではボンドのオートジャイロ「リトル・ネリー」とスペクターのヘリコプター部隊の空中戦シーンの一部を空中撮影するなど大規模なロケを行った。 丹波哲郎が日本の情報機関のボスとしてほぼ全編にわたって登場するほか、初の日本人ボンドガールとして若林映子と浜美枝が登場し、日本人に化けたボンドが日本の公安エージェントと偽装結婚したり、第50代横綱佐田の山が本人役で登場したり、丹波演じる日本の公安のトップの移動手段が丸ノ内線の専用車両だったり、さらに公安所属の特殊部隊が忍者だったりと、現実性は極めて希薄である。 また、それまで顔が映ることのなかったスペクターの首領・ブロフェルドが、本作で初めてその姿を現す。( ウィキ)マイカーならぬマイ地下鉄には驚きました。 懐かし日本と日本人が映っていました。 欧米人の目から見た日本なのでしょうが、えっと思うシーン満載です。堂々のボンドガール仲間入りです。こちらもボンドカーの仲間入りです。出た~!トヨタ2000GThttps://www.youtube.com/watch?v=syvutThYkXQ 007は二度死ぬ (字幕版)https://www.youtube.com/watch?v=aj_raSIDLSc 荻昌弘・映画解説 「007は二度死ぬ」https://www.youtube.com/watch?v=TCkXYflS6Z4 PS:埋め込みのビデオがエラーになった(原因不明です。)ので、追加しました。You Only Live Twice / 007 は二度死ぬ 1967https://www.youtube.com/watch?v=05QJlF06F4s&t=45s
2019.05.20
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仲代達矢さんが悪役で出演した、1968年のマカロニウエスタンです。原題はOggi a Me, Domani a Te!=今日、私に、明日あなたに!邦題は、完全に仲代さんが主役の題名です。ストーリー:恋人殺しの汚名をきて、刑務所に入れられていたカイオワ(M・フォード)は、刑期終了以前に、模範囚として釈放された。かつて彼は、幼なじみの友人、フェゴー(仲代達矢)に、恋人を眼前で強〇され、射殺された。その上殴られて気を失っている間に、ピストルをにぎらざれ犯人にしたてあげられてしまったのだった。その、フェゴーは、今、西部に悪名高い残酷非道な強盗団のボスになっていた。出獄したカイオワは忠実な下男がかくしてくれていたドルを森の隠れ家で受取ると、報酬1万ドルで銃の使い手四人を雇いいれた。そして五人は、フェゴーを探し求めて、旅を続け、フェゴーの行動を探知すると、その手下を、次々と倒していった。怒りくるったフェゴーは、一度はカイオワを捕え、半殺しの拷問を加えたが、カイオワはすきをみて逃げた。逃げる五人。追跡するフェゴー一味。いつしか、深い森の中にまぎれこんだカイオワは、計略をたて、一味を森深く誘いこんだ。やがて夜。五人対数十人の血闘がはじまった。機智を生かし、隠密作戦を展開、五人は一人、二人と血祭りにあげていった。明け方、静まりかえった森の中で、手下を殺されてたった一人になったフェゴーの前に、カイオワが、姿をあらわした。長い沈黙が続いた。その静けさをついてカイオワの銃声が響いた。撃たれてなおひるまぬフェゴーは、悪鬼のようであった。 久しぶりにB級マカロニウエスタンを観ました。七人の侍風のストーリーと羅生門のような映像。改名した主演俳優の名前が、モンゴメリー・フォードだなんて笑ってしまいます。まあ、最後のこの映像にすべてが集約されています。 野獣暁に死す@仲代達矢https://www.youtube.com/watch?v=-R4ENJhmyLk 何といっても目力がすごいです。それにしてもどうしてこんな映画にでたのでしょう?
2019.05.19
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荒野の七人(1960年)の続編で、1966年の作品です。前回から10年後の物語という設定です。ストーリー:19世紀も終わりに近いころのメキシコ。貧しい農民たちが砂漠に囲まれた不毛の土地にしがみついて細々と暮しをたてていた。ある日、そのあたり一帯を勢力下に治め悪業の限りをつくしている男ロルカ(エミリオ・フェルナンデス)一味が村を襲い、男たちをひっ捕らえて消えた。ロルカは戦いで破壊された自分の領地を再生しようと、農夫を集め奴隷のように労働させていたのだ。捕えられた男の中には、かつて6人の仲間と村人のために山賊と闘った経験のあるガンマン、チコ(ジュリアン・マテオス)がいた。彼は村娘ペトラと結ばれて以来、平和な農村生活を送っていたのだった。その頃、チコの昔の仲間クリス(ユル・ブリンナー)とビン(ロバート・フラー)は近くの町で闘牛見物に興じていた。そこへチコの危急の報が1人の少年によってもたらされた。ふたりは早速村へ急行すべく仲間集めを開始した。昔の仲間は4人とも山賊との戦いで死んでしまったから、新たに屈強のガンマンを探さねばならなかった。しかし、それは雑作なかった。たちまちそれぞれ腕に一癖ある男たち、フランク、ルイ、コルビー(ウォーレン・オーツ)、マヌエルの4人が仲間となった。クリスたちがロルカの本拠“悪魔の背骨”に騎首を進めている頃、チコは300人の農民とロルカの牢から脱出に成功していた。チコと合流して昔どおりの7人にかえった一同は、村人を指揮して教会を急ごしらえの砦に改変し、敵の襲撃を待った。戦いは翌朝を皮切りに、2回3回と続いた。7人の果敢な攻撃は重装備で騎馬に乗ったロルカ一味をかきまわし、決戦を次の日の朝に持ちこした。敵の背後に回ったマヌエルの投じたダイナマイトで一味は大半壊滅した。猛り狂ったロルカもクリスの正確な一発で倒された。再び平和を取り戻した村に響く鐘楼の鐘の音は、壮烈な死をとげたフランクやルイを追悼し、去って行くクリスとビンを惜しんでいるようであった。キャストはクリス役のユル・ブリンナー以外は総替えです。第1作で生き残ったヴィン(スティーヴ・マックィーン)はロバート・フラーに、チコ(ホルスト・ブッフホルツ)はジュリアン・マテオスに変更です。新しいガンマンにウォーレン・オーツ、悪役にエミリオ・フェルナンデス、神父役にフェルナンド・レイなど個性派俳優が出演していますが、いまひとつでした。マックィーン、ブロンソン、コバーン、ブッフホルツ、ロバート・ヴォーンなどの役者がそろった『荒野の七人』に比べたら、明らかに落ちます。作らなければよかったといわれた続編です。これで終わりと思ったら、今度はユルブリンナーまで変えて、第3,4と制作されました。一定の観客が見込めると思ったのでしょう。ひいき目にみても、中の下といった評価の作品です。
2019.05.17
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ストーリー:メキシコの寒村イスカトランの村人達は毎年収穫期になると恐怖に戦いていた。カルヴェラが率いる野党がきまって掠奪にくるからだ。しかし、今年はもう我慢が出来なくなっていた。子供達は飢え、村を去っていく農民がふえていた。ヒラリオと2人の農夫は皆を代表して戦うことを決議、銃を買いに国境のアメリカの町やって来た。彼らが町に着いた時に騒ぎが起きていた。原住民の死体を白人の墓地に埋める埋めないの騒ぎだ。全身黒ずくめのガンマン、クリス(ユル・ブリンナー)が無造作に俺が埋めてやろうと買って出た。そこへやりとりを見ていたヴィン(スティーヴ・マックイーン)も助手を志願した。墓地で銃を構える数人の男達、だが、クリスとヴィンは鮮やかにこの騒動を片づけてしまった。ヒリイオ達はこの有様を見てクリスにわけを話して力になってもらうことにした。同意したクリスは腕の立つガンマンを探し始めた。最初に仲間に入ったのがクリスの古い友人ハリー・ラックだった。ヴィンも仲間に入った。ナイフ使いの名人ブリット(ジェームズ・コバーン)と早打ちのリーも加わった。それに西部で名高いオラリー(チャールズ・ブロンソン)も仲間に入れた。そんな中にチコという男がいた。経験も浅く40人もの敵を相手に戦うには若過ぎた。だがチコはクリスを尊敬していた。チコは強引に仲間に入れてもらった。7人のガンマンを迎えて村は一変した。クリスは村人達に戦う準備をさせた。防壁を築いたり銃の使い方を教えたり、7人の男達と村人の間には奇妙な友情が生まれていった。チコはペトラという村娘と仲良くなった。そんな時に、カルヴェラ一味が村を襲って来た。凄惨な拳銃戦が展開された。野盗は撃退された。死傷者も出た。村の雑貨商ソテロは臆病者で戦いにまき込まれるのを恐れていた。クリスはこの機を逃さず一味を全滅させようと深夜野盗のキャンプを襲った。しかし誰もいなかった。ソテロの裏切りでカルヴェラは7人の逆をついて村を占領していたのだ。7人は村を追い払われた。しかし、クリスはもう一度村へ引返し戦うことを皆に告げた。逆襲は掠奪に酔ったカルヴェラ一味の隙をついた。戦闘は激烈をきわめたが、カルヴェラも一味も全滅できた。味方もハリー、ブリット、リー、オラリーが斃れた。チコはペトラと暮らすことになり、クリスとヴィンは村を去った。クリスは村を眺めながら云った。「本当に勝ったのは農民たちだ。俺たちじゃない。」と…。1960年の映画ですが、このスティーヴ・マックイーンとチャールズ・ブロンソンが強調された不思議なポスターの1970年代のリバイバル上映時に観ました。*ブロンソンにはひげが書き込まれています。当時公開後の映画は、リバイバル上映かテレビの洋画劇場でしか見ることができませんでした。ネットで見ることができる今とは大違いです。ユル・ブリンナーはじめ山賊相手に戦うガンマンがかっこよく、楽しめましたが、黒澤明の「七人の侍」(1954年)のリメイクと聞いて驚いたものです。七人の侍の奥深さはありませんが、個性豊かな少数が多数をやっつけるストーリーで明るく戦うところが、痛快な娯楽作品です。七人の侍を観たのが、ずっと後だったのもよかったです。やはり別物として観た方がよいです。最初に見た時一番印象に残ったのは、ジェームズ・コバーン、次がチャールズ・ブロンソンでした。癖のある役柄のふたりですね。今回観るにあたって、ブラッド・デクスターの名前が思い出せませんでした。
2019.05.16
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ストーリー:パラグアイでナチスハンターの若者が旧ナチス党員の不可解な動きを察知し、追跡で実績のあるリーバーマンに情報提供するが相手にされなかった。若者はアウシュヴィッツの主任医師だったメンゲレ博士が招集した会議の盗聴に成功するが、気づかれてリーバーマンへの電話の途中に殺される。メンゲレの計画は約65歳の公務員などを94人暗殺するというもので、事故に見せかけ、家族に危害を加えてはならないというものだった。リーバーマンは通信社の友人に「60代の不審死があったら教えてくれ」と頼む。 西ドイツのグラドベックで、郵便局長が最初の犠牲者になる。リーバーマンが調査に訪れると、黒髪で色白で青い瞳の少年がいて、利口だけど怠け者だといわれ、夫とは年齢のかけ離れた母親は息子を溺愛していた。ロンドンでもスウェーデンでも似たような事故が起きる。マサチューセッツの事件を調べにいくと、グラドベックの男の子と双子以上に声までそっくりの子を見つけ、その子の母親は不安から養子だったことを打ち明けてしまう。昔捕まえたナチスの女から養子斡旋会社の話を聞く。北欧系の家族を優先し、夫が1910年から14年の生まれで、妻が1933年から37年生まれの夫婦という条件だった。子供たちはブラジルから送られてきていた。最後に犬を飼っていたペンシルベニア州ランカスター・ニュープロビデンス(en)のウィーラーから70日でもらったという犬の誕生日を聞く。12月11日生まれだから2月20日で後4日。一方、リーバーマンが調査を進めていることを知った上層部(ラウシュ将軍とその部下の陸軍大佐たち)は作戦中止を命令するが、メンゲレは計画の成功(第2のアドルフ・ヒトラーの誕生)の確率が低いかもしれないため続けると主張する。 リーバーマンは生物学研究所のブルックナー教授に話を聞き、クローンだとモーツァルトやピカソが大勢生まれるが、環境も同じでなければいけないと言われる。リーバーマンは子供たちが「こわい父親を持った陰気な子、税官吏だった父が52の時に生まれ、彼を甘やかして育てた母親は29歳。父親が65歳で死んだ時、彼は14歳になるところ」だった男(ヒトラー)のクローンだと悟る。 ニュープロビデンス。ドーベルマンを飼っている家にメンゲレが先に着き、リーバーマンに成り代わって中に入り家の主人を殺してしまう。リーバーマンが遅れて家を訪れると、家の主人に成り済ましていたメンゲレに銃撃される。メンゲレは、ヒトラーの血液と皮膚の一片を採取してクローンを作ることを計画し、ヒトラーの承認を得て計画を実行したことを語る。2人は揉み合いになり、別室にいたドーベルマンが入ってきてメンゲレをかみ殺そうとする。そこにヒトラーのクローンであるボビーが帰宅し、血だらけの2人を見てカメラで趣味の写真を撮る。リーバーマンから「彼が父親を殺した」と告げられたボビーは家中を探し回り父親の死体を発見し、彼はドーベルマンにメンゲレを殺させる。入院したリーバーマンはナチスハンターたちに少年の名簿を渡すように要求されるが、「罪もない少年を殺すなど、ナチスと同じだ」と返答し、名簿を燃やしてしまう。その頃、ボビーは暗室で写真を現像し、「いい出来だ」と言いながらメンゲレの死体を見つめる。 (ウィキ)1978年の作品ですが、日本未公開で1984年3月3日にフジテレビ系列の「ゴールデン洋画劇場」でテレビ初放送されたものです。未公開とは知りませんでした。グレゴリー・ペック、ローレンス・オリビエ、ジェームズ・メイソンと演技派の俳優が出て、監督も猿の惑星やパットン大戦車軍団、パピヨンなどのフランクリン・J・シャフナーなのに意外です。公開後有識者より過度の遺伝子決定論的内容に対し批判が向けられたことが、影響しているのでしょうか。クローン人間を題材にしたサスペンス映画ですが、ウィーン、南米、米国などの舞台にしたスケールの大きな映画です。ローマの休日などの誠実な役が多いグレゴリー・ペックが狂気の科学者メンゲレを憎々しく演じています。案外この辺(イメージダウン)を危惧して、輸入しなかったのではと思います。ヒットラーのクローンはもちろんご免ですが、モーツアルトのクローンもご免です。では、人権のない天皇は?そんな疑問を男系男子にこだわる人たちに問うてみたくなりました。
2019.05.15
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頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を描いた2011年のフランス映画です。 興行収入が16億円を超え、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位。ストーリー:ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス(オマール・シー)。もうひとりは、パリの邸に住む大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。何もかもが正反対のふたりが、パラグライダーの事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てというフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ──だが、ふたりとも偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。そんなある日、心配してドリスの経歴を調べた親戚が、宝石強盗で半年服役した前科者だから気をつけるようにとフィリップに忠告する。しかしフィリップは、「彼は私に同情していない。そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」と、毅然と答えるのだった。フィリップを車の荷台に乗せるのを「馬みたいだ」と嫌がって助手席に座らせたり、早朝に発作を起こした彼を街へ連れ出して落ち着くまで何時間も付き合ったり、意外にもドリスには自然な思いやりや優しさがあった。だが別れは突然やってくる。ヘマをして仲間にシメられたドリスの弟が、ドリスのもとに逃げ込んで来たのだ。家族のことを真剣に思うドリスを見たフィリップは、「やめにしよう。これは君の一生の仕事じゃない」と提案する。翌朝、名残を惜しむ邸の人々に、陽気に別れを告げるドリス。フィリップは真っ当な介護者を雇い、ドリスは運転手の仕事を見つける。ドリスは自分の人生を始めるが、フィリップは再び孤独に陥っていた。そしてドリスは突然真夜中に呼び出される。いったいフィリップに何があったのか……。(KINENOTE)実話の映画化です。気になる相違点は次の通りです。(ウィキ)· 劇中では雇ったのはドリスというアフリカ系の黒人になっているが、実際はアルジェリア出身のアブデルという青年(当時24歳)だった。· 劇中、フィリップの妻ベアトリスはすでに死亡したことになっているが、実際に彼女ががんで亡くなったのは、アブデルが家にやって来てから4年後の96年5月のこと。· 映画では、ドリスの弟が助けを求めに来たことをきっかけに、雇用関係を解消。ほんの1年程度の出来事のような印象だが、実際には10年間にわたって面倒を見ており、2人はモロッコへ移住するのだが、アブデルが現地の女性を好きになったため、アブデルの将来のことを考えて、フィリップの方から契約を解除している。介護する人とされる人が対等で本音で渡り合う、ユーモアやエスプリがあふれる会話。高級車に乗ったり、プライベートジェットといかにもお金持ちという感じですが、嫌みでないところがいいです。ドリスの絵が1万ユーロというのも興味深かったです。ふたりともかっこいいですね。特にフィリップの笑顔がいいです。お金があっても豊かな人生を送るには、パートナーが必要と思わせる映画でした。一番好きなシーンは、誕生日の最後にドリスが、「セプテンバー」で踊るシーンです。生き生きとして楽しいです。観終わった後、あたたかくなる映画です。それにしても、原題(アンタッチャブル)も邦題ももっとしっくりした題名はないものでしょうか。 『最強のふたり』メイキング映像https://www.youtube.com/watch?v=83ZBYcPevIw モデルとなった実在の"最強のふたり"https://www.youtube.com/watch?v=g-zas8dbi_E The Intouchables (最強のふたり) × Earth, Wind & Fire – Septemberhttps://www.youtube.com/watch?v=s39ZVLadAbM
2019.05.14
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1986年の米国映画で89分間に少年の日の想い出がギュッと詰まった作品です。原作はスティーブン・キングですが、ホラーではありません。ストーリー:作家ゴーディ・ラチャンス(リチャード・ドレイファス)が、遠い過去の日を思い起こすきっかけになったのは、ある新聞記事に目を止めたことだった。“弁護士クリス・チャンバース刺殺される”――。オレゴン州キャッスルロックは人口1200あまりの小さな町。12歳のゴーディ(ウィル・ウィートン)は、文章を書くことに才能の片りんをのぞかせる感受性豊かな少年だった。彼には春に小学校を卒業以来、いつも一緒の3人の仲間がいた。リーダー格のクリス(リヴァー・フェニックス)、大きなメガネをかけたテディ(コリー・フェルドマン)、ちょっとスローなバーン(ジェリー・オコネル)。性格も個性も違う4人だが、木の上に組み立てた小屋の中に集まってはタバコを喫ったり、ワイ談をしたり、少年期特有の仲間意識で結ばれていた。が、そんな彼らもそれぞれ家庭の問題をかかえている。ゴーディは、出来のよかった兄(ジョン・キューザック)の事故死以来、両親がショックで立ち直らず、彼を邪剣にしており、クリスは、アル中の父、グレた兄という家庭環境の中で将来に不安を感じ、またテディは、ノルマンジー作戦の英雄だったが今は精神を病んでしまっている父へ屈折した想いを抱いている。ある日、バーンが耳よりの情報を持ってきた。ここ数日、行方不明になって話題となっている少年が、30キロ先の森の奥で列車にはねられ、その死体が野ざらしになっているというのだ。バーンはそれを、彼やクリスの兄たちがメンバーとなっている、エース(キーファー・サザーランド)をボスとする不良グループの会話から盗み聞きしたのだ。死体を発見したら町の英雄になれる!キャッスルロックという小さな世界しか知らなかった少年たちにとって、それは初めて体験する大冒険だった。テディが走ってくる列車の前に立ちはだかろうとしたり、鉄橋を渡ってる時に列車に追いかけられたり、また、沼でヒル攻めにあったり、この旅は少年たちにとって度胸だめしの性格を帯びていた。野宿の夜、交代でクリスが持ってきた拳銃を手に見張りをする。クリスはゴーディと2人きりになった時、自分の将来に希望はないが、ゴーディのものを書く才能を何とか守ってみせると優しく語りかける。翌日、4人はついに死体を見つけた。だが、そこヘエースたち不良グループが死体を横取りしようと現われた。テディとバーンは逃げ出すが、クリスは毅然とした態度で立ち向かった。怒ったエースはナイフでクリスを刺そうとした瞬間、ゴーディが拳銃をエースに突きつけた。少年たちの気迫に押されてエースたちは退散した。冒険は終わった。4人はそれぞれ帰路につく……。以来、バーンとテディは徐々に仲間から離れていくようになった。その後、クリスは一念発起して弁護士になり、ゴーディは作家になったのだった――。今、ゴーディはあの時のような友だちを2度と持つことはなかった、と思い出にひたるのだった。この前近くの加治川の鉄橋を見つけて、子どものころこの映画の主人公たちのように渡ったことを思い出し、ひさしぶりに観てみました。 ノスタルジックないい映画です。4、5人で渡りましたが、名前を憶えているのはひとりかふたりであとは思い出せません。50年も前の話しです。その後の消息も不明です。大学を出たのはふたり?この映画のように秘密基地というのもありました。名演技のリヴァー・フェニックスは、1993年に23歳で亡くなりました。子どもは親を選べないにしても、すこしつらいですね。映画『スタンドバイミー』のロケ地は今こうなっている写真13連発https://www.youtube.com/watch?v=GjX05593P8Q
2019.05.13
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井上ひさしが晩年に構想していた、「ヒロシマ」・「ナガサキ」・「沖縄」をテーマにした「戦後命の三部作」の遺志を山田が引き継ぎ、「ナガサキ」をテーマに制作された。「ヒロシマ」が舞台である井上の戯曲『父と暮せば』と対になる形となっている。山田洋次監督の84本目の映画である。(ウィキ)2015年の作品です。ストーリー: 1945年8月9日、長崎に原子爆弾が投下された。それからちょうど3年後。助産師として働く伸子(吉永小百合)のもとに、原爆により死んだはずの息子・浩二(二宮和也)がひょっこりと現れる。それからというもの浩二は度々姿を現し、伸子と思い出話や浩二の恋人・町子(黒木華)についてなどいろんな話をしていくが……。だらだら長い、長崎だけが戦争の犠牲者として描かれ偽善的、ラストの昇天シーンがカルト風など、批判的なコメントの多い映画ですが、幽霊となった息子とその婚約者とのやり取りなど庶民の日常が描かれていて興味深い映画でした。吉永小百合さんがきれいすぎますが、これは仕方ないですね。ただ、ファンタジー映画はないですね。闇屋のおじさんは、生きていれば渥美清さんの役かなと思いました。それにしても、沖縄も広島・長崎も天皇がもっと早く決断していれば、悲劇が起こらず、多くの人が助かったと思わせる出来事でした。多くの国民を死に追いやった昭和天皇の戦争責任は重いですね。息子の婚約者のしあわせを望みながら、素直に喜べない。結果ひとりぼっちになってしまって、辛いですね。とはいえ、悲惨さよりも親子の軽妙なやり取りが魅力の作品でした。それにしても自分より先に子や孫が亡くなるのはつらいですね。戦争はまず若い人からあの世行きです。現実に「母と暮らせば」は、ありません。父と暮せば(予告)https://www.youtube.com/watch?v=oMmUAqXRwjU 黒木和雄監督 戦争レクイエム4作品一挙上映 8/1-8/21https://www.youtube.com/watch?v=dNmQ_xm-MK4 日本国憲法が創り出した価値 井上ひさしhttps://www.youtube.com/watch?v=-0LbBSOEFGY
2019.05.12
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TVドラマ『リーガルハイ』の脚本・古沢良太の2015年の作品です。ストーリー:2015年4月1日エイプリルフール。1年に1度だけ嘘をついていいこの日、街は朝から様々な嘘で満ち溢れていた……。〈イタリアンレストランでの大惨事〉対人恐怖症の清掃員・新田あゆみ(戸田恵梨香)は、一夜限りの関係を持った天才外科医・牧野亘(松坂桃李)に妊娠を告白。エイプリルフールの悪い冗談と掛け合わない亘に業を煮やし、亘のいるイタリアンレストランへ向かう。その頃、亘は美貌のキャビンアテンダント・麗子(菜々緒)とランチデート中。“フロアで起きることは私の責任です”がモットーの接客係(ユースケ・サンタマリア)とオーナーシェフ(小澤征悦)は、今日も爽やかに業務をこなしていたが……。〈ロイヤル夫妻の休日〉櫻小路夫妻(里見浩太朗&富司純子)は、ショッピングや初めてのハンバーガーショップ、ゲームセンターでお忍びデートを満喫中。だが、案内を任されたリムジン運転手(滝藤賢一)やハンバーガーショップ店長(古田新太)、アルバイト女子(木南晴夏)など周囲に驚異を与えるばかり……。〈不器用な誘拐犯〉昔気質のヤクザ・宇田川勇司(寺島進)は、小学生の少女・理香(浜辺美波)を誘拐するが、その一部始終を多くの人に目撃されていた。あまりにも不器用な犯行の上、身代金の要求もしなければ脅しもしない。そんな中、理香の母・絵里子(山口紗弥加)は犯人の似顔絵を見て絶句する……。〈占い老婆の真実〉過去にトラウマを抱えた刑事・小野(高嶋政伸)は、不運続きの救急隊員(岡田将生)から除霊師の老婆(りりィ)が大金を巻き上げている事を掴み、連行する。取り調べ中、友人から人質事件が起きたと通報があるが、毎年エイプリルフールに嘘をつかれているので小野は全く取り合わない……。〈42年ぶり涙の生還〉11歳の時、父親と漁に出て遭難、行方不明になっていた男(生瀬勝久)がムジャンガ島で発見され、42年ぶりに帰国する。やがて神社への参拝を1日も欠かさなかった幼馴染(千葉雅子)と涙の再会を果たすが……。〈僕は宇宙人〉ブラスバンド部に所属する宇宙好きの中学生(浦上晟周)は、いじめが原因で不登校になってしまう。ある日、何気なく見たホームページで自分が宇宙人だと確信した彼は、宇宙船との交信に全精力を費やす……。〈ある大学生の行末〉松田(窪田正孝)と梅田(矢野聖人)は、同じ大学へ通う友人同士。特に何をするわけでもなく、いつも二人でつるんでいた。そんなある日、梅田はずっと抱えていた思いを松田に告白。友人だった二人の関係を壊してしまう可能性もある事実だったが、それを超える真実が松田から告げられ……。そしてエイプリルフールの1日の終わり、全ての嘘が絡み合い、最高の奇跡を起こす……。(KINENOTE) 7つの嘘が奇跡を起こす!奇跡?このコピーがウソという作品ですね。たくさんの俳優とエピソードですが、雑多な感じがして大味な作品でした。大したどんでん返しもなく、〈ロイヤル夫妻の休日〉のエピソードは、ばかばかしい限りです。映画というよりは、コントの寄せ集めと思ってみればよいと思います。否定的なコメントが多かったので、少し救われた気がしました。
2019.05.11
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1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末に映像化した2004年の作品である。母の失踪後、過酷な状況の中で幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じ、家族や周辺の社会のあり方を問いかけた。 主演の柳楽優弥が2004年度の第57回カンヌ国際映画祭にて史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで大きな話題を呼んだ。(ウィキ)ストーリー:秋。2DKのアパートに、母親のけい子と、12歳の明を筆頭に京子、茂、ゆきの4人の兄妹が引っ越して来た。子供たちは、それぞれに父親が違い、学校にも通ったことがなかった。ある日、けい子が20万円の現金と明に「妹弟たちを頼む」とのメモを残して姿を消した。それから1カ月、4人での生活を続けていた子供たちの前に、ふいにけい子が戻って来る。「どこへ行っていたのか」と尋ねる明に、「仕事で大阪へ行っていた」と嘯くけい子。そして再び、彼女は「クリスマスに戻る」と言って部屋を出て行った。しかしそれ以後、約束のクリスマスやお正月が過ぎても、けい子は帰って来なかった。母親に捨てられた。そう気づいた明は、妹たちにそれを悟られないよう生活を続けていこうとするが、やがて金も底を尽き、電気や水道も止められてしまった。明は、やりきれなさから妹弟たちに辛くあたることもあった。そんな中、ゆきが椅子から転落して死んだ。公園で知り合った不登校の少女・紗希の力を借りて、ゆきといつか飛行機を見に行こうと約束していた羽田へ向かった明は、そこに彼女の遺体を埋葬すると、アパートへと戻り、遺された妹弟たちとの生活を再開する。(KINENOTE)実際の事件は、無責任な母親の養育放棄事件ですが、この作品はそんな母親を糾弾する社会派作品ではありません。母親がいなくても、明るく健気に生きる4人兄弟の日常風景という趣です。母からの送金がなくなり、連絡が途絶える過程で、長男の変化が興味深いですが長男は長男、やはりお兄ちゃんです。可愛そうなくらい責任感がありますね。父親たちは無責任ですが、コンビニのお姉さんはじめまわりの大人は意外と親切ですね。事情がわかっても、警察や福祉関係の部署への通報はしません。東京ではどちらも信用されていないからですね。虐待でもあれば別ですが、不自由ながらもみんな楽しそうに暮らしています。ずっとこの生活が続くといいと思いながらと同時に、早く周りの人が気づいてほしいとも思いながら見ていました。子役には脚本を渡さずその場で指示する方針だったそうで、自然な感じでした。YOUさんも、無責任な親にふさわしい演技で、不思議な魅力を発していました。万引き家族に不快感を示した政治家は、どんな感想を抱くのかと思いましたが、そもそも彼の鑑賞リストには入っていないでしょう。万引き家族(2018年)と本作の2本立てで、世間知らずの新天皇夫妻と安倍夫妻でいっしょに鑑賞してみてはどうでしょうか。ともに世界三大映画祭のひとつカンヌ映画祭で高い評価を得た作品です。(参考)巣鴨子供置き去り事件https://www.youtube.com/watch?v=n_Gy9tzpKaE
2019.05.10
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1977年の米英作品。久しぶりに観ましたが、やはり面白いですね。SF映画というよりも、政治サスペンス映画ですね。ブレンダ・ヴァッカロやカレン・ブラックといったなつかしい女優が出ています。ストーリー:東の空が赤く染まり、やがて朝日が1日の始まりを告げようとしている中、人類史上初の有人火星宇宙船カプリコン・1の打ち上げが目前に迫っていた。カプリコン・1には、ブルーベーカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、そしてウォーカー(O・J・シンプソン)らが乗り組んでいる。発射5分前、突然カプリコン・1のハッチが開き、1人の男が乗組員3人を船外に連れ出し、ヒューストンより3人をジェット機で連れ去った。そして5分後、カプリコン・1は、人々の見守る中、有人宇宙船の名の下に火星へ向かって飛び立つ。一方、3人を乗せたジェット機は砂漠にある格納庫のわきに着陸した。そしてそこには、NASAのケラウェイ所長(H・ホルブルック)がいた。驚く3人に向かって、彼はカプリコン・1の生命維持装置に故障が発見されたが、我国の議会や世論を今一度宇宙計画へ目を向けさせるには、今さら計画の中止は出来なかった、という事実を告げる。そして3人は、もしさからえば家族の安全は保証出来ないという脅迫の中、格納庫にある火星表面のセット・ステージで世紀の大芝居を決行する。そしてそれが宇宙中継の形で、全世界にTV放送された。よろこぶブルーベーカーの妻(ブレンダ・ヴァッカロ)達。だが、家族と3人の宇宙飛行士との交信の内容に疑問を持ち出した男が1人いた。新聞記者のコールフィールド(エリオット・グールド)だ。何かがある、と探る彼。そんな彼に忍びよるNASAの魔の手--。しかし、無事、“火星着陸”をやってのけたカプリコン・1が、大気圏再突入の際、事故で消滅するという事態が発生--。これに感づいたブルーベーカーら3人は、消滅(=3人の死)に身の危険を感じ、格納庫より脱出する。そして3人を生かしておいては、と、NASAの刺客が放たれた。三方に分れて砂漠を逃亡する3人、そして事件の核心にふれ、友人のジュディ(カレン・ブラック)に金を借り、この世紀のスキャンダルをスクープしようとするコールフィールド。灼熱の砂漠の中、NASAのヘリは、ウィリスを、ウォーカーを発見し、ブルーベーカーにも魔の手はのびた。と、その時、アルバイン(テリー・サヴァラス)の複葉機をチャーターしたコールフィールドが、追われるブルーベーカーを助ける。追うNASAのジェット・ヘリ。逃げる複葉機。やがて、追撃戦の末、ヘリは爆破した--。そして、今、大統領臨席の下、3人の宇宙飛行士の壮厳な葬儀が始まったその時、ブルーベーカー夫人の瞳に、車からおり、こちらにかけてくる死んだはずの夫の元気な姿が映った--。(KINENOTE) 当初はアメリカ航空宇宙局 (NASA) が協力的だったが、試写で内容を知ってから協力を拒否したことで有名な作品である。NASAは製作協力を拒否したものの、劇中に登場する火星着陸宇宙船「カプリコン1号」の映像として、アポロ宇宙船を搭載した、発射台上のサターン5ロケットなどの記録映像が使用されている。 NASAの非協力的な背景には「月面着陸をしていない」ことを言い当てているという説もある。また実際の月面着陸の映像はスタンリー・キューブリックが手掛けたという都市伝説も存在している。(ウィキ)Capricorn One (1978) - Aerial Chasehttps://www.youtube.com/watch?v=Wn4I6pc1Npw Capricorn One (Ending)https://www.youtube.com/watch?v=SqVlFNbnhpU Capricorn One (1978) HDhttps://www.youtube.com/watch?v=0Z9yNHIolnM&t=27sApollo Moon Landing - AUTHENTIC FOOTAGEhttps://www.youtube.com/watch?v=G6A72ufn3l4
2019.05.09
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amidado dayori 2002 trailerhttps://www.youtube.com/watch?v=zlInf21k080&t=19s オープニングに平成14年と出てきます・2002年ですが、これからは平成を使うこともなくなりすんなりと出そうにもありません。ストーリー:春、売れない小説家の孝夫は、パニック障害なる原因不明の心の病にかかった妻で女医の美智子の療養の為、ふたりで東京から彼の故郷である信州に移り住む。無医村であったその村で、週3回の診療を始める美智子。やがて彼女は、自然に囲まれたシンプルな暮らしの中、阿弥陀堂という村の死者が祀られたお堂に暮らす96歳のおうめ婆さんや、村の広報誌に彼女が日々思ったことをまとめたコラム「阿弥陀堂だより」を連載している、喉の病で喋ることの出来ない娘・小百合、孝夫の恩師で癌に体を蝕まれながらも死期を潔く迎えようとしている幸田とその妻・ヨネらとの触れ合いを通し、次第に心癒されていくのであった。夏、小百合の病状が悪化していることが判明した。彼女の手術担当医として再びメスを握ることを決意した美智子は、町の総合病院の若き医師・中村と協力して、見事、手術に成功する。秋、幸田が静かに息を引き取った。冬が過ぎ、再び春がやって来る。今やすっかり病を克服した美智子のお腹の中では、孝夫との間に出来た新しい命が息づいていた。寺尾聰、樋口可南子、北村谷栄、田宮高広、香川京子とベテランが出てそれなりの出来です。長野県飯山市を舞台に、悪い人が出てこない癒されるドラマです。これを見て、自然はいい、田舎はいいと思った人は、かなり疲れています。当県と近いところですが、ロケ地は奥信濃というそうです。奥信濃の先にある越後の国は相当田舎?いやひっくり返って裏日本ですね。きれいな景色ですが、1年の半分くらいは雪で埋まり、医者もいません。トイレは穴掘り?です。稲刈りも田んぼが山地で小さく、手作業です。子どもは、純朴で素直。田舎の子はこんな風と言わんばかりの描き方です。奥信濃の景色は美しいですが、登場する人たちはよい人ばかりでステレオタイプです。おとなのメルヘンとして癒される作品です。極上の観光ビデオでもあります。91歳の北村谷栄が演じる96歳のおうめばあさんことばです。「畑にはなんでも植えてあります。 ナス、キュウリ、トマト、カボチャ、スイカ・・・・。 そのとき体が欲しがるものを好きなように食べてきました。 質素なものばかり食べていたのが長寿につながったとしたら、 それはお金がなかったからできたのです。貧乏はありがたいことです。 雪が降ると山と里の境がなくなり、どこも白一色になります。 山の奥にあるご先祖様たちの住むあの世と、里のこの世の境がなくなって、 どちらがどちらだかわからなくなるのが冬です。 春、夏、秋、冬。 はっきりしてきた山と里との境が少しづつ消えてゆき、一年がめぐります。 人の一生とおなじなのだと、この歳にしてしみじみ気がつきました。 お盆になると亡くなった人たちが阿弥陀堂にたくさんやってきます。 迎え火を焚いてお迎えし、眠くなるまで話をします。 話しているうちに、自分がこの世の者なのか、あの世の者なのか分からなくなります。 もう少し若かった頃はこんなことはなかったのです。 恐くはありません。 夢のようで、このまま醒めなければいいと思ったりします。」 阿弥陀堂だより オープニングhttps://www.youtube.com/watch?v=g8k5Dt3H_3A 晩秋の阿弥陀堂だよりのロケ地を訪ねて・4K撮影https://www.youtube.com/watch?v=V0fKdn598TM 阿弥陀堂だよりの風景https://www.youtube.com/watch?v=Bs8P24JT064 いい音楽だと思ったら、ジャズの加古隆さんでした。
2019.05.08
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1000匹の猛獣が実写で大暴れというキャプションにひかれて見ました。久しぶりのB級パニック映画です。ヤコペッティの「世界残酷物語」など共同制作をしたフランコ・プロスペリの1983年のイタリア作品です。ストーリー:青年獣医リップ(ジョン・アルドリッチ)は、友人のウェルナー警部(ウーゴ・ボローニャ)からの電話で寝入りばなを起こされた。車でデート中の若い男女の惨殺死体が発見されたというのだ。事件現場に急行したリップは、目を覆うばかりの凄惨な死体に愕然とする。その場から調査用サンプルを採取し、リップは動物園内の研究所に向かった。到着した時、動物園は異様な雰囲気に包まれていた。コントロール・ルームに駆けつけたリップは、動物園を管理する最新鋭のコンピューターが故障しているのに気付く。園内をチェックすると、全ての檻から動物たちは消えていた。その頃、街には千頭を越す猛獣たちが出没し、交通機関を麻痺させただけでなく、次々に市民を襲い始めた。大人たちが子供たちを安全な場所に避難させている頃、猛獣たちが動物園内でエンジェルダストという薬物を、飲料水を通して摂取した事実が明らかになる。エンジェルダストとは、筋肉の力を90倍にさせ、凶暴性を昂める薬物なのだ。しかし、薬が効く時間は限られており、それが過ぎると猛獣たちは元の状態に戻るという。大人たちは胸をなでおろし、避難させていた子供たちのもとへと向かった。次々と到着する大人たちは子供たちが手に手にナイフなど兇器を持ち、興奮状態であるのに気付く。水飲み場の水が、エンジェルダストに汚染されていたのだ。後退りする大人たちに、目を異様に輝かせた子供たちが襲いかかる。果てしない狂気の世界から、市民は脱出できずにいるのだった。冒頭のネズミがカーセックス中のカップルを食いちぎるシーンがかなりグロテスクでその後も随所に血だらけのシーンが出てくるあたりは、イタリア映画ならではです。舞台はドイツですが、フランクフルト、ハンブルク、ハノーバーあたりかと思いますが、私にはわかりませんでした。CGなどない時代の映画人の工夫にあふれた映像でした。こじつけにしても公害や環境汚染を織り込んでいるところが、時代の反映ですね。ネズミやグロい映像が苦手な人にはお勧めしません。家族で見るような作品でもありません。こわいもの見たさが好きな人には、少し物足りないかもしれません。Wild Beasts – Trailerhttps://www.youtube.com/watch?v=rxV8pgmcAOE 『猛獣大脱走』 猛獣大脱走シーンhttps://www.youtube.com/watch?v=BF5PWFp0P2A
2019.05.07
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ストーリー:8歳の時、故郷フランスで“世界一の綱渡り一座”と呼ばれるサーカス団“白い悪魔たち”の妙技に魅せられたフィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、独学でトレーニングを積み、“白い悪魔たち”の門を叩く。ところが、座長のパパ・ルディ(ベン・キングズレー)と決裂。1973年。パリで大道芸人として綱渡りを披露していたフィリップは、雑誌の記事で世界最高層のワールド・トレード・センタービル建設中のニュースを知り、衝撃を受ける。このツインタワーの屋上と屋上の間にワイヤーを架けて歩く……。危険極まりない違法行為ながら、その夢に囚われた彼は、実現に向かって走り始める。最初の協力者は、美術学校生のアニー(シャルロット・ルボン)とカメラマン志望の青年ジャン=ルイ(クレメント・シボニー)。さらに正しいワイヤーの張り方を習得するため、パパ・ルディに頭を下げて“白い悪魔たち”の下で改めて修行を積む。村祭りでの散々なワイヤー・ウォークデビューに続き、ノートルダム寺院の二つの塔の間にワイヤーを架けたウォークを敢行。パリっ子たちの喝采を浴びた直後に逮捕されるが、ワールド・トレード・センターの入居開始を知り、ついにニューヨークへ。110階にも及ぶ実物のツインタワーを目にして、新たな戦いを決意する。建築作業員や松葉杖のケガ人を装ってタワーに侵入し、警備員の巡回やトラックの搬入時間をチェック。タワー間の正確な距離を調べ、ワイヤーを通す方法を模索。仲間と共に準備を進めてゆく。決行の日を1974年8月6日朝6時に定め、ジャン=フィリップ(ジェームズ・バッジ・デール)ら新たな共犯者を得て準備は整った。そして決行前夜、搬入作業員を装ったフィリップたちは、ワールド・トレード・センターの屋上へ向かう。だが、その行く手には、様々なトラブルが待ち受けていた……。 実話を映画化した2015年の3D映画です。BSで見ましたが、テレビでも最後の30分の綱渡りシーンは圧巻で、お茶の間で見ていてもお尻のあたりがムズムズしました。映画『ザ・ウォーク』本編映像https://www.youtube.com/watch?v=e9tfHfPf9nA VFXとわかっていても、緊張するものですね。最後の綱渡りのシーンはスタントマンも使いながら、レヴィット自らスタジオ内で綱渡りをして撮影された。ワイヤーはスタジオの床から12フィートのところに張られており、その張り方は1974年の挑戦の時と同じ張り方だったという。(ウィキ)6/8発売『ザ・ウォーク』Blu-ray 映像特典「驚異的な綱渡り」https://www.youtube.com/watch?v=Y453DXBzu7g それにしてもこの映画の最初の方は、ノートルダム寺院での綱渡り、クライマックスはNYの今はなき貿易センタービルです。東京タワーと違って屋上に上がって見ることができるのがよかったです。下りのエレベーターが故障してしばらく待たされたことも、今となってはよい思い出です。映画『ザ・ウォーク』 映像クリップ② 夢の始まりhttps://www.youtube.com/watch?v=-hWYVWyu9rU 本人の映像は、ドキュメンタリー映画になっています。マン・オン・ワイヤー(予告編)https://www.youtube.com/watch?v=1tyqKYvPLrs 『ザ・ウォーク』ジョセフ・ゴードン=レヴィット特別インタビューhttps://www.youtube.com/watch?v=aruq66HjSPo
2019.05.04
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2008年のアメリカ映画。クリント・イーストウッドがアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、1920年代のロサンゼルスで実際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を元に映画化された。なお、題名は「取り替え子」という、自分の子供が醜い子供に取り替えられるというヨーロッパの伝承に基づく。 第61回カンヌ国際映画祭出品。第81回アカデミー賞主演女優賞、撮影賞、美術賞ノミネート。(ウィキ)ストーリー:1928年、ロザンゼルス。クリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)を抱えたシングルマザー。彼女は息子の成長だけを生きがいに、日々を送っていた。だがある日突然、ウォルターが自宅から姿を消す。警察に捜査を依頼するクリスティン。そして5ヵ月後。警察からウォルター発見の朗報が。だが、クリスティンの前に現れた少年はウォルターではなかった。すぐさま、少年が別人であることをジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)に訴えるクリスティン。だが、警察の功績を潰されたくない警部は“容貌が変わっただけだ“と取り合わない。繰り返し再捜査を願い出るが、逆に警部に依頼された医師が彼女のもとを訪れ、自分の息子がわからなくなったクリスティンに問題があると診断を下す。時間だけが過ぎていく中、彼女のもとにグスダヴ・ブリーグレブ(ジョン・マルコヴィッチ)と名乗る牧師から電話が入る。警察の腐敗を追及する彼は、新聞で事件を知り、クリスティンの危機を察知して連絡してきたのだった。ブリーグレブを味方に、息子を探すクリスティンの戦いが始まる。だが、それを知った警察は彼女を精神病院に入院させる。そこで知ったのは、彼女同様、警察に反抗して精神病院送りにされた女性が多数いるという事実だった。ブリーグレブの尽力でクリスティンは何とか退院できたものの、ウォルターの行方は依然として知れない。そこへ、郊外の農場で子供の死体が発見される事件が発生。被害者の一人がウォルターである可能性が出てくる。これにより、人違いを認めた警察だったが、ウォルターが農場で殺されたと早々に断定する。これを聞いたクリスティンは、あくまで警察と戦い、息子を取り戻すことを決意。やがて、逃亡犯ゴードン・ノースコット(ジェイソン・バトラー・ハーナー)が逮捕される。事件発生から7年、彼女が知る真実とは……。(KINENOTE)腐敗した警察、精神病院が一体となり、マスコミが追随して悲惨な事態に展開するなんとも怖いお話でした。昨今の黒人への扱いを見ると、警察は変っていないように見えます。救いがある様で、ないような終わりでしたが、一見の価値ありです。
2019.04.29
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1967年に公開されたジャック・ドゥミ監督の「シェルブールの雨傘」に続くフランスのミュージカル映画。 舞台の映画化ではなく、最初から映画として作られた作品です。題名は知っていましたが初めて見た映画です。モダンな感じで素晴らしい映画でした。原題は、Les Demoiselles de Rochefort、英題は、The Young Girls of Rochefort邦題は娘たちを恋人たちに変えています。こちらの方がいいですね。スリーリー:フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の海の祭を二日後にひかえて、陽気に浮き立っていた。青く澄んだ空、緑の樹々、白い壁、こんな街では誰もが恋をし、生きる歓びにひたっていても不思議ではなかった。美しい双児の姉妹のソランジュ(F・ドルレアック)とデルフィーヌ(C・ドヌーブ)は希望に燃え、自分の道を歩んでいた。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志していたが、彼女たちにはもう一つの夢があった。それはいつの日にか、素晴らしい恋人にめぐり逢うことだった。また姉妹の母親イボンヌ(D・ダリュー)はカフェーの女主人で、彼女の気さくな人柄は大勢の客をすぐ馴染ませてしまうのだった。常連の中には、祭の見本市でオートバイの曲乗りを見せるというエチアンヌ(G・チャキリス)とビルの二人組や、絵の好きな水兵のマクザンス(J・ペラン)がいた。お祭の日がやってきた。広場にはたくさんの舞台が組立てられ、趣向をこらしたショウが次々にくりひろげられた。ソランジュとデルフィーヌの姉妹も、エチアンヌ、ビルの二人組と一緒に舞台に立ち、オートバイの曲乗りのあとで、歌と踊りを披露した。エチアンヌとビルは、これからも一緒に仕事をして歩けばパリにも行かれると、姉妹を誘った。彼女らはパリへ行って大芸術家になろう。また恋人にめぐりあえるかもしれないと心を決めた。だが青い鳥はすぐ近くにいるもので、ソランジュは以前、通りで見かけた魅力的な青年アンディ(G・ケリー)に再会出来た。イボンヌも十年ごしの恋人で楽器店を経営するダーム氏(M・ピッコリ)と結ばれた。デルフィーヌは幸福そうなソランジュたちと別れ、エチアンヌやビルと一緒にパリへ向った。カトリーヌ・ドムーブとフランソワーズ・ドルレアックだけかなと思ったらジョージ・チャキリスやジーン・ケリーまで出ています。お金がかかる映画なので、米国のマーケットを見据えたキャスティングですね。他にも、ミッシェル・ピコリ、ジャック・ペラン、ダニエル・ダリューとなつかしい人が出ています。当然ながら全編フランス語。レ・ミゼラブルのような違和感はなく、ミッシェル・ルグランのジャズ・ティストあふれる音楽とマッチして、心地よいおしゃれ感です。ロジェバディム監督と別れ子どもを抱えたドヌーブ 24歳、今なお現役です。一つちがいの姉のドルレアックは1967年自動車事故で死亡。享年25歳。母親役のダニエル・ダリューは2017年まで生きて、享年100歳。ジョージ・チャキリスは、84歳。こんなエピソードも。2010年バンクーバーオリンピックのフィギュアスケート女子シングルで第8位に入賞した鈴木明子選手が『ウエスト・サイド物語』の曲を採用したことを聞き、鈴木選手がバンクーバー入りする前に「曲を選んでくれてありがとう。五輪では頑張ってほしい。あなたのパフォーマンスを楽しみにしている」という直筆の激励の手紙とプレゼントを贈った。鈴木選手は「お守り」代わりで持参し、選手村のベッドサイドに写真を置いたという。 (ウィキ)壁の色まで塗り替えて全面協力したロシュフォール市。すごい街おこしですね。逆に言えば何もないところだからこそ、ここまでできたのでしょう。歌えない踊れない女優が主演のミュージカル映画ですが、助演陣が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。米国人俳優はフランス語で歌えませんが、英語の吹き替えバージョンもあります。印象的シーンをいくつか。最後は、おまけです。「ロシュフォールの恋人たち」キャラヴァン隊の到着 フランス映画https://www.youtube.com/watch?v=vB3mxTJdtY0 Les demoiselles de Rochefort: Marins, Amis, Amants Ou Marishttps://www.youtube.com/watch?v=eFam8qNGoDY Nous Voyageons (English version!) - Bounder & Cadhttps://www.youtube.com/watch?v=Bkbb-52c5Oc THE YOUNG GIRLS OF ROCHEFORT, Jacques Demy, 1967 - Dancing!https://www.youtube.com/watch?v=r3I96KVKN88 町田樹 FaOI 2014 ロシュフォールの恋人たちhttps://www.youtube.com/watch?v=JdRYapeNQ4I&t=14s
2019.04.28
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地下室のメロディー(1963年)、シシリアン(1969年)に続く、ジャン・ギャバンとアラン・ドロンが共演した1973年の映画です。Deux hommes dans la ville(町のふたりの男)が、暗黒街のふたりですから、てっきり犯罪映画かと思っていましたが違いました。ストーリー:ジーノ(A・ドロン)は三十歳。十年前に銀行強盗の首領として逮捕され、十二年の刑を受けたが、保護司のジェルマン・カズヌーブ(J・ギャバン)の力添えによって出所することが出来た。彼には美しい妻ソフィー(I・オッキーニ)が待っていた。ジーノの新しい生活が始まった。妻は小さな花屋を経営しており、それは質素だが、明るい、楽しい日々だった。ある日、ジーノの出所を知った昔の仲間がやってきた。再び手を組んで大仕事をしようという。ジーノはきっぱりと断わった。犯罪歴を持つ者はパリを始め、大都会、港町に住むことを許されない、いわゆる“所払い”というやつだ。ジーノと妻はやがてモー市に移住した。一方、ジェルマンもモンペリエに移住した。軽犯罪係への転勤ということだが、ていのいい左遷であった。それでも、ジーノとジェルマンの家族は、週末にはピクニックに出かけた。突然、悲劇がジーノを襲った。楽しいピクニックの帰路、暴走してくる二台の車を避けようとしたジーノのスポーツカーは横転して、大破したのだ。この事故で最愛の妻ソフィーが死んだ。自暴自棄の日々が続いた。月日が流れ、ようやく傷が癒えると、ジェルマンのすすめでモンペリエに移り、刑務所で身につけた印刷技術に助けられ、印刷工場で働くことになった。そして、新しい恋人ルシー(M・ファーマー)がジーノの前に現われた。同時に、ジーノの運命を変えるもう一人の人間が出現した。この地に赴任してきたゴワトロー警部(M・ブーケ)だった。もう忘れかけていた十年前、銀行に押し入ったジーノを捕えたのがゴワトローだった。以後、ゴワトローの執拗な監視の眼が、ジーノを追い廻し始めた。ある日、ジェルマンのところへ、ルシーがとび込んできた。「ジーノが警察に留置されている」。容疑は何もなかったが、ゴワトローは異常な程ジーノを憎んでいた。偶然、ガソリン・スタンドで昔の仲間と会ったことが、ゴワトローの気に入らなかったのだ。しかし、ジーノは二度と昔の仲間と仕事する気はない。ゴワトローは彼を信ぜず、二度と奴らに会わない宣誓書を書けという。無茶苦茶な要求だったが前科者は常に弱い。釈放されてからも、ゴワトローの追求は続いた。そんなとき、昔の仲間が銀行を襲った。もちろんジーノとは無関係だったが、ゴワトローはジーノが首領だと思いこんでいる。重傷を負った一人を病室のベッドで尋問するが、ジーノの犯行を立証出来ないゴワトローは、ついに彼の家にまで押しかけ、ルシーを脅迫する。これを蔭で盗み見ていたジーノの怒りが爆発した。ゴワトローがルシーの身体に手をかけたときジーノはゴワトローに襲いかかり、首をしめ上げた。ゴワトローは死に、ジーノは逮捕された。公判、過去に犯した行為が決定的に心証を悪くしている上、被害者は刑事だ。検事のたくみな弁舌がより一層、極悪人としてのジーノを印象づけた。ジーノの女性弁護士(M・リボフスカ)は、犯罪を誘う要素が、この国に存在することを強く指摘した。処刑の際の十七世紀の遺物ギロチンが、いまだに使われているような古さを、あの劣悪な刑務所内の環境を。しかし、裁判官も陪審員も彼女の弁論には無関心であった。既に結論は最初から出ていたのだ。判決が出た。求刑どうり死刑だった。大統領への助命嘆願も拒否され、処刑の日がやってきた。ギロチン前に引きだされたジーノが、最後に振り向いたときの眼が、ジェルマンの心に焼きついた。(KINENOTE)主人公ジーノの更生を阻む警部の執拗さにはあきれるばかりですが、人を信用しないというのは警官の本性のように思います。警官らしい目つきなんてのもあります。一日中目を光らしているからなのでしょうか。なんとも執拗で、最後にかっとなって殺されたのも自業自得と思われるようなストーリーでした。三鷹に住んでいたころ、交番近くで若い警察官から職務質問にあったことがあります。ラフな格好で家内の自転車に乗っていたから、自転車窃盗犯と思われたのでしょう。単なる買い物帰りでしたが、しつこかったですね。自転車についてる防犯登録のシールは何のためにあるのかと思ってしまいました。公務執行妨害にならないように対応しました。自転車を置いて帰ると言っても、らちがあきません。最後は交番から年配の警官が出てきて若いのをいさめて解放されました。きっと課せられたノルマを果たすために必死だったのでしょうが、やりすぎです。これでは、東京で警察に協力する人が少ないのもわかるような気がしました。交番の警官は、「田舎のおまわりさん」でいいのではないでしょうか。少し脱線しましたが、もう一つのテーマはギロチンです。ネット右翼なら伝統の処刑方法と称賛するのでしょうが、美醜のドロンが処刑されるシーンはあっけないほど残酷でした。フランスで最後にギロチンによって処刑されたのは、女性を殺害した罪に問われた、ハミダ・ジャンドゥビというチュニジア人労働者であり、1977年9月10日にフランス最後の死刑執行人(ムッシュ・ド・パリ)であるマルセル・シュヴァリエによって刑が執行された。これがフランスでギロチンが公式に使用された最後の例である。(ウィキ)ジャン・ギャバンの存在感とミッシェル・ブーケの執拗さが印象的な作品でした。テーマ音楽もいいです。Alain Delon - Deux Hommes Dans La Ville [Theme]https://www.youtube.com/watch?v=HN-EX7vyYZs Two Men in Town (1973) – Trailerhttps://www.youtube.com/watch?v=xkM0wxcxCMYPS:モンペリエ:南フランスの地中海近くの都市で、仕事で何回か行きました。郊外でテーブルワインを生産していて、ワインの城という施設がありました。映画「フレンズ」の舞台のカマルグも近くです。
2019.04.28
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1970年制作のフランス・イタリアのフィルム・ノワール。 ジャン=ピエール・メルヴィル監督が、「サムライ」に続いてアラン・ドロンと組んだ作品。イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ、フランソワ・ペリエ、ブールヴィルと渋い俳優が共演。 フランスでは433万人以上の大ヒットを記録したが、日本では上映時間を20分も削除され、興行もヒットしなかった。「赤い輪」が「仁義」では、安っぽいやくざ映画みたいでダメでしょう。140分。ストーリー:マルセイユ--パリ間の夜行列車のコンパートメント内、一人は刑事=マッティ(ブールビル)、一人は容疑者=ボーゲル(G・M・ヴォロンテ)。マッティが寝入るとボーゲルは安全ピンを取り出し、針の先をヒン曲げ手錠の鍵穴にさしこんだ……。マルセイユから程遠くない刑務所。年期開け近くもう出獄というコレー(A・ドロン)に古顔の看守が宝石店を襲う仕事をもちかけていた。しかし、彼は「別に大きな仕事をしなくとも俺は食える」と断った。コレーには仲間のリコ(A・エキナン)に“貸し”があったのだ。出所後、彼がくらい込んでいる間に勢力を伸ばしたリコを訪ね“貸し”を求めたがリコは言を左右にして断わる。コレーは一喝してかなりの札束をものにした。リコの追手を背後に古巣パリへ向かったコレーの車のトランクに、突っ走る列車から脱出したボーゲルが偶然もぐり込んできた。勿論、マッティの追求は随所の非常線、検問所に及んでいた。が、危機はリコの追手が先だった。コレーが捕えられた時、ボーゲルの凄腕が披露された。二人は友情を深めたが、困ったことに敵と共に札束が穴だらけになり一文ナシとなったのだった。コレーの脳裏裡にいつかの看守の話--パリの高級宝石店の話が浮かんだ。厳重な防護設備を破るには、射撃の名人が必要だった。ボーゲルの昔の仲間で元警官=ジャンセン(Y・モンタン)が呼出される。「仕事を手伝ってもらいたい」「よかろう」。計画は順調に進み出した。一方、マッティも黙ってはいなかった。彼はかねて親しいヤクザの一人、サンティ(F・ペリエ)を訪ねた。サンティが“イヌは嫌だ”と断わると、一計を案じ、彼の息子をマリファナ常習者だと逮捕して恫喝した。サンティも息子への愛には勝てなかった。網は巧みにはられた。一方、ジャンセンの精巧な腕が50米離れた防犯ベルを射抜き、コレーとボーゲルの“仕事師”ぶりも見事に発揮され宝石店襲撃は成功した。二〇億旧フラン。金に代える為に故買商が必要だった。しかし、市場はリコに押さえられていた。最後の頼みは昔の仲間サンティだった。場所はパリ郊外の空地。三人が赴いた時、出向えた故買商それはマッティだった。ボーゲルが彼を見て叫ぶ“逃げろ!”同時に警官隊のピストルの火が吹いた。 渋いとかクールというのはこういう映画のことを言うのでしょうね。コレーとボーゲルの出会いのシーンや宝石店強盗のシーンは、無言ですが、それがたまらないです。なんといってもイブ・モンタンがいいですね。ラストで残念と思う人は多いのではないかと思います。LE CERCLE ROUGE (1970) -- Delon & Volonte enjoy a cigarette.https://www.youtube.com/watch?v=89-ig0_dvlc Le Cercle Rouge 1970https://www.youtube.com/watch?v=3qAfLjb-Wg8 襲われるのは、パリ・バンドーム広場の宝飾店モーブッサン。今ではそれなりの人であれば知っているお店ですが、50年前はどうだったのでしょう。普通の人は近づきがたいお店ですね。原題の「赤い輪」は、映画冒頭のブッダの言葉「ガウタマ・シッダールタまたの名を釈迦は ひとくれの赤い粘土をつかみ輪を描き こう言った。 ”人はそれと知らずにめぐり逢うものだ。互いの身に何が起ころうとも どのような道を歩もうとも その日が来れば 必ずやその赤い輪の中で結ばれる ラーマ・クリシュナ」からです。おまけ:メルビル監督がお好きな人はどうぞ。 Jean-Pierre Melville tourne "Le Cercle Rouge" | Archive INAhttps://www.youtube.com/watch?v=94bpcioFMZY Jean-Pierre Melville Cinematography Reelhttps://www.youtube.com/watch?v=Yb4qsPkJyuM ジャン=ピエール・メルヴィル監督特集上映 予告編https://www.youtube.com/watch?v=VQEoENqiBLc Jean-Pierre Melville par Thierry Jousse - Blow Up – ARTEhttps://www.youtube.com/watch?v=g3LHAOJKsLs
2019.04.27
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ストーリー:吉祥寺に住む天才漫画家の小島麻子(小泉今日子)。締め切りに追われ、徹夜で漫画を描き上げた翌朝、長年連れ添った愛猫のサバが亡くなる。サバを失った悲しみは大きく、麻子は漫画を描けなくなってしまう。そんな彼女を心配するアシスタントたち。ある日、麻子はペットショップで一匹の小さなアメリカンショートヘアーと出会う。彼女はその猫を連れ帰り、グーグーと名づける。これをきっかけに状況が好転。グーグーはアシスタント達にも可愛がられ、麻子に元気な表情が戻ってくる。そんなある日、避妊手術に連れて行く途中でグーグーが逃げ出してしまう。必死で探す麻子の前にグーグーを連れて現れたのは沢村青自(加瀬亮)。彼の姿に思わず見とれてしまった麻子は、今まで忘れていた気持ちを蘇らせる。後日、ナオミの彼氏マモル(林直次郎)のライブにアシスタント達と出かけた麻子は、そこで青自と再会。ライブ後の打ち上げで、気を利かせたナオミは麻子と青自を二人きりにする。青自の視線に心をときめかせながら話をする麻子。二人は徐々に距離を縮めていく。これをきっかけに青自は麻子の家を訪れるようになる。カメラを片手にグーグーを追いかける麻子と青自。幸せな日々が続く中、新作のアイデアを思いつき、麻子は半年振りにペンを取る。生き生きとした表情で語る彼女の姿に、ナオミも喜びの表情を隠せなかった。グーグーが来てからすべてが順調に回りだしていた。だがある時、新作の取材中に麻子が突然倒れる。病院に運ばれ事なきを得るが、数日後、麻子はナオミの家を訪れグーグーを預かってほしいと頼む。二つ返事でOKするナオミに、麻子は衝撃の告白をする。彼女は卵巣ガンを患っていたのだった……。エッセイ漫画の映画化で、2008年の作品です。主役は誰?猫のグーグー、大島弓子がモデルの小泉今日子演じる漫画家、それともアシスタントの上野樹里?元吉祥寺の住民だった我々にとっては、吉祥寺という街が主役に思えました。井の頭公園はもちろん、中道通の原っぱや、ロジャーズの社長宅などどこだろう、あそこだと言いながら見ていました。それにしても公開から11年もたっていて、変ったところも多いと思って懐かしく見ていました。象のはな子も健在で、映っていました。二三年前にも井の頭公園を舞台に作品が作られたようなので、またお目にかかりたいです。それにしても、近鉄裏のホテルニューヨークの自由の女神像まで出てきて吉祥寺満載の映画でした。http://blog.livedoor.jp/mediaterrace/archives/50701791.html 猫の映画なのに、監督は犬童一心さんでにやりです。映画「グーグーだって猫である」予告https://www.youtube.com/watch?v=i8axZTPOQTEPS:保存して10年後くらいにまた観てみましょう。
2019.04.25
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2011年の作品ですが、原題は The Double です。何やらネタバレを暗示しているような題名なので、使わなかったのでしょう。それにしても、スパイというよりは暗殺者ですね。ストーリー:メキシコ、アメリカに隣接するソノーラ砂漠。国境警備員を殺害し、アメリカに渡ろうとする一団がいた――。6ケ月後、ワシントンで、ロシアと密接な関係を持つダーデン上院議員が暗殺、その手口から浮かび上がったのは、死んだはずのソビエトの伝説のスパイ“カシウス”の痕跡だった。CIA長官ハイランド(マーティン・シーン)は、カシウスをリーダーとする暗殺集団“カシウス7”の追跡にキャリアを捧げ、今は引退した元エージェントのポール・シェファーソン(リチャード・ギア)を呼び戻し、議員を内偵していたFBIの若手捜査官ベン・ギアリー(トファー・グレイス)と共に事件解決にあたらせる。ポールは、すでにカシウスは死亡、議員殺害も模倣犯によるものと考えていたが、渋々捜査に協力。一方、カシウスに魅せられ、大学で彼についての修士論文も書いているベンは、カシウスが殺しを復活させたと確信する。そんな中、2人はかつてポールが射殺したはずの“カシウス7”の一人、ブルータス(スティーヴン・モイヤー)がまだ獄中で生きていることを知る。ポールは、カシウスの死を証明するため、ベンを連れ刑務所へ赴くが、ブルータスから、暗殺者の掟を破ったため、カシウスにはある“罰”が下されたことを聞かされる。そして2人が帰った直後、情報と引き換えに入手したラジオの電池を飲み込み病院へ運ばれたブルータスは、見事脱走に成功。だがカシウスを名乗る男に捕まり惨殺される。現場にはポールの姿があった……。カシウスの魔の手は、ベンにも伸びていた。家族のいないポールは、自分と違い守るべき者がいるベンに捜査から外れるよう命じるが、カシウス逮捕にこだわるベンは全く聞く耳を持たない。そんな中、半年前の国境警備員殺害事件の際に奪われた車が発見される。監視カメラに映っていたのは、元特殊部隊でKGBのボズロスキー(テイマー・ハッサン)の姿だった。彼とカシウスが同じ時期に表舞台から姿を消し、20年後に再び出現したことから、本部ではカシウス=ボズロスキーの線で捜査が進められていく。しかしベンは、過去の事件の検証から、カシウスの真の正体に気づく。一方、ポールも最後の落とし前をつけるため、ボズロスキーの元へ向かっていた……。凝った筋書きでしたが、もう一人の二重スパイは無理があります。ない方が十分楽しめ、後味の良い作品になったように思います。見たのは二度目ですが、もう見ることはないでしょう。カシウス:ガイウス・カッシウス・ロンギヌス(ラテン語: Gaius Cassius Longinus、紀元前87年または紀元前86年頃 - 紀元前42年)は、共和政ローマ末期の軍人・政治家。マルクス・ユニウス・ブルトゥスらと共にガイウス・ユリウス・カエサルを暗殺した首謀者の1人として知られる。単にカッシウスやカシウスと表記されることも多い。エピクロス派の信奉者でもあった。ブルータス:マルクス・ユニウス・ブルトゥス(ラテン語: Marcus Junius Brutus, 紀元前85年 - 紀元前42年10月23日)は、共和政ローマ末期の政治家・軍人。民衆派の指導者であった独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルの暗殺に関わった人物の1人で、現代においてはカエサル暗殺を象徴する人物として記憶されている[1]。16世紀末のイングランドでシェイクスピアが著した戯曲『ジュリアス・シーザー』の登場人物としても有名であり、英語読みのブルータスの名がよく知られる。 (ウィキ)
2019.04.24
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1997年の米国アクション映画です。CGをあまり使わず、ミニチュアで撮影して、迫力があります。ストーリー:元歴戦の兵士であるキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)は、身重の妻トリシア(モニカ・ポッター)を守ろうとしてはずみで人を殺してしまった時から、人生の歯車が狂いだした。殺人罪で服役中に娘が誕生し、1日も早く家族と再会することだけを心の拠り所に、彼は苦難に満ちた獄中生活を耐え忍んだ。8年の歳月が流れ、模範囚として晴れて仮釈放となったポーは、連邦保安局の空システム〈コン・エアー〉に乗り込む。そこには、新設の超厳重警備施設に移送するため、冷酷な知能犯サイラス・グリサム(ジョン・マルコヴィッチ)、黒人ゲリラ軍将軍のダイヤモンド・ドッグ(ヴィング・レイムズ)ほか、全米刑罰史上最も凶悪な囚人たちの一団が乗せられていた。カーソンで6人が降ろされ、新たに10人が乗せられることになっていた。この10人の中には大物麻薬密売人の息子シンディーノがおり、彼から情報を引き出すために機内には、囚人を装った捜査官シムが潜入していた。離陸後、ほどなくしてサイラスの指揮の下、凶悪犯たちは機内を制圧してしまう。彼らの次なる目的はシンディーノを父親に送り届け、莫大な礼金を手に入れること。地上の連邦保安官に気づかれぬよう、カーソンでは予定どおり6人の囚人を降ろさねばならない。ポーにとって、この悪夢を終わらせる絶好の機会だったが、機内に残ることを選ぶ。長年の同房仲間で、思い糖尿病を患っているベビー・オー(ミケルティ・ウィリアムソン)の注射器が、暴動騒ぎで割れてしまい、彼に死が迫っているからだ。さらに、機内には唯一の女性護官ビショップ(レイチェル・ティコティン)が人質となっており、23人の女性を強〇した異常犯罪者ジョニー23(ダニー・トレホ)が彼女を狙っていたことも、ポーを機にとどまらせた。カーソンではシンディーノと共に、37人を惨殺した快楽殺人魔ガーランド・グリーン(スティーヴ・ブシェミ)が乗り込んできた。機はアラバマに向かうと見せ掛け、シンディーノのジェット機が待機するラーナー飛行場へと向かう。地上では異変に気づいた連邦保安官ラーキン(ジョン・キューザック)と、シムの同僚の麻薬捜査官マロイ(コーム・ミーニー)が追跡を開始。殺されたシムの復讐に燃え、コン・エアーごと爆破しようとするマロイは、戦闘ヘリで機を追尾する。一方、囚人たちのデータを調べたラーキンは、なぜ自由の身であるポーがカーソンで降りなかったのか疑問を抱き、彼の妻トリシアと8歳になる娘ケイシーに会う。今も夫を深く愛する彼女はラーキンの誠実な態度を信頼し、夫へのメッセージを託す。無線を通じてラーキンの存在を知ったポーは、死体を機外に捨てる前に、ラーキンに宛てた「機はラーナーに到着」とのメッセージをシャツに残した。警官から“空から降ってきた死体”の報告を受けたラーキンはマロイに連絡し、警察隊に出動要請をし、ひと足先にラーナーに到着する。シンディーノの仲間によって、ラーナーの職員は殺害されていた。やがて荒涼とした砂漠の飛行場にコン・エアーが着陸。無理な飛行のために機体は傷つき、修復作業にかかりきりの囚人たちの隙を突いて、ポーは脱出の機会をうかがう。彼はついにラーキンと出会うが、ベビー・オーやビショップを残しては行けない。サイラスは一人でジェット機で逃げようとしたシンディーノを冷酷に処刑し、囚人たちは警官隊と戦闘体制に入り、彼らに圧勝した。ポーが機内に戻った時、コン・エアーは離陸してしまう。連邦保安局の動きから機内の通報者の存在を知ったサイラスは、ビショップの命と引き換えに裏切り者の自白を迫る。ポーを庇って自白したベビー・オーの体を、サイラスの銃弾が貫く。耐えに耐えた感情を爆発させたポーは、サイラス一味と戦いを繰り広げる。一方、マロイの乗るヘリがコン・エアーに照準を合わせて迫っていた。ポーは失速する機を操縦して、ネオンきらめくラスベガスの大通りに不時着させるとサイラスと対決し、相手を倒した。地上に降りた彼は、愛する妻子とようやく再会した。 (KINENOTE) 何度見てもすごいアクションです。ラスベガスに不時着してからも、魅せてくれます。たくさん死人が出ましたが、ハッピーエンドで、後味の良い映画です。それにしても映画では、追跡者同様囚人輸送機はよくトラブルに見舞われますね。ニコラスケイジの役柄は、耐えて耐えて爆発する高倉健に似ているとのコメントもありましたが、連邦保安官や逃亡犯もよく描かれています。厳重な拘束具で拘束されていた薄気味悪いガーランド・グリーンが遊んでいた少女を殺さなくてよかったです。コン・エアー テレビ朝日版https://www.youtube.com/watch?v=Uoatk8kDNz4 𝐖𝐚𝐭𝐜𝐡 𝐂𝐨𝐧 𝐀𝐢𝐫 𝐖𝐚𝐭𝐜𝐡 𝐌𝐨𝐯𝐢𝐞𝐬 𝐎𝐧𝐥𝐢𝐧𝐞 𝐅𝐫𝐞𝐞https://www.youtube.com/watch?v=ddlW79C928k&t=2607s
2019.04.20
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2007年、国分太一33歳、平山秀幸監督57歳の作品 です。ストーリー:古典を愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉(国分太一)は、思うように腕が上がらず、煮え切らない日々を送っていた。そんなある時、落語を通じて話し方を習いたいと、三人の変わり者が彼のもとに集まってくる。無愛想で口下手な美人、十河五月(香里奈)。勝気なためにクラスに馴染めない大阪から引っ越してきた少年、村林優(森永悠希)。毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手、湯河原太一(松重豊)。この三人のために、祖母の春子(八千草薫)と二人で暮らす自宅で教室を開いた三つ葉だが、彼らは集まるごとに言い争い、落語も中々覚えない。苛立つ三つ葉に追い打ちをかけるように、密かに想いを寄せていた春子の茶道の生徒であり村林の叔母である郁子(占部房子)が、来年結婚することを知らされてしまう。落ち込む三つ葉だったが、尊敬する師匠・今昔亭小三文(伊東四朗)の落語を寄席で聞いて、改めて自分には落語しかないことを実感する。そして小三文から一門会の開催を聞いた三つ葉は、師匠の十八番「火焔太鼓」に挑戦することを決める。一方、十河と村林も「まんじゅうこわい」を猛練習。いよいよ一門会の日、二日酔いで舞台に臨んだ三つ葉だったが、酒もいきおいもあり、見事な「火焔太鼓」を披露する。一方発表会では、村林はいじめっ子の前で「まんじゅうこわい」を、十河は突然、一門会で見た三つ葉の「火焔太鼓」を披露して、大成功を収める。こうして同席した湯河原共々、自分たちの殻を打ち破ったのだった。 平山監督作品ということで見ましたが、悩みながら殻を破ってそれぞれが人生の次のステージに進む物語で、佳作でした。落語家が主人公なので、国分さんはずいぶん練習したことでしょう。なまじプロの落語家が演じるより良かったです。彼の財産になった役柄でしょう。関西弁の子役森永祐希くんが、怪演でした。野球がだめならお笑いで、関西人のバイタリティーですね。桂枝雀、懐かしいですね。キネマ旬報3位はじめ、国分、松重、伊東、森永となぜか男性だけが受賞です。でも、性格ブス?を演じた香里奈さんも、八千草さんもとてもよかったです。日本映画ならではの題材で、年に何作かはこういう作品を観てみたいです。ひとつ注文を付けるなら、ゆずの歌はいらなかったです。
2019.04.18
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ストーリー:ボンド(S・コネリー)は暇にまかせてある療養所に行き不思議な刺青をした男を見て興味を持ったのだが、その男がボンドの注目をひいたということで殺された。それはボンドの宿敵スペクターの首領の仕業だった。そのころ、原爆を積んだNATOの飛行機がスペクターの手に奪われ、米英の首脳のもとに一週間以内に一億ドル支払わなければアメリカに原爆を落すというとんでもない脅迫を受けたという。ボンドがこの事件解決を命じられた。行方不明の飛行機の調査の焦点が西印度諸島バハマ群島にしぼられた。一方スペクターの首領からこの作戦の指揮を命じられた一号エミリオ(A・セリ)は、バハマに完璧な準備を整え、表面は情婦ドミノ(C・オージェ)と共に豪華水中翼船まで浮べて遊ぶ富豪を装っていた。ボンドは貿易商を装いドミノに接近、秘密兵器課の科学の粋を集めてスペクターに対抗する準備を整えた。珊瑚礁の一つに原爆が隠されていることを探り出したボンドは人喰い鮫の出没する海底に潜って、飛行士の死体に群れる鮫の動きから原爆の所在を知った。奪回する方法が問題だ。ドミノはその飛行士が金につられた兄と知り、ボンドと運命を共にしようと決心した。彼はいつ原爆が船に積みこまれるかをボンドに報せる使命を持って船に帰った。発覚したのか?案外、原爆を水中翼船に積まず、海中で爆発させるかもしれない。ボンドは十人の潜水隊を組織して水中で待ち、これを未然に防いだ。スペクターの首領ラルゴは自身で爆弾を仕かけるために水中船に乗りこんだ。ボンドが姿を現わし、二人の死闘がつづいた。突然、ドミノが物陰から射ったモリでラルゴは息絶えた。彼女はボンドの予想通りラルゴに裏切りを見破られ船室に監禁されていた。彼女の体には拷問のあとが残っていた。原爆は無事回収され、ドミノはボンドに抱かれて幸わせそうだった。(KINENOTE)1965年のシリーズ第4作目です。興行的には一番ヒットしたと言われています。ロサンゼルスオリンピックのはるか前に、登場です。当時注目された水中戦ですが、今見るとちょっと冗長でした。今と違ってフィルム撮影ですから大変だったでしょう。舞台は、ナッソー、バハマ。サメも出てきます。ボンドも撮影時にニアミス、危機一髪です。今ではタックスヘブンですが、当時はどうだったのでしょう。80年代は、すでにタックスヘブンでした。NYにいた時、財務担当役員からのNY出張のついでにナッソーに立ち寄りたいとのFAXを目にしました。常務から転じた現法の社長は、単なる観光と見抜いて却下したように記憶しています。そうでなくとも駐在員の米国内の観光旅行、いや出張にはうるさかった人でした。駐在員の中には50州回ったなんて言うつわものもいましたが、その人は帰国後外資に移りました。私もニューメキシコ出張の後、ついでにコロラドスプリングスに行こうと現法の総務部長に誘われましたが、丁寧にお断りしました。
2019.04.17
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2004年の米国作品で、公開当時74歳であったイーストウッドによる25番目の監督作品。3000万ドルの低予算と37日という短い撮影期間で製作されながら、全米だけでも1億ドルの興行収入を記録したヒット作。作品の結末に、安楽死、尊厳死をもってきたので、物議をかもした映画でもあります。ストーリー:トレーラー育ちの不遇な人生から抜け出そうと、自分のボクシングの才能を頼りにロサンゼルスにやってきた31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)。彼女は、小さなボクシング・ジムを経営する名トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)に弟子入りを志願するが、女性ボクサーは取らないと主張するフランキーにすげなく追い返される。だがこれが最後のチャンスだと知るマギーは、ウェイトレスの仕事をかけもちしながら、残りの時間をすべて練習に費やしていた。そんな彼女の真剣さに打たれ、ついにトレーナーを引き受けるフランキー。彼の指導のもと、めきめきと腕を上げたマギーは、試合で連覇を重ね、瞬く間にチャンピオンの座を狙うまでに成長。同時に、実娘に何通手紙を出しても送り返されてしまうフランキーと、家族の愛に恵まれないマギーの間には、師弟関係を超えた深い絆が芽生えていく。そしていよいよ、百万ドルのファイトマネーを賭けたタイトル・マッチの日がやってきた。対戦相手は、汚い手を使うことで知られるドイツ人ボクサーの”青い熊“ビリー(ルシア・ライカー)。試合はマギーの優勢で進んだが、ビリーの不意の反則攻撃により倒され、マギーは全身麻痺になってしまう。寝たきりの生活になり、やがて死を願うようになった彼女。フランキーは悩みながらも、マギーの呼吸器を外して安楽死させてやる。それから彼は、長年の友人である雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)らを残し、自分のジムから姿を消してしまうのだった。(KINENOTE)前半は、女ロッキーという感じで楽しめましたが、後半は重かったですね。まさかこんな展開になり、安楽死で終わるとは思いませんでした。作品の主テーマが尊厳死や安楽死にあるわけではないが、この問題はキリスト教右派が無視できない勢力を持つアメリカでは極めてデリケートな問題であり、保守派コメンテーター、障害者団体、キリスト教団体によるこの映画のボイコット運動などが起こり話題になった。 イーストウッドはこの件に関して、映画の中におけるフィクションの登場人物による行動と、イーストウッド自身の思想や言動は全く無関係であり、この作品はあくまで彼のアメリカン・ドリーム観を表現したものであると述べている。 (ウィキ)アメリカン・ドリーム観と言っても、ずっしりと響く重い終わりでした。パラアスリートとして復活する人もいれば、植物状態の人もいます。私にとってはスポーツはあくまで楽しむもので、命を懸けるものでも、金もうけでもでもありません。余談ながら、作中トレーラーハウスで暮らすボクサーの家族が出てきますが、娘に家を買ってもらうと生活補助金や医療が受けられなくなると文句を言う母親が印象的でした。一握りでしょうが、どこの国でも福祉に依存してまともに働かない人がいるものだと思って、見ていました。マギーの一家は、黒人でなく白人です。「貧しい白人」なのでしょうが、何とかその境遇から這い上がろうとするところが、トランプ支持層とは違うと思いました。
2019.04.15
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