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ズォォォォ・・・・ン。ドォォォン。数秒ごとに繰り返される爆音。「・・・1号、3号そっちの様子はどうだ」電話越しに聞こえてくるクロムの声。クロムは紛争を繰り返す町の中の廃墟で1号たちの声を聞いていた。三つ子達はグリアン軍の兵士達を待ち伏せしている。この町のお偉いさんは数人の女性人造兵を連れて、市民を置き去りして逃げてしまった。人を殺す事に何の疑問も抱かなかった日々、こんな風に青空を眺める日々が来るなんて誰が予想しただろうか。一号は視界の隅で話し合うアゲートとエリザベートの姿を見つめる。アルメルス王国の離宮、ここにアゲート達は連れてこられていた。グリアンとレグラントの中間にあり、独立した小さな王国。それがここ、アルメルスだった。「何なんだろうな、あいつら・・ここの兵士はよ。オレが人造兵だって全然気がつかないでやんの」「・・・そうだな」クロムは一号の隣をちょこんと座った。ドドドドド・・・アレ以来、フォンは飛行機の操縦や修理などに精を出していた。今日も遠い町に来て、表通りにあるその関係の店で買い物をしていた。「・・・・・」青い空は透き通り、白い鳥が飛んでいた。「フォン?フォンでしょ、貴方・・・。お兄様の知り合いの」馬車から白いドレスと帽子を被ったエステルが窓から顔を覗かせた。「!リーノアさん?」確か、学園からいなくなったと聞いてたけどどうして、ここに。「・・・リア様、この少年は」反対側の席には教会関係者らしい僧衣の男がいた。「・・・お兄様って」エステルはフォンにアゲートと同じ懐中時計を見せた。「・・・!君は・・・」「わかったでしょ、私は「アゲート」・・・お兄様の妹。ねぇ、私と遊びましょ」「リア様、それは・・」エステルは強引にフォンを馬車の中に引きずり込んだ。「いいでしょう?そろそろ、新しいおもちゃが欲しいわ。前のおもちゃはつまらなかったんだもの」「あ、あの・・・」エステルはニコニコと笑い、人形でも抱きしめるようにフォンをぎゅうと抱きしめた。千切れたぬいぐるみを持った銀髪の美しい少女は、戦場の中の寂れたにおいの中で一号に近づいてきた。「・・・何で、こんな所に」少女の口元には血がついていた。
2006.10.31
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「待ってよ、ルルーシュ・・」あの日、ブリタニアが日本に侵攻した日も僕は友人の背中を追いかけていた。ルルーシュは負けず嫌いでプライドも高くチェスもうまい。頭もいいし、期待されてることはたいていできる天才肌だ。「僕の勝ちだ」ニッ、とルルーシュは不敵に微笑む。「ずるいよ、ルルーシュ」それにとても綺麗な顔立ちをしている。でも大人からしたら、ルルーシュは酷く扱いにくい生徒だったのかもしれない。ルルーシュに泣かされた先生はいくつか見てきたから。「ナナリー、どうしたんだい?」野原で花を摘む妹ナナリーには、親しみや愛情をこめた笑顔を向ける。「あのね、この花で冠作ってお兄様やスザクさんにあげるの」「そうか、ナナリーは優しいね」ルルーシュは優しく微笑みこむ。「スザク、何してるんだ?お前もそんな所でぼやっとしてないでさっさとこっちに来なよ」「うん・・・」友達になって、ルルーシュがこんなにやさしい事を知った。だが、戦争が僕らを引き裂いた。ルルーシュの母親は殺され、僕も今までのように行かなくなった。鋭く尖ったようなルルーシュの紫の瞳が空を飛ぶナイトメアに向けられる。「・・・・」僕はその時何もいえなかった。再会した時、ルルーシュは高校の制服を着ていた。グリーン色のストレートヘアの女の子を連れて。―僕にはその少年がルルーシュだとすぐわかった。ただ、嬉しい気持ちをため息で殺すのに必死だった。
2006.10.30
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「何をするんだ、リーノア・・・!!」断末魔。「そうよ、実の親子ではないとはいえ、私は貴方の母親なのよ!!気でも狂ってしまったの!」エステルはただ中央の階段にイスを置いて、目の前の殺し合いを見つめていた。まるで動物園で動物を見物するかのように楽しそうな瞳で。「お父様、お母様、花束を有難う・・・。これは私からのプレゼントよ・・・ゆっくりと楽しんでね」恐怖、混乱、絶望。実験動物を見る瞳、化け物を見る瞳。暗闇。私達を欲しがる可愛い生き物達。「俺たちの金を返せ!!返せよ!」「お前らのせいでオレの子供は・・・」激しい感情。「生きてる証ね・・・」エステルはくすくすと笑い、人形の頭をさすった。クラスター学園の生徒会選挙では、各参加者ごとに観客である親御や各界の有名人の姿もあった。「あら、貴方が有名なジャスパー家の・・」「でも、まだ若すぎるな・・・」生徒の大多数の投票は得ているものの、ベリルはまだ肝心の一般客の票を入れてもらえなかった。「それでは、ベリル様。私はこれで・・」「あるがとう、ジョエル・・・」執事は深々と頭を下げて、去っていった。どこまでも澄み切った青空、空ではチラシが入った飛行機が飛びあい、ベリルのポスターもあちらこちらに飛び回っている。「気分を変えよう・・・」その場を少し離れると、駐車場でチラシを配るフォンの姿があった。「あ、ベリル・・・!」「それは残ってる分か?」すると、クラスター学園の玄関口の門が開き、食料が入った車が次々に入ってきて、雇われた人物達が職員に食料を渡していき、外でのガーデンパーティーの用意を進めていく。「そういえば、プログラムに昼食はガーデンパーティーだってかかれてたっけ」フォンはプログラムを開いて、ベリルに見せる。「そうか、もう少しでお昼時か・・」ベリルは何となくその車の方を見つめた。「ほら、帽子被っておけよ。お前、目立ってはいけないんだろ」灰色の帽子をクロムはアゲートに被せた。「うん、わかった」アゲートとクロムは、作業に戻れという言葉を聴いてそそくさと皿に調理された料理を入れて、並べられたテーブルにおいていった。「あっ、ごめん・・」アゲートはフォンとぶつかりそうになり、パンを落としそうになった。「いや、大丈夫だよ」落ちたパンを拾い上げ、フォンは顔を上げるとそこにはアゲートがいた。「アゲート!?何で君、転校したんじゃ・・・」そこへ、ベリルも駆け寄ってくる。「・・・・アゲート?」心なしか、ベリルの表情は柔らかい。「?」アゲートはとぼけた表情で不思議そうにフォンを見ながら、首を傾けた。「何してるんだよ、アゲート~」クロムが片手にサラダの皿を持って、アゲートの腕を引っ張った。「クロム、うん、肩がこのコにぶつかっただけだよ」アゲート?「・・・アゲート、久し振りに会った友人にそれはないんじゃないか?」ベリルはアゲートの前に立ちふさがった。「・・・君」アゲートは元気よく人懐っこい笑顔を浮かべる。「君、誰?何で、オレの名前知ってるの?」その言葉がベリルの意識をふいに凍結させる。「・・・お前、何言って・・・」頭がその言葉を理解するのに随分と時間がかかっている。「誰なの?オレは今、初めて君に合ったんだけど」フォンもアゲートの冗談ともとれない、あまりに普通で見慣れた優しい表情が自分達を見慣れない他人のように見ている現実に思わず言葉がつまっている。「行こうぜ、こんな怪しいやつらに付き合うとろくなことがないぞ」クロムはキッ、とベリルをにらむと、アゲートはクロムの後についていった。「・・・アゲート?」暗闇暗闇。檻の中のような無機質な部屋で私は人形と遊んでいた。ガラス越しのお兄様は「遊ぼう」と言ってくれた。私がいじめられた時は「痛いの?」と体をさすってくれた。夕暮れに染まる中、投票により生徒会会長はベリル・ジャスパーに決まった。ワァァァ・・、と一斉に学園内は観衆の歓喜で沸きあがった。「・・みんなの期待に応えられるよう、私は精一杯がんばります」舞台の下ではフォンが嬉しそうに拍手している。「へえ・・、カールスがなれなかった奴があの金髪になったのか」「クロム、あのコきっと皆を幸せにするよ・・!」アゲートはそういいきった。「お前が言うと、冗談に聞こえないから怖いよな」別の場所でアゲートはその光景を見ていた。「じゃあ、帰ろうか。ルチア姉さんの所へ」「ああ」ザァァァァァ・・・・早朝、ブランディアス家本宅内で当主・クリストファーとその妻へレンの惨殺死体が発見された。身体中を引き裂かれたような傷跡があったという。「・・・これでは今日のオークションは中止だな」その報告を馬車の中で聞いていたべスビアはそうコメントした。「彼らの一人娘、エステルという娘が現在行方不明だそうです。捜索させますか?」金髪の三つ編、青い瞳のプラム・ローズという人造兵がべスビアに声をかける。「いや、いい・・・。高級な装飾品や金品が盗まれているという報告もあるくらいだから、おそらく強盗か物取りによる犯行だろ」バシャバシャ、と雨の中を駆ける部下の軍人達をべスビアは何となく見ていた。「・・・何だ、これは・・・」ロードは信じられないといった表情でその光景を路地裏で見ていた。
2006.10.27
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生徒会選挙、今年もこの季節がやってきた。それぞれの国のトップになる人物になるためにはこの学園の中心となる生徒会選挙に出て、生徒会長になるのがてっとり早い。「それでは、クロード・ノワール君の次に・・・」だから、僕は正直言ってこの行事があまり好きじゃない。「ベリル・ジャスパー君!」前へと進められ、ベリルが同じ参加者の最後に並んだ。「ベリル!?」フォンはあわてて立ち上がった。次の瞬間、ベリルの親衛隊・・・取り巻きたちに歓喜のどよめきが走った。「驚いたよ、ベリル。君がまさか本当に立候補するなんて・・・」フォンの元に日当たりのいい学園内の庭のベンチで質問攻めだったベリルがよってきた。「やっぱり、この学園を変えようと思ったの?」「・・・いいや」「じゃあ、不満があったとか」フォンはニコニコと笑っている。「少し・・・」「自分なら当然?」「・・・・・馬鹿」ベリルは少し恥ずかしそうにフォンから顔を背いた。・・・私の動機は不純で、とても私情だ。「まあ、何でもいいや。僕、君の宣伝を手伝うからね」「ありがとう、フォン」母の容態が少しずつ悪くなってきている、原因は敵国の軍がまいた対レグラントの血を持つ人造兵を殺す毒薬だ。同盟国で、友好関係ならどうして特効薬を渡してくれないんだ。どうして・・・ブランディアス家が数年ぶりに開くというオークションという情報にロードはとびついた。「ついてこい、お前ら」クラスター学園の卒業生で、元貴族である彼は、正装に着替えて人造兵を連れて、ブランディアス家の屋敷を訪れた。数え切れないくらいの財産、代々国の中枢を陰で操るという権力、家族の誰もが成功者でもあり大変なコレクターでもあるという。「さすがは、あのブランディアス家の持ち物だけはあるな」「・・・すみません、今ご主人様はお仕事で留守にしています。あと三時間ほどで御付きになりますから広間でお待ちを」メイドの一人がロードにそういって声をかけた。「ああ、わかったよ」そこへ柔らかな花の香りとバイオリンの音色が鳴り響いてくる。広間から聞こえてくるようだ。「この音色は?」美しく研ぎ澄まされ、そしてやさしい音色。「すごくきれいよ、リーノアちゃん。先生、もう適わないかも」エステルは少女らしい笑顔で家庭教師に微笑んだ。「そんなことありませんよ、まだまだ先生には適いませんわ」「これはこれは・・・、ブランディアス家のリーノア嬢でしたか」「あら、ロードさん。お久しぶりね。きてもらってなんですけど、私これからお医者様のところへいってもらった薬を飲まないといけないので・・」ドレスのすそを持って、エステルは丁寧に挨拶をした。工場区にあるレストランで、アゲートはボーイ姿に身を包んでいた。「いいか、お前ら。今日のお前の仕事は、このメニューの運搬だ。わかったら、顔を洗ってこれに着替えろ」マスターの男性が次々にアルバイトの男性たちに制服を与えていった。「くそぉ、何で俺たちまでしないといけないんだよ」二号や3号、クロムがなぜかその場にいた。
2006.10.21
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お父様にある日僕の人造兵で友人のアゲートをどうしたのか聞いてみた。「・・・あいつに名前を教えたらしいな、カールス。私があれほど教えるなといったのに・・・お前は私との約束を破ったのだな」その時のお父様がひどく歪んで、とても恐ろしかったの事を覚えている。「あ、あの・・・」「いいか、カールス。ディーヴァに何を吹き込まれたか知らないが、人造兵は道具なんだ・・・道具に名前をつけるなんてお前どうかしたんじゃないか」ある考えがカールスの思考を駆け巡る。「・・・アゲートは、僕のアゲートはどこにいるんです、お父様・・?まさか・・・」心臓が恐怖波立つのがわかる・・。まさか、いくらなんでもお父様が・・・・。「―アレはお前のせいで使えない代物になった。だから保健所で処分する事になった。あきらめろ、カールス」「・・お父様ぁ!!」ダァァ―ン・・・!!空気も耳元でさえ引き裂くような銃声に隣人の同い年の少女リナは花を摘む手を硬直させ、銃を持った僕と冷たく横になったお父様を見つめていた。「・・・見ないで、見ないで~!!」その後、僕はリナに見送られ軍の施設に一時期はいる事になった。その半年後、僕は釈放され、身元引受人はディーヴァだった。「貴方の叔父様の言いつけで遠縁の私がしばらく貴方の世話する事になったから・・・、おかりなさい。カールス」ディーヴァは天使のように優しく微笑んで、カールスの小さな体を抱きしめた。「・・・ディーヴァさん」「・・・・辛かったわね、カールス・・・」もう大丈夫よ、とディーヴァは優しく微笑んで見せた。「・・・う、うわあああああああああ・・・うわぁん・・・」僕は心から安心して、半年振りに泣く事ができた。その数年後、僕は教会の管轄でもあり、軍の所有する人造兵研究所でディーヴァさんの研究チーム入る事になったんだ。「貴方が・・・カールス?僕はルシファエル・フローライト」8歳くらいの眼鏡をかけた少年がそこにはいた。「君がディーヴァさんの・・・」女の子と聞いていたのになぜ男の子のような名前なんだろう。「ええ、親戚です」彼女と教会が共同研究で生み出した人工の「神」と僕は初めて対面することになった。「・・・ん」自動扉が開き、そこには揺り篭に入った2人の赤ん坊が気持ちよさそうに寝ていた。「可愛いね、これが神様?男の子と女の子の双子か。どう見ても人間の赤ん坊じゃないか」カールスは女の子の方の赤ん坊を優しく抱き上げる。「―・・最近目を開け、こちらの存在がわかるようです。裁きの神である遺伝子データから生まれた男の子と救いの神の遺伝子データから生まれた妹は僕の叔母にあたる・・・つまり、ディーヴァの体内から引き出された子供達です。この子達は、3年間ディーヴァのおなかの中にいて、8月に生まれました」「そんな・・・まさか・・。そんな長い間、生まれない子供がいるなんて」カールスは信じられないといった表情をルシファエルにむけた。「ディーヴァさんは・・・?この子達と一緒にいるの?」「いいえ、彼女は実験体を僕たちに引き渡した後、次の研究へとだんなさんと遠くへ行きました」ガタン・・・!そこでエマはコーヒーが入ったカップを落とした。「神だと・・・そんな存在を信じろというのか?」エマはわけがわからずパソコンを閉じて、ディスクを机の奥へしまいこんだ。「バカな・・・」「おお、カールスかい・・・。それに弟のクロムまで・・・。ルチア、良く連れてきてくれたね」カールスの祖母は優しくアゲートの体を抱き上げる。「大切なおばあさまのためですもの・・」とルチアは優しく微笑んだ。「お久し振りです」少し気恥ずかしそうに、クロムは頭を下げた。「こんなに可愛い孫達が着てくれて私は幸せものだよ」奥様、部屋に入りましょうとジュリアが祖母の乗った車椅子を動かした。「あー、気を使うぜ~。でも温かい気分だな~」クロムは手足をいっぱい伸ばしてベッドに横になった。「何でアゲートばっかー、カールスの役やるんだよ」あははは、と笑いながらアゲートはピアノの前に座ってピアノを弾き始める。「アゲートはカールスの記憶のイメージに合うんだよ、お上品なお坊ちゃま役はクロムには無理だ」「ルチアの意地悪!!」クロムはいーっ、とはをむき出しにした。
2006.10.16
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最後に自分を決めるのは自分の心だ・・・!森羅万象を使って、オレは宵風を助ける。無関心で普段からあまり自分の感情を出さない壬晴からは創造できない告白だった。灰狼衆の気羅使いに一度誘拐され、壬晴はキッとそこで何かの条件の代わりへと、おれ達の命が人質するかわりに森羅万象を使えと脅迫されたはずだ。なのに、なぜわかろうとしないんだろう。森羅万象を使って、その保持者を守るのが一番よい方法なのに。きっと、壬晴に秘密を教えてしまえば今の生活の全てが変わってしまう。教えられたいのに、オレが何も言わないから壬晴はあんな態度にでたんだろう。「宵風、その人は心を読むんだ!!気をつけて!」温かい守ってくれる言葉を束縛を契約を持ち続ければ息が出来なくなってしまう。ただ、溺れて何も見えなくなってしまう。オレには頼る資格も、俺のせいで誰かが傷つくような資格もない。嫌われるのが傷つけるのが怖い?そうなのかもしれない。だからオレは無関心でいなければいけない。でも・・・「君を隠の王にしてやる・・・!!」でも、オレは見つけたんだ。自分にどこか似た宵風を。「・・・宵風」自分をいなかった事にして欲しいと望んだ宵風。後もう少ししたら、もう宵風にあえなくなる。側にいてほしい・・・でもそれは彼が望んだ事じゃないから。「・・・・・・・・・・何」いつかの廃棄された電車の中でオレはそっと正面から宵風にまとわりついた。「消してあげるから・・・、それまで生きて、生きてよ」宵風にはそれが震えている小さな子供のように見えた。「宵風・・・」「ごめん・・・・」「ううん、宵風がこうしていてくれるだけでいいよ」
2006.10.14
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エマはアリスから手渡された一枚のディスクをパソコンに取り入れて、中身を開いてみた。その中には、カールスの姿が映し出された。「・・・カールス」『久し振りだね、エマ。君がこれを見てるということは僕がもうこの世にはいないということだろう。君はナゼ僕がいつも人にやさしくできるか不思議に思っていたね。でも、本当の僕は君が思ってるような聖人君子でも、優しい両親に愛され、何不自由なく育てられたお坊ちゃまでもない』「カールス?」『僕は卑怯で弱くて、汚い。そういう人間なんだ』僕がまだ8歳かそこらの頃、母はある年下の女科学者の友人を連れてきた事があった。「・・カールス挨拶しなさい、母さんの友達のステラ・ディーヴァ・フローライトよ。遺伝子学を勉強してるの」黒髪のウェーブヘアと青灰色の瞳、人形のような整った優しく綺麗な顔立ち。僕は人目でその人のことを気に入った。「よろしくね、カールス」ディーヴァとは歌姫の方ではなく、光と言う意味の花の方でつけられたらしい。翌年、母が遠くの病院に行く事になり、僕は祖母と厳格で厳しい父親に取り残される事になった。「それで次の議題ですが・・・」「カールス聞いてるか?」「はい、お父様」とカールスは行儀良く答えた。みんなの模範となるようなもの、上に立つものとして父は僕を厳しく教育した。父にとって僕は息子という商品だったのさ。「・・・また新しい元気で頭のいい女を妻に迎えればいい。綺麗なばかりで体の弱いあの女はもういないだからな」夜更けに聞いてしまった父の台詞で僕はもう家にお母様が帰ってこないことを知った。「わぁぁぁぁぁ・・ん!!」僕は悲しくて胸が引き裂かれるように一晩中、枕を涙で濡らした。人造兵、という生きた兵器を与えられたのは僕が十歳の時だ。「この家に生まれたからには身体も精神も強くなければな・・」僕はその人造兵に名前を与えた。お母様が生むはずだった弟の名前、アゲートという名を・・。
2006.10.13
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救いの神である彼女、リーノアことエステルホシュアは美しい歌声で相手の意識を自分の支配下に置き、少しずつ生気を食べていく業。そして、水晶を特殊空間から生み出し、雷を打ち出す。ドドーン・・・!!「お兄様、また腕をあげたんじゃなくて?」アゲートは赤い瞳を鋭く輝かせながら、衝撃波で水晶を吹き飛ばしていった。「神としての威光は落ちていないようね・・・」アゲートは、左手から身体の内にある特殊空間から、「神剣」を出してエステルに斬りかかった。「でも、まだ私を切り殺す勇気は持ち合わせていないようね。殺し合いなんだからもう少し、真剣にやってくれないと・・」「エステル、・・・頼むからもう人間を殺さないでくれ・・・。オレを殺したいなら、殺せばいい」エステルはクスクスと笑う。天使のような、全てを包み込む笑顔でアゲートを見て笑っている。「なぜ?食べ物に情けを書けるなんて相変わらず変な人・・・」そして、笑いが溶ける。「そんなお兄様が大好きよ、でもね・・・」エステルは一瞬のうちにアゲートの側により、唇を近づける。「・・・・・」アゲートはビクッと肩を震えさせる。ガチッ「・・・痛いっ」「お兄様のその悪趣味はとてもキライ!!」金色の瞳が鋭く研ぎ澄まされ、エステルは右腕を掴むとものすごい量の電流を流し込む。「うわアアあああああああああああああ!!」衝撃がアゲートを襲った。「今日もお庭はお花でいっぱい・・・。ねえ、キョリー、ジュリア、今日は可愛い孫カールスとあのコが来るから一番いい葉の紅茶をだしてちょうだい・・・」眼鏡っ子で大人しく優しい柔らかな茶色の三つ編のメイドジュリアと、先輩でショートヘアの活発なキャリーはカールスの祖母に使え、寂れてきたこの邸宅で毎日を過ごしていた。「それじゃあ、行くぞ、アゲート」近くの喫茶店で本来の姿に戻り、車に黒髪のサラサラロングヘアと貴婦人らしいドレスを着たルシファエルが現れる。美しく優美で煌びやかなクールビューティーな少女がそこにはいた。「わあ、ほんとのルシファエルに戻ったな。やっぱり女の子は女の子の格好するものだな」クロムも人造兵としての衣装を脱いで、ラフなシャツとジーンズをはいている。バキッ ドゴッ「・・・オレを女の子扱いするなと言っただろ、クロム」ルシファエルは大変機嫌を損ねたのでクロムに暴力行為したようである。「・・ったく、だからカールスのあの家や実家は嫌なんだ。こんなひらひらした服を着なきゃいけないし」「ルチア、相変わらずね~」アリスはくすくすと笑う。「・・・本名は言うなといったでしょ、アリス」「兄さん、じゃあ、もう兄さんって呼ばなくいい?いつもどおり、姉様でいい?」アゲートがぎゅうとルシファエルに抱きついた。「・・・どっちでもいいさ、別に。オレは元々男としている方が合ってるし、・・・ッたくあのバカ女、何で女として生んだんだか・・。今の技術じゃ性別変えられないし」はぁ・・・、と魂を抜けるようなため息をついた。
2006.10.10
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「神のご加護を・・・アーメン・・・」今日は珍しくすっきりした青空と少し乾いた風が吹き、教会は祝日という事でごった返ししていた。司祭であるアルフレートも大忙しだった。「・・・疲れた」そういって、やっと教会から部屋に戻ってきたのは夕暮れになる寸前だった。「本でも読もうかな・・・」そして、アルフレートは図書室へと向かった。王宮内にある図書室は国の中心である王族のものだけかなりの数の蔵書があった。・・・ルドルフ様。「これから私はどうすれば・・・」何気なく本をめくりながら、アルフレートは沈んだ表情を変えようとしなかった。「おい、見ろよ。ヴォルフリート、皇太子殿下のお気に入りの司祭様だぜ」「ああ、アルフレート・フェリックス様だっけ?ヴァレリー様の最近のお気に入りの。王宮に戻ってきたんだな」ヨハン直属の部下に新しく配属された新米の軍人であるウイリアム・クレアモントとヴォルフリート・クラウドはまだ十代の中盤に差し掛かった頃の、貧乏貴族の少年だった。「・・・何か?」アルフレートが視線に気づき、声をかけてきた。「ネクタイが曲がってますよ。司祭となる人なら自分の身支度くらいちゃんとしてください」どうもあまり構わない人らしく、ヴォルフリートはアルフレートの服のすそを直した。「いや、何でもありません!!さあ、資料探しに行こうぜ、ヴォル」お前、なんて事を~、とヴォルフリートは頭をはたかれた。「それじゃあ、失礼します」何だかおかしくなり、アルフレートはクスクスと笑った。それから冬のある日、いなくなったアルフレートが宮廷に戻ってきた事がニュースとして流れた。「ヴォルフリート!!」「ヴァレリー様!?」「・・・ねえ、ヴォルはしってる?」皇女ヴァレリーがヴォルフリートのダークブラウンの髪を見つけるなり、突進して抱きついてきた。周りからは、お前昔から妙なのに人気があるよな、懐かれるというか・・。「いや、そんなコメントいらないから」「聞いてるの、ヴォルフリート!!」「・・・何です?」ヴォルフリートはやや苦笑いを浮かべる。「既成事実ってどういう意味なの?」えええ~と言う周りから驚きと悲鳴じみた叫び声が響き渡った。ヴォルフリートは一瞬ポカンとした後、「ああ、それはね好きな男性を終身刑にとどめる事ができる大人の女性のテクニックですよ。その方法はヴァレリー様が優しく強く、美しさに磨きをかけ相手をコントロールできる女性になれば確実ですね」天然なのか業というか、素の表情でヴォルフリートは言うと、ヴァレリーを引き離した。「でもでも、それじゃあアルフレートをお兄様から返してもらえないのよ、私は今、アルフレートが欲しいの」「・・・困りましたね」ヴォルフリートは苦笑する。「・・・その笑い方、アルフレートとやっぱり似てる。ヴォルフリートって、雰囲気とか仕種がアルフレートに似てるわね」「そうですか?」夜が更けた頃、中庭で偶然アルフレートがルドルフと言い争うのを見かけたことがある。そして、そのうち、2人は身体を寄せ合い、顔を近づける。「永遠にお前は私のものだ。そうだな、アルフレート」引く、というよりもあの冷静沈着なルドルフ様が感情を表に出すなんて珍しいとヴォルフリートは思った。「・・・・・・・永遠なんて存在しないのにね」ヴォルフリートはそうつぶやくとその場を立ち去っていった。
2006.10.07
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休憩時間、ベリルは数人の取り巻きに囲まれ廊下を歩いていた。「・・・ふぁぁぁ~、よく寝た」そこへ会場からあくびをしながらアゲートが出てきた。「アゲート、だめだよ、せっかくの演奏なんだから」と隣にはフォンの姿もある。「・・・アゲート様ですね」そこへ数人の女子部の生徒がアゲートの前に立ちふさがる。「ん?」「リーノア様がお呼びです」アゲートの笑顔が微かに歪んだことにフォンは少し困惑した。「・・・アゲート?」「じゃあ呼ばれてるからオレ行くね。さよなら、フォン」フォンに手を振って、笑顔でアゲートは女生徒と一緒に去っていった。「・・・後でねのまちがいでしょ。しょうがないな、アゲートは」どんどん冷たくなっていく身体をただ抱きしめるしかない小さな少女。彼女は人造兵だった。冷たくなった私の父の身体を抱きしめていた。「なぜ、泣くのよ・・・、道具のくせに」敵国の兵士を殺した兵器である人造兵で彼女は作られたばかりだった。父は、そんな少女や少年の人造兵を人間の子供とおなじように扱うような人間だった。「いやあ、高い高い~!!落ちる落ちる~、降ろしなさいよ」暗殺者によって鳴り響く銃声、ぶち抜かれたガラスの窓、宙に舞うアゲートと抱き上げられたエリザベート。「何なのよ~、あんたは・・」「君の護衛官がある場所まで待ってるよ・・、それまで行こう」アリスの連絡でアゲートは次の依頼へと思考をクラスター学園から移していた。―妹は見つけた。いつもどおり、思考を2、3日眠っていつもどおりに戻して、必要のない記憶が消されていくんだ。頭がぼやけてきたなぁ。「皆、早く逃げるんだ!!」エマを含む教師達の指示によって生徒たちは防空壕の中に逃げ込んでいった。「エマ先生、アゲートは・・・」「いいから、フォンやベリルも皆と同じように避難するんだ!!」「はい、先生・・・!」アゲート大丈夫だよね・・・。クラスター学園の外にあるホテルの一室にアゲートとエリザベートは入ると、そこにはルシファエルとアリスの姿があった。「・・・その体の傷、彼女と戦ったのね。それでしとめられたの?」ジュウウウウウウ・・・、とアゲートの右腕は焼けてだらりとだらしなく下がっていた。「やだっ、貴方怪我してたの!?」「・・・うん、結構痛いや。右手がうまく上がらない・・・妹と喧嘩して右腕だけですんでよかったな。姉さん、ギリギリまで追い込んだんだけどまた負けちゃった」アゲートの瞳は紅く染まり、息を乱しながらアゲートは座り込んだ。「兄さん、だっこして。・・それで眠る前に怪我を治して欲しいんだけど」幼児か、お前は・・とルシファエルは心の中で突っ込んだ。「オルゴールをかけながらか?」「・・・うん」アゲートはにこりと笑い、ルシファエルの背中に乗りかかった。明後日。「・・・・これはどういうことだ?」ベリルとフォンは呆然ともぬけの殻のアゲートの部屋を見つめた。机とベッド以外、全てアゲートの荷物はなくなっている。「おや、知らないのか?アゲート・フローライトは親の転勤が決まって昨日兄弟と一緒に外国の学校に転入していったんだよ」初老の教師が通りかかり、ベリル達に教えてくれた。「そんな・・、私は聞いてないです。どうして教えてくれなかったんですか?」ベリルが教師に慌てて詰め寄った。「ベリル・・・」珍しいベリルの動揺にフォンは顔をしかめた。「知らんよ、わしも今日教えられたんだ」教師は慌てて立ち去った。「・・・そんな」ブロロ・・・、とエンジン音を鳴らしてアゲートを乗せた車は町のはずれを駆けていく。「・・・う・・ん」そこで後部座席で寝ていたアゲートは音色を聞きながら目を覚ます。「起きた?アゲート」アリスがアゲートにサンドイッチを差し出す。「・・・・・オレの飛行機は?」「後ろの車にくくりつけてあるわよ」と指差した先にはクロム団の3号が飛行機を載せた車を運転させていた。「そっか、よかった・・。オレ、また寝てたんだね、ねえ、オレ3日前どこにいたの?」アゲートは元気よく笑った。「別に普通の所さ。アゲート、カールスの実家に挨拶に行くぞ」運転先のルシファエルは言った。「うん!」
2006.10.06
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システムのせいなのか、接続の段階で何かあったのかわかりません。何でなんでしょう?場所移動したからでしょうか。こういう時、パソコンに詳しい友人がいたらなぁ。デスノート→とりあえず期待通りヤマトナデシコ七変化→多分来週も見る。ギャラクシーエンジェル2→う~ん、キャラは可愛いけど微妙なライン?ときメモオンリーラブ→一話目で猫耳つけた主人公リク君がみれると思わなかった。
2006.10.04
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「・・・まあ、今の彼なら囮くらいにはなるんじゃないか・・」月面での戦闘で無くなったソゴル・キョウ。オレの親友だったキョウはもうどこにもいない。二度と元には戻せない、いつも友人やシズノのことを思い、まじめで責任感が強く。少しナンパっぽいところもあり、あの落ち着いていて頼れるキョウはもうじぶんにはなしかけてくれないのだ。それがリセットされると言う事。シズノも当然ショックを受けてるだろう。でも、復活したキョウが再びゼーガペインに乗って、オレの前に現れる。そこには16歳の子供としてのキョウがあどけない表情でいた。キョウにとって、オレは初対面で会う他人。今のキョウを誰が認めるものか、認めてしまったら自分は今までのキョウを殺す事になる。「お前って、いつも無表情って言うかクールだよな。たまには笑えば?」オケアノスに戻ってきたキョウがキャットウィークからシズノと一緒に、声をかけてきた。「・・・関係ないだろ、君には」ルーシェンはふいっ、と視線をそらす。「まあな、ただ落ち込んでるみたいに見えたから。何かあったかしらねえけど、元気出せよ」微かに驚いたルーシェンにキョウは不思議そうに見る。「?どうした?」「・・・・・あ、ああ」
2006.10.02
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