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その紫の瞳を私に向けてほしい。その唇で私に愛をささやいて、キスしてほしい。その腕で私を力いっぱい抱きしめてもらいたい。ナナリーを忘れて、私を見てほしい。「スザク、見てください、こんな所に猫が・・」「ユーフェミア様、待ってください!勝手な行動は今日はしない約束でしょう」「・・・スザク、ユフィって呼んでくれないの?」むう、とユーフェミアが頬を膨らませる。「しかし、今は仕事中ですし」慌てて、頬を赤らめる彼が何だかおかしい。戦闘中はあんなに厳しい表情なのに。妙に生まじめなのだ。あの人と同じように。「私の命令でもですか?」「・・・・卑怯です、ユフィ・・・ユーフェミア様」きりっとまじめな表情をすると、なんと言うかやはりルル―シュに似ている。彼女と彼の持つ印象はむしろ正反対のはずなのに。ルル―シュと最近忙しくて会っていない。自分以外の誰かと楽しく話してるんだろうか?レイの彼女とは分かれたんだろうか?ゼロに少しでも疑問を感じてるんだろうか?また、ミレイさんにからかわれてるんだろうか。「行きましょう」「はい、ユーフェミア様」スザクは歩き出したユーフェミアの後を慌てて追いかけた。
2008.01.31
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ダンスのステップは上々。言葉遣いもセンスも家柄はいい。顔もかなりの美形だし性格も特に目立つ要素もなく悪い一面もない。ただ、このお見合いの相手、自分の家柄を語るだけで中身がない。ああ、食べてしまおうか、たいしておいしくないだろうけど。この呪われたアシュフォード家に足を踏み入るものなどそうそういない。なぜなら、主人である私には魔物が住み着いているから。「・・・・・・・・あの、いいかげん解放してくれませんか。薔薇を盗んだ事は謝りますから」三角の耳をぴん、と立てて森の魔物である美しいその獣が檻の中からそう言った。その魔物は綺麗な黒猫だった。「あら、獲物だと思って襲ったどこかの貴族のぼんぼんに逆に茂みの中へ連れて行かれそうになったのを助けたのは誰かしら?」「う・・・」「スザクとかいったかしら?確か、あそこは魔物狩りしてるんだけど、そこの息子が魔物に惚れちゃ意味ないわよね。その上、あなた魔女やお姫様にもいろんな意味で狙われてるんですって?」「うう・・・」「貴方は素直に私の夫になりなさい、ルル―シュ」「―いいかげん、僕の妻を返してくれませんか?ミレイさん」扉が開いた途端、うわ・・とルルーシュが嫌そうな表情を浮かべた。「出た、誇大妄想狂が・・・」ミレイが無言で扇を広げると、どこに身を潜ませていたのかそこら中から黒服の男が銃をいっせいにスザクに向かって構えた。「あいかわらずの挨拶ですね」「当たり前でしょ、人の夫に手を出す人間は誰であろうと私の敵よ、私に逆らうものは骨一つ残さない主義なの」「障害があるほど僕は燃える性格なんです、何が何でも僕のルルーシュを返してもらいますよ」「素直に婚約者のユーフェミアといちゃついてろ!」
2008.01.30
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たくさんの死体が転がる戦場には黒の騎士団やブリタニア兵。王族の紋章が書かれた旗はいまや手ひどく血で染まっている。その中で翡翠の瞳の白いパイロットスーツの少年は瞳を暗くしたまま、まるで宝物かなくし物を探すように彷徨っていた。「違う、これも違う」「スザク君、いいかげんにしなさい!!ここには彼はいないのよ!」「離してください、俺が捜さないといけないんです。謝って、あいつにそうゼロに謝らないと、それに今ごろ一人で泣いてるだろうから」スザクはセシルの手をはねのけて、ふらふらと歩き出す。「ルル―シュ、今行くから・・・」そうして、また地面に転がった死体やその残骸を手当たり次第拾って何かを確認するとその辺に投げ落とす。その繰り返しだ。「今度こそ、ずっと一緒に俺とお前で・・・」繰り返し、そしてまた夜がやってくると、焼け落ちたアリエス宮の家族写真が飾られた廊下へと向かう。その中には、マリアンヌ親子の絵がある。―だが、その写真にはナナリーとマリアンヌ以外いない。ルル―シュ・ヴィ・ブリタニアは最初から存在しなかった。帝国を崩壊させ、黒の騎士団総司令官ゼロの虚像しかこの世には残ってはいない。「ルル―シュ、ルル―シュ・・・」残されたのは、哀れな少年だけ。彼の居場所は幻の中にしかないのだ。がさり、と音がする。「・・・・・スザク」寝入ったスザクの髪を誰かが優しくなでる。「あいつは自分で大切だったお前達から遠ざかる道を選んだ。そう身勝手で愚かな一人の人間だ、柩木スザク、死人に囚われるな。あいつはお前がどんな道を歩もうと生きる事を望んでいる、心から信じた友達として」
2008.01.29
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「スザク、タルト・タタンって食べた事あります?」「はい?」「キャラメル色に焼きあがって、りんごの一番おいしい所をぎゅっと敷き詰めたケーキなんです」食べたいんだろうか、と思ったんだろうかとも思ったが失礼にもなる気がして、目の前で笑う主君から少し視線をそらした。「そうですね、昔良く遊んでくれた友達が一度だけ作ってくれたりしました、とてもおいしかった」「それってルル―シュですか?」「はい。ユーフェミア様」珍しく、少年野球の助っ人として呼ばれて。汗まみれになって、なれないユニフォームでグローブをもって、スザクは息を切らしながら目の前まで迫った階段へ走っていった。「ルル―シュとナナリー、もう昼飯食べちゃったかな」くぅぅと小腹空いているなら家に帰ればお手伝いさんが作ってくれるんだろう。でも、家に帰る前にあの兄妹に会いに行くのが習慣になってる今では、それをしないと気分が落ち着かない。ナナリーは優しくていい子だし、守りたくなる。ルル―シュは意地っ張りだしプライドが高いし、すぐにけんかになる。けれど、今なら知っている。時々、心のそこからむかつかせるあの大人びた少年の方が自分は気に入っていて、最近はナナリーに焼きもちやくことも多くて、傍にいて欲しいと言う事を。「何だ、君また来ていたのか」「あ、ルル―シュ・・・その紙袋、買い物か?」「その格好、学校の友達と遊んでたのか、珍しいな」「そうか?俺、こう見えて友達が多いんだぜ」「そうか」「・・・いや、実はあんまりいないんだ。うちの学校の奴、根性ないから」「君が友達を作る努力をしないからだろう」そんな会話をしているうちに、ルル―シュとスザクは階段を上り終えて、蔵へと向かっていく。「お兄様、お皿は三枚でいいですか」「やった、りんごの皮全部むけたぞ、ルル―シュ」「それじゃあ、芯を取って、飛ぶまで煮詰めるか。後はレモン汁にシナモンパウダーかな」エプロン姿のルル―シュはそういいながら、オーブンの方に目を向けた。「なあ、本当においしいんだな、そのタルト・タタンって」「さあな、出来上がってみないと・・こら、りんごをつまみ食いするな」「いいだろ、別に」そんなこんなでルルーシュとナナリー、スザクの三人で三等分に分け合って、皆で笑顔で食べあった。「上手かったな、お前パティシエになれるぞ」「・・・それはどうも、どうでも言いがスザク、お前思う少し遠慮しろよ。一人で何回もお代わりしてナナリーが食べる分が少なくなっただろ」「私はスザクさんがおいしく食べられてくれるなら別に」「・・・へえ、そんな事が。いいなぁ、ナナリー」「でも、その後、もう一回作ってくれといったら怒られましたけどね。後の一言が余計だったのかも」ユーフェミアは不思議そうに首を傾けた。『じゃあ、俺がお前を嫁にして、ナナリーをお婿さんにすれば問題ないだろ』「といったら、思いっきり殴られました。あの時は本当に痛かったなぁ、蹴りも入れられたし」「・・・・・・・・・・・・そうですか」スザクって天然さんなのかしら?
2008.01.28
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―ユフィを殺して、正義の味方と日本人を偽るゼロを、もう元にも戻れないルル―シュは僕が、俺が正さなきゃいけない。それが俺がお前にしてやれる事。「ゆっくりと後ろを向け、いいか、ゆっくりとだ」ゼロは舌打ちをした。確かにちっ、という声で。そして、僕の言うとおりにゼロが振り向き、銃口を向けたまま僕と向き合う。「ユーフェミアは罪なき日本人を騙して、虐殺した。お前はそんな女を主君として崇めるのか」「便利な力だな、その左眼?いや右目か?相手の意志を踏みにじり、自分の都合のいいお人形に変えてしまう・・・ギアスだっけ?」「・・・柩木スザク、貴様」そこへカレンが駆けつけてきた。「スザク!!あんた、ゼロに何して・・・」「ちょうどいいところへきた、君もゼロの本当の姿見てみたくないか?」「・・・はあ?・・・あんた、何言って・・・やめっ!!」カレンが叫んだ時は遅くすでにスザクは仮面に向かって、銃弾をはなった後だった。パ・・リンッと一番上から響いて、ゆっくりと真っ二つに割れていき、やがてその中の漆黒の髪と美しいアメジストの瞳と赤い鳥のような紋章が刻まれた左眼が姿をあらわす。何と皮肉な、こういうときでさえ彼は綺麗だった。「そ・・・んな・・・、ゼロがルル―シュ!?」額から血を流し、まるでこうなるのがわかったようにいつもの笑顔でルルーシュはスザクとカレンに向き合う。「そうだ、俺がブリタニアに反逆し、・・・世界を手に入れる黒の騎士団のゼロだ」「私たちを騙してたの?・・・・私達、日本人を・・・」「結果的に日本はブリタニアから解放されるんだ、文句はないだろう」「そんな・・・」「・・・信じたくはなかったよ、こんな事なら早く君を逮捕すべきだった」信じたくない、今こうしてゼロとしての君を体面してることさえ。「気付いていたのか」「・・・違うと思いたかったから、でも君は嘘をついたね、僕やユフィ、そしてナナリーにも」「そのナナリーがさらわれた・・・スザク、これで最後の頼みだ。一時休戦して、ナナリーをいっしょに助けてくれないか!?俺たちが2人力を合わせれば・・・」こんな時でさえ、君はナナリー、ナナリーなのか。どうして、君はいつもいつも・・。「甘えるな!!」ルル―シュは避けたが、銃弾は扉越しにぶつかるような音が鳴り響いた。「君が手を合わせるべきはユフィだった!!どうして、ユフィを殺した!!君がユフィと手を組んでいれば・・・っ」「もう終わってしまった事・・・、全て終わった過去だ」!?耳を疑うとはまさにこのことだ。今、この男はなんていった?「過去!?過去だって!?」あんなにも君たちのために一生懸命だった彼女を、本当は誰よりも君を愛しつづけてきた彼女の純粋な思いを君はそんな簡単に!?行政特区日本だって君たちが幸せにいられるようにと考えたものなのに。「懺悔などいつでも出来る・・・、お前だってすでにその手を父親の血でそめているだろう」「君には無理だ!!」「撃ってみろ、俺の胸にはサクラダイトがある!!俺が死んだら発動して、爆発する仕組みだ!!」「それより教えろ、お前にギアスを教えたのは誰だ!?そいつとナナリーは・・・」スザクは銃を持つ手が震えるのがわかった。違う、こんなのはルルーシュじゃない。ルル―シュは綺麗で優しくて正しくて、間違った事なんて。「お前には関係ない、お前は世界から弾き飛ばされたんだ!!ナナリーは俺が!」「スザク!!」「ルル―シュっ!!!」パァァァン。一発の銃弾が鈍く鳴り響いた。ルル―シュの身体のバランスが崩れ、地面に倒れた。「・・・・くっ」スザクは息を切らして、ルル―シュを見つめたまま、正面からルル―シュに向かって歩いていく。「やめて、ルル―シュを殺すな!」カレンが素早い動きでルル―シュをかばうようにスザクの前に出た。「カレン・・・」「なぜ、君がルル―シュをかばうんだ?カレンはルルーシュが嫌いなんだろう、ブリタニア人が君達黒の騎士団を導いて、たくさんの人を殺して、早くどくんだ、その男は最低の男だ。生かしておいてはいけない」「・・・なら、あんたに生きる権利があるっていうの!?主君一人も守れなかった騎士のくせにっ」「カレン!!」「何よ、殴る気!?それとも、私を殺す気かしら?いいわ、いくらでも撃ちなさいよ。でも、私が死ぬ時はあんたも死ぬ時だ!ゼロはルルーシュは私が守る!」「・・・くっ、止めろ、カレン・・・。俺のことはいい・・・、早く戦場に、扇達の元へ戻れ、俺はナナリーを助けなければいけない」撃たれた右足を引きずりながら、ルル―シュは何とか立ち上がろうとする。その足からは血が夥しいほど流れている。「で、でも・・・」「大丈夫だ、俺は死なない。言っただろう、ブリタニアをこの手でぶっ壊すまでは死なないと」「―そこまでにしたらどうです、兄さん」突如、遺跡の扉が開き、アシュフォード学園の制服を着た少年が現れる。その優しい面差しはどこかナナリーに似ていた。
2008.01.28
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一つしか選べないなら、俺は迷いなくその手にナナリーを渡すつもりだった。それだけ信頼していた、俺はナナリーが安心して幸せに生きていけるなら喜んで死さえ受け入れようと七年前から決意をしていた。「君を守りたいんだ」金色の光を背中に浴びて、色素の薄い髪をきらきらさせて、翡翠の瞳の少年は言う。は?とそれを言われたルル―シュは首を傾けた。「君が誰よりも好きだ、誰よりも」身体を抱きしめられ、甘く耳元でささやかれる。ルル―シュにはスザクが何を言ってるのか理解できなかった。学園祭の準備を二人でしていて、用務室でリヴァルを待っていたとき、隙を突いてスザクが背中から腕を伸ばして抱きついてきた。「おい、ふざけるのもいいかげんに・・」「ルル―シュ・・・」耳元に息がかけられる。背筋がぞくりとなる。嫌な予感がルル―シュを襲う。「こら、スザク、いいかげんにしないといくら何でもおこ・・・・」そして、抱きしめられた。そして、愛の告白じみた言葉を向けられる。・・・・お前の主人はユーフェミアじゃなかったか?ととりあえずお互いの立場を置いておいて、半ば嫌悪感に似た想いを抱きながらルル―シュはスザクを引き離そうとする。「愛してるんだ、誰よりも。好きだ好きだ」だけど、スザクはルルーシュを離さなかった。あの頃の親友である柩木スザクはどこにいったんだろう。「・・・・理解できない、いいから離せ」「それでも僕は君が好きだよ」
2008.01.27
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抱きしめてくれる手は、もういない。甘えさせる相手はいない。あの綺麗な笑顔を見ることは訪れない。あの悔しそうな声も、うっと惜しいくらいの優しさも。誰をも優しくさせ、大好きだった笑顔も。築き上げた友情関係、と彼女の恋も。全て、自分勝手に奪った。あの男に言われなくてもわかっている。自分が穢れていて、許されることのない罪人で、この世に生まれてきた事が全ての間違いだと。住む場所も、きている服も、食べるものも、この無駄な命すら自分のものではない。俺はずっと嘘をついてきた。生きている、といううそを。名前も経歴も嘘。心でさえも偽ってきた。撃つ覚悟はある、当然撃たれる覚悟も。―俺は力を手に入れた。ブリタニアを崩壊させるための力を。黒の騎士団を。望んでもいない崇拝者、俺をメシアと呼ぶ日本人たちを。ナナリーだけでも安心して生きられる世界のために世界を壊す。世界を手に入れてみせる。この手がちでぬれても、どんなに窮地に立たされても彼女のために、あの男に復讐するために生きてきた。本当に仲間だと、心のそこから親友だとお前だけは信じていたのに。お前すらヒトではなくなるというのか。ブリタニアは俺たちから友達すら奪うのか。ああ、わかっている。憎しみで歪んだ顔にしたのは俺だ。お前をナナリーの騎士に勝手に望んだのは俺だ。「・・・ああ、好きだったよ、ユーフェミアは初恋だった。離れてからもずっと好きだった」ああ、何か悲痛そうに叫んでいる。「忘れたのか、俺たち兄妹がなぜ日本に送られてきたのか」そんなに泣き叫ぶな、ナナリーが怯えるじゃないか。ナナリー?どうして、お前がスザクを責めている?「俺はそうするしかなかった、引き返す道も立ち止まったり迷ったりする権利すらない。お前は忘れてるだろうが、俺たちは皇族に近づけば殺される」誰が母さんを殺したの?「今更、お前が俺の傍にいるだと?随分身勝手だな・・・こうなるとわかってて、俺を追いかけたんだろ」本当に?本当に、シュナイゼル兄様やクロヴィス兄上、コーネリアやユーフェミアがあんなに笑いかけてくれた自分たちの兄弟が母さんを殺したりするんですか?「黒の騎士団の夢は叶えるつもりだった・・・、ユフィの手も借りずに・・・、彼女は最悪の敵だった。彼女は無力だ、お飾りのお姫様でいなければならなかった。最後まで彼女は己の傲慢さに気付かなかった、スザク」ルル―シュは軍人らしい筋ばった手を掴んだ。「・・・ナナリーを守れ・・・、俺の最後の真実の言葉だ。そして・・・」涙が落ちてくる、どこまでも自分勝手で傲慢だな。俺を悪としてのゼロとしてさえ、逝かせてくれないのか。「・・・・ずっと死にたかった、怖かった、いつだって逃げ出したかった。スザク、シーツーを殺すな、彼女は悪くない。スザク、お前と会えたことが人生でとても最悪で・・・だったよ。お前が大嫌いだ」泣き声がやんだ。「ありがとう・・・、それからお前の人生を狂わせてすまなかった、僕は、ごめんね、・・・この馬鹿、ナナリー、カレン、スザク、生きろ」視界の隅にあの女のグリーン色の髪が見えた。「・・・・・来るのが遅いぞ・・・・、・・・・・かあさ・・・、怖いよ、たすけ・・・」
2008.01.26
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「誰なんだ、母さんを殺したのは!?」七年ぶりに見る弟は美しくなり、その手を他人の血で染めていた。黒の騎士団、ゼロとして私の前に現れた。生きてくれて嬉しいと言う気持ちと、なぜ自分の妹をよりにもよってお前が殺すんだと言う疑問と憎しみが混ざった気持ち。だが、ルル―シュは皇子のままだった。ナナリーの兄のままだった。父上に否定され、日本へ送られた哀れな私の弟、ルル―シュ・ヴィ・ブリタニア。「母さんが・・・警護を自分から遠ざけた?」あの日、私はアリエス宮の警護を担当していた。マリアンヌ様がなくなるあの日、どうしてマリアンヌ様は自分と子供たちだけを残して、警護のものを追い払ったんだろう。ルル―シュが大変驚いたような表情を浮かべている。どうしてですか、貴方は自分の息子がこんな道を選ぶ事を知ったんですか?理解できない、イレヴンの日本人の味方をするなんて気でもおかしくなったのか、仮にもブリタニアの皇子であるお前がユーフェミアを殺すのか。意識が遠のいていくの中で、ガヴァロンが慌てるように飛び去っていく。「お前はユーフェミアの騎士だろう、主の敵を取れ」「イエス・ユア・ハイネス・・・・!」
2008.01.25
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ふと目がさめて、夜明け前の艦内を歩いていると外でシンが朝日を眺めながら、携帯をいじっていた。ピンク色の携帯、そうか家族の遺品か。レイが言っていた妹の遺品。シンはカガリに3回程罵声を浴びさせた。「・・・・アスランさん?」それにパイロットの才能もあるし、強気な発言が多い。そのせいか、この赤い瞳と漆黒の髪の少年にはよい印象がない。「朝、早いんだな・・・もうちょっと、遅いのかと思った」先ほど思っていた事に気付かれないように笑顔を浮かべる。「何ですか、それは。人を先入観で見ないでください。・・・オーブの国民は朝が早いんです。特に技術系、MS関係の仕事を持つ家庭は」ヴィーノやヨウランも意外なほど、カガリとの一件があるまではシンの事情を詳しくは知らなかったらしい。ルナマリアやレイは少しだけ知っていたようだが。「そうか・・・」「プラントの朝はよくわかりません、朝なのか夜なのか」「・・・まあ、コロニーの外は宇宙だからな」はは、とアスランは苦笑いを浮かべた。「・・・アスランさん、ラクス様とは連絡とってるんですか?婚約者なんですよね」「いや、彼女とはもう婚約は・・・・」というか、偽者だし。ラクスにはキラがいるし。「そうなんですか?」シンは不思議そうに首を傾ける。最近、気付いたがシンは子供っぽい動作が多い。実力主義のザフトらしいといえばらしいか。「・・・じゃあ、やっぱりあのおん・・・、いやオーブ代表と恋人というのは本当なんですか」カガリの顔を浮かべたのか、シンは苦々しい表情となった。「・・・まあ、そうかな。君はやっぱりカガリが嫌いなんだね」「それは別に・・・・、ただ今のオーブの代表にカガリ様が座っているのが納得できないだけです」「なぜだ?君の家族を見殺しにしたからか?シン、お前だってわかってるだろう、カガリは優しくていい奴だ。オーブにすむ皆が幸せになれるようにって理想のために頑張ってる」シンは数分、言葉をつむぐのを止める。「でも、彼女はあの女は理想のために国民を守らず、責任放棄をしたアスハの娘だ!ウズミ様は自分の娘だけ安全な場所へ逃がして俺たち国民を見殺しにしたんだ!そんなの、そんなの許せるわけがないだろ・・・!!オーブを戦火に巻き込んだくせに、ただ国のトップというだけでそいつだけ幸せに浸ってるなんて俺は認めない・・・!・・・それに、平和になっても未だにMS作ってるくせに、議長にちょっかい出してきて・・」息を切らして、シンはそう叫ぶのに疲れたのか、アスランに背中を向けた。「失礼します」それだけ呟いて、静かに去っていった。その背中はまるで泣いているように見えた。ただ、怒りに震えているわけじゃないんだ。シンはそれ以上に哀しんでいるんだ。大好きだったから、信じていたからこそ憎しみが深い。期待してたからカガリを憎んでいく。オーブという国の未来を今でも心配している。「本当は好きだったんじゃないのか?オーブを・・だから、憎いんだろう?」「違いますよ、そんなの」
2008.01.24
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「スザク、今日のお昼いっしょにしません、これからの事も一緒に考えたいですし」もじもじながら、頬を赤らめて恥らう第3皇女ユーフェミアの姿は愛らしい。「え、でも、僕なんかでいいんですか?」童顔と称される顔が急に少年らしい表情へと戻る。きょとんと翡翠の瞳を大きく見開かせて。「貴方は私の騎士でしょう」「しかし、ユーフェミア様とお食事するような身分は持っていませんし」そこへロイドが電話を片手にやってきた。「すみません、皇女様~、スザク君、外から電話だよ、アシュフォード学園生徒会だって」「生徒会?あ、すみません、少し席をはずしますね」ぺこり、と頭を下げてスザクがロイドの方へ歩いていく。「学校か、いいなぁ」そして、スザクは電話を受け取り、ピッとボタンを押した。「すみません、今変わりました」『あ、スザクか?』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。「ええっ、嘘!?ル・・・、何で君が!?」『うるさい、耳元で大声をあげるな、おい、お前これから時間があるか?今すぐ、お前が必要なんだ。会長~、いいかげんにして・・・、はぁ!?リヴァルにまでシャーリーやニーナの荷物背負わせておいて、まだ買うんですか!?』「ルル―シュ?」『ああ、悪い、会長がうるさくて。何でも新しい企画とかで使う道具らしいんだが、頼むスザク、お前の(化け物レベル)力を貸してくれ。俺(とリヴァル)にはお前が必要だ、ぜひ今すぐ会いたい』都合の悪い言葉は聞こえていないのか、スザクは固まりながら、電話を握り締めつつ、「お前が必要だ」「今すぐ会いたい」の部分を何度も心の中で繰り返しながらやがて電話を切ると、きりっとした表情でロイドやユーフェミアに向けた。「スザク?」「スザク君、君・・・」突然、振り向かれ、それもやけに真剣な表情になったスザクに戸惑うユーフェミアとは別におや、まあと首を傾けるロイドは不思議そうにスザクを見る。気のせいか、背景に情熱の炎が立ち上がってるような・・・・そう、それはもうメラメラと。頬も赤いし、それに何だかとても幸せそうな笑顔だ。「すみません、今すぐ行かなければならない大切な人からのとても重要な案件が入ったので柩木スザク、たった今より早退させていただきます」そういうや否や、スザクは走り出して、あっという間にいなくなった。「ランスロットの起動実験はどうするの、こら、スザク君~」「すみません、僕は愛に忠実に生きなければならないんです!!それでは!」「愛って、ちょっと、スザク君!?何言ってるの?スザク君!!」「スザク君、どこに行くの~!?まだ、実験が!!?」「・・・・・・・本能に忠実すぎますわ、スザク」数十分後。「ルル―シュ、僕も君が好きだ!」「そうか、じゃあこっちの思い荷物を持ってくれ、ついでにこれもあれもだ!」「君の為なら!」「ああ、じゃあ、スザク俺の分も半分・・・」「ごめんね、リヴァル」「ひどっ」
2008.01.23
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『鏡よ、鏡、この世で一番美しいのはだぁれ?』ブイツーという名前の鏡に向かって日夜質問をするクロヴォス女王に、さめた視線で見る娘のルルーシュがいました。「いい年して、妄想にふけいるとは・・・、ったく、あの女王と実の親子とは神を呪うよ」そして、いつものように泉にいる妖精の元をたずねた。盲目のかわいらしいアッシュブロンドの髪をした妖精の元へ。『あはは、決まってるじゃないか、しおれた貴方より王女ルル―シュの方が美しいに決まってる~』「何だって~」「まあまあ、またですか、わが妃のクロヴィス。また、ルル―シュに何かする気ですか?」セシル王が王宮つきの科学者ロイドの首元を掴んで入ってきた。「私達の娘なんですよ、いいかげん娘に嫉妬するのはお止めなさいな」「ひぃ、セシル、君隣国へ遠征に行ってたんじゃ・・・」セシルがクロヴィスの額を軽く小突く。「し・か・も、ルル―シュにまた暗殺者を仕掛けましたね、さぁ、私達のお部屋でゆっくり教育してあげましょう」「ロイド、私を助けろ!!これは命令だ!」「ごめんね~、僕、これから婚約者とデートだから」とさらりと答えやがった。「裏切り者、それでも私の臣下か!」「やぁ、ルル―シュ姫、今日くじ引きで選ばれた暗殺者の柩木スザクだよ~」「・・・・スザク、何だその棒読みな台詞は」また、笑顔がえせくさい。「悪いが、俺はナナリーとデート中なんだ。人の恋路を邪魔するな」「そうですよ、スザクさん、恋人同士の密会に他人の貴方が出てこないでください」ルル―シュとナナリーは花畑でお互いに上げるブーケを作っている最中だった。「でも、異母兄妹だし」どっちが兄かは突っ込まない。「きんしんそうかんはまずいと思うよ、ルル―シュ」「俺が法を変えればいいだけだ、まあ法を変えてもお前のものにはならないけどな。シュナイゼルの飼い犬が、今度はうちの国に取り入る気か?」「違うよ、僕は貴方の母上に肝臓を取って来いと言われただけで・・」「・・・・・・あの更年期が。まだ若い頃の幻想に囚われてるのか」「ルル―シュ姫、君一応お姫様なんだから、その言い方は」「ならば、先手を打つ」ルル―シュが胸元から携帯を取り出す。「ちょっ、一応メルヘンの世界なんだから携帯はっ」プルル・・・『は~い、あら、ルル―シュ?久しぶりね』「すいません、ミレイさん。しばらく、貴方の邸内にある木こり部屋であの7人と住まわせてもらえませんか」『あら、じゃあ、シーツー王子様にも連絡する?それともカレン王子様かしら?』「はい、しばらくそこで身を隠す事にします」そこでルル―シュ姫は電話を切った。「というわけだ、ナナリー、しばらくこれないが、何かあったらこの笛で藤堂達に守ってもらえよ」「はい、お兄様・・」「おっ、姫じゃん、何だよ、またかあちゃんと喧嘩か?」と青い小人、リヴァル。「・・・まったく、あんな女、適当に罪でも作って囲ってしまえばいいんだ」と、紫の小人、ヴィレッタ。「ルル、私が守るからっ」と黄色の小人、シャーリー。「・・・・・・・・・呪うとか」と緑の小人、ニーナ。「シーツーはどこだよ~」と銀色の小人、マオ。「ルル―シュ、よく来てくれましたね、さあ歓迎の宴を」と桃色の小人、ユーフェミア。「まあ、ずるいですわっ、ユフィったら」と真紅の小人、神楽耶。その後、クロヴィス女王が変装して紐で殺害しようとしたり、毒りんごで殺害しようとしたりしたが、ことごとく失敗した。「さすがは私の未来の妻だ」「・・・ふん、あんたがゼロじゃなかったら」ルル―シュの足元には踏みつけにされたクロヴィス女王の姿があった。
2008.01.22
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(兄柩木朱雀、弟柩木スザクという双子)久しぶりに生徒会室にいったら、双子の兄・朱雀がコーヒーを飲みながら本を読んでいた。その横では、ルル―シュが机に顔を伏して眠っている。「あれ、他の皆は?」リヴァルにでも進められたのか、バイク関係の雑誌を読んでいる。隣で寝ているルル―シュは相変わらず美人だ。「会長は馬術部の部長と話し合い、ニーナやシャーリーは文化部の見回り、カレンやリヴァルはまだきていないな」「そうなんだ、ところでなんでルル―シュここで寝てるの?確か、昨日早めに寝て出かける予定があるとか」コーヒーの香ばしいにおいが部屋全体に広がってる。「ああ、昨日俺と一晩中起きてたからな、こいつ。体力ない上に徹夜なんて最近してなかったみたいだし」おっ、また、ゼロがでたと別の雑誌を引っ張り出して新しいページを開いた。「・・・・一晩中?」「鈍いな、要するに俺がルル―シュを触ったりなでたり弄りまわしたしたんだよ」一瞬、2人の間に流れる沈黙。「・・・・ええっ」「大声あげるなよ。ルル―シュがおきるだろ」「だって、だって、ルル―シュ男だよ・・・・、それも親友の」信じられない、わが兄ながらデレカシーがないとは思っていたがまさかここまでとは。「何で、そんなに驚くんだよ?スザク、お前変だぞ」不思議そうに首を傾けられても。「・・・何で、そんな事に」「可愛かったから、ルル―シュが美人だったからに決まってるだろ。ったく、お前がいつまでもぐずぐずしてるのが悪いんだろ。あ、言っておくけど合意の上だからな」そういえば、思い出した。この兄は一直線というか、気に入ったものは男も女も関係なく自分のものにしたがる悪い癖があることに。「・・・まあ、まさかルル―シュがOK出すとは思わなかったけどな」おい、そろそろ起きろよと兄の朱雀がルル―シュの身体をさすった。「うぅ~ん、・・・・しつこいぞ、何回目だと思ってるんだ」
2008.01.21
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「悪いけど、俺は誰とも付き合う気はないんだ。すまない」「・・・う、うん、ごめんね、変な事を言って」屋上に呼び出されたルル―シュは泣き顔の女子生徒の後姿を見ながら、しばらくして、いつもの無愛想な表情のまま歩き出した。「ま~た、ふったの?懲りないわね、ルル―シュも」「ルル―シュは女の子に冷たすぎだよ」ミレイとシャーリーが口々に言うので、スザクは戸惑うしかできなかった。「あんまり選り好みしてると売れ残っちゃうぜ、ルル―シュ」楽しそうに笑いながら、リヴァルがルル―シュの肩にその手を回した。「単に恋愛に興味がないだけだ」「え?そうなの?」シャーリーが少し心配そうにルル―シュの顔を見上げる。「でもさ、ためしに付き合ってみようとか思わなかった?ほら、何事も形から入るって重要だろ」「スザク、悪いが俺はこう見えて恋愛にはまじめなんだ。今は興味はないが、そういう相手が出来たら俺はその女の子だけ見るんだろうな」「あ、もしかして、ルル―シュって二股とか許せないタイプ?」「当たり前だ、二股なんてこの世でもっとも最低でとても重い罪だ」「ルル―シュ君って乙女なのね」「どういう意味だ、カレン」「別にそのままの意味だけど」花がぱっと咲いたように可憐な笑顔をカレンは浮かべた。ニコニコと一見穏やかな笑顔同士でもその影に流れるのは険悪なムードだ。「さっきの話だけどさ、やっぱり君が特別な相手を作らないのってナナリーが関係あるのかな」オレンジ色の柔らかな光に照らされた校舎の中をルル―シュとスザクは歩いていた。「何だ、まだ気にしてたのか?」「ほら、君ってすごいモテるじゃないか」心配してくれたのか、とルルーシュは頬を緩めた。「それを言うなら、お前だって女にモテるだろ。先週は下級生と上級生に告白されたんだって」その台詞になぜか背後にいるはずのスザクがなぜか慌てていた。「違うよ、ただ、日曜日二人でどこか行きませんかって言われただけで、別に好きとか嫌いとか言われていないしっ」「?何を慌てている」スザクがルル―シュの細い腕を掴んだ。「僕、今は女の子と付き合うつもりないから」スザクの翡翠の瞳がまっすぐルル―シュのアメジストの瞳を捉えている。「ルル―シュ、僕は君が君たちがいれば・・・」スザク、お前は変わってないんだな、そうか本質はあの頃のままか。不器用に一生懸命にいつも優しく、友達として支えてくれているんだ。「実は良くわからないんだ、スザク」「え?」突然、別の話題に切り替えられたのかとスザクは首を傾ける。「何で、皆そこまで好きになれるんだろうな。ここにいる俺は偽者なのに経歴も身分も」「・・・・ルル―シュ、君は」ルル―シュのアメジストの瞳がまるでガラスだまのように鈍く光った。そこには底なしの闇が見え隠れしていた。「行こう、ナナリーがお前を来るのを待ってる」「う、うん」
2008.01.20
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「スザク、来ていたのか」「あ、うん、咲世子さんに通してもらって・・珍しいね、私服なんて」「買い物に出かけてたんだ、お前こそ何か用か?」そこへ、ナナリーが車椅子を引いていつもの笑顔でやってきた。「お兄様」「ナナリー、ただいま。今、帰ったよ」ナナリーが現れた瞬間、どこか鋭かった雰囲気が変わる。柔らかくてどこまでも優しい雰囲気へと。「こんなに寒くして、風邪引かなかったかい」「大丈夫です、それにスザクさんとお喋りしてましたから」「そうか、スザク、ありがとう」「ううん、これくらいどうってことないよ」いつもいつもその手は彼女一人だけのものだ。そう思い知らされたのは、7年前のあの日々からだ。「このブリキ野郎!!」「柩木の跡継ぎを誘惑してどこまで卑劣なんだ」「綺麗な顔であいつらに恵んでもらってるんだろ、皇子様のくせに、いやらしい奴!!」日を追うごとに浴びされる罵声、憎しみが込められた瞳、可哀想だとあざ笑う大人たち。ルル―シュの白い肌はいつもすり傷や泥まみれである事が多かった。それでも、一歩ルル―シュは荷物を持って前を見据えて歩いていく。「何だよ、あいつら・・今度会ったらぶっ殺してやる」「止めてくれ、それに僕たちが君たちに囲われているのは事実だろう」「でも、お前達は正式なブリタニアの皇族で俺たちの居候で留学生なんだろ。町の奴らだってさ、ちゃんと説明すれば・・・」「ナナリーが傷つく」「!・・だからって、お前が殴られつづける必要ないだろ」「僕はいい、ナナリーが少しでも笑って安心してくれるならいくらでも日本人たちに殴られても構わない」スザクはカッ、と頬を赤くした。怒りでだ。「何で、ナナリーなんだよ!!妹思いなのもいいけど、少しは自分の事も大切にしろよ!」「・・・スザク」「俺、俺、お前がそんなだから・・・ルル―シュが」スザクの翡翠の瞳からボロボロと涙がこぼれる。「うわぁぁぁああああん!!」恥ずかしくて、情けなくて。熱くて、とても悔しくて。柩木家の跡取りが何だというんだろう?無性に泣きたかった。無力で、頼ってももらえないなんて。友達なのに、大好きなのに。ルル―シュに慰められながら、僕はずっとその場で泣きつづけた。僕は強くて優しいルル―シュに憧れた、綺麗で妹思いで意地っ張りな彼が教えてくれたんだ、この世には綺麗なうそもあると。彼の存在こそ、僕にとっての法。この世の全て、僕の僕だけの神様。「そのナナリーがさらわれた・・、一次休戦と行かないか、スザク。俺とお前、出来ない事なんて」こんな時でさえ、君はナナリーナナリー・・・っ!僕が俺が目の前でお前と対峙しているのに!俺の存在はそんなに軽いのかよ!こんなにこんなに愛してるのに、僕の方が俺の方が好きなのに。どうして、いつも。「甘えるな!!」どうして、いつも俺じゃなくてナナリーを選ぶの!?
2008.01.19
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―あれ?ルルーシュは眼帯の左目の眼帯の感触を感じながら、そのぬくもりで目を覚ました。頭に柔らかい感触がある。「気がつきました、ゼロ・・ルルーシュ君」目の前には満面の笑みのカレンがいとおしそうにルル―シュを見下ろしていた。下から見上げるアングルもなかなか・・という男子らしい頭の構造はルルーシュには存在しない。「カレン?」なぜ、彼女がここに・・・それに学園での自分と彼女はどちらかというと険悪だ。しかし、目の前の少女は相変わらず笑顔を浮かべて、髪をなでている。「ずっと、眠ってたんですよ。昨日の会議は朝方まででしたもんね」そうか、正体がばれたんだっけ。そこで浮かんだ疑問が一つ。「・・・・・・・・・・カレン、何でオレがお前に膝枕されてるんだ?」背中には生徒会のソファー。確かに今日は猛烈に眠かった。授業が終わるまではがんばったが、それから先は無理だった。でも、生徒会室は今日使わないはずで、お前も黒の騎士団の方にいるはずなんだが。というか。「学校では、俺たちはただのクラスメイトで通すという約束じゃなかったか・・?」「そうでしたっけ」てへ、と舌を出して子供のように笑う。「でも、私決めたんです。これからどんどん忙しくなりますし、あの女・・・シーツーだけじゃ貴方も大変でしょう。だから、戦場でも私生活でも私が貴方をサポートします」「カレン・・・お前」見つめあうカレンとルルーシュ・・・、何だかとてもいい雰囲気だ。このままだと次の段階に進みそうな。気のせいか、ルル―シュの頬が微かに赤い。「何て出来た部下なんだ」かく、と肩の力を抜かれていくような台詞。天然と称される彼の幼馴染よりむしろ自覚がないルル―シュの方が天然ではないのか。カレンは苦笑いを浮かべながらそうですね、と答えた。「それでは、次の作戦まで私が貴方の枕代わりになります。体を休めてください」「わか・・・」バターンと扉が開かれる。「あっ、こら、スザク出るなよ」「・・・だって、ルル―シュがっ」「あーっ、もう出るなっていったでしょ」「・・・ルル―シュ」「あ、私何も聞いてないから」ドサドサと扉が開いた瞬間、生徒会メンバーが一様に床に崩れ落ちていく。全員で扉越しに盗み聞きしてたらしい。「ルル―シュ、忘れないで!!君の、君の一番の友達はこの柩木スザクと言う事を!!」選挙の台詞みたいだな。「スザク、こら、せっかくの2人の密会を邪魔しないの。美男美女のカップルがいちゃつくとこなんてなかなかないシャッターチャンスなのよ」「暴れるなよ、ほら、友達なんだからルル―シュの新しい門出を祝ってやろうぜ」「柩木スザクをお願いします!!」カレンとルルーシュはお互いの顔を見合った。「場所を変えるか」「そうね」
2008.01.18
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「僕と結婚してくれませんか?」戦闘の最中に愛の告白をする我が妹・ユーフェミアもユーフェミアだが、その皇女の告白をけって、オープンチャンネルでふざけたことを言うこいつもどうかと思う。「・・・・すまない、柩木。よく聞こえなかったんだが」「だから、僕の妻になってください、君が希望するなら僕が奥さんになるから。結婚して、ゼロ」セシルが「落ち着いて、スザク君」とこちらもオープンチャンネルで慌てて声をかけているが、相手は俺ルールを地でいく男。「ス、スザク・・・」大々的な愛の告白をした第3皇女は信じられないといった表情をした後、キッと前を見据えた。「ゼロ、私と戦いなさい!私の騎士、柩木スザクをかけて!!」「皇女殿下、何を言ってるんですか」「そ、そうだ、す・・柩木准佐は乱心しただけだ。本心からじゃ」何だ、シーツー、その含み笑いは。「ゼロ・・、いやルルーシュ!!本気だから、僕ずっと君と結婚したいと思ってきたんだ」「スザク、貴様!!」さすがは想定外の男。いや、今はそんな場合じゃない。しかし、こんなにあっさりばらしやがって。何考えてるんだ。ルル―シュ?と戦艦に乗っているセシルや中華連邦も動揺を隠せない。「―悪いが、柩木スザク君。それは私が許さないよ」そこへまた余計な人間が入ってきた。「・・・シュナイゼル!」「ゼロ。いや、ルル―シュ・・私の可愛いルル―シュ・ヴィ・ブリタニアだね?」その名前に一気に違う緊張が艦内に流れる。「何の事でしょうか、すみませんが他の人間と勘違いをなされてるのでは?」「いいや、間違いないよ、想像どおりの低い声、漆黒の髪と皇族独特のアメジストの瞳、良くぞ私のために美しくなって・・・」「妄想はやめてください」
2008.01.17
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「ふっふ~ん、彼女いるんだ」「そうなのか!!」「違いますよ、そんな・・・」くそ、彼女だと、そうなるとナナリーをスザクが守り、二人が幸せになると言う俺の計画が総崩れではないか。7年前から、ナナリーにはスザクをと決めていたのに。そうなのか、7年という月日では仕方がないのか、そうか、そういうものか。しかし、そうなるとゼロとして俺が黒の騎士団を率いていき、エリア11もなくなるとなるとアシュフォード学園も存在する事がおかしくなる。さすがは、いつも人の斜め上の予想外を行う男だ。それに彼女がいては、久しぶりに再会した友達同士の喜びも分かち合えなくなるだろう。まさか彼女もちだったとは、今夜はスザクとナナリーで夕食をとって、2人を親睦させようと思っていたのに。この俺が立てた計画にまさかこんなアクシデントが起きるとは、最初からか、最初から計画を練り直さなければならないのか。ナナリーとスザクは赤い屋根の家に住んで、花がたくさん咲いた庭があって、白い犬がいて、部屋の中は花であしらえたものがあって、2人は笑い会って。俺はそんな2人を陰ながら見守って、あの男の喉下を・・・・・・・・・・・・。「ナナリー!!」「ルル―シュは相変わらず可愛いな、今すぐ襲いたいくらいだ」「止めなさい」もちろん、そんな会話はルルーシュの耳には入っていなかった。「大丈夫です、お兄様」「ナナリー・・」「スザクさんなんかいなくても私はお兄様がいれば大丈夫です」「ナナリーぃぃ!!」「酷いな、スザク君って2人の幼馴染なんでしょう」もちろん、シャーリーの声も聞こえていない。
2008.01.16
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「また怪我をしたのか、ねえゼロ、僕が父上に進言しても」「駄目だ、そんな事をしたらマリアンヌやナナリーが危険な目に遭うぞ。ルル―シュならわかるだろ」「・・それはそうだが」残酷で美しい笑顔。自分と瓜二つで、同じような声で、でも明らかに違うのはその瞳だ。包帯を固めに巻きつけている目の前の少年。赤く染まった瞳。これは支配者の、獲物を捕らえた獅子の瞳だ。ゼロ・ヴィ・ブリタニア。―ルルーシュのふたごの兄。「君がゼロ?」兄と自分が生れ落ちた時、兄は名前を奪われ、「この赤子はいずれこのブリタニアに破壊と絶望をもたらすでしょう、殺すか牢に閉じ込めてしまいなさい」とギアスの力を持つ巫女が言った。そして、僕は兄が本来受ける全ての権利を貰った。オレはゼロの身代わりであり、ゼロは僕の身代わりだ。もしかしたら、ゼロのギアスの力がなくなった場合の保険。「・・・ルル―シュ」まるで鏡のようにお互いの顔を見合った後、ルル―シュはゼロの腕の中に転がり込んだ。「おい!?」初めて、見る双子の兄の出会いといっしょに訪れたのは、テロリストによるマリアンヌ皇妃の暗殺と言う惨劇だった。視界の隅には、栗色の髪の少年が肩を震えさせて、隅でうずくまっている。兄、ゼロは茨とバラに囲まれた宮廷奥の塔に閉じ込められた。「違います、兄様。オレは自分の意思でここに着たんです。・・約束どおり、詩集と東洋の本を持ってきました」柵の狭間から伸びてくる白い手がルル―シュの頬に触れている。凍えすぎている、これではまるで死人の手だ。「ハイネか、僕は悲観的すぎてあまり好きじゃないんだけど」良く澄み切った声と白い手。闇の中で時々見える赤い眼や気配。鉄製の鍵がかけられた扉越しでしか、兄とは話すことができない。それがルル―シュの知る兄、ゼロの全てだった。「そう?なら、今度は他のものを持ってくるけど」「じゃあさ、ルル。今度、お前の新しい犬ここに連れてこいよ。どの程度しつけてあるかみたい」ゼロの性格は極端なようで、わかりやすい。気まぐれで怒りっぽく、どこか的を得た意見を持っていて。ずっと閉じ込められてるといっても、引きこもりとうわけではない。機嫌がいいときはこうやって、頭を撫でて「ルル」と愛称で読んでくれる。「どうしようかな、オレはあまりここに他人を入れたくない。だって、兄様がまた苛められたら困るもの」「・・・ルル、僕は大丈夫だよ、僕は君がいるから生きられるんだ」「うん・・・」ゼロがそっとルル―シュの白い頬に触れて、なでた。「あれ?ルルーシュ、どうしたんだよ、鼻と右手にバンソウコなんかつけて」どこからか帰ってきたルルーシュにスザクが声をかける。「・・・ああ、少しバラを積みにね・・・」「バラ?この宮殿にバラなんか咲いてたっけ」スザクは首を傾けると、馬鹿にしたような笑顔がそこにあった。「・・・何だよ」「今日の僕は機嫌がいいんだ。お前に付き合ってやってもいいぞ」「お前さ、毎日どこに出かけてるんだよ、俺また女官に文句言われただぞ、お目付け役ならちゃんとルルーシュ様を見とけって」「まあ、お兄様が?綺麗な薔薇ですね、ピンク色の薔薇なんて・・いつも、どこで見つけてくるんです?」「ずるい、ナナリーばっか~、ねえルル―シュ、私にも薔薇をちょうだい」「無理だよ、今日はそれだけしか摘めなかったんだ」むう、と第3皇女ユーフェミアが頬を膨らませる。「今度は多くユフィのために花を用意するよ、何色の花がいい?」「・・・・赤か、紫です」「え~っ、薔薇に紫なんてあるのか・・いや、あるんですか?」「普通の言葉でいいですよ、貴方は私達の大切な客人なんですから。えらいんですね、私と同じくらいなのに一人で留学してくるなんて」スザクは恥ずかしいのか頬を赤らめて、ルル―シュの方へ視線を向けた。「何?」「・・何でもない」
2008.01.15
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生徒会での問題児というと、生徒会長のミレイ・アシュフォードや意外な意見で実験中に爆発を起こすニーナ・アインシュタインを思い浮かべるが、たいていの意見は転入生の柩木スザクだ。「あ、僕が持ってあげるよ、重いだろう」「・・ありがとう、柩木君」女の子にも優しく、子供や老人にも優しい。成績は微妙だが職業が軍人だけ会っていろいろ鍛えられているし。脱ぐと、結構筋肉がついている。イレヴンの偏見も少なくなって、急激に生徒たちの間で好感度が上がっている。ただ一つの問題点さえなければ、もっと挙がるだろうと言う事は誰しも知ってる事実だ。「会長、お願いです、スザク君の過剰なルルーシュ君のスキンシップを止めさせてください」ルル―シュ・ランペルージ副会長ファンクラブの代表が勇気を振り絞って、ミレイに思いをぶつけた。「そうですよ、あいつ、この前、ホームルームの時間にいきなりランペルージの胸を手でタッチしたんですよ」「俺達も大変なんです、そりゃあ、いちゃもんをつけたのは悪いですが、セクハラしただとかあらぬ誤解を向けられてぼこられたんですよ、一方的に!!」「・・・心臓に悪いんです、昨日なんか男子更衣室へ行ったら、あいつ・・よりによって背後からルル―シュの胸を両手で掴んだり、・・・その尻をなで回してたんです。警察を呼んだのでルル―シュは無事だったんですが」おぉ~い、と次々に頭を抱えたくなる用件ばかりが一般の生徒からの意見がかかれたプリントにかかれている。「・・・弁護士に相談した方がよくないですか」と、リヴァル。「いや、警察に逮捕された方が」とカレン。「それより、軍に通報した方がいいと思うな」とニーナ。「・・・・・スザク君、応援するといったのに」とシャーリー。「と・に・か・く、今後スザク君をどう改善していくか相談しましょう」ミレイが机を叩いて、そう宣言した。「・・・・会長、ルルの方はどうなんです?」「本人も本人なりに抵抗してるのよ、でも、あの通り、ルル―シュは頭脳派だから」ようするに体力がないといってるらしい。
2008.01.14
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話があるの、といたく真剣な眼差しで廊下につれてこられたルル―シュは2人っきりになった途端、頬を赤らめてもじもじしはじめたシャーリーに首を傾けた。「ミルフィーユのおいしい店があるんだって、特別割引拳あるんだけど、ルル、どうかな?」ためらいがちにこちらを見られる。何か言いたそうに、一体なんだと言うんだろう。「そうだな、じゃあ生徒会の皆で・・・」「あっ、そうじゃなくてね、ルルと私で行きたいの?駄目かな、相談したい事があって」頬を赤くしているし、さっきから挙動不審だ。手をあわあわしてるし。よほど、周りに聞かせられないほどの深刻な悩みなんだろうか。普段の彼女の行動を見てるとそんな風に感じられないが。しかし、人は外見だけでは真意はわからない。彼女には彼女なりの深刻な悩みがあるのかもしれない。だから、あえてそんな店を選んだとか、ふむ。「わかったよ、シャーリー。何時だ?」「えっ!?いいの?本当に!?」ぱぁぁ、とシャーリーの顔が一気に明るくなる。「ああ、俺でよければ相談に乗ろう」「ありがとう、ありがとう!!うわぁ、私今日死んでもいいかもしれない!!」手一杯に喜ぶ彼女にルル―シュは、少し拍子抜けした表情を浮かべた。「本当に可愛いわよね、あんなに喜んじゃって」「そうですね」カレンもそれには同意をした。自分もゼロを前にした時はあんなカンジなんだろうかと遠くの空を眺めながら、ぼんやりと仮面を思い浮かべた。「はっくしゅんっ」「どうしたの、ルル、風邪?」「・・・いや、誰かが噂してるのかな」
2008.01.13
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「邪魔をさせない!!俺はゼロを!ゼロを倒さなければならないんだ!!」信じたかった、信じてほしかった、信じたくないのに。黒き衣に身をまとうゼロ、黒の騎士団を率いて世の中を混乱させ、心地のいい言葉で日本人たちを惑わし、戦場へと突き出す。そして、あの平和の中で生きていくはずだった優しいユフィによりによって、日本人虐殺と言う汚名を着せて、殺したのだ。理由は簡単だ、ゼロが憎むブリタニアの皇女だからだ。そんな、そんな事のために慈愛の皇女はあっという間に世界から魔女へと、卑怯者の嘘つきの犯罪者へと落とされたのだ。―君だって、ユフィが好きだろう?―嫌いではなかった。「皆馬鹿だ!!君も日本人も!あんな男に騙されて!!」「その言い方がむかつくね!」彼女なら忘れさせてくれると思った。いつだって、自分を一番に見ないで、妹ばかりを愛する幼馴染への思慕を。賭けチェスはやってないんだろ、何で授業に出ないのさ。―ナナリーが熱を出したんだよ。明後日の日曜日、ルル―シュも予定入ってないんだよね、良かったら僕と一緒にでかけないか。―そうだな久しぶりに三人で遊ぶか、咲世子さんに出かけると言っておかないと。彼からもほしかった、愛が。彼に断罪してほしかった、お前が悪いんだと。彼に必要とされる存在となりたかった。なのに、彼はこんな形で裏切った。こんな残酷な形で。―やっぱりなのか、君はそうやっていつだって俺より他人を選ぶ。わなにはめられた!一対一で戦うと言ったくせに!!ふざけるな!「ゼロ!お前は最後まで人を騙して、裏切って!!」身動きできなくなったランスロットの中でスザクは叫んだ。執着?甘さ?これのどこが?君は俺なんか見てないくせに。今だって簡単に切り捨てるくせに。―物語は必要だからな、日本にもブリタニアにも。何度も仲間になる機会をことごとく裏切ったのはお前だ。どうしてどうしてどうして。スザクの視界からどんどんガウェインが遠ざかっていく。どうして・・・・、「何でお前はおれを見ないんだ・・・」僕は、俺は、こんなに君を・・・・必要としているのに。愛してさえくれない、いつだって。憎んでもくれない。君にとって、俺はその辺の小石と同じと言うのか。そんなの許せるわけがない、だって君を正せるのは俺だけなんだから。だって、彼は俺のものだ。間違ったなら、俺がルル―シュを正す。それだけが俺の唯一―・・・・。
2008.01.12
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「言っただろう、私だけはお前のそばにいると」こんなときでさえ、声をあげて泣かない可哀想な皇子様。ある男はお前を神聖視して、お前を親友といいながら、その実都合のいい人形でしかなかった。その男に愛されたお姫様はお前の幸せを願いながら、最後まで自分自身がお前の幸せを壊してることに気づかなかった。純粋で傲慢、ほしいものをすべて手に入れ、いじめる敵もいない、愛されてきた無知な皇女は魔女に落ちた。そして、こいつに殺された。ある女は恋を奪われた。己が殺人を犯したことに耐え切れなかったのだ。愚かな兄を愛しながらも、殺すことでしか歩けない哀れな少年。ゼロという仮面に誰もが救いを求める。自ら日本人としてこいつに恋する女は、盲目的にこいつに尽くす。死にかけた老婆は、日本人はこいつを救世主だと呼んだ。これは誓約でも慰めかはわからない。私が理解者というのは違うだろう。理解者というのなら、ナナリーが思い浮かぶ。実の妹が絶対的味方、近いからこそ裏切らないという信頼。閉じこもった小さなぬくもりの世界。本当は逃げ出したいくせに、誰よりも纏わりたいのはこの少年の方なのに。泣きたいのはこの少年の方なのに、それでもルル―シュは知ってしまってる。泣いたって嘆いたって世界は変わらない。行動しなければ何もえられないと言う事を―・・・誰か、なんて子供のような事は言わない。魔女である私はそんな資格など持ち合わせてないんだから。誰よりも弱い、誰よりも強い王様。それがルル―シュという少年なのだから。
2008.01.11
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昨晩、ルル―シュはスザクとベッドを共にした。偶然?無理やり?成り行き?よった勢い?とにかく、それは事実となって徐々にルル―シュを悩ませていた。とにかく、落ち着け自分。アレは偶然でたまたまそうなっただけで、そう意味なんかないはずだ、なぜ俺が罪悪感、いや違う、こんな敗北感を感じなければいけないんだ。圧倒的に経験の差だった、あんな童顔で好青年風の笑顔で何考えてるかわからない奴になぜ俺が負けた気分を味わされているんだ。そう、スザクは上手かった、とにかく上手かった。リヴァルの言うとおり、経験をつんできたらしい、いろんな女性と、あの年で。昨晩の自分が恨めしい。何、気持ちよくなって喜ばされているんだよ、ルル―シュ・ランペルージ。スザクのせいで男としてのプライドがずたずただ。体力がないから、当然僕が抱く方だろ、とふざけた事言いやがって。だが、ここでこちらが意識したりしたでに出たらきっと相手はつけあがる。「シーツー、決闘を申し込もうと思うんだがどう思う」凄くまじめな表情でルルーシュはシーツーに言い放った。シーツーはどこか温かく見守るような、馬鹿にしてるような哀れんでいるような視線がルル―シュに向けられた。「とにかく落ち着け、ルル―シュ、お前は混乱してるんだ」「この俺のどこが?」「・・・ルル―シュ、時には素直に負けを認めるのも男と言うものだぞ」「何を言う、俺はまだ負けていない、作戦を立て俺が優位となれば、俺が勝者だ」「お前な、・・・その前に恋のときめきか嫌悪感が先にくるだろ、私にはお前の思考がわからん」「なぜ俺がスザクにときめなければいけないんだ?」なぜか、沈黙するシーツー。「ルル―シュ、私はお前の味方だからな、見事父親に勝てよ」「当然だ」「それと、あの男はどうでもいいと思ったがさすがに可哀想になってきたな」「何の話だ?」
2008.01.10
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「久しぶりね、ルル―シュと2人っきりでお昼を食べるなんて」「そうだな・・・・」どこまでも透き通った青空の下、2人の兄妹がお互いの弁当を広げていた。「ところでユフィ」「何、ルル―シュ?」ルル―シュに名前を言われて嬉しそうに頬を赤くさせるユフィにルル―シュは首を傾けた。「どういうつもりでここに来た?制服まで用意して」「あら、いけない?似合ってるでしょ」「そりゃ、似合ってるが・・・コーネリアには言ってきたのか?」そう、ここにいるのはあくまで学生のルルーシュ・ランペルージ。その相手をするのは、ブリタニア帝国第3皇女ユーフェミア・リ・ブリタニア。「お姉さまには内緒よ、私ねこうやってずっとルル―シュとお話したかったの」「お忍びか、よくスザクが止めなかったな、主君を諌めるのも騎士の務めだと思うが」「スザクがここまでつれてきてくれたの、私がどうしてもルル―シュに会いたいって言って」ルル―シュのアメジストの瞳がかすかに見開く。「でも大変だったのよ、スザクを説得するの・・私とルルーシュを2人っきりにするのは危ないって、ルル―シュが私をどうにかするかするわけないのに」「そうか、上手くいってるんだな」ルル―シュはどこか遠くを見るように寂しげに笑った。「むしろ、私の方が・・・・」「?ユフィ、今なんか言ったか」「ううん、何でもない」さっきとは違う意味で頬を赤くしていくユーフェミアはどこか照れたような笑顔を浮かべている。「そうか」
2008.01.09
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確かにクロヴィスは愚かだった。いつも、チェスを負けてばかりで、美しいものが好きで芸術派で、兄弟に優しい人だった。それゆえ、よく利用され、馬鹿にされていた。無知であることは罪だ。しかし、彼女が自分の傲慢さに気づかなかったのも、慈愛と呼ばれるその優しさで救われていたのも確かだ。彼女は恵まれていた。愛されてる人間で、手に入らないものなど彼女の前にはなかった。彼は確かに自分をその他大勢ではなく、友達としてみていた。彼に名前を呼ばれることが好きだった。それが免罪符となって、心を保つことができた。彼になら妹でさえあげようとさえ思っていた。彼女に親友が取られたのは悲しかったし、さびしかったけど、決して妬んではいなかった。むしろ、彼女と手を組んだとき、二人を祝福しようとさえ思っていた。わかっている、いまさら過程なんか気にしても意味はない。オレは結果優先の人間だから、迷う資格も立ち止まる権利もない。クロヴィスをナナリーのために、日本人を無駄に殺したからと理由をつけて殺した。ユーフェミアはこれ以上彼女が殺人を犯していくのを絶えられなかったというなんとも滑稽な自分勝手な理由で殺した。スザクの人生を狂わせたのは、父親を殺させたのは、スザクから恋人を奪ったのは、その手に頼ろうとして結局めちゃめちゃにしたのは俺だ。皆、皆様様ではあるけど、愛していた。本当に信じていたかった。必要とされたかった。まだ甘えたかった。だから、俺はもうオレを必要としない。心など捨ててしまおう。誰も愛さない、誰も頼らない、誰も憎まない。あの男の復讐に全部費やしてしまおう。母の死の真相を突き止め、せめてナナリーだけでも安全な場所に。
2008.01.08
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ゼロは間違ってるよ、彼のやり方では何も変えられない。力による改革なんて悲劇しか生まないのに。犠牲の上に成り立つ平和なんて、そんなの幻だ。貴方はそういいましたね、いつか。でも、気付いていましたか?貴方がそういうたびに、お兄様が傷ついている事を。泣いている事を。スザクさん、気付いていますか?貴方が守ろうとするブリタニアこそ力による略奪者の国である事を。私たち、皇族は幾人者人々の生活を奪って血に飢えた存在である事を。「最近、よくお出かけになられる事が多いようですね。恋人でも出来たんでしょうか?」「そうですね・・・」シーツーさんと会ってるんだろうか、それともゼロになってあの美しい手を血で染めてるんだろうか。お兄様がお出かけになると次の日では黒の騎士団のニュースが流れる。そう、私たちは結果を出さなければ簡単に潰されてしまう。怖いものはいや、もうあんな哀しい光景は見たくない。だから、世界をこの目で見ることを拒んだ。―優しい世界でありますように。お兄様がゼロであるなら確証はないけど、きっと私のために願いのために。いつもいつもお兄様は私を優しく傷つかないように、優しい声で髪に触れる長い指での暖かさが物語っている。ナナリーは何も知らなくていい。いつまでも天使のように無邪気に笑ってくれ。―お兄様がそれを望むなら、いくらでも笑いましょう。その幸福が自分たちのものだけだと、自分たちは何も悪い事をしてないという驕りのある愛しきブリタニアの民を。せいぜい、楽しく笑いましょう。いつか全てを覆し、優しく平和な世界でお兄様の笑顔を見るために。スザクさん、知ってましたか?美しいものにはとげが必ずあるんですよ。気をつけてくださいね、夢ばかり見てるとぼりぼりと食べられちゃうんです、頭から。だから、早く気付いてくださいね。
2008.01.07
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「子作りしない?そろそろ」カレンがその光景を一番最初に後悔したのは言うまでもない。シャーリーが声にもならない悲鳴をあげてるのも道理だ。言われた本人は、数秒固まった後、持っていた教科書を落とした。「はぁ!?」そして、驚きのあまりかいすから転げ落ちそうになった。柩木スザクと言う少年はいつもいつも人の予想を簡単に飛び越える。一度、こうだと思い込むとなかなか抜け出さず、元来が自己中心だったうえ体力馬鹿なせいか、夢の世界へと旅立つと全力疾走する。―一言で言うと空気を読んでくれない。「スザク、お前・・・」ニコニコといつもの穏やかな笑顔。そこにはどこにも邪気はない。むしろ清々しいくらいだ。「ああ、順序が逆だったか、君相変わらず突発的な事に弱いね」なんだ、冗談かとルルーシュは胸をなでおろした。「ルル―シュの子供が見てみたいなって、ブリタニア人と日本人のハーフって美形が多いって聞くから」大方、セシルあたりにでも情報を仕入れたんだろう。「何だ、そういう話か・・・そんな話、俺もお前にも早い話だろう」「そうかな、楽しいじゃない。きっと、君に似て美人なんだろうね」いてっ、とスザクがアーサーに指を噛まれた。「・・・さあな」ナナリーなら天使みたいな子供が想定内で予想できるが。「僕の子供だったら、やんちゃで元気いっぱいなんだろうな」「いや、お前の場合はやんちゃどころじゃない」「まあ、君が産んだ子供なら僕よりは頭がいいんだろうけど」ん?今、違和感が。「きっと、友達想いなんだろうな」「ちょっと、待て、スザク。何で、俺がお前の子供を産むんだ?大体、俺は子供は産めない」大体、男同士だろう、俺たちは。どこまで馬鹿なんだ、こいつ。「僕も産めないよ」その空っぽそうな頭から脳みそを取り出して、薄くトレースしてやろうか。「婚約指輪は何色がいいかな?柩木ルル―シュか、語呂がいまいちだな」「スザク、話を聞け」「そ、そうだよ、スザク君・・そういう大事な事は本人の意思を無視しちゃ・・・大体、ルルは男の子だよ」正気に戻ったらしいシャーリーが慌ててスザクを引きとめようとする。ナイス、シャーリー!!「わかってるよ、小さい頃は一緒にお風呂まで入ってるんだから、ね?ルル―シュ」「あ、ああ」「でも、世の中には化学じゃ説明できない事があるだろ、だからルル―シュには特別に神様が僕の子供を授けてくれる事を僕は信じてる」「信じるな!!」
2008.01.06
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友達同士で勉強会。部屋の中はルルーシュが入れてくれたアップルティーのほのかな匂い。「ルル―シュはさ、ナナリーがお嫁に行ったらどうする?」リヴァルがにんまりした笑顔で聞いてきた。「・・・おい、問題は解けたのか?」ぴしっと青筋が立った。相当、怒っているらしい。美人な人が起こると普通の人より数段怖いというのは本当らしい。だが、そんなるルーシュになれているリヴァルは構わず、ルル―シュに聞いてくる。「それでどうすんの?やっぱり、泣いちゃう?」「・・くだらん、そんなの相手をナナリーにあわす前に潰すだけだ」「・・・・・本当にやりそうだね」数学の教科書を開いたスザクは苦々しく笑った。「じゃあ、スザクならどうだ?ブリタニア軍人だし、給料も生活できるくらいにはあるかもよ」「え、僕?」「馬鹿か、いくらスザクでもそうそう許すわけないだろ。まずはお友達から交換日記を始めてもらう」「ルル―シュ、中学生みたいだね」「いいから、お前はこの問題をさっさと解け、どうやったら同じ間違いができるんだ」うん、と答えてスザクがそそくさと視線を問題に戻す。「ルル―シュのお嫁さん候補は星の数ほどいそうだな、俺はできれば会長と・・・」はぁ、とリヴァルがため息をついた。「・・・そうだな、今のうちさっさと手に入れておかないと、ミレイは他の奴と婚約しそうだな」「うん、そうなんだよ」「こら、何ルル―シュに抱きついてるのさ」スザクさん、何か目が据わってません?「それに間違ってるよ、リヴァル」「間違ってるって何が?」リヴァルが首を傾けた。「ルル―シュがお嫁さんに決まってるだろ。ルル―シュにお婿さんは無理だよ」「何だと、どういう意味だ!?」「そのままの意味だけど。何怒ってるの?」「スザク、貴様・・・・」「だって、ルル―シュは僕がもらうんだから」また、手榴弾投下かよ。「・・・・・・・」「・・・・・・・・」ルル―シュとリヴァルは顔を合わせた。「リヴァル、お茶の代わりするか?咲世子さんの紅茶はおいしいんだ」「そうだな、なら俺お菓子でも買ってくるよ」決まりだな、と言ってルルーシュとリヴァルは半笑いしながら部屋を出て行った。「お~い、2人ともどうしたのさ、いきなり~?」
2008.01.05
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「紙風船?」「そうですの、こうやって、ぷぅ~っと膨らませるの」神楽耶がルル―シュに風船を手渡した。「神楽耶はいろいろ知ってるんだな」「ええっ」晴れやかな太陽のような笑顔、静かに穏やかに笑う二人の妹に比べると対照的だなと思った。神様に楯突いた きっと 君がいなくなったら壊れてしまう(スザク)「それでは実験を始めようか、ニーナ」「ええ、ルル―シュ」白い手袋をきゅっと締めながら、ルル―シュとニーナは目の前のスザクに向かった。ちなみにスザクは現在縄を身体に巻きつけられており、拘束されている。「やめようよ、2人とも、人体実験なんて犯罪だよ」「大丈夫、お前ならどんな薬でも耐えられる」「大丈夫よ、スザク君・・・いざとなったら、助けるから」2人とも目が笑ってないんですけど。と言うか、その手に持つメスは何なんですか。「うわあああああああ~っ」そこでスザクは目を覚ました。さわやかな朝日が窓辺から流れ込んでくる。「・・・ゆ、夢か」
2008.01.04
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「ねんねん、ころ~りよ~」目がさめると、テレビがつけっぱなしだったのか、テレビの中で母親が赤ん坊に子守唄を歌っていた。寝る前に恐らく間違えて違うチャンネルを押してしまったんだろう。つまらない教育番組。「あ、柩木君目を覚ましたの?ご飯が出来たわよ」いつの間に着替えたのか、エプロン姿の黒髪が美しいブリタニア人女性がベッドの中の自分に微笑みかけた。「どうしたの、まだ寝ぼけてるの?」整えられた優しくて小さな白い手が優しくスザクの頬をなでる。「いえ・・・、すぐに起きます。顔、洗ってきますね」ぼ~っとしながら、苦労知らずのお嬢様の手の感触を思い出しながら、スザクは何だかいやだなぁと嫌悪感に似た思いを感じた。欲しいのは柔らかい手じゃない、暖かくて自分を傷つけない手や唇じゃない。まして、あの皇女様の綺麗な手じゃない。自分が欲しいのは守られて愛された慈愛の皇女の手でも、けなげに優しい小さな皇女の可愛い手でもない。「今度はいつきてくれるの?」「・・すみません、こんなに甘えさせてもらってなんですが多分ここにはもうこれないと思います」土や殴られた痕がある白い顔、アメジストの深い瞳、華奢な手足、白い雪みたいな肌。人形みたいな奴と思っていたが、ルル―シュは強い。どんなにいじめられても、財布を落として誰も助けてくれなくてもただ妹のためにと一度も弱気を見せない。ただ、唇をかんで必死に生きている。「お前さぁ、もう少し自分の分のお菓子買えばいいのに」「ちゃんと買ったよ、君だって買う所をみていただろ」「でも、それはナナリーの分じゃないか」「きなこもちは僕の分だよ、それに僕はこれで十分なんだ。ナナリーはおまけつきのお菓子が好きなんだ。道具があれば、僕が作るんだけど」それに君がたくさん買っているところ見たら、少ない方がいいかなとルルーシュが言った。「何だよ、俺のせいか?」「どうだろうね」「ルル―シュ、お前性格悪いぞ」「それはどうも」欲しいのは、白くて整った、妹のために誇り高く生きる神様の手。「・・明日はルルーシュに会えるかな」叩かれた頬が痛い。先ほどの女性に最低、と叩かれたのだ。最低か、愛情がなく楽しいお付き合いをしましょうと言ったのはあっちなのにおかしい人だ。まあ、だからといって彼女の言葉を撤回する気はない。「そうだ、ノートを返さなきゃ」彼女とキスしてるとき、手をつないでる時、町を歩いてる時。夜をいっしょにしていた時、僕は彼女なんか見ていなかった。ただ、漆黒の髪に触れていただけだ。僕は全然似ていないのに彼女を通して、彼を見ていた。確かに最低な男だ、僕は。「プリン作ったら、食べてくれるかな」ルル―シュは、僕を親友だと信じている。僕もルル―シュを友達と思っていると信じ込んでいる。きっと、想像さえしていないんだろう。僕がそういう意味で君を欲している事を。ルル―シュ、君は軽蔑するだろうか?それとも、哀れんで哀しそうに笑うんだろうか。けれど、これだけは譲れない。君を守るのは僕だ。君を守れるのは僕だけだ、ナナリーじゃない。世界で君と2人きり、ルル―シュと手を取って生きていきたい。だから、行政特区日本が必要だ。「ルル―シュ・・・」だから、彼にはゼロなんか止めて、日本人もユフィの手も取らないで、僕の手を選んで欲しい。そのためなら、俺は・・・。
2008.01.03
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03. 自分の為なら、いくらでも平気で真実を殺せるよ(スザク)「ルル―シュの目って綺麗だよね」ニコニコと笑いながら、スザクはおれの手をつかんでそういった。「は?」「アメジストっていうのかな、きらきらしてて宝石みたいだ」恥ずかしげもなく、よくそんな事がいえるな、こいつ。「おれは嫌いだ」「何で?そんなに綺麗なのに」そういいながら、スザクが薬指に口付けをする。まるで誓いの儀式のように。「ルル―シュは綺麗になったよね」「・・・それはどうもありがとう」「何でそんなに不満げなの、誉めてるのに」普通の反応だと思う。どこの世界に男に綺麗だと言われて喜ぶ奴がいるのか、普通に引いているんだよ。「それはありがとう」「何で棒読み?」「別に、ただこの瞳の色変えられたらなと思っただけだ。紫なんてもろに皇族の色だし、まあ母さんも庶民なのに瞳が紫だったが」「ナナリーから聞いた事があるよ、凄い綺麗な人だったんだって?」「まあな」「ルル―シュのお母さんだからきっと優しい人だっただろうね」ルル―シュは読んでいた哲学書を閉じて、「当然だ」と答えた。ナナリーはルルーシュが守るから私がルル―シュを守るわねと言ってくれた母さん。ナナリーの人形を取り上げた他の妃をたしなめた強くて誇りに満ちた母さん。しかし、彼女は本当に幸せだったんだろうか。あんな中年の男と結婚して、その子供を産んで。魔界、ともいえる権力が集中する王宮で庶民の騎士候で、たった一人で自分たちを守る為に戦っていたんだろうか。「そういえば、スザクも目が日本人にしては珍しい翡翠というか緑だが日本人には良く出る色なのか?」「さぁ、どうなんだろ、生まれたころから母さんはいなかったし、お手伝いさんもいたけど、よくわからないな。珍しいともいわれたこともなかったし」「そうなのか」「あ、でも従兄弟の神楽耶も同じ色だね」「ああ、お前を柩木のお兄様とお前を慕っていたあの子か」「良く覚えてるな、君と神楽耶ってほんの数回しかあった事がないだろ、会話をしたのだって挨拶だけだし」「そんなの一度聞けば覚えられるだろ」「ルル―シュはすごいなぁ」「お前が頭を使わないだけだろ」
2008.01.02
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「ナナリーに四葉のクローバーを見せてあげたいんだ」「ナナリー、寒くないか?」見慣れた光景だけど、こうも相手にされないとムカムカする。ナナリーがすごくいい子だとわかってるはずなのに。どうしていつもいつも、ナナリーなんだよ。何で一番がナナリーなんだよ。「このシスコン!!」「はあ、何だよ?いきなり」洗濯物を干していたルルーシュは学校帰りのスザクに突然いちゃもんをつけられた。「神社で遊ぶと昨日約束したのに、約束破りやがって!!2人と約束したのに!!」「遊んだじゃないか」「ナナリーも来ると聞いていない!」年越しライブを皆で見ながら、ルル―シュが抜けている最中、シャーリーに聞かれたのでスザクは話してみた。「へえ、スザク君にもそんな時代があったのね」「ルル―シュって昔からシスコンだったんだな」「というか、9歳でポイント集めてたんだ」「・・・ルル―シュらしい」「ルルちゃんらしい♪」シャーリーが少しあきれた表情を浮かべる。「会長、もう飲んでるんですか?」「あら、やだ、飲んでいないわよ。ルルちゃんの年越しそばおいしい」カレンはその様子にあきれながら、ゼロ何してるかしらとぼんやり考えていた。くしゅん。「あら、風邪ですか?お兄様」「・・いや、そんな事は・・昨日早く寝たし」「あまり、無理はなさらないで下さいね」ルル―シュが優しくナナリーに向かって微笑んだ。「ありがとう、ナナリー」「おい、ピザはないのか、ピザは」と、そこへシーツーが縫いぐるみを持って現れる。「シーツー!!」「あら、今の声・・・シーツーさん?」ナナリーがそういいかけた瞬間、ルル―シュはあっという間にシーツーの腕を掴んで走り去った。「貴様、人前に出てくるなとあれほどいってもまだわからないのか」「そんな事より、私はつくりたてのほっかほかのピザが食べたい、ルル―シュ、作って来い」やはり、聞いてないのかシーツーが淡々とそう告げた。「お前な・・・、俺は黒の騎士団やお雑煮の用意で忙しいんだ。冷蔵庫にある冷凍のものでも食べていればいいだろ」「いいぞ、ただし、あの白カブトのパイロットと妹にお前がゼロであることをばらすぞ」「・・・・・わかった」結局、ルル―シュはシーツーのためにピザを作る事になった。「あら、お兄様」「あれ、珍しいね」スザクとナナリーがお互いの顔を見合わせる。かなり疲労したのか、ルル―シュは机に崩れるようにして、座ったまま寝入っていた。
2008.01.01
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