Mr. Cats' Gardenのブログ あるいはニャンスケの生活と意見
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2021/8/22 化粧二題:こまつ座第138回公演 、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、作=井上ひさし、演出=鵜山仁、出演:有森也実、内野聖陽 二人芝居である。より正確には、一人芝居が2題。舞台から見た客席側が大きな鏡。旅芝居の座長が舞台中央においた化粧台に向かい、つまり客席に正対し、化粧をしながらの50分にわたる長い独白。起ち芝居の所作は殆ど無い。つまり関西落語や踊りの所作の入った江戸人情話の感じである。内容から考えれば、所作入り人情話か一寸ダイナミックな講談か。前半50分は子捨て経験がある女座長、有森也実。後半50分は捨て子から育った男、内野聖陽、が座長となっての化粧しながらの独白。 テレビドラマではお馴染みの有森也実のテレビでの台詞は何時も断片的。じっくり聞かせる語りは素晴らしいのだ。ところで、客席側を鏡に見立て、舞台前面に化粧台を置いて化粧しながらの楽屋話、亡霊女優賀二人並んで、思い出話に花を咲かせながら、来ることの無い出番を待ちつつ化粧を続けている、あの情景は、清水邦夫の「楽屋」の場面であった。(「楽屋」については、この日記2019年8月15日記載。)「楽屋」は1977年上梓。然るに、本作の原形と思われる井上ひさし「化粧」とそのvariation 「化粧二幕」は1982年に地人会のために書き上げられた。そして「化粧二題」としてこまつ座版つまり本上演の形にまとめられたのは2000年であったのだ。何時も思わず「何じゃ?」とか「ウオ!そう来たか!」とか、客をうならせる独創的な世界を展開させるのが井上ひさしの芝居である。然るに「楽屋」と「化粧」の流れでは、井上ひさしが二番煎じをやったのか?しかし、二つの芝居を何となく対比してみると、何だか後出しジャンケンの利があったような気もする。楽屋の鏡台の前で、化粧しながら自らの思いを語る。その一つの極みが実現していたのだ。今回のこの芝居は、2019年の公演の配役そのままでの再演で、8/17(火)- 8/29(日)の公演日程で,休演日は20日(金)と26日(木)の二日。 今回公演の二日目、8月18日に腎盂がんで闘病中だった辻萬長さんが亡くなった。それは、ニャンスケ一行が観劇した翌日の23日に、ワタナベエンターテインメントとこまつ座から公にされて、ニャンスケも知ることとなった。訃報で触れられている芸歴には、「2001年に一人芝居「化粧二題」で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞」とある。 有森也実と内野聖陽の、集中した、潔い迫力に満ちた舞台は、客席に告げることの出来ない、涙を抑えた追善公演でもあったのか。名演の二人に乾杯、そして辻萬長に献盃。 化粧【電子書籍】[ 井上ひさし ]【中古】 化粧 / 井上 ひさし / 集英社 [文庫]【宅配便出荷】『中古』化粧『中古』化粧 (集英社文庫)
2021.08.30
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