日本語で話そう

December 12, 2011
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北に走っても南に走っても。
イギリス国内そんなにあちこち行ってはいないけれど、高くそびえる山を見ることはあまりないのだろうということが想像できる。

そんな丘陵地を走って電車はロチェスターの駅に滑り込んだ。駅の少し手前から見えてきた町は思ったより大きいのかな。

スーザンさんは徒歩で来ると思っていた私の想像を覆して駅前に駐車した車の中で待っていた。

「よく来たね。娘は一緒じゃないの」
というスーザンさんに、私は
「お久しぶり。娘は仕事ですから」と言ってハグをした。

まずはジリンガムの街に行くというスーザンさんに連れられてメドウェイ観光をスタート。


それは以前書いた通り、私とスーザンさんが知り会うきっかけにもなっているのだが・・。
そのメドウェイ、地図で探してもなかなか見つからない。メドウェイは3つの街が集まった合併市なのである。


その1つであるジルンガムから始めるという。
そこに向かいながら、車の中で私たちは別れてからの互いの出来事、家族やボーイフレンド(と言ってもスーザンさんは私よりか年上だからロマンスグレイの)のことなど話ながらドライブした。

ジリンガムは三浦按針が生まれた街である。そう、歴史で習った青い目の侍、日本に流れ着いて侍になって日本で生涯を終えたウイリアム・アダムスの街。

あは、スタートはディケンズじゃないですね。

スーザンさんは、とある町はずれの昔は村の中心に有ったけれど災害で村が移動してしまって、取り残されたという丘の上の古いノルマン式の教会の前に車を停め、鋲の打ち込まれた古い頑丈そうなドアを開け、

開け・・・

開かない。
鍵がかかっている。

車の中で今日はこの教会でお葬式が有るんだと言っていたけれど、誰もいない。



5分ほどで飛んで着た神父さんと挨拶を交わし、紹介され、私たちは教会の中に入ったのであった。

三浦按針が洗礼を受けた教会。

黒い服を着たおばさんも神父さんと一緒に来て、教会内の説明を受けている間にお葬式の準備を始めた。
私が記念に絵葉書を求めようとすると、「はて値段はいくらだったかな」と他のものをひっくり返しながら一生懸命探している。
「あの、おつりは寄付で良いですよ」というと近くに有ったコースターをお礼にくれた。



そのあと按針記念塔出記念撮影しながらロチェスターに移動した。

丘の上の住宅地に車を停めるといよいよディケンズツアーの始まり。

スーザンさんのディケンズの話に付いていけないまずいと、「二都物語」「オリバーツイスト」「クリスマスキャロル」「大いなる遺産」を急いで復習しては来たが、何しろ翻訳が古い。日本文が古いので遅々として進まない。時間切れで「大いなる遺産」は飛行機の中でと思いつつ寝てしまって、途中読みであった。

それでも、スーザンさんには「ディケンズ読んできたよ」と嘯いた。

彼女は丘を降りながら次々とディケンズ由緒の建物の説明をして行く。
メドウェイ2つ目の街チャタムで幼少期を過ごしたディケンズの小説にはロチェスターの街のたくさんの建物が登場するから、街を巡ればそれはすなわちストーリーを巡ることになる。

ディケンズワールドという子供向けの手っ取り早いアミューズメントパークも有るけれど、「本物のディケンズワールドの方がいいでしょ?」というスーザンさんの通りだと思う。

途中たどり着いた赤レンガの建物、レストレイション・ハウスの前で彼女は「大いなる遺産」のストーリーをわたしに振ってきた。

ドキ!後半は読んでない。

「ピップ(主人公)がね。ハビシャムさんの家に行くでしょ? あれがこの家よ」
「ピップが遺産の送り主はハビシャムさんだと思っていたけどほんとは違たでしょ?」

ドキ!
それはうすうす気が付いていたが、まだ決定的なことは本で掴んでいない。白状しちゃおうか。

ところがスーザンさんは、その後のストーリーを私の同意なんててんで無視して語ってくれたのである。

そうか、そういう結末か。

私は素知らぬ顔で、ピップに付いて知っていることで話を合わせた。

P1050175.jpg

ハビシャムさんが住んだという家のモデルになったレストレイション・ハウス。
チャールズ2世が身を寄せていたことが有るというエリザベス様式の邸宅だが、ディケンズ読んでない人にはあまり興味の湧かないイギリスにはごろごろ有るような古い家。



この後どうなるんだろう。ディケンズツアー。

「クリスマスキャロル」や「オリバーツイスト」は舞台はロンドンだった。「二都物語」然り。
まずもって、ロチェスターが舞台の「大いなる遺産」をきちんと読むべきだったのだ・・。














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Last updated  December 12, 2011 10:33:49 PM コメント(22) | コメントを書く


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