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2024年02月25日
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テーマ: 世界経済(47)
カテゴリ: 中国、台湾
 2024年1月16日午前、スイスの寒村ダボスで行われた世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称「ダボス会議」)の開幕式。主要国の政財界のVIPたちを始め、1500人もの聴衆が集まった大広間の中央の壇上では、わざわざ遠く北京から駆けつけた、中国ナンバー2の李強首相が熱弁を振るっていた。
 李強首相は、「中国経済光明論」を説いた。
 GDPの5.2%成長は決め打ちされたものかもしれない。16日に首相がダボス会議で発言し17日に中国国家統計局の局長が公表した。
     ​ ​
Antoni Slodkowski
2024年1月16日 ロイター
 中国の李強首相は16日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演し、中国経済はビジネスに開かれていると述べ、海外企業にとっての投資の可能性を強調した。
 李首相は、中国経済は回復し上向いているとし、2023年の成長率は政府目標の5%前後を上回り5.2%前後に達したと推定されると述べた。
 中国経済は着実に前進しており、浮き沈みにも対処でき、世界的な原動力であり続けるとし、長期的成長という全体的傾向は変わらないと述べた。
 世界のサプライチェーン(供給網)の「安定と円滑」を維持する重要性も強調した。
 深刻化する南北格差に焦点を当て、開発協力の必要性を強調した。
 主な内容は下記の通り。
・中国は全世界の発展の重要な牽引役であり、この数年、世界経済成長の3割前後を貢献してきた。
・2023年の中国経済は総体的回復傾向にあり、GDP成長率は5.2%前後になり目標値の5%前後を達成する。
・中国は製造業の世界成長の約3割を占め、14年連続1位。200以上の成熟した産業グループを形成している。
・中国の「人口ボーナス」は「人材ボーナス」に昇華しており、人材資源総数・科学技術人材資源・研究開発人員総数などは世界トップだ。毎年の資本形成額は全世界の約3割に上っている。
・中国のデータ産業は巨大で、データ資源は豊富で、世界第2位の「データ埋蔵国」だ。
・先端技術を持った企業は約40万社に上りユニコーン(企業価値10万ドル以上の非上場企業)数は世界2位だ。
・現在、中国の中間層は4億人を超え、今後十数年で8億人に達する。
・3億人近い農民が市民化への過程にある。
・全世界の新エネルギー車の過半数は中国で走っており、新エネルギー車保有数は2000万台を超える。
・中国はすでに、140カ国・地域の主要貿易パートナーであり、関税の総平均は7.3%まで下降した。
  …  (略)  …
     ​ ​
 1月17日には、北京で国家統計局の康義局長が、高らかに述べた。
 「初期の概算によれば、全国の国内総生産(GDP)の増加値は、126兆582億元で、物価変動を入れない数値で、年率5.2%成長した。これは、当初の目標値である5.0%前後を上回るものだった」
 よくよくこの日の国家統計局の発表を読み込めば、以下のような内容も盛り込まれていた。
・1月~11月の全国規模以上工業企業利潤は-4.4%
・通年貨物貿易の輸入額は-0.3%
・12月の住民消費価格(CPI)は-0.3%
・12月の若年層(16~24歳)失業率は14.9%
・昨年末全国人口は14憶967万人で、-208万人。通年出生数は902万人で1000万人割れ
・労働年齢人口(16~59歳)は61.3%に減り、65歳以上は15.4%に増加
・全国不動産開発投資は-9.6%。うち住宅投資は-9.3%
・不動産開発企業家屋施行面積は-7.2%。うち住宅施行面積は-7.7%
・不動産開発企業家屋新規工事開始面積は-20.4%。うち住宅新規工事開始面積は-20.9%
・商品家屋販売面積は-8.5%。うち住宅販売面積は-8.2%
・昨年末の商品家屋売れ残り面積は6億7295万m2で+19%。住宅売れ残り面積は3億3119万m2で+22.2%
・不動産開発企業手元資金は-13.6%。うち国内融資-9.9%、外資-39.1%、自己資金-19.1%
・12月の不動産開発景気指数は93.36で、過去一年で最悪
・12月の70大中都市新築商品住宅販売価格は、前月比でプラス7都市、マイナス62都市、変化なし1都市。同じく70大中都市中古住宅販売価格は、70都市すべてでマイナス
  ―  引用終わり  ―
     ​ ​
 中国政府は、自国が日本的なデフレに追い込まれるリスクを早くから認識しており、日本の「バブル崩壊」「失われた30年」について相当な研究を進めているといわれていた。
 もしかしたら李国強前首相とともに共青団の優秀な経済官僚もいなくなり、習金平のイエスマンで周囲が固められているのかもしれない。
 破産・更生関係の法制も整っておらず、公的機関による救済策も整備されていない。破綻した経営者を逮捕することで破綻に関わる法人の業務を困難にしている。
 ゼロコロナ明けの中国で、旅行や飲食店などのサービス業支出は前年比で増加しており、これたの分野で物価は上昇している。
 内需の大きな部分を占める不動産・建築関係のマイナスインパクトはそれらを上回るはずだ。
 土木建築関係の雇用が減り、鉄鋼業を筆頭に建築材料関係の業務も縮小。人権問題や米中対立の激化で外資の撤退が相次ぎ、中国は世界の工場から転落し、多数の失業者が発生。その結果、支出はさらに減少して「負のスパイラル」が加速している。
 これらに融資平台の破綻による地方政府の財政破綻と「一帯一路」の破綻による海外債権の回収不能が重なる。
     ​ ​
 李強首相は、開かれた中国、経済発展を続ける中国をダボス会議で世界に訴える役割だったのだろうが、中国共産党の支配下にない人々に、そのような妄言を信じる者はいない。
 国内では軍事強硬路線の演出をすすめている。
     ​ ​
春節前日放送の中国国営テレビ人気番組で
軍事強硬路線を強調する演出か
NEWSポストセブン  2024年2月18日
 中国国営の中央テレビ局(CCTV)は日本の大晦日に当たる春節(旧正月)前日の2月9日夜、毎年恒例の年越し番組「春節連歓晩会(春晩)」を放送した。春晩はいわば日本の紅白歌合戦のような番組で、世界で最も視聴者の多いテレビ番組といわれている。今年はそこに中国人民解放軍機甲部の現役将兵ら200人以上が両手に機関銃を抱えて登場して熱唱した。
 「春晩」で現役の軍部隊が登場したのは初めてで、台湾問題や米中対立などで、中国は妥協しないという軍事的威嚇との見方も出ている。
  ―  引用終わり  ―
     ​ ​
 内政に窮し、米中対立で外交・経済に窮した習金平主席は、世界のどこで戦端を開くだろうか。
 ラオスやミャンマーを圧殺する手もあるが、ベトナム侵攻の時のように勝てないといっそう見苦しくなる。
 今のところ有望な候補国は、米国の安全保障の傘下にないロシア、次にインド。国境問題を明確にする切り口。海洋進出であればフィリピン領の南シナ海。内政面でプラスになりうる。
 北朝鮮侵攻で米国が動くことはないと思われるので、想像しうる選択肢の一つ。










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最終更新日  2024年02月25日 06時00分13秒
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