眼科医のひとり言

眼科医のひとり言

Sep 27, 2004
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非常に長くなってしまったので興味のない方にはごめんなさい、前の緑内障の続きです。
フリーページには前回とまとめて書いてありますが、長くて自分でも読むのが嫌になります。


(検査)
<眼圧(目の中の圧力)>眼圧が高いほど緑内障は進行しやすくなります。眼圧の正常値は21mmHg以下と言われていてます、しかし21mmHg以下で生じる正常眼圧緑内障や、21mmHg以上でも緑内障にならない場合もあり、眼圧のみで緑内障と言うことは出来ません。
緑内障治療の最も効果のある治療は眼圧を下げることですので、眼圧降下療法の効果判定のためには、眼圧測定は重要です。
目に風を当ててはかる方法と、青い光を使って目に触れて測る方法がありますが、どちらも数秒で痛みも無く簡単にできます。

<視野>緑内障では緑内障に特徴的な視野の欠損(視野感度の低下)を生じます、眼圧同様、治療効果の判定や、進行程度の判定に役立ちます。
機械が測る静的視野と人の手で測る動的視野の2種類があります。
機械が測る視野は、検査時間が短く、細かい異常の検出にすぐれていると思いますが、機械が自動的に測っていくので上手くできない人もあります、人の手で測るものは、検査をする人の技量にもよりますが患者さんのペースに合わせてできるので静的視野の上手くできない方でもできます、ただし時間がかかるのでかなり苦痛なようです。



<眼底検査>緑内障は視神経繊維に欠損が生じ、視神経繊維の束である視神経に緑内障性の変化を生じます、普通の眼科医なら視神経を見ただけで、緑内障かどうかの鑑別がある程度つきます、眼底検査は一般に散瞳(瞳孔を広げる目薬をさす、非常にまぶしくなる)が必要ですが、視神経を診るだけなら必ずしも必要ではありません。

緑内障は簡単には診断がつきません、上記の検査を組み合わせて診断を行いますが、特に初期の段階ではかなり難しいと思います(進んでいれば一目でわかりますが)。
また、治療効果の判定には眼圧がどの程度下がったか、ということが今のところ一番重要なので何度か眼圧を測ってから治療を開始します。
よほど眼圧が高いときを除いて、初診でいきなり眼圧を下げる目薬を出す眼科医は少し怪しい眼科医だ思います。


(治療)
<方法>緑内障の治療は進行の阻止です、治すことはできません。現在、唯一有効と考えられているのは眼圧下降療法のみです、検査でも書いたように元々の眼圧を把握することが重要なので、よほど急がない限り、何度か眼圧をチェックしてから治療を開始します。

<治療目標>眼圧の目標は人によって異なります、眼圧の高くなる緑内障では、初期の段階で急な視野の悪化が無ければ15から20mmHg程度を目標にします。
ある程度進んだ緑内障や、視野の進行の早いものは15mmHg以下を目標にします。
正常眼圧緑内障では、元々の眼圧から30%眼圧を下げると、進行を抑えることができると言われています。

最初にある程度の目標眼圧を決めますが、目標が達成できても視野の悪化が押さえられないことがあります。
その場合はそこからさらに眼圧を下げる治療を行います。


しかし、点眼がしっかりできる人でも3種類くらいが限界でそれ以上増やすと、逆に忘れたりしてあまり効果期待できません。
お年寄りで何種類もさしていた方の点眼を1種類にするとかえって眼圧が下がるようなときもあります。
内服薬もありますが、合併症の問題などもあり、一時的な眼圧下降のために使われることが多いです。

閉塞隅角緑内障ではレーザーによる治療が有効です、痛みも無く外来で行うことができます。白内障が合併していれば白内障の手術をするだけである程度眼圧が下がります。

開放隅角緑内障でもレーザーを使うことがありますが、効果は一時的な感じです。



手術は他にも多くの方法がありますが、上で説明した方法以外はあまり効果のある印象はありません。
上の方法でも、術後何年か経つと徐々に効果が薄くなってしまうことがあります。


(最後に)
緑内障は最初に書いたように様々な原因があり、その病態はまだ完全には解明されていないので個人によって治療法も異なり、単純にこうすれば良いということはないと思います。

基本的に緑内障は急激に進むことは少ないので(何年もかけてゆっくり進むことが多い)、眼圧が高いとか緑内障の疑いと言われても、すぐに失明するというようなことはありません。
また症状もかなり進んでからでないと自覚できないので、初期に治療を開始できれば、自分が病気だということを症状から感じることはないと思います。

患者さんによっては少し眼圧が高いだけ、視神経が緑内障に似ているだけ、視野が上手く測れなくてたまたま欠けていただけ、などで何年も緑内障の治療を受けていることもあり
眼科医でもしっかり診断できない人は非常に多いです。
(視野検査は儲けるので、疑いだけで視野検査のために頻繁に通院させるような病院もあるようです、視野は眼圧が落ち着けば年に1,2回測れば十分だと思います)

しかし、緑内障であれば、適切な治療を受けていなかったり放置していたりすると、一度失った視野は取り戻すことができないのでしっかりした治療を受けることが非常に重要になります。

ここまで読んでくれた人いるのかな~、つかれた~。





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Last updated  Sep 27, 2004 08:27:25 PM
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