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ライヴ・・・それは、おれたちの原点である。高校を卒業したオレラは、翔平の提案によりバンドを組んだ。いつものおもいつき。Vo,Gt 翔平Gt アキラDr こうたBa かつひろ翔平の独断と偏見で決まったこのパートだが、意外とというかすでにこのメンバー内では馴染んでいる。四人で、暇ができてはスタジオに通い詰め、音合わせを何十、何百回と繰り返した。特に、どこかで発表しようとかそういうことは考えていなかった。あの頃は、ただ夢中で楽器に取り組む、ということに青春を感じていた。オレラは、そのときに気づいていなかったが、四人で会える理由がほしかったのかもしれない。しかし、高校を卒業してからそれぞれの進路にすすんでいったが、各人学校やら、バイトなど忙しい日々が続き、毎週のように集まっていたオレラだが、だんだん集まる回数はへっていき、楽器、バンドに対する情熱も薄らいでいってしまった。そして、ついにバンドで発表する機会もなく、オレラは大人になっていった・・・そんなときに聞いた、康太が今やりたいこと・・・ ライヴ俺らがためらう時間はモチロンなかった。「うっし、やろう!!」最期の思い出作りとして音楽ほど、適したものはないだろう。次の日の朝、早速、あのときの感覚を思い出すためにオレラはスタジオに向かった。さすがに楽器までは用意できなかったので楽器が備え付けてあるスタジオを選んでそこにいった。オレは、ベースを手に取る。なつかしいこの感じ。昔のことが次々に思い出される。アキラが、「何の曲やるんだ?」と、みんなに聞くと後ろのドラムに座っていた康太が、何も言わずドラムをたたき始めた。このリズムは・・・オレラは、すぐに気づいた。車輪の唄だ。最初に合わせたこの唄、再出発の唄にはこれ以上の曲はない。「何万歩より距離のある一歩 踏み出して君は言う 約束だよ 必ず いつの日かまた会おう」この曲の一フレーズだが、今のオレラを象徴しているようだった。オレラの青春が今、蘇ろうとしていた。
2008年03月09日
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あしたがくるのがそんなに昨日に戻るのがどんなに私はいまここにいる どここことは違う今何があってなにをしたとか関係ないから今がどこでそこがどこか教えてプリーズギブミー ah ah何かが消えちゃうそんな何かを探してる私のいるこの場所そして歩むその場所どんなにがんばったってそこはみえてるよどんなに苦しくったってそこはみえてるよばいばいありがとうなにもかもを包み込むあなたさよならさよならlalalaなにもかも消さないであなたいつかそこがどこかもわかるはずそこでここであのばしょも
2008年03月09日
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皆目を覚まし、いつものようにぐだぐだしていた。こうたも元気そうにしている。やっぱりうそだったんだよな。俺は康太に聞いた。「お前ガンってうそだろ?」冗談半分に軽い気持ち。最低だ。その瞬間場の空気が凍った。こうたは身体を起こし俺を見つめて言った。「いやほんとなんだ、これは変えようのない事実だし。。。俺もみとめたくなかったけど。今はこいつと俺は闘うってきめたんだ。どんなにきついことかってことは分かってる。それに俺の負けが見えてるってことも・・・。それでも闘うってきめたんだよ」「負けってなんだよ?」彰が突然口をひらいた「お前は負けを見据えながら闘ってるっていうのか?そんなんこうたじゃねえよ」相変わらずKYだな・・・・といつもなら感じているのかもしれない。でもこのときの彰は違った。俺の目に輝いて映っていた。俺の言いたい臭いせりふを堂々といってくれた。その時黙っていたしょうへいが口をひらいた「とりあえずさぁ、こうたおまえなんかやりたいこととかねえの?俺らなんでもつきあうし」こうたは笑いながら答えた「おまえたちとライヴ」俺たちは昔の笑顔を取り戻していた。
2008年03月09日
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~豪大サイド~杉山家でお好み焼きを食べ、その日は床についた。部屋を暗くし、杉山、翔平、彰それぞれ疲労のせいかすぐ眠りに入った。俺はどうしても眠ることができなかった。杉山が、ガンだという事実中学の頃出会って、今までずっと付き合いがあった。もうあいつに関してのことはいろいろ知っているつもりだ毎回毎回冗談で・・・・毎回毎回を俺を騙して・・・・そして笑って・・・・だから今回も・・・・ガンも嘘なんだろ!?お前また騙そうとしてんだろ!?わかった!三人で俺をはめるきだな!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は涙が止まらなかった・・・・もう時間が無い・・・・杉山の時間が・・俺たち四人の時間が・・明日、聞いてみよう真実を・・・・俺は心に決心し、目を閉じた
2008年03月08日
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オレは、嘘をついた。「オレ、実は借金してたんだ・・・」借金なんかするはずがない。人一倍、金にきびしいオレがそんなものに手を出すはずがない。この後も、自分が病気であることを隠すために今までオレが学んだ知識で御託を並べた。おれはこのとき、同時に後悔をしていた。なぜ、こんな嘘をついたのか?・・・みんなに本当のことを打ち明けて最期の時間をみんなと過ごしたかった。オレは、また自分の知らぬ間に心に鍵をかけていた。そんな時、翔平が「とりあえず、おれらについてこい!」豪大が「おれらと一緒に行こう。」オレが、心の中で待っていた言葉だった・・・こいつらには、感謝の言葉が見つからない。俺が、今、一番かけてほしい言葉だった。こいつらは、オレの心の鍵をすんなりほどいてくれた。この瞬間、確信した。こいつらに会いに来てよかったと・・・オレは、この短い期間で二つの出会いを経験した。一つは、全く新しい出会い。もう一つは、新しく見えた仲間の一面との出会い。これから先、この出会いに対する感謝の気持ちを忘れないように心に誓った。俺ら三人は、翔平の車で夜の闇へと繰り出していった。オレは、目を覚ました。
2008年03月06日
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「こうた?!お前・・・なにしてんだよ?!携帯でても無言だったり!」「・・・・」オレは、豪大に胸倉をつかまれた。当たり前だ。これだけ、こちらから連絡するだけしといて挙句の果てには、自分の方から連絡を絶ってしまったのだから。普段の豪大とは違う表情に、オレがどれだけ二人に迷惑と心配をかけていたのかうかがえた。オレが、口をひらいた。「おい、なんで俺の電話でなかった」「あの時は…ちょっと色々仕事の電話もきてたしお前の冗談に付き合ってる暇ないと思ったんだよ」「なんで俺の言う事最後まで聞いてくれなかったんだよ」おれは、豪大の胸倉をつかみ、夢中で叫んだ。自然と涙があふれてきた。もちろん、これはこいつらに対する怒りの涙ではなく、「ありがとう」という感謝の涙である。オレの心の底からあふれ出た気持ちだ。豪大、翔平・・・・本当にありがとう。しばらくして、「かつー!おでんかって・・・・。おい!かつ大丈夫か?!お前だれだよ!こいつから手はなせよ!」翔平が無理やり手を払った。その直後翔平の動きが止まった。「・・・・・・。おまえ・・・・・・おい!おまえ!なにしてたんだよ?!」オレは立ち上がり、手についた土を払って口をひらいた。翔平には、母親から病気のこと、オレが入院していることはすでに伝えてあったので、オレが今、こんなところにいることに相当驚いているらしく、声を詰まらせながらしゃべっていた。おれは、少し考えた。先程の豪大の言葉と行動からしてまだ、オレが病気ということはまだ伝わっていないのだろう。病気のことをこいつに話そうと思ったが、ためらった・・・オレは、また嘘をついた。
2008年03月06日
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そう去年の夏休みに4人で来たお寺だ・・・・去年のおれはいたって健康だったからまさかこんな気分で一人ベンチに座っているなんて想像すらしなかった・・・『世の中何が起こるか分からない』『一寸先は闇』『だからこそお金はうまく貯蓄しましょう』っと金融の専門書に偉そうなおっさんが書いていたがそれは『自分は死なない』っという前提のもとでの話だ世の中何が起こるか分かってないってのは生きるか死ぬかも含めての話だおれは気づいたんだ・・・金なんてあの世には持っていけないじゃあ何をもっていけるんだ?いや何かをもっていくんじゃない・・・・何かをこの世に残すのが生きるってことなんだ・・・それを教えてくれたアイツはもうこの世にはいないだから今度は俺が伝える番なのかもしれないおっあいつらがやってきたこの世に残す俺が生きた『証人』でありもしかしたらあの世に持っていけるかもしれない『思い出』をくれた最高の仲間達だ「杉山劇場の始まり始まり~」っとそっとつぶやきながら近づいたつづく
2008年03月06日
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俺はもうあいつに迷惑をかけないと誓い電源を切った携帯の電源を何故かその瞬間いれていた。「こうた?!おいお前大丈夫!どうした?!」「かつやばい、マジで・・・・俺、、、やばい!・・・・」俺は何してんだ俺はと思い電話を切り再び電源を切った。何で…あんなことをいっちまった・・・・、自分が憎らしくなった。何故か身体は重くなくいつものように自然に動いた。俺は腹が減ったので一人でファミレスに入った。財布は持ってきた。カードも入っている。金には困らない。病院で味の無いものばかりくっていた俺はメニューを見て興奮した。生きてて良かった…。とりあえず俺の大好物、パイナップルのせハンバーグを頼んだ。うまい。やばい。久々にコーラものんだ。生き返る・・・。飯を味わいゆっくりと食べているとあたりは明るくもう朝になっていた。客はさすがにこの時間かなり少ない。だが俺の目に入った人物二人組みなにか疲れた顔をしている。しょうへいとかつひろだ・・・。なんでこんなところにいんだよ・・・。かつひろが携帯を取り出し誰かに電話をしようとしていた、直後その相手が誰だか分かった。俺は切っていた携帯の電源を入れた。入れるとすぐ着信。音でばれないように隠れながら俺は電話に出た。「・・・・・・・・・・・・・・・」「おい!!!杉山!!!何が起きたんだ!!!!」 と カツヒロ「・・・・・・・・・・・・・・」「おい!!!返事しろ!!俺と翔平お前が心配になって京都まできたんだぞ!!」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」俺は涙が大量にあふれだしていた、泣いている声が電話に入らないように、あいつらの耳にはいらないように俺は必死で声をこらえて泣いた。すでに色々限界だった俺の手は勝手に電話を切っていた。あいつら・・・あいつら俺のためにここまで・・・・。ありがとう。。今俺の姿は病室から抜け出してきた格好。パジャマ、顔色も悪い。こんな姿であいつらにあったら、、、、俺はあいつらがレストランから出るまで待ちつづけ、もういないと確信したあと店を出て半年前にみつけたDIORへと向かい、ジーンズ、Tシャツ、黒いコートをカードで購入。着替えをすませ外へ出るともう夕方になっていた。あいつらに会いたい。。。どこだ。。。。試行錯誤した俺の頭に浮かんだ場所はただ一つ。あそこだ
2008年03月06日
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すずねに夢で会えることができた。そしてすずねはいろいろなことを俺に教えてくれたもうすずねはこの世にはいない。しかし俺の心の中でしっかり生きている俺もあとすこしで行くよ・・・・待っててすずね・・・・俺もあとすこしあとすこしでいくから・・・・そう。俺にはもう時間がないこの世で生きられる時間もあとわずかそれなのに・・・・俺は毎日毎日病院・・・隣をみてもすずねはいない・・・弱っていく俺をみて悲しむ家族俺はこのままこの病院のベットで死んでしまうのか?俺の人生これでおわってしまうのか?この限られた時間で俺は何がしたいんだ?本当にこのまま死んでもいいのか?いろいろ悩んだ。すずねが教えてくれた言葉鍵はかけててもかっこいいとおもう、がちがちにかけてても。いつか自分でその鍵をあけられる日まで鍵・・・・俺にとっての鍵今目の前に立ちはだかる扉の鍵・・・いったい・・・・・すずねが亡くなったとき、すずねは笑顔だった本当にそれは幸せそうな顔だった普通の女子高生や周りから見ればそれは本当に不幸な少女だと思うでもその不幸の中でも本当にすずねは必死に生きた人生の幸せとは、亡くなる直前に「あぁ、本当にこの世に生まれてきてよかった」と思えることいくら貧乏でもいくら不器用でもいくら病気でもそれまでの過程がどうであれ最終的に幸せだと思えることそれが本当の幸せはたして俺はこのまま病院で亡くなって幸せだと思えるのか・・・俺にとって最後にしたいこととは何なんだ・・・自分に問いかけたいままでの人生を思い出していた・・・幼稚園 小学校 中学校 高校 大学 会社・・・・・すべて約20年という短い歴史の中で深く刻まれたものそれは「仲間」の存在だった残り限られた時間俺が選んだ道それは「仲間と過ごすこと」俺にとって幸せとは「仲間と過ごすこと」俺が探してた鍵とは「仲間と過ごすこと」俺は病院を抜け出した。「ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・」走ってきたせいか息が荒いただでさえ病人、頭もクラクラして今にも倒れそうだったそして公園のベンチに座り、携帯を手に取った(あいつに電話しよう・・・・)でも・・・・理由が無い。ただでさえ社会人になって毎日忙しい長期休暇期間ならまだしも、今は普通の平日あいつら全員集めることなんてほぼ不可能・・・でも俺には時間が・・・・・・本当の理由は俺が亡くなる前にもう一度あいつらに会いたいでも・・・そんなこといったらあいつらに心配かけてしまうたぶんあいつらも今、おれが仕事中だと思っているだろううん。それでいい。それでいいのだ。いつものように集まりたい。いつものあいつらのように・・・・一つの理由が浮かんだ・・俺は大学時代、よく詐欺師呼ばわりされていた。だからこれを利用して・・・・そしておれはある男に電話をした。そう。katuである。「はい、もしもし。どなたさまですか?」「もしもし!もしもし!かっちゃん?!かっちゃんだな?!やばいことになった!」「ん・・・誰?やばいことって・・・・?」「なんだよ!いきなり電話してきやがって!そうだよ。俺だよ。その声は杉山か?」「おう!俺だよ。よくわかったな。いきなり電話して悪い!お前今電話できないか?」「すまん今チュッパ中だ。終わり次第かけなおす」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「って嘘だよ!杉山!!!ひくな!!」「・・・・・・・・・・」「・・・・・・・・・・で、やばいことって何だ???」「いやそれがさ~、俺が副業してるのは大学の頃から知ってるよな?それでやばいもんに手だしちまった。」「ん?副業ってあのーお前がよくネットの宣伝とかの・・・あーもーよくわからん、それでやばいもんってどうしたんだ?」「いや、、お前ぜってぇ内緒だぞ。これは他の奴に知られたらやばい。っていうか俺は捕まる。」「・・・・。俺が聞いて役に立てんの?」「役に立つか立てないかはお前しだい。」「とにかく聞け。あのなぁ、おれ・・・・・・「あああああああああああ!!!聞こえない聞こえない、てかまて!いうな!まじで!こええ」「うるせー!聞け俺な。。。プチ。切れてしまった。無理も無い。ただでさえ忙しい。理由も下手すぎる・・・・その後、時間を空け、メールや電話を何度も何度もした・・・・あたりは暗くなり、気温も下がり、人の気配も少なくなっていった俺の体力も、もう限界・・・・意識がどんどん薄れていく・・・俺は・・・・その場に倒れこんでしまった。「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(俺もう・・・・・・・・・終わりなのかな・・・・・・・・・)(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)体の力が抜け、闇の中で引きずりこまれていったもう俺死ぬんだ・・・・・・・・本当に眠くなってきた・・・・・・・・・・・・・・ん?何か聞こえる闇の奥にわずかな音が・・・・なんだこの音・・・俺は意識が戻り、目が覚めた手元におちた携帯を見ると、着信がきていた着信の主は渡邉豪大携帯の時刻を見ると、もう朝の四時近くだそして俺は鳴っている携帯に手を伸ばした
2008年03月05日
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光が途絶えた。オレが闇の中で見つけた唯一の光。また、オレは真っ暗な道を一人で進んでいくことになる。 すずねが最後ににぎっていた写真は、オレが寝ているときにこっそり彼女が撮ったものであった。しかし、自分の目の届くところにおいておくと、またあの悲しみが込み上げてきそうで辛くなるから、引き出しの奥にしまっておいた。ただ、すずねがオレの隣からいなくなってからというものの不思議となにかすっきりとした気持ちになっていた。すずねを失ったことの空白感だけがのこった。もちろん、それはすずねの存在を忘れたというわけではない。淡々と過ぎる毎日・・・・今までのオレの人生をふりかえってみると、常に仕事に追わていたが、常に効率的な道を自分で切り拓いていけた。しかし、今の自分の生活ほど、密度の薄い日々はなかった。毎日、同じ看護師に点滴をしてもらい、注射をしてもらい、見舞いに来てくれるのも毎回決まった顔ぶれ・・・そんなときに浮かんだのが仲間の存在・・・そういえば、あの三人は・・・翔平には、母親が伝えたらしかったが、どうせ翔平のことだ。あきらとかつには、あいつらのことを思ってまだ伝えていないだろう。翔平からもそれからは連絡がない。まぁ、あいつらにもそれぞれやることがあるだろうし、オレのことで心配されるのもいやだからな。オレが、いなくてもあいつらなら仲良くやってけるさ!そんな強がり・・・・すずねがオレの隣から消えた一週間後・・・オレは、夢を見た。「康太くんー、久しぶり!元気だった???」「はぁ?何言ってんだ?毎日となりのベッドで会ってるじゃんかー」「うん、まぁね・・」夢の中のオレの記憶は一週間前のままのようだ。「康太くん、最近また自分の気持ちにうそついてるでしょ?」「そうか?」「うん、私にはわかるよー!今、康太くんの心の中鍵でガッチガチだよ!私が読んでた本の内容覚えてる?」 当たり前だ。 『鍵はかけててもかっこいいとおもう、がちがちにかけてても。いつか自分でその鍵をあけられる日まで。』「今、その鍵を開けるときなんじゃないかなぁ?自分の気持ちに嘘ついてたら絶対後悔するよ!!わたしも、そんな風に康太くんには後悔なんてしてほしくないんだよ!!」そうすずねが言い残すと、オレははっと目を覚ました。今が、『鍵をあける』とき・・・自分の気持ちに素直に・・・オレは、スギヤマコウタというキャラクターを演じていただけだ。かっこつけて、自分の気持ちに嘘ついて・・・すずね、ありがとう。おれは、一番星がいつもより光って見えた夜、病室を飛び出した。
2008年03月04日
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その日の夜の為に俺は寝ないで看護婦の見回りがなくなるまで待った。深夜12時「うし、そろそろ行くか。」俺はデジタルカメラを片手に屋上へ向かった。もう抜け出すのはお手の物だ。屋上へ上ると灰色の雲が星たちを覆い隠していた。すずねにどうしても明日一番に見せたかった俺は…。待った。すずねとこの屋上で一緒に星を見た日の事を思い出しながら。30分待ったが一向に雲が消える気配はない、むしろ雲行きがどんどん怪しくなっている。あー神様早く見せたいんだよ、わかってよ。なんて思いは通じるはずもないことは分かっていたが祈り続けた。1時間待った、そろそろ俺の体力も限界。すずねにすら会えなくなる。試行錯誤した俺は仕方なくある一枚の写真を屋上でとって、病室へ向かった。次の日、俺はいつものように朝起きて検査を受けて、14時にすずねの部屋へと向かう……はずだった。俺が目を覚ますと深夜12時。その時俺は病室へ向かう途中で自分は倒れたんだと分かった。すずねに見せにいかなくちゃ・・・。俺は重い体をひきずりながらデジカメを大事にポケットにいれてすずねの部屋へ向かった。何故か明かりがついている、中がさわがしい。俺は頭の中が真っ白になりドアを思い切りひらいた。そこにはベッドで無表情で横たわるすずね。いつも付けている点滴も酸素マスクみたいなのもない。隣には泣き叫ぶ家族。そして残念そうにしている医者、看護婦。すずねの母が俺に近寄ってきた、俺は逃げようとしたが母は必死で止めた「ま、待って・・・!こうたく・・・ん!」「聞きたくないっす・・・」俺は言い放った。それでも母は続けた。「すずね。。。すずね。。。頑張っ・・・たのよ。いつも康太くんが来てくれる14時から16時までは何事もないように元気だったの!それで私にずっと、、康太くんが今日星の写真もってきてくれるって・・・すっごい笑顔で。。。いってたの。。。でもね、、、ずっと待っても康太くんが来る気配が無くて…寂しそうな顔してたけど頑張って待ってたの、ずっとずっと。でも。。。17時くらいから元気がなくなってきて。。。死んじゃう直前まで康太くんの話をしていた・・のよ!康太くん来た?星がみたいよ。康太くんともっと話したいよ・・・って。。。。とってもしゃべれるような状況じゃないのに。。。泣きながら笑ってずっと・・・うぅ・・・」俺は涙があふれてもう動かないすずねに向かって叫んだ。「すずね!おい!すずね!俺これなくてごめんな、星の写真も取れなかったんだ、、、でもこれ見ろよ!おい!すずね!」そこには俺が手で丸をつくって空にかざした写真。星とは格段も差のあるけど、、それでもすずねは喜んでくれるとおもった。「俺、ずっとまったけど星でてこなくってさ・・・考えて考えてこんなん撮っちゃってさ・・・ごめんな・・・」その時すずねが少し笑った気がした。気が・・。俺はそれでも叫んだ、スズネに向かって全てをぶつけるかのように。「おい!ふざけんな!お前と話したいことまだやまほどあんだよ!一人でいくなよ!くそったれ!俺お前になんもしてやれてねえのによおおおおお」するとすずねの父が俺に肩をかけていってきた。「康太くん・・・すずねはね。本当は二ヶ月前くらいから・・・もういつ死んでもおかしくない状態だったんだ。なのに、、、頑張って生きようって、頑張ってた。俺はここに来る事があまりできなかった。でも君の話はいっつも電話で聞かされていた。2ヶ月も生きられていたのは君ともっといたかったからなのかもしれないな。、、」俺はもう涙が枯れるんじゃないかってくらいないた。倒れこんだ。「康太くん、これ。。。すずねが。」お母さんが手渡してきたのはすずねからの俺への手紙だった。俺は手紙に目を通した。━━━━━━━━━━━康太くんへ康太くんが来たあの日から私はすっごい勇気をもらったの。うん、生きる勇気を。康太くんの話し、とっても楽しかったよ。特にあの四人の話し!(笑あぁ。。。もっと聞きたかったよ。私。。。いつ消えちゃうんだろう。いつ康太くんの前から・・・。お母さん、弟、お父さん。。。。ってこんなこと書かれても困るよね!><それでね、一つお願いがあるんだけど・・・。私が死んじゃっても…悲しまないで?私はいっつも上から星になってみてるから。康太くんの病気よどっかいっちゃえ~!って上から祈ってるからさ!あぁ。。。ちょっと疲れてきちゃったよ、ごめんね短い文だけどさっ。。それとあと私康太くん大好きだよ!すずねちゃんでしたー!ps私の事忘れたらのろってやるっ━━━━━━━━━━━あいつ。。。いつこんなの書いてたんだよ。。。こんなよわよわしい字でよお・・・。俺は手紙を大事に大事に抱きしめた。「それとこれ。。。ずっとすずねが握ってたの。くちゃくちゃになってるけど・・」もう一つ渡されたのは写真、俺が写っている写真だ。俺は重い体を起き上がらせ、すずねに向かってある言葉を呟いた。ある言葉を。つづく
2008年03月04日
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病院に入院して毎日ずっと寝ているだけだと思ったらそうでもなかった。午前はずっと診断午後になっても診断唯一14時~16時自由な時間ができた。そしてそのわずか二時間毎日すずねの部屋に行った。しかし行ってもすずねは布団にまるまり、姿をみせてくれなかった。病室にも入ることもできなかった。ただすずねが生きていることに安心していた。このとき心のどこかでもうすずねは死んでしまうと思っていたのかもしれない。そしていずれ自分も・・・・・すずねは俺に「希望」という光を与えてくれたつまらないと思っていた病院生活も楽しくさせてくれた医者が勧めるどんなにすごい治療薬よりもすずねは俺にとって最強、最高の治療薬だ俺が苦しんでいるときはいつもすずねが助けてくれた今すずねが苦しんでいるのに、部屋の外から見守ることしかできない自分がとても悔しかった。今日もいつものようにすずねの部屋に向かった廊下にはすずねのお母さんが立っていた。「こんにちは」「こんにちは。コウタくん。今日はすずね元気いいからコウタ君部屋の中入らない?」「え・・・でもすずねが・・・・」「うん。大丈夫だよ。すずねが私に頼んだの。コウタ君と話したいって」俺とすずねのお母さんはすずねの部屋に入った。「よ!久しぶりコウタ君!元気だった?」すずねはいつもの笑顔で俺に言ってきたもう俺はすでに感じていた。すずねが無理をして笑顔をつくっているということを「じゃあ私、仕事だからもう行くね。コウタ君よろしくね」とすずねのお母さんは部屋を出ていき、俺たち二人が部屋にのこったすずねのお母さんは涙を必死にこらえていた。お母さんもすずねの笑顔をみることが本当に久しぶりなんだろう「コウタ君せっかく久しぶりに会えたのに、何そんな顔してるのぉ?」俺には分かる。すずねは今とても辛い。病状も悪化している体も痩せている俺もガンだが、すずねはもうかなり進んでいる。俺よりも絶対苦しいのだ。それなのにすずねはいつも俺の前では健康な人を演じ強がり、元気を精一杯だし、弱音なんてまず吐くことはなかった俺がこんな気持ちでどうする!いままですずねに助けられてきたこんどは俺が助けるんだ!おれが元気いっぱいで、すずねに返事しようとしたとき「何で私なの?」すずねは小さく、か細い声で言った俺の前で初めて、すずねが心の仮面をとった「何で私ガンなの?私だって結婚したい大学にも行きたい子供も生みたいよ・・・・・・オシャレしたし、友達とももっと遊びたい!それなのになんで・・・・・なんで!!!!!」すずねは泣き叫んだ俺は何も言えなかった。言葉が浮かばなかったただ涙を堪えることしかできなかった病室にはすずねの泣き叫ぶ音が響いた「すずね・・・・」しばらくし、俺がすずねに話しかけようとしたとき「ごめんね。」とすずねが言ってきた。「コウタ君も同じ病気。弱っている私なんて見せたくなかった。コウタ君の気持ち全然考えてなかったね・・・私最悪だよね・・・・」「私ね・・・高校にいたとき、毎日友達と話してた。授業中もお昼休みも放課後も。本当に楽しかった。それである日具合が悪くなって病院にいったらいきなり入院・・・・最初はお見舞いとかきてくれてたけど、だんだん少なくなってきてメールもだんだん少なくなってきた。日に日に友達は成長してって私だけ病院のなかで置いてけぼり。本当に孤独だった。そんな時コウタ君が来てくれた。友達になってほしくて、私なりに必死でがんばったんだよぉそしてコウタ君と出会い、毎日が楽しかった。孤独だった生活もひとりじゃないって気づくことができた「仲間」って本当に大切だよね私、先生に聞いたの。もういつ死ぬかわからないんだってもう時間がないんだって残りわずかな時間を一人で過ごしたくなかったコウタ君と一緒に話したかったもっともっと話したかった」すずねは俺にいままで部屋に入れなかった理由を話し、謝った。そして俺たちはいままで溜め込んでいたものを吐き出すかのようにいっぱい話したいままで出会った人のことをいろいろ話したすずねの恋人のことすずねの家族のことすずねのともだちのことおれの恋人のことおれの家族のことおれのともだちのことそして中学時代から付き合いの長い俺を含めある4人の人物のこと時計を見るともう16時になる。本当に短く感じたもっといっぱい話したかったが俺は自分の部屋にもどる準備をした部屋を出ようとしたとき「コウタ君待って。お願いがあるの」と俺に頼んできた「俺にできることならなんでもいいよ」「このデジカメで星の写真とってきてほしいの」「おう!じゃあ今日の夜、屋上忍び込んで撮ってきてやるよ」「うん!!明日楽しみにしてるね!!!じゃあまたね!」とすずねは笑顔で俺に手を振ったこれがすずねの最後の笑顔だった俺がすずねに星空を見せることはもうなかった
2008年03月04日
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隣のベッドには、もうすずねが・・・この気持ちは、なんだろう。心にぽっかりと開いた穴。鍵をかける気持ちさえ見つからない、ただの空白感。もう、オレにとってすずねがかけがえのない存在になっていたのはいうまでもない。なにか大事なものを失った気がしていた。それは、確かにつらい入院生活で見つけた一筋の光だった・・・・あの日以来、月日は過ぎたがオレは毎日すずねがいる個室に通いつめた。そのたびに、入ってこないでといわれたが、毎日通った。いつになっても、すずねが顔を見せてくれるわけではない。ただ、彼女が日に日に弱弱しくなっていくのは、手に取るようにわかった。なんせ、彼女はオレと同じ病気である。彼女の痛み、苦しみは医者なんかよりもずっとおれが理解している。ある日、今日も同じようにすずねの部屋からもどってくる途中にすずねのおかあさんに呼び止められた。「康太くん、ジュースでも飲まない?」「あ、はい。」自販機の近くのベンチに二人で腰掛けた。「すずねには、口を止められてるんだけどね、あの子ホントは康太くんに会いたがっているのよ」「え?」おれは、戸惑いを隠せなかった。毎日、顔も見せてくれなかったし、話してくれることもなかったからだ。「毎日、あなたの話をしてるし、今日康太くん元気だった?とか、ものすごい気にしているの。たぶん、すずねね自分の弱いとこを見せたくなかったんだと思うの。ましてやあなたと同じ病気だし・・・」おれは、すずねのそんな気持ちに気づけなかった自分が悔しくて涙が止まらなかった・・・「だから、すずねのこと嫌いにならないで、最期まで見届けてあげてね。」オレは、静かにうなずき、自分の病室へと戻っていった。
2008年03月03日
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その晩俺のベッドの隣が騒がしいので目が覚めた。すずねだ。医者やら家族やらが集まっている。もしかして・・・悪い考えが頭に浮かんだ。俺はベッドの中にもぐりあの言葉を思い出していた。鍵はかけたままでもいい、自分で鍵を開けられる日まで。鍵を開けてくれたのはお前。すずねだ...。隣からすずねの弟のないている声、母の「もしかして、そろそろなんですか?」となきながら医者に問う声などが聞こえてくる。医者の答えを聞くのが怖かった俺は耳をふさいだ。静かになった頃に隣を見るとすずねも家族も医者もいなくなっていた。俺はまだすずねに言ってない事がある。言わなきゃ。俺は腕についている点滴を振り払って走った。どこにいるのかも分からないのに、真っ暗な病院の中を走り続けた。だんだん力が抜けてくる…何だこれ・・・・。目が覚めると俺はいつものベッドの上にいた。後で聞いた話だが倒れて病室に運ばれていたらしい。隣にはすずね・・・・、いない。もしかして。俺の頭の中をよぎった言葉それは「死」まだ言ってない事がやまほどあるんだ・・・。ふざけんな。近くにいた看護婦に俺は涙をこらえてきいた。「すずねは?!ねえ!」「すずねちゃんはね・・・、病状が悪化してきたから個室に移されたのよ・・・・。」俺は何号室かも聞かずに走った。個室っていったらあそこしかない。すずね・・・すずね・・・。あった!家族以外入室禁止と入り口に書いてあったが関係ない、俺はドアをあけた。そこにはいつもの笑顔のないすずね。そして弱りきったすずね・・・。俺がきた事に気づくとすずねはベッドの中に隠れてしまった。「こないで。」「なんでだよ、俺・・・マジで・・・死ぬほど心配したんだよ!」「死ぬなんて簡単にいわないでよ!」「....わりい。俺すずねに言わなきゃってずっと思ってた事があって。お前俺に本見せたことあったよな?あの言葉今でも俺の胸にやきついてはなれないんだ。「鍵はがちがちにしててもいい、自分で開くまでわ」ってやつ、俺自分で開けたよ!おまえのおかげで!自分でっていうか俺とすずねで!ほんとにありがとな。」すずねはベッドの中で泣いてなにもいわなかった。俺はまた来る。とだけ言い残し部屋を後にしたつづく
2008年03月03日
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朝起きるとあまり変化の無い朝飯昼飯もあまり変化の無い昼飯夜飯も・・・・・検査にもかなり慣れた。毎日同じところには注射の針、毎日同じ薬を何粒も飲んでいる、毎日同じ風景、毎日同じ・・・・・・・でも右を見ればいつもすずねがいた。そう。「「いつもすずねがいてくれた。」」夜消灯時間になると、部屋は暗くなる。そして今日もいつも通り眠りに落ちた。ツンツンと指で突いてくる。目を開けてみるとすずねがそこには立っていた。「ん・・・・どうした?」「康太くん・・お願いがあるの」「なんだ?」「星がみたい・・・・・」俺たちの部屋は一階。そして窓を開けると木が邪魔してはっきり空がみえないのだ。でもおかしい。すずねはいつも俺に気を使っている。使いすぎている。俺に頼み事なんて一度もしたことがない。そんなすずねが初めて俺に頼み事をした。この頃は、まだ気づいていなかった。すずねと一緒にいられる時間が刻々と減っていることに・・・・・「わかったよ。屋上いくか。」「えーいいの?もう消灯時間だよ??」「消灯時間以外で星がみれる時間があんのか?」俺たちは屋上に向かった。屋上につき、上を向くと満面に光る星空が俺たちを待っていた。「すご!こんなきれいな星空初めてだわ。まじ何個あんだろ?」と俺「人間って死ぬと星になるんだよ~だから私死んでも、上から康太くんのこと見守ってるよぉ」ふとすずねの顔を見ると瞳に光るものがみえた。「ってかお前毎日元気じゃねーかよぉ、フツーに健康だろ~。あとすずねは背が低いから俺を上から見るなんて絶対無理だね~」すずねの顔が笑顔に変わった。すずねも俺と同じ病気ならいつかは死んでしまうだろうということは分かっていた。でも少しでも「死んでしまう」という気持ちをすずねには忘れてほしかった。俺にはこれぐらいしかできなかった。体も冷えたので、屋上をあとにしたその日の星空は今まで生きてきた中で一番輝いていた
2008年03月03日
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入院生活をする前、オレはまだ自分がガンってことを素直に受け入れられてなかったのか、孤独な入院生活が続くと思っていた。そんな中、一筋の光が見えつつあった。すずねとの出会いは、真っ暗な闇の中でオレが見つけたほんの小さな希望・・・・・・・・になるといいけど。すずねがオレに、本の一文を見せてからというものの常にあいつが、オレのそばにいて質問攻めの毎日だ。地元はどこか?スポーツはやってたか?家族は何人だ?どんな友達がいたのか?そんなたわいもないフツーな質問。毎日、そんな感じだったから正直ちょっとうざかったときもあったが、孤独な入院生活ではちょっとした息抜き(?)みたいな感じになっていった。すずねと、家族の話をしていると一人で入院していて見舞いに来てくれている家族の暖かさというものに改めて気づかされる。一人暮らしでは、イマイチ気にしなかったがやはり家族というものはかけがえのないものなんだ。ある日、すずねと話していると「すずねおねぇちゃーん!! 病気大丈夫??」と、すずねの弟が母親と一緒に見舞いに来た。元気いっぱいの男の子。はしゃぎたい盛りだろうが、母親に病院だから静かにしなさいと注意されている。そういえば、すずねと話していると、家族の話をするときは特に満面の笑みを浮かべながら話す。よほど、家族が大好きなんだろう。オレが、家族のことを意識し始めたのも彼女がきっかけなのかもしれない。「こうたー、大丈夫だよー!おねぇちゃん、病気になんか負けないよ!」そういえば、すずねの弟、康太って名前だったっけ。ちょっと鼻にかかる。「あっ!ほら、こうたー、隣のおにいさんにあいさつしなさいー」ちょっと、恥ずかしそうに「こんにちは。」おれも、とりあえずなあいさつをした。その後、30分くらい家族三人みずいらずで話していた。やはり、すずねの顔は輝いている。生き生きしている。同じ病気にかかっているとは思えないくらいに。薄暗い病室であったが、そこには確実に光が見えた。「すずねおねぇちゃんー、またくるね!!」母親と弟の姿が見えなくなると「康太さん、少し騒いでしまってすいません・・・」「いやいや、楽しそうだったね、三人。」「はい!家族と話してると病気のことなんて忘れるんです!」すずねの笑顔に、オレもはにかんだ笑顔で返した。
2008年03月03日
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それから俺は病院に入院することになる。会社にはまだこのことを伝えていない、親が病気で介護しなきゃならないといって休みをもらった。正直もう会社なんかどうでもいい。個室かと思っていたが、大部屋だった。隣には俺と同じ病名の女。毎日家族や友達が来て笑って過ごしている。内心何が楽しいんだよってかんじだ。夜になるとその女は小説を毎日読んでいる、というより暇があれば?か・・・。題名は「海辺のカフカ」俺はそんなん興味ない。テレビさえも見る気になれない。ただただぼーっと何も考えずに過ごしているだけだ。二日くらいした頃だろうか、その女がおれに話しかけてきやがった。「あのー、私と同じ病気なんですねっ。」俺はうぜえ奴、そんなこと言ってくんなっておもってシカトした。それでもそいつは話しかけてきた。「名前・・・。康太っていうんですね、うちの弟と一緒の名前です!あっ、私はすずねっていうんです。ひらがな3文字でって・・・聞いてないですかね・・。あはは」俺はいらいらした、何でこいつ笑ってられんだ?って怒りが爆発した。「はなしかけんなよくそ女!」いってしまった。まあいいか。その後その女は、黙っていつもニコニコしているのに暗い表情になってしまった。夜突然目が覚め、いつもなら薄暗い電気がついているのに今日はついていない事を不審に思った俺は…その子が隣にいない事に気づいた。昼にあんな事をいってしまった事を少し後悔してその日は眠りについたんだ。朝おきてすぐ俺は隣の女を確認した。いた、良かった。と何故か俺は思ってしまったんだ。「あ、康太さんおはようです」その女はまた笑ってだけどどことなく苦しそうに俺に話しかけてきた「昨日の夜…ちょっと病気がでちゃったみたいで・・・うるさくありませんでした?ごめんなさい」だからか・・・。とにかく俺は昨日の事を謝ろうと思った。「ごめん・・・えっと、、、名前・・・」とっさにでた言葉だった。「気にしないでください。それとすずねですよ、ひらがな3文字ですずね。すずねって呼んでいいですから」笑って答えてくれた。「それより康太さん、これみてくださいよ」すずねは本の折れ曲がったページの一文を俺に見せてきた。そこには「鍵はかけててもかっこいいとおもう、がちがちにかけてても。いつか自分でその鍵をあけられる日まで。」と書いてあった。すずねはニコリと笑うとベッドに潜って眠った。「ありがとう」俺は小さくつぶやいた。そう、俺はすずねとの出会いで少しは変われたのかもしれない。つづく
2008年03月03日
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~コウタサイド~その日は初雪が降り、外一面は真っ白に染められたある病院の診断室「ショックを受けないでください。診断結果・・・・コウタさんはガンです。」と医者は言った。今の技術ではガンの痛みを抑えることができても治すことはできない。そんな怖い病気を俺は今目の前の医者に言われたのだ。医者というのはわざわざ病名をごまかしたりしない。悪化していればはっきり悪化しているというし余命も宣言する。「頑張れば治りますよ」と甘い言葉を言って、実際死んでしまうと残った家族の怒りが医者へいくからだ。「先生!!治るっていったじゃないですか!!」と。このような被害を抑える保険として、家族や本人には覚悟させておくのだ。隣では母親が泣いている。こんな大泣きしている母親をみるのは初めてだ。ガンだといわれた当本人の俺はいたって冷静。というより、今という現実を受け止めるまで俺には時間が必要だった。「自分がガンである。」という事実を信じたくなかった。今まで生きてきた中でさまざまな困難な扉にぶつかってきた。しかしなんだかんだで、カギを見つけて扉を開けてきた。そして今回もなんとか頑張れば開けることができるだろうと心の隅で思っていた。「コウタさん余命を知りたいですか?」「え・・・・俺そんなヤバい状況なんですか?」「私も医者として、患者に余命を伝えるという仕事があります。」「え・・・・はい・・・教えてください。俺の余命はどのくらいなんですか?」「確実とは言えませんが、今の医療的技術予測ではあと3ヶ月です。」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」もう・・・・・・・・・・言葉にできなかった・・・・・・・・頭が真っ白になった・・・・・全てが真っ白に・・・・・・診断室には泣け叫ぶ母親の声が響いていた。俺はこれからガンという扉にむかって歩いていくのだ。ガンという何千何万個ものカギにかけられた扉に・・・・・・・
2008年03月03日
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こうたがうちに帰ってきた。「ただいまー!おめぇら、何してんだー?」こうたが、玄関を開ける音が聞こえた。俺らは、あわててさっきの診断書を机の引き出しに隠した。翔平とオレは、目に涙を浮かべている・・・ 弁解する理由が見つからない「こいつら、ばかだろー!中学時代の思い出話してたら泣きやがったー」あきらが、笑い飛ばすように言い訳を作った。「そうそう・・・」「・・・・・・・ばかだなー、おめぇら!」明らかに不自然・・・ でも、この事実を始めて知ったオレにはこれ以上の演技するほどの冷静さを保つことは不可能だった。康太も、勘付かれたかもしれない。あいつが、反応するまでに、少しの沈黙があった。「まぁ、お好み焼きの材料買ってきたし作ろうやー! ちょっと奮発して高めの酒も買ってきたしなー」「おぉ!いいねー、杉山サイコー」いつものオレラならここで、確実にテンションがあがっていたはず。バカ騒ぎして。しかし、今のオレラの盛り上がりはどこかちがう。心から楽しんでない感じ・・・「よし、かつ作って来い!」「うん。」いつものオレなら確実に反論する。今日は素直に受け入れてしまった。台所で、お好み焼きの準備を始めた。今までの杉山の行動を思い返してみると思い当たる節がいくつかある。なぜ、その杉山の必死のSOSサインを感じ取れなかったのだろうか。そんな自分が悔しくてしょうがない。だが、今必要なのはそれを悔やむことではない。ある言葉が頭に浮かんだ。今を生きる―――お好み焼きができた。それをみんなのとこに持っていく。あいつらはウイイレをやっていたが、それを止めさせテーブルについた。食べている間、気まずい空気が流れそうになると誰かがしゃべり始めたりして、なんとか場をつなげようとするそんな感じの雰囲気。こうたが、食べているとのどをつまらせたのか、水道の方に向かっていった。かなり、咳き込んでいる。「あいつ、もしかして・・・」オレラの顔が曇った。しばらくして杉山が戻ってくるとなんでもなかったかのように席に着いた。「最近、のどが詰まってたまんねぇわ」食べ終わると、みんな眠くなりその日は床についた。後日聞いた話だが、このとき杉山は昔の夢を見ていたそうだ。
2008年03月02日
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「あーもうつかれたー、どんだけゴミあんだよくそったれ!」しょうへいが叫ぶ「まーしょうがねえよ部屋かりんだし、、、片付けといてやろうぜ」とあきら「そうだなー、ん・・・・。おい・・・・。」俺は落ちていたくちゃくちゃになった紙を見て自分の目を疑った。それは、診断書だった・・・・・・ガンの。書いてあった言葉、それはガン。何ガンなのかは文が難しすぎて分からなかったが理解できる言葉を見ていくと悪性ですごいものらしい。俺が黙ってその紙を見つめていると、しょうへいが奪い去ってその紙をみた。「あー・・・・。」吐息のような声をだすしょうへい。「これ・・・まじ?夢なのか?」と俺がしょうへいに問う。「あのな、かつ・・・。冷静になって俺の話をきけ。半年前旅行に行った後すぐにあいつの親から俺の携帯に電話があったんだ。何で俺だったのかは分からない。あいつ調子悪いの隠して京都とかいってたみたいなんだよ。検査したら悪性のガンでどこかってのは聞いてないけど。。とにかく余命がなんたらっていってた。そこあたり俺もしっかり聞けてない。。現実だと受け止めようとしたのはかつが俺にこうたの事を話してきたときだから。皆にもその時伝えといてってこうたのお母さんに言われたけど・・・俺、やっぱ言えなくて。こうたもいわれたら絶対傷つくとおもったし、お前らも必死で仕事頑張ってんのにつらくなるかなって・・・。彰には旅館に来る前、、、、それを打ち明けてきてもらうことにしたんだ。」しょうへいはなきながら、それでも冷静に話をした。「かつだけにないしょにしてごめんな。」彰は下を向き申し訳なさそうに言った。俺は号泣した。声をあげてないた。しょうへいと彰はそれをとめる事もなく、なぐさめたりもせずにただ俺をみつめていた。そんな時こうたが家に帰ってきた。つづく。
2008年03月02日
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四人はいつもの勢いで京都観光をすることに決めた。まぁ・・・とくに行き先は決めてない。ショウヘイの車に乗り、あいつにハンドルを任せているがいったいどこ向かってんだろ。ショウヘイの運転で四人でドライブに行ったことはこれが始めてではない。最初は本当に怖かった。ショウヘイの運転・・でもなんだかんだで、4人の中で一番安全運転はショウヘイ。未だに制限速度を守っている。杉山とアキラはもう減点くらってたっけな・・確か助手席には杉山そして俺のとなりにはアキラがいる。お決まりの席。杉山はでかいから後ろにいるとバックするとき見えないという理由から前あまった俺らは後ろ。それにしても四人でこの車に乗るのは久しぶりだ。横を見るとアキラは朝早く起きたせいかぐっすり寝ている。俺も眠いから寝よう。ショウヘイの運転なら安心だし・・「・・・・・・・・・・・・・・・・・」前の二人が話していたが俺はもう眠くて、よく聞こえなかった。たぶん行き先について話していたんだろ。まぁ・・・どこいってもいいか。「この四人なら」うん・・・・・・・四人なら・・・・・・・・目を覚ますと、交人寺というところに着いていた。杉山いわく、恋愛の神様がいるらしい。基本ピンク。お寺もピンクで桜が少し咲いている。御賽銭をした。俺が願ったことは「来年こそ彼女できますように。」今はもう冬。たぶん今年は無理だ。来年・・・来年こそは・・「杉山お前何祈ったんだよ?」と俺「まぁ・・・お前と一緒だよ。」あいつも今年はずっと仕事重視だったがついに来年は彼女つくるのか・・・そう。俺はこのとき杉山は来年もあって再来年もあってずっとずっと時間があると思っていた京都ならではの店や寺をいろいろ周った。あたりはすっかり暗くなり旅館に行こうとしたが金欠。京都にせっかく杉山家があるためそこへ行くことに茶色いマンション。303号室「杉山お前郵便物溜めすぎだろ~」「忙しかったから家帰ってなかっただけだよ、俺も今日ここ来るの久しぶりだわ」中に入ると予想通りの散らかりようビジネスの本 株の本 ネットの本 競馬の本 税の本何十冊も散らかっていた杉山はよく本を読むと聞いていたが、全部「金」関係「夕飯何食うか~」「お好み焼きでいいんじゃね」「じゃあ俺材料買ってくるわ!」「俺も一緒に行くよ」と俺が言ったが杉山は断った。「まぁお前ら休んでてくれよ。あ。ってか片付けといて」と言い残し杉山は家を出た。俺たちは言われたとおりぐちゃぐちゃに散らばった部屋を片付けていた。そしてあるモノを目にした。今思うと杉山はこれを俺たちに伝えたくて、一人で行ったじゃないかそして、俺たちにこれを見つけてもらうために片付けを命じたんじゃないか俺たちは京都に来てはじめて真実を知った。
2008年03月02日
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