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北京炎上■内 容 2014年、腐敗と生活格差に人民の不満が広がっている中華人民共和国が舞台。 東西新聞社の北京支局特派員・田波が出張から北京へ帰ると中国人妻の鳴風の姿が消えていた。 不安を抱えながら重慶で起きた暴動を潜入取材し記事にした田波の身辺に影が忍び寄る・・・・。 混乱する中国で第二の天安門事件が起こってしまうのか・・・。■感想など 元外交官である春江一也による中国の近未来を題材にした小説「上海クライシス」とよく似た作品でした。 北京駐在の新聞記者が物語に大きく関わる点なども酷似していますが、「上海クライシス」の方がダイナミックかつ緻密だったような・・・。-◆- 胡錦涛の次世代が中国のトップに座る近未来において、中国の農民などが反旗を掲げるのですが、小生は”あの”中国の独裁体制が動乱を許すはずがない気がしてリアリティを感じませんでした。 実際の中国共産党は、この小説に描かれているより抜け目無く、鵺のような存在だと思います。 ただ、中国の一党独裁体勢が崩壊に向かうことへの願望をくすぐる作品であることは確かですが・・。 ポリティカル・ノベルとしてはちょっとディティールが甘い気がしました。 上海クライシス すじぼりthe EYE[アイ]3部作スペシャル・パック
2008.01.26
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英国SF協会賞/アーサー・C・クラーク賞受賞作。 双生児■内 容 歴史改変SFの傑作。 ベルリンピックで二人漕ぎボート競技で英国に銅メダルをもたらした双子のソウヤー兄弟は、第二次大戦突入後、一方は英空軍爆撃機操縦士としてドイツ爆撃に従事し、一方は良心的兵役拒否者として戦争に関わることを拒否している。 戦争での出来事を境に歴史は英独が停戦した世界と、戦争が続いていく世界へと分岐しソウヤー兄弟は運命に翻弄されていく・・・。■感想など 映画化された「奇術師」(映画名・プレステージ)で一般的にも知られるようになったSF作家・クリストファー・プリーストによる歴史改変SF。 一卵性双生児にして二人共にイニシャルが同じ「J・L」のソウヤー兄弟が主人公で、英独戦争の最中に異なる歴史へと枝分かれする世界が現れたり、兄弟がそれぞれ戦争で負傷したり、死亡したり、また死亡を免れていたり目まぐるしく平行世界を行き来する物語で、一筋縄ではいかない作品。-◆- 作品世界は英独開戦前のベルリン五輪から1999年にいたる大河ストーリー。 昨今流行のライトノベル、YA小説、携帯小説とは真逆な500頁近くあるヘビー・ノベル。 チャーチルやヘスまでが登場する不可解で謎めいたストーリーですが、クリストファー・プリーストという手練れが積み上げた物語の読後感は芳醇であります!-◆- プリースト作品では評判になった「奇術師」よりも小生は「ドリーム・マシン」や「魔法」が好み・・・。 で、本作は「奇術師」と「魔法」のなかばを行く雰囲気。 丁寧に紡がれ、ビロードのような肌触りがする本作は希有な読書体験を心に刻み込んでくれました。 奇術師 プレステージ コレクターズ・エディション
2008.01.20
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物しか書けなかった物書き■内 容 タイプしたものが実体化する作家のドタバタを描く表題作など、「このミス」にランキングされた変わった味わいの短篇集■感想など タイプしたものが実体化したり、骸骨になった死者が町を彷徨ったりするハチャメチャな作品群だけど、いちいちひねりが利いている・・・だから「このミス」にランキングされたのだろうなぁ・・・。 小生は、筒井康隆をはじめとする日本SFに通じるものを感じました。-◆- 法月綸太郎によるあとがきにも書かれているけど、作者は確かにクセ球作家(法月綸太郎氏いわくナックルボーラー) 仄めかしたり、はぐらかしたりする作者の手管に翻弄されることは間違いない。-◆- 小生は、平凡な男が警察官を翻弄する「家の中の馬」が面白かった。 斬新な映画作りを追求する映画監督が登場する「ハリウッド万歳」も面白い。 「このミス」での高い評価ほどの本だとは思わないけど、シニカルでトリッキーな珍品でした。 10ドルだって大金だ
2008.01.14
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エピデミック■内 容 東京近隣に位置する農業と漁業の町で、インフルエンザと思われる患者が続けて重傷化して死亡した。 国立集団感染予防管理センター・島袋ケイトが現場入りするが、重症患者が続出する。 感染源や原因ウイルスの特定も進まず、ついに感染地区の封鎖に・・・。そんな封鎖地区内に現れる子供だけの謎の集団や動物愛護団体のセンターは感染症に関連があるのか?■感想など 近作は「川の名前」「今ここにいるぼくらは」などほのぼのした作品が続いた川端裕人が、久しぶりに重い題材を扱った本作。 数年前に「アウトブレイク」という感染症・疫病を主題とする本や映画が話題になったし、現実社会でも鳥インフルエンザや新型インフルエンザが心配される時代なので、川端裕人が描く「集団感染」小説を期待いっぱいで手にしました。-◆- 感染源のウイルス探索や、疫学調査による感染阻止、さらにバイオテロの可能性や新興宗教もからんでいて見所たっぷり・・・なかなか面白い。 ただし、新型感染症の爆発的感染拡大への緊迫感が薄いように感じました。 本作は郊外の田舎町が舞台なのでどこかのんびりた雰囲気がしており、前出の「アウトブレイク」とか小松左京の「復活の日」ぐらい逼迫した展開にならなかった。-◆- 疫学を専門とする登場人物達の個性がもっとキツくてもいいような気がしました。 海堂尊の「チーム・バチスタの栄光」シリーズに出てくる白鳥や田口みたいな連中が出てきたら面白そうな・・・。-◆- この本を読んでいる最中に偶然にも娘がインフルエンザになって、やや緊迫感が・・・。 本作を読んでいる影響で、インフルエンザは飛沫感染の防止が大切だと感じて、いつもに増して兄弟に手洗いやうがいを督励したのであります。(残念ながら、兄弟総崩れになりましたが・・・) 新型インフルエンザ
2008.01.09
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CWAゴールドダガー受賞作 目くらましの道(上)目くらましの道(下)■内 容 ヴァランダー警部シリーズ第五弾 スウェーデンの短い夏が訪れようとしたある日、ある農家の菜の花畑に無断で入り込んだ少女がヴァランダー警部の目前で焼身自殺。 さらに、元法務大臣、画商、盗品の売人が次々と斧で殺害され頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られる残虐な連続殺人事件が発生。 夏の休暇を前に、ヴァランダー警部は犯人を割り出せるのか・・・。■感想など ヴァランダー警部シリーズ第五弾ということだけど、小生はこの作品がマンケル作品初体験。 馴染みのないスウェーデンの警察小説だけど、2007年「このミス」で取り上げられていたので、試しに読んでみた。-◆- で、感じた印象は「地味」 アメリカ作品のような派手さはないし、英国作品のような雰囲気でもない。 ヴァランダー警部はひたすら地道に現場を廻って捜査を重ねて、犯人への道を辿っていきます・・・この生真面目な作りがなかなか味わい深い。-◆- ヴァランダー警部にはリンカーン・ライムほどの閃きもないし、警察の科学捜査も進んでいない。 どんでん返しとか追いつ追われつのカーチェイスもない。 だけど、一歩一歩犯人に迫っていくヴァランダー警部の渋いこと・・・。 また彼はバツイチで新しいパートナーとの関係が安定するに至っていないことや、娘の将来のことや、年老いた父との病や精神的な距離について悩んでおり、鬱々とした男の気持ちや人間臭さが滲み出ているのもイイ。-◆- とにかく渋い作品で好感を持って読み終えることが出来ました。 あなたに不利な証拠として
2008.01.06
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高度なユビキタス社会に適応し進化の階段を上る人類を描くSF作品。 進化の設計者■内 容 世界中で異常気象が頻発する二〇三六年。 海洋開発研究機構の吉野尚美は、気象予測シミュレーションが大型台風の進路予測が大きな誤差をはじき出した原因究明を進める。 日本がスマトラ沖に建設を進める直径30キロに及ぶ巨大人工干潟建設現場では、原人化石の発掘作業を進める古生物学者が行方不明となるなど不安な動きが・・・。 阪神北市でジャーナリストが失踪、警察と合同調査を進める福祉課の日向拓海は計画が頓挫して放置された地下街にジャーナリストを追うのだが・・・。 3つの事件の裏では優生学的思想を持つ集団"ユーレカ"が暗躍する。■感想など ハヤカワのJコレクションだから期待してよみはじめたけれど、小生の口には合わなかったガックリ作品でした。(あくまでも個人的な感想です・・・念のため) 最初の50頁ぐらいで読むのをやめようと思いながらも、その内面白くなるかと最後まで読みましたが、残念ながら期待はずれのまま・・・。-◆- 日本が中心になってスマトラ沖に建設を進める直径30キロに及ぶ巨大人工干潟に新しい都市を建設する壮大な構想。 ムルデカと呼ばれる巨大構造物は、日本主導ならそんなネーミングはしないだろう・・なんて細かいことまで気になっちゃう。(なんせ月探査機に「かぐや」なんて名前を付ける国だもの) で、建設プラットフォームとなる巨大船の形状などの説明文が分かりにくい(小生の読解力不足のせいだけど)。 その手の説明文がまどろっこしいので、ストーリー展開がスピード感に欠けちゃう。-◆- ネオナチを連想する優生学的思想集団"ユーレカ"が暗躍しているのだけど、物語の終盤でことを起こした背景やイデオロギーを蕩々と語ります。(出来の悪いドラマや映画で犯人が動機を長々と説明するような感じ) なのに、海洋開発研究機構の吉野尚美なる女性に思想の根本となる部分を否定されると、いとも簡単に翻意してしまう・・・。 フ~ム・・・。-◆- ユビキタス社会が実現した近未来で、新しいコミュニケーション手段を会得する人類などの進化を描く壮大なプロットはACクラークの「幼年期の終わり」を思わせるのだけど、残念ながら志の高さに反して物語づくりが巧くなかった。 アイデアは面白いのに勿体ない・・・・。 生煮えで、2007年のガッカリ作品No1でした。リズム+単語で英語力は加速する!!リズムで単語力!【デジ単】
2008.01.04
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