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伊勢の編(515年)
★・・・ 三輪山麓の祭礼・・・
(以下の写真はWEBより。場所はご想像を)
三輪山の山麓、満開の躑躅(つつじ)に囲まれた二枚の神田で、
王、王妃、重臣達を前に、神官が祝詞を唱え、
男達が田ごしらえで田に水を引き、
もう一方の田では早乙女達が苗を植えている。
豊作を祈願して、
太鼓の音、音曲が流れて、
翁面をつけた男達が踊り 、
早乙女達も加わる
。
神官が終了を告げると 、
人々は二枚の田を囲んで 、
二礼二拝一礼してこもごも去る
。
---------- --------- -----------
男大迹王は、神官に従って、質素で美しい早乙女が音曲の中で田植えする
光景が一種の信仰上の儀礼に見えて、自分も大和の風俗に慣れたものだ
と感じる。
★ ・・・ 大兄の王子
男大迹王が二階堂に帰館すると、尾張の草香王が、
男大迹王・目子媛の間に生まれた成人男子 を連れて
樟葉の宮に明後日には到着する予定との報が入った。
その弟は尾張に置いてきたらしい。手白香媛は、この話を聞いて、
ぜひ、二階堂にも連れてくるように、と言う。
男大迹王が、端正な逞しく育った尾張生まれの息子と
面会しているところに、追いかけるように
手白香媛が現れて初対面の挨拶を交わした。
手白香媛は「驚くべきこと」を男大迹王に主張した
。
1
.母・春日大郎は、雄略天皇の血筋たる、
手白香媛と男大迹王の嫡子 を承継させることを願っているが、
それはいいことではあるが、まだ幼すぎる。
せんだって、幼い武烈天王が事故で身罷ったような不幸が起き、
王家の断絶の危機が起こるのは懲り懲りである。
2
.成人になった 男大迹王・目子媛の男子
を「大兄の王子」として、
則ち男大迹王の世継ぎとして世間に知らしめ、
王家からは春日の山田姫(手白香媛の異母妹)を嫁がせる。
3
.「大兄の王子」に弟がいるが、手白香媛の妹・橘仲姫を嫁がせる。
男大迹王は、この 「三重の絆作戦」
には、
子供までも種馬扱いするか!と怒った。
しかし、結局、民草の安寧を願う王家というものの 本質
に驚くしかなかった。
-----
手白香媛は、男大迹王、草香王、目子姫を遂に説得した。
-----
手白香媛は、男大迹王に心服している物部麁鹿火から説得を始め、
「 兄君を、大兄の王子にする点」 を大議会に提出することに漕ぎ着けた。
「弟君などの王家内部の婚姻は王家の問題である」と、
大議会では管轄外の問題であるとされた。
春日大郎の説得は、難しかったが、
「幼い王子が病気で危篤になったとの大芝居」
で、
王家の危機を説き伏せることに成功した。
★・ 伊勢大神の斎王
王家の安泰を願い祖先神に仕える、王家からの未婚の斎王が身罷った。
伊勢神宮の斎宮は百人近いものが仕え、斎宮領の渡会、多気の賄いで成り立ち、
任期は、現王または自分の生存期間である。
すでに、 男大迹王と麻績娘子の間に生まれた豈角姫
(ささぎひめ)は
運命として承知していた。
<伊勢神宮>
<内宮・神楽殿>
<神楽>
<皇大神宮>
<上空からの写真>
★ ・ 秦氏による絹製品流通の一元化
従来、秦氏が絹製品の生産から指導を行い、流通も押さえていたが、
蘇我高麗が王家の財政の安定資源として絹織物を考えているようで、
一族の引き抜きや、絹織物の集荷を二階堂にしているという、不満が
秦氏の長・秦公大津父から男大迹王にもたらされた。
丹波征討で多大な貢献をしてくれ、その後も、丹波に積極的に一族を移住させ
殖産を興し、季節毎の貢ぎ物を倉単位で届ける位の、男大迹王の有力後援者である。
製品を秦氏に一任し、王家には適正な利潤を残すようなシステムで同意した。
交易では梁の銅銭の質の改善が奏功し、大陸とは安定してきたが、
朝鮮半島は百済も新羅も軍事に明け暮れ、奢侈品の絹には目もくれず、
伽那は落ちぶれている、という。
★ ・ 隼人の東国所領を蘇我高麗に委譲申し出
物部麁鹿火から「難波津沖に停泊中の隼人梟師が男大迹王に面会を求めている」、
との知らせで、枚方湊への上陸を許可した。新しく梟師を継承したのは
30代前半の、筋骨逞しく、遠くを見つめる、隼人にしては背の高い男で、
絶対と言って良いほど他人には譲らない日向駒の番を10頭土産に持参した。
途中、野分けのため室戸沖で船待ちしたため7日の旅となったという。
用件は、以下のごとし。
隼人は黒潮の流れる万里に住み、人口は20万に及んでいるが、
現在、西都原の統制が及ぶのはその半分の熊野までである。
熊野以東では、倭人、則ち大和の影響下の人々との交流が多く、
水稲栽培、漁労などで互いが同じような生活をしており、摩擦が起こる
危険を孕んでいる。熊野以東を王家の所領に差し上げたく、隼人の地を
蘇我高麗の配下に組み入れて貰いたい。
聞くと、隼人梟師の妻は、
先代・隼人梟師の娘が蘇我高麗に嫁いで生まれた娘である。
男大迹王は蘇我高麗と隼人梟師の間で交渉するように伝えた。
新しい隼人梟師は喜んで席を立った。
★
(呆けの写経は続く・・・原本を詳しく辿ってください)
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