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2006年05月11日
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カテゴリ: 沖縄関係
沖縄の民話「ハブの恩返し」

沖縄の豆腐は『島豆腐』と言い、豆乳を凝固させる為に海水をそのまま使います。
昔からの伝統的な作り方を今も伝えています。

さあ昔々の事でした。
百姓を生業の女が、豆腐作りの為に海岸に潮水を汲みに行きました。
持ってきた手桶に潮水を入れ、それを頭に乗せて帰る途中で、何やら音が聞こえて来ました。
「パチパチ、パチパチ」
通り道のすぐ側のアダン林から聞こえて来ました。
「何?」

見るとアダン林の奥で煙が上がり、その煙の下では勢い良くアダンの枯れ葉が激しく燃え上がっています。
「火事だ。今、消さないと大事になる」
女は、潮水を入れて重い手桶を持ったまま、燃え上がるアダン林に飛び込みました。
アダンの葉は、パイナップルの葉の様に長く伸び、その縁にはアロエの様なトゲがあり、大変痛い茂みの中を必死に駆け込みました。
すると燃え上がる炎の囲まれるように、逃げ遅れた大ハブがいました。
女は、頭に乗せていた桶を下ろしながら、
「さあ、助けてやるからね。噛み付いたりしたらダメだよ」
と、潮水をかけて火を消しました。
女が念の為と、もう一度海から潮水を汲んで戻ると、大ハブの姿はどこにもありませんでした。

ある日、
女が赤ん坊を連れて畑に行きました。

でも、作業の為に赤ん坊から離れていると、泣きだします。
側まで行っては抱き上げると泣き止みます。
また、離れて芋を掘り始めると泣き出しました。
女は仕事が、はかどらないので困ってしまいました。
仕方が無いので、赤ん坊が泣き出しても構わず芋を掘りに専念することにしました。


ふと気がつくと、延々泣いていた赤ん坊の泣き声が聞こえません。
それどころか、赤ん坊の笑い声が聞こえて来ました。
「どうしたの?さっきまであんなに泣いていたのに、今度は一人で機嫌よく笑ったりして」
そう言いながら、赤ん坊の側まで戻ってきました。
「きゃー あきさみよー」
赤ん坊の傍らには、大ハブが居ました。
女は慌てて、その辺りにあるはずのハブ追い棒を探しますが見つかりません。
でも、不思議な事に赤ん坊は声を出して笑っています。
よく見ると、
なんと赤ん坊は、大ハブの首根っこをギュッと掴んでいました。
大ハブのシッポが目の前で揺れる度に、赤ん坊は声を上げて笑っていました。
女は冷静に、そのハブを見てみました。
「あっ あの火事に助けた大ハブ?」
そうです。
大ハブは、助けてもらった礼に赤ん坊のお守をしていたのでした。
「はぁ びっくりしたさー」
女の人が呆れかえって見てると、三度驚き、ハブがしゃべりだしました。
「この前の御恩返しに、アナタにハブに噛まれないおまじないを教えてあげましょう」
「ハブと会う危険性がある場所では、こう言いなさい」
言葉を区切らず一息で、
『潮汲みの子孫だよ。水汲みの子孫だよ。上の道を通ったら、下の道を通れ。下の道を通ったら上の道を通れ。ジュホー、ジュホー』
と、三回くり返し言って下さい。
「そう唱えれば、決して噛まれる事はありませんよ」
そう、大ハブは言い残し、去って行きました。

それ以来、
女は、どんなにハブが多い場所でもハブに噛まれる事はありませんでした。
ハブも、その時の赤ん坊に首根っこを掴まれて以来、細くくびれてしまいました。







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最終更新日  2006年05月11日 12時56分52秒
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