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2009年05月18日
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『篠田達明』を図書館で貸出予約した のでしたが、 「馬上才異聞」 は上手く連休前に借りることができましたが、「戦国武将の死生観」は連休が明けてから、貸出しの通知が来ました。昨日の晩にそれを読み終えたところ。

現役の医者の見地から、歴史上の人物や史実をもとにした歴史小説を得意とする篠田達明にしても、やはり究極の命題となるのは、「人間は死とどう向き合えばよいのか」ということになるのでしょうか。

この「戦国武将の死生観」も、初めから後半の入り口までは、篠田さん得意の戦国武将のカルテが書かれているから、非常に軽く楽しく読める。
私もその期待からこの本を手にしたのです。歴史に名の残る武将とはいえ、所詮過去に生きた他人の死。他人の死は比較的容易に受け入れることができるでしょ。

ところが楽しく読み進めていたはずが、最終章の途中からは、予想せぬヘビーな内容に少なからず戸惑ってしまうのです。すなわち題名にあるごとくズバリ本題の「死生観」について書かれているからです。

筆者は、現代人は"自分の死"について日頃よりもっと考えておくべきだと説くのです。

「日々戦乱に明け暮れた戦国武将たちに死は突然やってきた。それゆえ、彼らはいつでも死ぬ覚悟を定めていた・・・」

「・・・彼らは死に直面したときは、かねてより覚悟していたことがいよいよ来たかとすばやく臍(ほぞ)を固めることができた・・・・彼らは生に執着することを恥と考えた。死に臨んでの勇敢さ、豪胆さ、いさぎよさが死の美学の境地とされた・・・」

「現代人は、現世の営みに大きく重心がかたむいていて、死に様などにはほとんど関心を寄せない。どんな仕事についても、そこで楽しく過ごすことを第一に思い、嫌なこと、苦しいことはできるだけ避けようとする。ましてや死のようないやなことには目をそむけて向き合おうとしない。本音は本物の死をまともに考えるのが恐ろしくてたまらないのだ。これではいざというとき死ぬ覚悟につながらない・・・・」

ぐさりと肺腑をえぐる筆致に、まさしく戦国武将の切腹もかくありなんといらぬ幻想が頭をめぐる始末。

「・・・ヒトだけは大脳の新皮質が肥大しすぎて、欲望に限りがない。上手いものを食べたい、飲みたい、抱きたい、抱かれたい、金をもうけたい、楽をしたい、ゆっくり寝ていたい。すべて『タイタイ病』である・・・死にたくない、死ねばゼロを認めたくない、は『ナイナイ病』であって、『タイタイ病』と表裏をなしている。いまや石油食料鉱物資源などを奪い合う『欲望病』は全世界を覆い尽くしている。鳥インフルエンザより恐ろしいこの巨大な『むさぼり症候群』によって、ヒト族が絶滅する日はさほど遠い未来ではないのかも知れない。人類は欲望をかなぐりすてよ、と呼びかけた釈迦の説法は千古不易の至言である。」

筆者はこのように書いて筆を置いておられます。

なるほど、我々はもう少し常日頃より、死を通して生きるとはどういうことか考えてみるべきであると思った次第です。


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最終更新日  2009年05月18日 16時20分15秒
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