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2011.01.11
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カテゴリ: 小説
一週間後に自分を自由に死刑にする(つまり自殺する)ことを決めた男が最後に元恋人に会ったりアイドルを抱いたりして死ぬ前にやりたいことをやる話。
三人称で曜日ごとに章が分かれている形式。作者はあとがきではじめはコメディに仕立てようとして後で方針を変えたというようなことを書いているが、その点で物語の一貫性がそがれている印象。
はじめに怪しい男と出会うことから物語が始まるというのはいかにもコメディで、臓器移植が云々というのも月並み。作者も月並みなことは承知した上で書いたらしいけれど、その割には工夫せずに臓器移植をそのままプロットの軸に使っていてつまらない。前半の部分はプロットにあまり関係なく、出来事が並列的で煮詰まっておらず物足りない。自殺未遂をした渋谷の若者とご飯を食べたりするのは主人公の死生観を相対化するという役割はあっただろうけれど、プロットにはあまり関係しないし、主人公が死ぬ前に楽しいことをしたいと言っていた割にはたいして盛り上がっていないし、こんな程度で満足するかというと疑問が残る。後半に狂言誘拐や殺し屋が出てくるあたりでようやくほかの登場人物がプロットに絡んできて物語の展開の速度が増すけれど、その頃にはご都合主義的になってリアリティが薄れていて、ようやく自殺の原因を明かして深刻に死と向き合った主人公とプロットの突飛さがちぐはぐな感じ。自由というテーマも終盤になってようやく議論されて、いまいち追求不足という印象。作為的な説教くさささが鼻につく。

★★★☆☆

自由死刑

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最終更新日  2011.01.11 05:37:02
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