三角猫の巣窟

三角猫の巣窟

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄

コメント新着

三角猫@ Re[1]:戦争反対について考える(04/02) 四角いハムスターさんへ 四角いハムスタ…
四角いハムスター@ Re:戦争反対について考える(04/02) お久しぶりです。 コメントはしておりま…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 善本位制がうま…
四角いハムスター@ Re:善本位制について考える(08/02) 三角猫さんへ 中国は国家安全ために自国…
三角猫 @ Re[1]:善本位制について考える(08/02) 四角いハムスターさんへ 私は宗教国家の…
2011.01.11
XML
カテゴリ: 小説
家族に愛されていない妻を書いた表題作のほか、家族のそれぞれの視点から書いた短編集。
どの短編も主人公の一人称。表題作では妻の感情の動きが最高潮になったところをラストシーンにするなど、物語の焦点の当て方はよい。しかしなぜこの登場人物たちは読者に対して私生活をべらべらと説明しているのかというナラトロジー上の疑問が解消されておらず、その点でリアリティを決定的に損ねている。また現在形を使って物語内のリアルタイムの描写として書いているのに、回想をはさんだりして時間が飛んだり部分的に説明くさい過去形になるのは時制としてもリアリティとしてもおかしい。やるならすべて過去形の回想にしたほうがましだろう。さらに女性の感情をよく表現しているのとは反比例して男性の一人称はリアリティがない。解説で石田衣良は男性が読んでも違和感を感じることは少ないだろうと言っているけれどそんなことはなくて、四十歳になろうという父親が十四歳の息子より幼稚だなんておかしすぎる。
この小説は一見して立場の違う登場人物の心理をよく書いているようにみえて物語の内容自体は悪くないけれど、表現技術が内容に追いついていない。各登場人物の一人称にすることで心理のすれ違いを際立たせる構成になっているけれど、意識の流れでそれを表現したヴァージニア・ウルフとはだいぶ技術の差があり、技術の稚拙さがリアリティを損ねていて感情移入を妨げている。リアリティに向き合わずに家族の崩壊を書いたならばそれは小説のネタとして露悪的に題材を取り上げただけで悪趣味。

★★★☆☆

空中庭園

空中庭園

価格:530円(税込、送料別)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.01.11 05:48:14
コメント(0) | コメントを書く
[小説] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: