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戦場カメラマンのロバート・キャパが第二次世界大戦の様子を書いたエッセイ。
●あらすじハンガリー人のキャパは週刊誌コリアーズの特派員としてニューヨークからロンドンに行くまでの諸々の手続きをして兵士たちと交流して、米軍の軍事機密を撮ってしまって軍法会議にかけられて、ピンク髪のピンキーにワルツを習ってキスして、ロンドンからアルジェに行って北アフリカ作戦の戦場で地雷源に入ってしまって、爆撃機に乗ったらドイツ機に撃たれて、イギリスに戻ってピンキーに再会して、コリアーズを首になったので特派員の仕事をなくさないようにライフ社に連絡して、またアルジェに行って下痢している写真家の後釜になってシチリア攻略のパラシュート降下部隊のちょっとピンぼけの写真を撮って、二度目の出撃でシチリアに降下してドイツ兵が去った後のパレルモに入城してイタリア人将軍に降伏を要求する通訳をしてそのときの写真がライフ社に採用されて、アルジェに戻ってからイタリアに行ってドイツの迫撃砲を耐えながら写真を撮り、ナポリで30歳の誕生日を祝ってローマに行こうとしてあきらめてナポリに戻って砲撃を受け、アンチオ上陸作戦でドイツ軍を奇襲して、ロンドンに戻ったらピンキーが盲腸で入院していて、ヘミングウェイがロンドンに来たので一緒に酒を飲み、6月6日に攻撃部隊の先鋒と一緒にノルマンディに上陸して濡れて震える手で写真を撮って命からがら逃げて船に乗って失神して、せっかく撮った写真は助手がネガをだめにしてしまい、フランスに戻って第九歩兵師団に加わって進撃して、ヘミングウェイに呼ばれて第四歩兵部隊に加わってパリに入城してパリを解放し、トゥールーズでスペインのアルヴァレス将軍に会ってアランの谷に向かったスペイン兵士の帰還を待ち、クリス少佐とロンドンに戻ってピンキーにパリに来るように口説いてパリに戻り、ザール河岸で第八十師団に追いついて人口霧を発生させる新兵器を見て、タンクに乗ってバストーニュに進軍して、1945年の春にはパリでピンキーを待っていたもののピンキーがスパイ扱いされてパリに行けなくなったのでスキーをしてから戦線に戻ってライン河のパラシュート降下の写真を撮って、捕虜収容所の写真は一枚も撮らず、第五歩兵師団に加わって新聞記者仲間からクリス少佐がロンドンで結婚すると聞いてロンドンに戻ると、ピンキーがクリス少佐と結婚するつもりでいたので夜通しピンキーを口説いていたら翌朝の新聞にはヨーロッパ戦争終焉がニュースになっていた。
●感想
文春文庫の文庫版は1979年が初版だけれど、元版になったダヴィッド社の本は1956年の刊行のようで、昔の翻訳のせいか直訳気味で日本語としてこなれてないので読みにくい。元の文章でも背景情報があちこち欠けていて伝記としてはあまり役に立たないし、ウィットを重視して描写が乏しい独りよがりな文章になっていて、訳者の注釈もないので別の情報源から第二次世界大戦の状況を補わないと内容を十分に理解できない。たとえばノルマンディ上陸作戦を知らない人が読んでも、戦地を転々としていた勇敢なキャパが逃げて失神するほどの恐ろしさは伝わらないかもしれない。
文章としては難があるものの、書かれている内容としては活き活きとしたキャパの様子が書かれていてよい。恋愛と戦争を絡めて話を終わらせるのもヘミングウェイとは違った形の陽気なやり方で、悲惨一辺倒の戦場報告になっていなくてユニークである。キャパが好きな人なら戦地でポーカーをやって酒を飲んでピンキーに恋して楽しく過ごしている様子が面白いかもしれないものの、キャパについて知らない人は他の客観的に書かれた伝記を先に読むほうがよいかもしれない。
★★★★☆
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