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2024.10.17
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FRIDAY DIGITALの「​ 6、7人の子どもが授業中に寝そべり…衝撃の教育ルポ「勝手に教室から出るのも特性?」学級崩壊の実態 ​」という記事だと、勝手に教室から出て行ったり、床に座ってYouTubeを見たりする子供がいても、発達障害の子供の特性を認める方針にしているので学級崩壊につながっているそうな。デイリー新潮の「​ 「バンザイができない」「骨折の怪我が1.5倍に増加」 子どもたちに起きている運動能力低下の実態 ​」という記事だとハイハイができないとかの未就学児の状態から運動能力の低下が起きていると言っている。文春オンラインの「​ 「ボールをうまく投げられない小学生」急増の理由 ​」という記事だと、親の運動系の習い事への意識によって子供の運動能力が両極化しているそうな。子供の様々な能力が落ちていることは日本の未来にも影響する重大な兆候だと思うので、これについて徒然なるままに考えることにした。
ちなみに上の記事はどれもノンフィクション作家の石井光太氏の記事なので、興味がある人は『ルポ スマホ育児が子どもを壊す』を読むとよいよ。

●子供が劣化する原因

・格差とSNS依存

インターネットがなかった時代の昭和の子供は都会の金持ちの子供の暮らしぶりを具体的に知らなかったので、同級生に会社社長の子供がいたりして格差はあるにしても「よそはよそ、うちはうち」であまり気にしていなかったし、鬼ごっこや缶蹴りやゴムとびや昆虫採集とかの体を動かすアナログな遊びがあって、スポーツと違って道具の費用がかからないので誰でも遊べた。雨の日はトランプや塗り絵や折り紙やお手玉やジグソーパズルやウォーリー探しとかのゲーム機を使わない安価な暇つぶしがいろいろあったし、おもちゃやゲーム機がなくても自分ですごろくを作ったりチラシの裏に絵を書いたりして創意工夫する余地もあって、物がないからこそ想像力が培われた。
ところが現代はSNSで他人の暮らしぶりが動画でわかるようになって格差が浮き彫りになって、貧しい子供たちは自分が体験できないことの代償行為として動画で他人を眺めるのに夢中になっている。親に旅行に連れて行ってもらえない子供はリア充のキッズYouTuberが日本中の遊園地で遊ぶ動画を眺めている。親におもちゃを買ってもらえない子供はおもちゃ系YouTuberがトレカを大量に開封したりトミカをコレクションしたりフィギュアで遊んだりする動画を眺めている。親にゲーム機やゲームソフトを買ってもらえない子供はYouTuberのゲーム実況動画を眺めている。
子供が自分で直接世界を体験して主役として自分の王国を作ろうとせず、スマホ越しに他人の人生を見る傍観者にすぎなくなってしまったことで主体性や行動力や創造性とかの非認知能力が落ちて、その結果として運動能力が低下したり学級崩壊が起きたりしているのじゃないかと思う。端的に言えば子供に生きる力がなくなっていると言える。

・子供の公園離れ

公園でボール遊びが禁止されて、様々な遊具も危険だし点検費用がかかるからと撤去されてベンチとトイレしかないような殺風景なつまらない公園になって、公園で遊んでウワァーッと大声を出すと近所のジジババから苦情がきて、夏は暑すぎて日影がない公園は熱中症になる危険があって、公園はもはや子供が自由に遊べる場所ではなくなった。
現実世界に子供の遊び場がなくなったので、マインクラフトやフォートナイトや動物の森とかのゲーム内のサンドボックスが公園の砂場代わりになっている。仮想空間で無制限に積み木パーツを使えて自分でデザインした家を作ったりキャラクターの着せ替えをしたり友人とロールプレイをしたりできるのは創造性にとってはプラスだけれど、座りっぱなしでゲームをすればそのぶん運動能力の低下につながる。香川県の調査だと小学4年生の脂質異常の割合が11%で過去最高だそうで、スマホやゲームに長時間触れる生活が定着したことが原因だと県は分析している。
仮想空間では基本プレイ無料ゲームが多くてアップデートが充実していてインターネットでつながれるユーザーが大勢いて魅力的になったのに比べて、現実世界がダウングレードして魅力が乏しくなってしまった。バッティングセンターやボーリング場とかの有料の娯楽施設は子供の小遣いでは頻繁に行けるものでもないので、子供が放課後に体を動かして遊べる場所がなくなっている。
危険な遊びは面白い半面で怪我をするリスクを伴うもので、子供の頃にはリスクをとってジャングルジムのてっぺんからジャンプして着地に失敗して怪我をしたりして、身体能力と判断力をすり合わせていって次第にリスクを見極めて怪我をしなくなるし、他人の失敗を間近に見て学ぶことも多い。その一方で仮想空間上で失敗しても実際に怪我をすることはないので、自分や他人の痛みや苦しみに対する共感能力が育たない。言葉に身体感覚が伴わないので言葉が軽くなって喧嘩をすると「死ね」「消えろ」とかの暴言も言うし、殺意を持って相手に直接殴りかかることはないにしても言葉が他人を死に追いやる自覚がない。

・晩婚化と障害

政府の失政によって就職氷河期世代が生まれてデフレが長引いて、安定した収入や貯金ができてから結婚しようとすると婚期が遅れるようになった。父親の高齢化は精神遅滞や自閉症などの子供の精神発達障害のリスクが高くなると言われているし、母親の高齢出産は染色体異常や自閉症などのリスクが高くなると言われている。それに晩婚だと年齢的に二人目の子供を産めなくなって、一人っ子だと兄弟姉妹の競争が起きないのでそのぶんたくましさがなくなると思われる。
さらに一人当たりの教育費は増加していて、庶民は共働きでないと習い事の費用や大学進学費用を捻出できないので、専業主婦・主夫として育児に専念することもできない。忙しかったり疲れていたりして子供の相手をしている暇がなくても子供にスマホをいじらせておけばおとなしくさせられるので、スマホを子守代わりに使う「スマホ育児」に頼るようになってしまう悪循環になる。親が一生懸命働く姿を見せずにYouTuberが奇行して散財してわめきちらす動画を見せて、まともな価値観を持った子供に育つのか疑問である。

●生活から肉体が置き去りになっている

生きるということは何かを食べて栄養をとって活動して寝て体を休めるという物理的な行為である。ところが科学が発達すると歩かずに車や電車やエスカレーターやエレベーターに乗るようになって、肉体を動かさずに空間を移動させるようになった。買い物でも通販が発達して、店まで行かなくても配達してくれるようになった。コミュニケーションのためにはきはきとしゃべる必要もなくなって、メールやチャットで指先をちょっと動かすだけで連絡できるようになった。昔はブラウン管テレビのチャンネルを変えるためにテレビに近寄ってダイヤルを回して周波数を変える必要があったけれど、今ではテレビはリモコン操作が標準で、スマート家電のオンオフもスマホで操作できるので、室内でちょっと歩くことさえしないで済む。イーロンマスクが出資しているNeuralinkは脳直結インターフェイスでPCを操作する研究をしていて、いまは体が麻痺した障害者向けだけれどいずれ健常者も使うようになるかもしれない。
あまり体を動かさずに生きていけるのは便利には違いないけれど、運動量が減ったぶんは意図的に運動をして補わないと筋肉がつかないし心肺機能が鍛えられない。家で生活する分には体力がなくても問題ないけれど、文明を維持するために欠かせない仕事に必要とされる体力がないことが問題になる。軟弱な人だらけでは犯罪の取り締まりや国防が危ぶまれて、数十万人のよく訓練した警察官や自衛官がいないと治安は維持できないけれど、現業職が敬遠されていて警察官のなり手は10年で6割減だそうな。ただでさえ日本人と白人・黒人とは体格差があるのに、そのうえ少子化で人手不足で若者が軟弱となれば、移民が増えていく未来の日本の治安には不安しかない。さらには農業、漁業、林業などのある程度の体力が必要な一次産業や建設業なども高齢化していて、若者に技術を継承できないと高齢者が引退した時に食料自給やインフラの維持ができなくなって国の存続にかかわる問題になる。女児の身体能力の低下は成人した時の出産に影響を与えてさらに少子化になる可能性もある。いまから対策しないと軟弱な子供たちが成人して子供を持った時にはさらにひどい有様になるだろう。
現業職以外の人に身体能力が不要かと言うと違う。明治時代や大正時代のエリートは結核や神経衰弱とかで早死にしたりする人が多かったけれど、これは栄養状態があまりよくない中で外国語を猛勉強して疲労したことで体力が落ちたのが一因と思われる。漫画家も座りっぱなしで運動不足なうえに締め切りに追われて睡眠不足になって早死にする人が多い。身体能力が低下して疲れやすくなると集中力が維持できなくなるのでパフォーマンスも落ちる。事務職でも肩が凝ったり腰が痛くなったりしてそれなりに疲れるもので、1時間集中して椅子に座っていられなくて授業中に寝そべるレベルの体力が乏しい子供が将来士業やプログラマーとかで活躍できるかというと無理じゃないかと思う。

●どうすりゃいいのさ

子供の能力が落ちていても子供が悪いわけではなくて、そういう環境を作った大人が悪い。オリンピックのスケボーで活躍している若者もいるように、良い環境があって良い指導者がいれば子供はどんどん知識や技術を吸収して能力が育っていく。子供にはいろいろな可能性があるのに、知力や身体能力のポテンシャルを引き出さないままスマホを渡されて放置されて育つのはもったいない。動物園にいる動物が運動不足で太って野性を失っているように、スマホが檻のように子供を狭い世界に閉じ込めてしまっていて、檻の隙間から外の世界を眺めるだけになってしまっている。
スマホは便利で面白いには違いないけれど、とりあえず子供に分別がついて自制できるようになるまではスマホやゲームは時間に制限をつけるなり親がいる時にしか使えないようにしたりして、仮想空間やSNS上の他人よりも現実の自分の周りの世界にもっと興味を持つようにするとよいと思う。自分の五感で世界を感じて自分の手で世界を作り変えていく喜びを感じれば、現実はゲームよりもずっと面白いものになる。例えば農業や家庭菜園をすれば水やりとかの世話をするうちに葉が増えて幹が太くなって実が大きくなっていって収穫する喜びがあるし、音楽を演奏すれば自分の体の動きに合わせていろいろな音が出て自己表現できる喜びがあるし、ダンスをすれば音に合わせて自分の体を自在にコントロールする喜びがある。ウワァーッと歓声を上げたくなるほどの感動を得られるのはたいてい物事を初体験する子供のころくらいなので、その感動を大事にしてほしい。現実の人間にはフィクションのようなチート能力はないのだから、感動に突き動かされて知識や技術を少しづつ身に付けていくしかない。
檻を壊して社会を変えていくにはウワァーッという勢いが必要で、それは感動かもしれないし、希望かもしれないし、不正義への怒りかもしれない。若者たちはいまのくだらない拝金主義の社会を作った老人たちの言うことに従って搾取される必要なんかないのだから、自分には世界に干渉して世界を変える力があるのだと自覚して、よく学んでよく鍛えて洗練された蛮族となって、いずれ腐った老人をぶっとばしてウワァーッと台頭して新しい時代の新しい文明の主役になってほしいものである。



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最終更新日  2024.10.31 09:42:30
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