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2026.07.08
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最近はヨーロッパに熱波がねぱねぱと襲来していて、フランス南部のピソスでは最高気温が44.3度になって、フランスでは6月22日から28日の死者が2千人くらいいたそうで、スペインやベルギーでも熱波が原因とみられる超過死亡が起きている。しかしエアコンに反対する人も多いようなので、これについて考えることにした。

●ヨーロッパは熱に弱い

・ヨーロッパの住宅事情
ヨーロッパは地中海辺りは温暖だけれど、ローマは函館市と同じくらいの緯度で、フランスは北海道と同じかそれより北で、ドイツとかのヨーロッパの北側の国はたいてい涼しいので、夏の暑さよりも冬の寒さに備えて建物の窓が小さくて壁が厚くて熱を逃がしにくいデザインになっている。
そのうえ建物に窓がない場合もある。イギリスやフランスでは18-19世紀に窓税があって、当時の政府は納税者の収入に応じて税金を課そうとしたけれど、所得税で所得を把握されるのはプライバシーの侵害だと国民が反対したので、代わりに家の窓の数に応じて課税して窓が多い豪邸に住む高所得者から税を取ろうとしたので、節税のために窓が煉瓦で埋められてしまった。窓が少ない古い建物は風通しが悪くて熱がこもりやすいので、熱波の影響も大きい。
20世紀初頭のバウハウス以降は間取りが自由なコンクリート製で窓が大きいデザインの建物が出てきたけれど、そういう窓が大きいモダンなデザインの建物はたいてい公共施設や郊外の金持ちの家で、庶民が住んでいるアパートは昔の石やレンガ造りのままである。それに夏の間は避暑地にバカンスに行って暑さをやり過ごしてきたので、住環境の改善が遅れている。

・エアコンが禁止・制限されている
スペイン、イタリア、ギリシャとかの地中海付近の暖かい場所では夏にエアコンを使っていて、スペインとイタリアのエアコン普及率は50%だけれど、フランスはエアコンを制限していてエアコン普及率は25%しかない。工事費も高くて1500-2000ユーロ(30万円前後)くらいかかるしエアコン設置業者の手配にも2か月くらいかかるし、電気代も高いので、短期間の熱波のためにエアコンにお金をかけたくないようである。
ヨーロッパの建物は石やレンガを積んだ古い建物が多くて、建物が老朽化していて壁に穴を開けると危険だったり、窓の外に室外機を置く場所がなかったりして技術的問題でエアコンを設置できない場合がある。じゃあ室外機がいらない窓用エアコンを使えばいいじゃんと思うけれど、ヨーロッパの古い家の窓は外開きで、イギリスやアメリカみたいに上下に窓をスライドさせるダブルハング窓や日本みたいに左右に窓をスライドさせる引き違い窓とは構造的に違うので窓用エアコンをぴっちりはめ込むことができなくて冷却効率が悪いので窓用エアコンを使わないようである。だもんでエアコンを使いたい人はMEDION P502やMidea Portasplitみたいな工事が不要で室外機だけ窓の外に出すタイプのポータブルエアコンを使っているようである。
エアコンを設置できる場合でも室外機が建物の外にあると景観が悪くなったり、集合住宅で室外機の音で苦情が来たりするのもエアコン制限の理由のようである。フランス気候省やパリ副市長は「エアコンは山火事や農作物被害を防ぐことはできず、建物の壁一面がエアコン室外機で覆われるような都市は避けるべきだ」という立場をとっている。都市部の集合住宅だと洗濯物の外干しも景観を損なうという理由で制限されたりするので、歴史と伝統ある街並みがエアコン室外機だらけになるのが嫌なのだろう。景観が問題だというなら景観になじむ室外機カバーを開発するなりすればよいだろうに、そういうこともやらない。
それに脱炭素を推進してきたヨーロッパ各国の左派政権はエアコンも二酸化炭素を排出するとして制限していて、フランスは学校や病院とかの公共施設にさえエアコンがなくて、右派のルペンはエアコン設置を訴えて支持につなげようとしている。
不法移民のホームレスのテントだらけでポイ捨てされたゴミだらけの状況で窓の景観を気にするのはナンセンスだし、熱波に苦しんでいる人がいて解決策(エアコン設置)はわかっているのに、政治的理由で解決策を取らないで死者を出すのは人災だと思う。フランスの左派はアメリカ人がエアコンを使うせいで気候変動しているのだとなぜかアメリカを批判しているけれど、それは熱波に苦しんでいるフランス人を救わない理由にはならない。

・車も熱に弱い
ヨーロッパは基本的に涼しいのでカーエアコンは標準装備でなくてオプション装備であまり使わないようである。しかしそのぶんたまに来る熱波に弱くて、カーエアコンが故障しやすかったり、エアコンがない車内が猛暑になったりする。エアコンがないバスの運転手がへとへとになって休憩している動画がXに流れてきたけれど、一日中車に乗っている人は大変そうである。
フェラーリとかのスポーツカーは走りながらフロントグリルから空気を取り込んでラジエーター(エンジンの冷却水を冷やす装置)を冷やすので涼しいヨーロッパで走る分には問題がなくても、日本に輸入して高温多湿の環境で低速で走るとラジエーターが十分に冷えないのかしばしばエンジンルームから出火して炎上している。
道路も暑さで痛んでいる。日本のアスファルトは暑さ耐性が強くて140-150℃にならないと溶けないけれど、ヨーロッパは涼しい気候を想定して古いアスファルトを使っているようで表面温度が60℃くらいで軟化してでこぼこになっている。

●エアコンVS環境

昔のフロンガスを使っていたエアコンや冷蔵庫はオゾン層を破壊してオゾンホールができて紫外線に弱いオーストラリアの白人の皮膚がんの原因になったので、昔のエアコンは環境に悪くて人類にも悪影響があったといえる。しかし1987年のモントリオール議定書でフロンの生産が規制されて今はオゾン層が回復しつつあるし、エアコン廃棄時にはフロンを回収しているし、アンモニア冷媒や二酸化炭素冷媒とかを使ったノンフロンエアコンも開発されている。フロンよりも二酸化炭素が地球温暖化の原因になるというのがヨーロッパのエアコン反対派の主な主張のようである。しかし地球の二酸化炭素のうち自然界の動植物が放出するのが95%前後で、人間が排出する5%程度のうち3割が中国から排出されているので、ヨーロッパで熱波が来ているときにエアコンをちょっと使ったところでたいした違いはないだろう。フランスで病院や福祉施設とかにさえエアコンを設置しないのはナンセンスである。全国地球温暖化防止活動推進センターによると日本の​ 家庭からの二酸化炭素排出量(2024年度) ​は冷房からが3.7%、暖房からが15.3%で、暖房のほうが冷房の4倍くらい二酸化炭素を排出している。ヨーロッパの冷暖房の二酸化炭素排出量の違いは知らないけれど、冬の暖房は使うのに夏のエアコンを地球温暖化の原因のように扱ってエアコンだけ規制するのもナンセンスである。
エネルギー保存の法則や質量保存の法則があるので人間が様々なものを作って文明が栄えるほど自然環境が破壊されて別の形になるのは当然で、人類のたいていの活動は環境破壊だと言えるけれど、逆に人間が活動を控えたら地球が涼しくなって人間にとって快適な環境になるのかというとならないだろう。1991年のピナツボ火山の噴火では噴煙が成層圏に届いて日傘効果で1992-1993年の世界の平均気温が下がったように、人間が何もしなくても火山の気分次第で気温は変動する。太陽の活動が低下した1400-1800年頃の小氷期には地球の気温が1℃下がったように、人間が何もしなくても太陽の気分次第でも気温は変動する。人間が地球の気候や環境をコントロールできると考えるのは思い上がりである。
数百年単位で見たらなるべく持続可能な社会を目指して賢く資源を使うに越したことはないけれど、今の地球が暖かいのも10万年周期の間氷期にあるからで、人類がどう頑張ろうが10万年後には氷河期が来るし、50億年後には太陽が巨星期になって膨張して地球の生物も全滅するので、環境を気にしてエアコンを控えるのはあまり意味がないと思う。どんどんエアコンを使って産業を発展させて企業間の技術競争を促して今よりももっと性能が良い省エネのエアコンの開発を促進したり冷暖房の効率が良い高気密住宅に建て替えたりするやり方でも良いのじゃなかろうか。

●エアコンを使わずに涼む方法

・夏になる前に暑さに体を慣れさせておく
夏になる前に入浴や運動で体温をあげて汗をかいて暑熱順化しておくと、発汗の気化熱や血管の拡張の熱放散で体温を調節しやすくなる。人間は使わない機能は徐々に衰えていくので汗をかいて汗腺を鍛える必要があって、暑くなってきたからといってシャワーで済まさずに風呂に入って汗をかくのに慣れておくのが大事である。汗腺がちゃんと機能しないとミネラルが多いベタベタした臭い汗が出るけれど、汗腺がちゃんと機能すると水分が多いサラサラした爽やかな汗が出るようになって汗の不快感も減る。
熱中症対策にエアコンを使うにしても気まぐれで使わずに、室温〇度以上なら〇℃設定で何時間使うという基準を作っておくと節電しやすい。暑さに体を慣らしておくと、室温30℃で湿度80%、あるいは室温35℃で湿度60%くらいなら私はエアコンなしで扇風機でなんとか耐えられるので、私は7月の中旬頃までは暑くてもエアコンは使わずに過ごして暑さに体を慣らして、7月後半から8月の真夏に室温33℃以上で湿度80%以上だと熱中症の危険度が高いし暑すぎて頭がボーっとして仕事の効率も悪くなるのでエアコンを29℃設定で使うようにしている。

・気化熱で温度を下げる
気化熱とは液体が気体に変わるときに周囲の熱を奪う現象で、滝の近くが涼しいのも滝から細かい水しぶきが飛んで蒸発する作用によるものである。公共施設だとミストシャワーで霧を広範囲に撒いてその気化熱で涼む方法も取られている。家にいる時間が長い人は打ち水とかで家の周りの地面の温度を下げると室温も若干下がる。庭がある人は朝と夕方に植物に水やりをすると打ち水代わりになるし、植物が日陰を作って地面の温度も上がりにくくなる。
私は窓の外側にすだれを吊るして、ダイソーの園芸用の加圧式霧吹き(ペットボトルを取り付けられるやつ)でこまめにすだれを湿らせている。あとベランダに霧を吹くと広範囲に水を撒けてすぐに蒸発するので、窓付近の温度が若干下がっている。

・氷や保冷剤を使う
氷や保冷剤をちょっと使ったところで室温は下げられないけれど、体温を下げることで暑さを我慢しやすくなる。寝るときに氷枕で首元を冷やしたり、保冷剤をタオルにくるんで首や脇とかの太い血管があるところに当てると体を冷やしやすい。冷水で濡らしたタオルで体を拭くのもさっぱりする。
ただし冷凍庫の場所を取るデメリットがある。夏は食材が傷みやすくて魚やアイスとかの凍らせておきたいものが多いので、一人暮らし用の小さい冷蔵庫だと氷や保冷剤が多いと邪魔である。

・乾きやすくて通気性がよい服を着る
でこぼこしたシボがあるリップル生地は肌にくっつく面積が減るので通気性が良くなるし、生地の表面積が増えるぶん汗を吸いやすくて乾きやすくなる。ゆったりした甚平は夏の部屋着にちょうどよい。

・家電を省エネのものに買い替える
冷蔵庫やパソコンとかは熱源になって使っているうちに部屋の温度をじわじわ上げていく。古い家電は消費電力が大きくてエネルギーのロスも大きくて部屋の温度も上がってしまうので、消費電力が少なくてエネルギー効率が良い新しい家電に買い替えると部屋の温度が上がりにくくなる。

・部屋に外気を入れる
家の中に空気がこもると湿度も上がって汗が乾きにくくなって暑さや不快感が増す。家の中を風が通り抜けるように窓を二か所以上開けると外気が入ってきて湿度が下がるので、外が暑くて風がぬるくても多少はましになる。集合住宅だと玄関側に窓がなかったりするけれど、その場合は台所や風呂場の換気扇を回すとよい。

・夏野菜を食べる
トマトやキュウリやスイカとか夏野菜はカリウムと水分が多くて利尿作用があって、尿と一緒に熱も排出されるので若干体温が下がる。水分が多い食べ物を食べると脱水症状の予防にもなる。

・エアコンが効いている施設に行く
エアコンを使わずにいろいろ暑さ対策をするよりも、結局はエアコンを使って涼むのが一番手っ取り早い。しばしば中国人は買い物をしないのに涼しむ目的で家電量販店や家具店にたむろしているけれど、そういうのはモラルがなくて買い物客の邪魔なので、フードコートがあるような大きめのショッピングモールとかで買い物をしたうえで休憩するのがよい。
図書館はエアコンが控えめだけれど、それでもエアコンがない家にいるよりは涼しいし無料で長時間滞在できるし図書館の利用率が上がると図書館が予算を確保しやすくなって図書館の存続にもつながるので、近所の図書館を存続させたい人や夏休みに暇な子供は図書館に行くのがおすすめである。





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最終更新日  2026.07.14 19:20:16
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