ねこまんまねこの日記

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2009年05月08日
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カテゴリ: スポーツ

小笠原道大は真の人格者である。

5月7日の東京ドーム、巨人VS横浜戦はドラマチックな一戦だった。この試合後、ヒーローインタビューに立った小笠原道大は素晴らしかった。

読売巨人軍の小笠原選手は、横浜に3-1でリードされ敗色濃厚だった8回裏、横浜3番手の山口俊投手の剛速球を右中間スタンドに運び逆転3ランホームランを放った。

山口俊は、マックス155キロの速球を持つ柳ヶ浦高校出身の豪腕投手で、阪神タイガースの藤川球児の様なの押さえの切り札として期待されている。父親は元幕内力士ということで本人も恵まれた体格、この日も150キロの剛速球を繰り出していた。
山口は2006年6月29日に巨人戦で一軍初登板初先発。6回を投げて1失点の好投を見せて勝利投手になった。高卒新人の巨人戦での初登板初先発初勝利は1987年の中日・近藤真一投手以来19年ぶりであった。
山口は、この日自分と同様に一軍初登板初先発した藤江 均(ふじえ ひとし)に初勝利を付けてあげたい(=藤江の初勝利を消したくない)一心だったに違いない。
藤江は、高校卒業後2004年NOMOベースボールクラブに入部、2007年からは東邦ガスに移籍し叩き上げてきた苦労人である。この日の藤江は6回2/3を被安打6、奪三振4、自責点1と試合を作り、勝利投手の権利を持ったまま降板した。
 しかしこの日は山口俊が8回に小笠原、スンヨプ、阿倍から3本のHRを浴び、逆転を許し、藤江の初登板初勝利はならなかったのである。

 山口本人は「巨人戦初登板初先発初勝利」を達成していることから、藤江の「自身と同様の記録」を自ら帳消しにする形となってしまった。 この日の山口は明らかに硬くなっており、腕が振れていなかった。それでも小笠原に打たれた球は開き直った剛速球で150キロ以上出ていたと思われる高めの良い球だった。 

並みのバッターなら空振りするか、良くてセカンドフライだっただろうと思われるが、小笠原選手は速球に狙いを絞り、押し込んでスタンドまで持って行ってしまったのである。

私が「人格者」と言っているのはもちろんこのバッティング技術のことではない。

 ジャイアンツは敗色濃厚から起死回生の逆転HRだったのである。HRを放った後、普通の選手ならベンチを振り向いてガッツポーズをしながらベースを回るぐらいの価値がある一発だったのだ。 しかし、小笠原選手はスタンドに入ったことを見届けたあとも、小さく手を上げることも全くなく淡々とベースを回り、笑顔もほとんど無かった。試合後も、お立ち台に上がった小笠原選手の発言からは、自分のスイングやバッティングに関すること、狙い球のこと、嬉しいとか喜びという感情のことは一切聞かれなかった。ただ一言、自分の打球について「ファンの声援がスタンドまで運んでくれた」とだけ語ったのである。

小笠原選手は藤江の初勝利を自分の一振りで消したのであり、おそらく、これは推測であるが、藤江がここまで這い上がってきた途方もない努力と執念、打たれた山口俊の心の痛み、悔しさなど、まるで自分の事のように捉えていたのではないだろうか。

だから横浜のピッチャー陣を労り、相手が少しでも傷つくような挙動や発言を極力避けていたのではないだろうか。 

 強打者として君臨することは相手投手を打ち砕き続けることに他ならない。しかしその都度、相手投手の痛みを感じとることの出来る小笠原選手の様な選手こそ「超一流」なのだと思う。

 藤江投手も山口投手もこの経験をバネにより一層成長することだろう。






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Last updated  2009年05月08日 20時56分51秒
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