立川ニューイヤーオペラガラコンサート

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2018年01月07日

カテゴリ： OPERA

Photo Album
Photo courtesy of the artist

立川ニューイヤー・オペラ・ガラ
新進オペラ歌手によるイタリア・オペラの饗宴！

開催日：2018年1月7日(日)14:00開演(13:30開場)
会場：たましんRISURUホール(立川市市民会館) 小ホール

藤原唯（ソプラノ）
林眞暎（メゾソプラノ）
前川健生（テノール）
清水勇磨（バリトン）

森田学（ナビゲーター）

【曲目】
ロッシーニ：「セビリャの理髪師」より“金貨の二重唱”“少し前にひとつの声が”
ヴェルディ：「リゴレット」より“慕わしい人の名よ”
ジョルダーノ：「アンドレア・シェニエ」より“祖国の敵”　　ほか

***

仲良しの4人とすばらしいピアニストと解説者が揃って、お客さんも納得のすばらしいコンサートでした。完売公演です。

ヴェルディ・バリトン好きの私にとってたまらない曲目が並んでました。

ヴェルディのディオ・ディ・ジューダ！
日本人の演奏で初めて聴きました。
すばらしかったです！

あとはネミコディパトリアです。
これもとんでもなくすばらしかったです！

後述いたします。

そして我らがテノーレ前川健生さん。
すばらしいテノールです。

すべての高音を圧倒的に完璧に決めました。
テノール気質で大変明るいのでとても楽しいステージングでした。

メゾの林眞暎（まえさんもすごかった！
アルトに近いパンチのあるお声で
美声な上に大変パワフル。
カルメンが似合いそうな演技力
アビガイッレも出来そうなパワーを有しています。

ソプラノ藤原さんは美しくスレンダーでモデル体型。
ヴィオレッタがとても良かったです。

解説の森田学さんがまた素晴らしかったです。

わかりやすく
目からウロコの解説でした。ありがとうございます。

ピアニスト藤川志保さんもオペラティックに一人で弾き続け大変ご苦労様でした！
グランドピアノは調整が必要かとも思いました。

プログラミングはテノールの前川健生さんとのこと。

森田氏「ガチでごちそうさまと言ってもまだ出ますよ、というプログラムを前川さんが考えた」

1
ドン・ジョヴァンニ
ラチダレムラマノ
ドン・ジョヴァンニ：清水勇磨
ゼルリーナ：藤原唯

水色の美しいドレスの藤原さん。とても美しい！モデルのように細く、
胴回りは清水氏の3分の１しかなさそうです。

2
グルックオルフェとエウリディーチェから
エウリディーチェなしで

林眞暎

声に感情を載せて歌う。すばらしかった。

3
ドニゼッティドン・パスクワーレから
騎士のあのまなざし
ノリーナ:藤原唯

ノリーナの登場のアリア。高音とアジリタあり。
どんどん変わっていく表情に魅せられる。

4
ドニゼッティ:愛の妙薬から
人知れぬ涙

M’ama! Sì, m’ama, lo vedo. Lo vedo
マーマ
Cielo! Si può morir!
チェロ
の部分の爆発的発声がすばらしい。
最高音も完璧。すばらしいパフォーマンスだった。

5
ロッシーニ音楽の夜会から二重唱
ヴェネツィアの競艇
藤原唯・林眞暎

すばらしい二重唱。軽く楽しい曲。

6
ロッシーニセヴィリアの理髪師より二重唱
万能にして不思議な力を持つ
All'idea di quel metallo

アルマヴィーヴァ伯爵：前川健生
フィガロ：清水勇磨

森田さん解説。「ロッシーニは1868年逝去。没後150年。セヴィリアの理髪師は24歳の時に書いている。天才としか言いようがない。」

ユーモラス

マ・ペルケー？

後半
早口部分すばらしい

7
ロッシーニセヴィリアの理髪師より
少し前に一つの声が
Rosina's aria ("Una voce poco fa") from the opera "Il Barbiere di Siviglia"

ロジーナ林眞暎

"Una voce poco fa"
すばらしいパフォーマンスだった。
怒りの表情がユーモラス。
高音がめっちゃパワフルだ。

8
ロッシーニセヴィリアの理髪師より三重唱
黙って静かにそっと
Zitti, zitti, piano piano

ロジーナ:林眞暎
フィガロ:清水勇磨
アルマヴィーヴァ伯爵:前川健生

森田さんの解説「サッカーで5人抜きしてシュートするような超絶技巧だ。8拍子
んなったらそろそろ終わると思っていい。

前川high C強靭に決まった！
プレスト！と慌て出すフィガロに客笑う。
とても楽しい！

後半

9
ヴェルディドン・カルロより
友情の二重唱

カルロ:前川健生
ロドリーゴ:清水勇磨

やはり清水勇磨氏はヴェルディ・バリトン！
もう最高です！

前川健生さんも高く強靭な声ですばらしい！まるでロベルト・アラーニャのようだ！

森田さん解説「これからメインの肉料理が続いていく。(笑）

10
ヴェルディ Rigolettoから
親しい人の名は
カーロ・ノーメ

High E(？）を擁する難曲。

森田氏がなぜ名前なのか？を解説する。
これには本当に感心しました。
こんなにわかりやすい、腑に落ちるオペラ解説者いまだかつていなかった。
森田氏「ジルダは自分の出自、生い立ちを父親のリゴレットに知らされず、父の名前さえ知らなかった。だから名前を教えてくれた貧乏学生「グァルテル・マルディエ」の名前が愛おしかったのだ！」

＊＊＊

森田氏
「Dio di Giudaです。これを歌えるのはなかなかいません。
　ヴェルディバリトンとは声、歌唱のすばらしさだけではなく、現地の人はそこに王としての苦悩を表現できているかどうかなども含めて判断します。」

11
ヴェルディナブッコより
ユダの神よ
清水勇磨

娘のフェネーナが連行されていく。

Ah, prigioniero io sono!
私は囚人なのだ！
顔を覆う　ずっとそのまま
そして…

Dio di Giuda!

なんというすばらしい歌唱だ！
高い音程のレガート完璧です。

カデンツァもまったくもってすばらしい！

そのままカバレッタへ

O prodi miei, seguitemi,

すばらしい～！

di mia corona al sol

清水さんご本人によると、Dio di Giudaは初めて舞台で演奏したとのこと！
そういう機会に聴けるなんてなんという喜びでしょう！
Verdiの大変な高音のレガートなど大変な肺活量が必要な難曲なのです。
それだけに美しい心に沁みる名曲です。

＊＊＊
森田氏解説「高級娼婦ヴィオレッタ　体を売っていたわけではない。当時のセレブのアイドルのようなもので気に入ったら札束で時間を過ごさせてあげるという存在。
選ぶのは男性ではなく女性の方。
花をあげて、しおれたら来て、というのはいつでも来ていいわよ、という意味
アルフレードはじゃあ明日！と勢い込んで言うところがかわいい。」

なかなか目からうろこでしょ！

12
Verdi La traviata
"Un di, felice, eterea"
ヴィオレッタ：藤原唯
アルフレード：前川健生

アカペラもすばらしい。

白い花をもらってうれしそうな前川さんが可愛すぎる。いや面白すぎる。

13
Francesco Cilea - "Acerba voluttà", Adriana Lecouvreur
林眞暎

大迫力。とんでもないパワー。
声に感情を載せて歌える人だ。

14
Puccini　La Boheme
Che gelida manina
前川健生

すべての高音を見事に強靭に歌唱。
la dolce speranza!
の最高音も完璧！
すごいテノールです。

15
Giordano　Andrea Chenier
Nemico della patria
祖国の敵
清水勇磨

すばらしい～～～！もう言葉がありません。
このアリアは本当にすごいバリトンにしか歌えない歌。
終わった瞬間客席から大Bravoが飛び交いました！

16
Verdi Rigoletto
Quartetto　Bella figlia dell'amore

Bella figlia dell'amore,
schiavo son de'vezzi tuoi;
con un detto, un detto sol
tu puoi le mie pene,
le mie pene consolar

テノール高音すべてクリアー！
consolarで強靭に歌う
張りがすばらしい！
最高のドゥカです！

マッダレーナも最高！

やんやの大喝采の中終了
アンコールは
Verdi La traviataからBrindisi

お疲れさまでした。

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