ゼッダ先生に捧げる公演

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2018年01月06日

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Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

2018年1月6日（土）開演 14:00（開場13:30）
浜離宮朝日ホール

後援　イタリア文化会館、公益財団法人日伊協会マネージメント：ミリオンコンサート協会

天羽明惠（ソプラノ）
脇園彩（メッゾソプラノ）　
小堀勇介（テノール）　
中井亮一（テノール）　

高橋千夏（ソプラノ）　
杉山沙織（メッゾソプラノ）　
工藤翔陽（テノール）
高橋大（テノール）　
市川宥一郎（バリトン）　
小野寺光（バス）　
田中大揮（バス）

金井紀子（ピアノ）　

朝岡聡（ナビゲーター

＊＊＊

業界の人たち、歌手、指揮者、評論家や研究者、マニアックなロッシーニファン、各アーティストのコアなファンが集うのも納得の濃い玄人好みの演目でした。

小堀さんによるとこの曲目は直前に決まったとのこと。にもかかわらず、小堀さんは完全暗譜で演技付きでした。さすがです。

そして瞠目のパフォーマンスメゾソプラノ世界の脇園彩さん
今年のペーザロロッシーニ音楽祭でロジーナを歌う。
数年後にはMETやザルツブルクで歌っているに違いない世界レベルです。

何もかもが完璧

歌唱法も見事で
愛らしい表情で演技も堂に入っている。
すごい人が出てきたと数人と確認し合いました。
まだ29歳とのこと！驚きの若さです！

その彼女と大阪のチェネレントラでタッグを組むテノールの小堀勇介さんもとんでもない世界レベルの歌唱！

イドレーノとアルミーダのリナルドだけで、High Cis　3回、High C ６回以上、 H 6回以上も出していたと思われます。（後述参照）

それも光輝くMAX歌唱です。

同じくロッシーニテノールの中井さんもすばらしい歌唱
小堀さんと今後色んなロッシーニの作品を歌って欲しい！
ゼッダ先生も望んでいることでしょう。

天羽明恵さんのコリンナも見事でした。
演技もすばらしかったです。

テノールの工藤君がアルミーダのテノールの三重唱に登場。リリックなお声が力強さを増していてすばらしかったです。

＊＊＊

1 《オテッロ》（1816）よりロドリーゴとイアーゴの二重唱〈いや、恐れてはならぬ〉
　No, non temer （«Otello» Napoli,1816）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ロドリーゴ中井亮一
ヤーゴ小堀勇介

2 《セビーリャの理髪師》（1816）N.11 ロジーナのアリア〈愛に燃える心に〉　　　　　　
　Contro un cor che accende amore （«Il barbiere di Siviglia» Roma,1816）　　　　　　

ロジーナ：脇園彩
アルマヴィーヴァ伯爵：中井亮一

音楽の先生に化けたアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナの歌のレッスンのシーン。バルトロがバスバリの田中大揮さん。
脇園さんの登場に湧く会場。
なにしろとんでもなく世界レベル！
アジリタはジョイス・ディドナートレベル。

3 《セミラーミデ》（1823）よりイドレーノのアリア〈とても甘美な希望が〉
　La speranza piI soave （«Semiramide» Venezia,1823）　　　　　　　　　　　　　　　　

イドレーノ：小堀勇介
＋合唱

　これがまじですごかったです！
アダージョ　H、アジリタでH、合唱、Andiam アジリタ、合唱→アップテンポへ→アジリタH→ものすごい強烈なHigh Cis→アジリタでH→アジリタでH→High Cis→最後H→A

(JDFで確認しました。話がそれますが、William MatteuzziはこのアリアでHigh Eを何回か出しています。High Dも出しています。上記の音とりはJDFを参考にしたものなので、小堀さんもHighD出しているかもしれませんが、少なくとも確実にHigh Cisは出していると思われます。）

このイドレーノのアリアは後半のもので合唱つきのものです。前半のアリアにはHigh Dがあり、 2017年の日本凱旋コンサートで歌っています。

4 《ランスへの旅》（1825）よりレチタティーヴォ〈やっと女神が一人のところを見つけた〉～
　コリンナと騎士ベルフィオーレの二重唱〈かのお方の神々しいお姿には〉　　
　Sola ritrovo alfin la bella Dea… Nel suo divin sembiante
（«Il viaggio a Reims» Paris,1825）　　　　　　　　　　　　　

コリンナ：天羽明恵
騎士ベルフィオーレ：中井亮一

コミカルな二人の演技にも魅せられる。いつのまにか登場しかみて舞台に腰掛けているコリンナ。コリンナは自由人。明るいKYなベルフィオーレは中井さんのお得意な役。解説によると、中井さんは2007年にペーザロのアカデミア・ロッシニアーナに（？）参加、「ランスへの旅」でバスローブを脱ぐあの演技をしていたそうです。まじか！その時ゼッダ先生はいつものようにあのしもて側のバルコニーの最前席で見ていたそうですよ。懐かしいな。

5 《ラ・チェネレントラ》（1817）より六重唱〈あなたなのですね〉　　　　
　Siete voi? （«La Cenerentola» Roma,1817）

アンジェリーナ：脇園彩
クロリンダ：天羽明恵
ティスベ：杉山沙織
ドン・ラミーロ：小堀勇介
ダンディーニ：市川宥一郎
ドン・マニフィコ：田中大揮

　ロッシーニ・クレッシェンド、アジリタ　
アンジェリーナ、Lo giuro　でHigh C（？）　
すばらしい～幸せ。日本でこれだけのものが聴けるとは！

────　休憩　────

6 《ラ・チェネレントラ》（1817）よりチェネレントラとラミーロの二重唱〈まったくひと気がない〉～〈何か判らぬ甘美なものが〉
Tutto e deserto... Un soave non so che （«La Cenerentola» Roma,1817）　

アンジェリーナ：脇園彩
ドン・ラミーロ：小堀勇介

脇園さんは2014年、小堀さんは2016年のアカデミア・ロッシニアーナの卒業生だそうです。なんかペーザロのあのテアトロ・ロッシーニで彼らが歌っているような錯覚に陥るぐらいすばらしかった！まさにワールドクラス。Amazing！まさに夢のゴールデン・カップルの誕生だ。

Tutto e deserto、B、見つめ合う二人、キス？キスしない。ロジーナ爆発的なHigh C？会場が震撼するパワー→二重唱

7 《幸せな間違い》（1812）よりベルトランドのカヴァティーナ〈なんと優しい喜びが〉
　Qual tenero diletto （«L’inganno felice» Venezia,1812）

中井亮一

Rossini、20歳の時の作品だそうです。中井さん、中音域の豊かな充実を感じる。

8 《ランスへの旅》（1825）フィナーレより即興歌〈金の百合の陰で〉
　All’ombra amena del Giglio d’or （«Il viaggio a Reims» Paris,1825）

天羽明恵

装飾音を入れて高い音程に変えて歌う技巧も見せる。ナタリー・デセイのような美声。

9 《アルミーダ》（1817）より三重唱〈その臆病な顔つきの〉
　In quale aspetto imbelle （«Armida» Napoli,1817）　　　　　　　　　

リナルド：小堀勇介
カルロ？中井亮一
ウバルド？工藤翔陽

これがもう～すごかったです。
小堀　High C→High Cis→High C→High C→High C→最後三人でHigh C
小堀氏は譜面台はあるものの、完全暗譜で演技付きで激唱！中井氏も強靭な高音を！工藤さんが豊かな声で男らしく歌う！三人三様のばっちり合った声の競演に鳥肌でした～！
Bravi tutti!

参考＞＞
Lawrence Brownlee (Rinaldo)
アダージョ　High C→High Cis→G→High C→High C→High C→High C→High C

10 《ラ・チェネレントラ》（1817）よりチェネレントラのロンド〈苦しみと涙のうちに生まれ〉
　Nacqui all’affanno,e al pianto （«La Cenerentola» Roma,1817）　　　　　　　　　

脇園彩／アンサンブル

オオトリはやはりアンジェリーナ！やーもうアジリタが神アジリタだったです。ディドナードレベル、いや、それ以上かも？声質がとても陰影のある魅力的な声質なのです。一度聴いたら忘れられない人を虜にする声です。

アンコール　全員でチェネレントラの６重唱

お疲れさまでした。

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