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なんだか久々にハードなテーマを扱う。健康増進法って、アホちゃうか?というのが今日のテーマである。後半ではとくに、人間の自由とバトルとの関係を考えている。参考文献(今日読んだ)を先にあげておこう。重田園江『フーコーの穴』。あまり分析の切れ味が鋭い人ではないけれど、統計学的思想のヤバさの紹介が分かりやすいので気に入っている。さてこの『フーコーの穴』第4章に"健康包囲網"という表現が出てくる。"健康包囲網"とは今の日本のことを風刺したフレーズである。そういえば健康、健康ってやたらうるさい。私は健康増進法による喫煙者パージに対しては明確にアンチの姿勢をとっている。ここで強調しておきたいのは私じしんはタバコは嫌いだ!ということである。タバコ嫌いなのに、アンチ健康増進法、というのは矛盾したスタンスのように思われるかもしれない。しかし、私が嫌いなのは、健康増進法をタテに=お上の権力をカサに来て、喫煙者を社会的に排除しようとするその思考法の方である。よって私がアンチ健康増進法派なのは、タバコの好き嫌いとは関係ない。この健康増進法の図式はいままでいろんな場面で政治的社会的に利用されてきた。いわゆる「らい予防法」をタテに=お上の権力をカサに来て、日本社会全体がハンセン氏病患者を徹底的に排除した図式もそうだ。何を大げさな、と思われる方もいるかもしれない。しかし、重田もいうように「健康には限度がない」のである。この健康増進法の図式が拡大していけば、次のようなことだって想定される。201X年、改正健康増進法が施行、職場帰りの飲酒は生活習慣病のリスクを高めるとして、指定地域におけるアルコール類の販売が禁止される・・・ま、ここまで来るとさすがにSF的だが、しかしこれに類似した動向は十分にありえるだろう。私には今回の健康増進法で排除される「タバコ」はスケープゴートにしか見えない。たしかに喫煙者の中にはマナーが悪い人も多い。しかし、マナーが悪い、タバコの煙はカラダに悪い、という理由で公共の場所から法律をもって一方的に追放しようとするのはどうなのか?タバコは私は嫌いだし、公共の場所にあって自分の側で吸われたら間違いなく注意する。友人の部屋で友人がタバコを吸うときも、健康状態によって許容するときは何もいわないが、つらいと感じたらはっきりいう。宴席でも、いい料理を味わっているときに、タバコの煙が流れてきたら「後で吸ってくださいませんか?」と上司に注意するときもある。(カウンターだけの割烹料理屋でほかの客もいるのにタバコを吸うという行為が上司であるとか関係なく、そもそもダメな人間であるのだが、軽蔑するだけでなく、注意もきちんとすべきだ。)まどろっこしい言い方をしたが、要するにタバコ害は個人として対処することが十分に可能である、ということなのである。別にお上の力添えなんぞ必要ない。健康増進法をつくった人は、普段タバコの煙に眉をしかめつつも、何も言わない人のような気がする。それでまあ積年の恨みをはらすために健康増進法でタバコを目のかたきにしているのだろうが、こういう威圧的なやり方で他人の自由を簡単に奪う発想をする輩は嫌いだ。タバコが嫌いなら嫌いという。相手が言い返してきたら、妥協点をさぐるまでのことだ。私はこういうバトルはとても大切にしている。自分自身の自由も、相手の自由も守るための重要な作業だからだ。法律に甘えて、自分で「嫌だ」という気持ちを主張することもなくタバコを追放すればいい、という人は私とは友達にはなれない。(じっさいこのテーマで職場の人間2~3人と論争になった。幸い、交友を破棄されることはないが、この点で折り合えなければ交友を破棄してもかまわないとも思っている。)人間は考える葦である、というのは有名な言葉だ。でも、考えるだけで実行しなければ、ただの葦だ。タバコが嫌なら言いましょう!法律の力になんか甘えずに、ね。ものいう葦になってみては?自分の自由を自分で守り、相手の自由を尊重する態度も身につく最良の道ですよ。(ただしあきらかにラリってる相手などの言葉が通じない輩とは会話そのものが成立しませんから、おすすめしません。)
2004年09月25日
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そういえば楽天日記で海水魚水槽のことを書いていなかった。最近、我が家の水槽にちょっとした事件が起きたのでそのことについて書いておこう。買ってもないイソギンチャクが勝手に育って大きくなってきたのである。どうも水槽内部の岩に幼生としてひっついてきて、そのまま環境の良い我が家の水槽で大きくなったらしいのだ。イソギンチャクが移動可能な生物だ、ということを私はこの事件で知った。それまでのこっそりとかくれていた居場所が体に合わなくなったらしく、今では水槽の目立つ場所にいて堂々と触手をひろげている。私は正直、生物系統図の下方に位置する原始的な生物は好きではないのだが、「食事をする姿が健気で可愛い」とつれあいがかばうので仕方なくエサをやっている状態だ。うーん可愛いねえ。イソギンチャクが食事をする姿は、私には映画エイリアンのあの怪物を連想させる。このセンス、わからないなあ。まあうちの夫婦は夫唱婦随というわけではなく、互いにマイペースなので、こういうことはしょっちゅうあるのだが。そういえばおさかな占いというのがある。私はタコ、つれあいはミジンコ(これって魚か?)で、相性はよくないらしい。タコとミジンコなんて自然界では接点ないだろうに。まあ、相性なんて占いに左右されるものではないけど。(占いの結果がイソギンチャクになった方は是非ご一報を!)しかし世の中には、イソギンチャクが好きで好きでたまらない人もいるわけで、マニア好きの本も発売されている。(興味のある方はどうぞ日記の最後にスクロールしてください。)みなさん、イソギンチャクって可愛いと思いますか?可愛い、というその感覚が私にはわからない~東京大学の精鋭たちが編集した!イソギンチャクガイドブック(2400円、mic21.com)楽天ブックス(1500円以上送料無料)で購入したい方はこちら
2004年09月24日
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私が恋愛小説嫌いなのは、すでにこの日記でも何度も触れたことだ。しかしそんな私もちょっとハマってしまったのがこの「電車男」の物語である。「電車男」というのは、機関車トーマスのようにカラダが電車で、そこから手足が生えている可愛いキャラのことである・・・というのは大嘘である。私の「書斎人ダビドフ」と同じようにハンドルネームが「電車男」であるところの実在の日本人男性なのである。楽天ブックスに掲載されているイントロを紹介しておこう。電車内で酔っ払いに絡まれている女性を助けた、ひとりのヲタク青年。彼女いない歴22年の彼は、助けたお礼を送ってくれた彼女をデートに誘うべく、モテない仲間達が集うネットの掲示板に助けを求める。 「めし どこか たのむ」 仲間達から「電車男」と呼ばれるようになった彼は、みなの励ましや助言悩み、戸惑う電車男のピュアな気持ちは、仲間達を熱い共感の渦に巻きこんでいく…。 「電車男」は果たして意中の彼女に告白できるのか? この「電車男」のラブストーリーに私が素直にはまり込めたのは主に3つの理由によると思われる。(1)ノンフィクションであること(2)「電車男」が善良なヲタク(しかし電車の中での酔っぱらいを制止する今時珍しい好青年)という身近にいそうな存在であること(3)2ちゃんねる上の仲間達が、良心的に的確なアドバイスや状況分析を行っていたことにより、ほのぼのとした雰囲気が醸成されたこと(私も書き込みこそしなかったが応援する気持ちは共有していた。)2ちゃんねる、というとどうしても「ニュー速+」などのくだらない書き込みの部分がクローズアップされてしまいがちだが、意外にもほのぼのとした雰囲気の板も多い。この「電車男」の物語が生まれたのは、どこの板だったか忘れたけれど(たしか「毒男」板だっけな~?毒男=独男=独身男性のことです)、奇跡的に素晴らしい仲間たちと応援を共有する気持ちが、ほのぼの感を生み出していた。ほのぼの系でいうならば、私がいつもお世話になっている「アクアリウム」板などもそのひとつだ。(2004年「ペット大好き」板から独立を達成!)「時代劇」板や「時計」板なども含蓄にあふれ勉強になることが多い。そんなわけで、2ちゃんねるや恋愛小説が嫌いなあなたも、この「電車男」の物語には、手に汗を握ったり、仲間のエールにじーんと来たりすること請け合いです。『電車男』予約サイト(楽天ブックス、1300円)ミラーサイト「男たちが後ろから撃たれるスレ-衛生兵を呼べ-」※あまりにも面白いので仕事中には絶対に読まないように!追伸:例によって長期出張のため日記更新がしばらくできなくてすみませんでした。マイペースでやっておりますので、どうぞ長い目で見守ってやってください。
2004年09月23日
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楽天がプロ野球に参入するといっているらしい。いいことなのかどうかはわからない。楽天が参入するからにはきっと面白くなると思う。でも野球が好きじゃない人もいるだろうし、何のためなのかイマイチよくわからない。野球が人並みに好きな私はふとこう思ってしまった。個人的には是非、金本を引き抜いていただきたい。私も収益に貢献している一人としてワガママをいってしまいたくなる。でも実はこういう気持ちこそが問題になってくるのだと思う。プロ野球に参入するということは、現在の運営システムを継続する限り会社の収益の一部を球団運営に振り向けるということだ。それはすなわち私たちが提供している収益が、球団にも振り向けられることを意味する。楽天の場合、株主も重要だろうがそれ以上に収益を支えているのは、私たちのような名もなきユーザーだ。球団に出資することが、神戸に縁があり野球がフツーに好きな私のように関心をプラスの方向に引き出せればいいが、そうでない人の方が楽天に多ければ、どうだろう?我々の提供した収益が誰に向けて還元されるべきのか、という問題を今回の参入問題はつきつけているように思える。楽天はヴィッセル神戸にも出資しているけれど、サッカーの場合には選手年俸や球団運営経費が相対的に少ない。他のスポンサーもいるし。しかし単独スポンサーが原則の野球となるとサッカーとはおそらくケタの違う出資金が要求されるはずだ。もし球団運営がうまくいけばいいが、そうでない時のことを考えるとちょっと心配にもなってくる。私が住んでいる福岡では、集合ビルの福引きやキャンペーンなどでダイエー(vs人気のない球団)戦のチケットがいたるところでバラまかれている。あ~赤字なんやなあ、ダイエー球団まずいんちゃうん、と余所からきた私でも思ってしまうくらいだ。もしこういう風に楽天球団がなりはててしまうと、ユーザーの心は一気に楽天から離れていくリスクもある。球団赤字のせいでポイント10倍期間がなくなったりするのは私も困る。今回のプロ野球参入がもしほんとうなら、楽天様に2つもの申したい!プロ野球参入は何のため、誰のためか説明するべしなるべく独立採算でやってね楽天を愛する楽天ユーザーとして、今後も楽天とたのしくつきあうためには、このポリシーはとても大事だと思う。★ダビドフの弟子である野球狂・M君もご愛用 ベースボールマガジン社の選手名鑑プロ野球選手名鑑(2004) 決定版! ( ベースボール・マガジン社 )
2004年09月14日
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しばらく日記を休んでいたのは例によってまた出張だったから。今回の出張先は仙台。空き時間を利用して高校時代の友人と落ち合い鮨を食べに行く。久しぶりの鮨でとても旨かった。サンマ、マグロ、ウニなど王道を行くチョイスで腹いっぱい食べた。変わったところではフカヒレをネタにした鮨があった。まあうまかったが、フカヒレはやっぱり中華で食べた方が味わいが深くて良い。それはともかく、価格も驚くほどリーゾナブル。一人3000円程度で旨い鮨が堪能できた。知らなかったのだが、宮城・松島はアナゴの名産地。鮨屋で出されたアナゴの握りがとても旨く、驚いた。広島もアナゴが有名だが、宮城の海の潮の性質が違うのか、広島産のものよりも端麗な味わいのように思う。(広島産の脂ののりきったアナゴも私は大好きだ。)カキも広島と宮城では味わいが違う。たしか育てているカキの種類もビミョウに違うはずで、広島産はカキフライに向くようなふっくりとしている大振りの種類、宮城産は小ぶりで生食や焼きガキ向きだと飲み屋で聞いたことがある。(間違いだったらすみません、酔った席の情報なので)話をもどすと、その鮨屋では、あらかじめ薄味を煮含めたアナゴをさっと焙って、なんと「塩」を乗せて鮨ネタとして供するのである。しかしこの「塩」で食べるやり方が、松島のアナゴの繊細な風味とあっていて良かった。今度来たときはアナゴだけを連続で攻めてもいいなとすら考えた。というわけで今回の仙台出張の総括。いや~宮城のアナゴは絶品!そんなわけで最近ダイエット中なのだが、しっかりサンマのように脂がのって帰ってきてしまった。★3000円以内で味わえる宮城の海産物ベスト5!★友人おすすめの一の蔵といっしょに是非どうぞ!オススメ度NO.1!アナゴ(宮城県松島産、1200円)オススメ度NO.2!スプーンでそのまま食べる宮城・三陸のウニ!送料無料!(3000円)オススメ度NO.3!本場モノは後味が違う!女川産、【初サンマ】食べきり10匹セット(2600円)オススメ度NO.4!ふかひれラーメン(2食入り、1200円)オススメ度NO.5!松島産生かき500g&殻付かき20個(2800円)カキは数年前にあたっていて現在リハビリ中なので・・・★友人おすすめの宮城の酒一の蔵 無鑑査本醸造 1800ml(1800円)
2004年09月13日
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男として、というか人としてカッコイイと思う生き様はいろいろあると思うのだが、最近の私が目指すところについて書いておこう。こんなことを考えるのは、トラックバックしたネットアルカディアさんの日記に触発されたから。ネットアルカディアさんは「まっすぐ」だなぁ、と感じ日記を読んでいると、ああ自分もがんばって生きていこうと元気になった。というわけでネットアルカディアさんは「まっすぐ系」。こういう人もあこがれだ。巷では、イケメン系とかお笑い系がもてもてらしいが、どっちかといえば私はお笑い系。ほかにも、猫系、アキバ系、アート系などいろいろな○○系がある。そんな中で私が最近めざしているのが・・・挙動不審系あらかじめ断っておくが、変態願望があるわけでもフラストレーションがたまっているわけでもない。空き巣に入ろうなんて絶対に思ってませんからご安心を。なぜ挙動不審系をめざしているかというと、私が近頃好ましいと思っている人に共通の形容詞が「挙動不審」なのである。こんな経験はないだろうか?グループで旅行にいって土産物屋に入った時「あれ?Aさんどこいっちゃったの?」さんざん探し回ったら、民芸品の実演コーナーでおじさんと仲良くなって話しこんでいたAさんに一同あきれ顔。あるいは、美術館の中で上をむいてきょろきょろしたり、およそ展示ケースからは離れた位置から何かを観察したりして、監視係のお姉さんににらまれるBさん。何を見ているのかとこちらまで気になりはじめた時におもむろに近づいてきて一言。「あの天井のステンドグラスのとこ、鳩が巣つくってるよねえ」私が目ざすのはこういう感じの挙動不審な人なのである。私は根がマジメ系なので、いつも集合時間には正確だし(5分前には現地着がポリシー!)、いつの間にか周りの人をまとめてしまう性分なのである。年ととともに、立場が上にいくにつれそれが加速しているような気がする。それはそれで昔のいい加減な自分にくらべれば良いことなのだが、守りに入っているような気もする。人間として自分の殻をやぶっていく、好奇心を大事にする、自分本位で動く、こういうことは意識してやらないとクリエイティビティを維持する上でダメなんじゃないかと思うようになった。だから、ちかごろの私は挙動不審系の人を好ましく思っているのだろう。でも私には挙動不審系の才能が遺伝しているはずなのだ。私の祖父は有名な挙動不審系。好奇心のままに活動するので旅行先で迷子になることなどお手のものだったらしい。一方で、人の予想もつかない行動やアイディアをばんばんと繰り出して、「知恵者」の異名をほしいままにしていたのだ。たぶん祖父も意識してそういう行動をしていたはず。私もこれからは挙動不審系になるぞ~!★生き様の上での挙動不審系はさておき、じっさいの挙動不審者には厳しく対応してください。980円でばっちり有効な防犯対策。*マクサー/警戒シールと強力アラーム音で不審者の侵入を予防します。追伸:台風一過。私の住んでいる地域では前回の16号の方がひどかった様ですが、地域によっては今回の18号で大きな被害を受けた方もおられると思います。後片付けの際の二次災害(ケガや地すべり)などには十分ご注意ください。そして一刻もはやく被害から回復されんことをお祈り申し上げます。
2004年09月07日
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台風18号接近で福岡はすでに強風の予感。せっかく修復したハト迎撃システムもこれでまたおじゃんの予感。洗濯物は乾かない予感。農作物にまた被害がでそうな予感。飛行機が飛ばなくなって旅行している人が可哀想な予感。考えると嫌なことだらけなので台風を逆手にとる方法を考えた。(1)台風マニアになって風速をマニアックに楽しむ!風速や雨量等、台風にともなう数値をさまざまに味わわれている方もいらっしゃるだろう。もちろん台風通過中は、なるべく被害が少なくさっさと通り過ぎてほしいのが本音だが、どうせなら自分の体験した台風を克明に記録するのも手である。もっとも劇的な数値を記録するのは風。そんな方へおすすめなのが下記のハンディー風速計。ただし安全上、暴風域に入ってからの使用はおすすめしない。室内等の安全なところで隙間風等の風速をはかってみるのもオリジナルな感じでいいのではないだろうか?ハンディー風速計 ケストレル2000(2)気圧の変化を楽しむ!台風18号は沖縄本島通過時点でのhpaが戦後最低だそうな。というわけで気圧の変化を楽しむ、というのも手かもしれない。子どもから大人まで天気と気温、気圧の変化を測定するための理科教材もおすすめ。ツリーオブナレッジ社 理科学習用実験キット「天気と気温」(3)17世紀のお天気占いを楽しむ人類の歴史のなかでもっとも古い気圧計を再現したお天気占いセットで、室内にいながらにして風流に気圧の変化を他のしむことができるアイテム。あたるかあたらないかはやってみないとわからないが、神秘的な液体の動きに魅了されること間違いなし!?米国で大ブレーク!日本に初登場!「17世紀のお天気占い屋さん」(4)風力発電で停電も関係なし!?台風の風力はそれはすさまじいものだが、それを逆手にとって風力発電はどうだろう?あまりにも風が強すぎると安全上、停止するが、ほどほどの強風ならば発電量に喜べるはず?エアロゼン4Aerogen4(5)台風対策で家族の絆を深める私が子どもの頃住んでいたボロ家では、台風が大きそうとわかると家族総出でガタガタの雨戸に板を打ち付けて強化していた。そこのクギとって!などといわれるのが一人前になった気分でとてもうれしかったことを思い出す。というわけで、家族の絆を深めるためにも一家総出で家の弱い部分を補強しては?もちろん台風が来てからでは遅いので、西日本のみなさんは一家で明日の朝に作業すると家族の絆が深まること間違いなし?(6)電気なしサバイバル生活を楽しむ停電のたのしみといえばランプのあかりで入るお風呂だった。台風時に停電を心配してくよくよするよりは、最初からわりきって電気なしのサバイバル生活を楽しむというのも潔いとおもわれないだろうか?(思わないですよね(^^;))オイルランプペアー(リキッドキャンドル付)(7)寝だめわが弟の台風時のポリシーは「寝る」ということだ。理由は後片付けのために体力をたくわえておくのが男ってもんだろ!?ということらしい。ものすごく受身なようでいて実はポジティブな台風時の過ごし方かもしれない。テンピュール枕で安眠を!テンピュール クラシックピロー ★ロイヤル通販ポイント20%還元中★(8)ご近所とのネットワークを深めるとくに海や川の近くの地域の方は、高潮や水害のときにご近所総出で危ない箇所の見回りをするはずだ。マンション暮らしでも、隣近所のひとり暮らしのお年寄りには「後片付けで手伝うことがあれば気軽に声をかけてくださいね」ということはできる。というわけで災害時こそ近所づきあいが深まる好機。なお高潮や水害の直前対策用に吸水性土嚢という便利グッズがある。水害対策用吸水性土のう【ダッシュバッグ】10枚組(9)毒をもって毒を制す?不気味な風の吹く台風の夜には怪談を!?私の親友、悪趣味なのだが、強風や豪雨の夜に怪談DVDを鑑賞するのが趣味とか。毒をもって毒を制する、すなわち怪談の恐怖で台風の恐怖を忘れるという発想かと思いきや、「不気味な雰囲気がさらにもりあがっていいんだよね~」とのたまっていた。怖がりの私には到底できかねるが、怪談好きの方にはおすすめ!?稲川淳二の真実のホラー <角川ホラーシネマ> 【KABD-569】 =>20%OFF!《発売日:03/06/26》(10)祈る!そんなこんなであれこれ考えてきたが台風は何事もなく通り過ぎるのが一番。晴天と無事をひたすら祈るのは台風を経験する人々に共通の心情だろう。私も何事もないことを祈っている。金属製てるてる坊主ストラップなら、ボロボロになることを気にせず祈りたい放題!気合で台風18号を遠ざけましょう!テルテル坊主ストラップ
2004年09月05日
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川中島、といえば武田信玄と上杉謙信の合戦で有名である。海音寺潮五郎『天と地と』は、映画はあまり面白くなかったけれど、上杉謙信の人となりを知るうえでは原作は興味深い。上杉謙信に興味を抱いておきながら地理にうとい私は、つれあいの実家から桃がおくられてくるまで川中島が長野市内にあることを知らなかった。ついでにいうと信州名物=りんご、ワイン、蕎麦、野沢菜という固定観念にとらわれて、桃も実に美味な信州名物であることを知らなかった。しかし、川中島の桃は立派な信州名物である。信州というと、実に品があり風格のあるお百姓さんに多くお目にかかる。つれあいの実家の近くにも、いつも物思う風情で田んぼをみつめておられる壮年のお百姓さんがいるが、農業に有為の人材が人生をささげるのが信州の素晴らしいところの一つだろう。この川中島白桃も、池田正元氏と日本のフルーツブームを担ってきた千野農園の努力で生まれてきたものだ。ちなみに「川中島白桃」の命名は昭和52年(私はもう生まれていた!)、その前は「池田1号」と呼ばれていたそうだ。ネーミングの重要さを思い知る。(詳しくは千野農園HPへどうぞ)さて川中島白桃がどれくらい美味であるかという話をしておこう、実は私は果物はあまりたくさん食べられないのだ。食べ過ぎるとすぐに水っ腹で腹痛をおこしてしまうのである。そのために普段はすすめられても少ししか食べないのだが、この桃ばかりは、自ら冷蔵庫をあけて毎晩かぶりついている。桃にも白ワインかスパークリングワインがあうと思うのだが、川中島の桃の甘さと香りにはワインも遠ざけて純粋に味わいたいと思わせるインパクトがある。そんなわけで、みなさんの頭の中のガイドブックにも信州名物=桃を書き加えておいてください。★信州生まれで信州育ち。正真正銘の川中島白桃です。 シーズンは9月上旬まで、お急ぎください!本場、信州「特選.川中島白桃」中玉10玉(3500円)※追伸昼間のストレス発散のための日記を読んでくださった方々ありがとうございました。何件か自治体職員の方のアクセスもあったようで、(問題となった福岡県O市からはアクセスなしでしたが)たぶん私の日記を気にしてくださる自治体職員の方はまっとうなセンスの持ち主ではないかと拝察しております。おかげさまで、夜には気分が穏やかになりました。自治体の職員だからこそ謙虚になれとはいいませんが、傲慢であるべきではないですよね。
2004年09月03日
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すみません、いきなり言い訳を2つ。(1)トップページで「頭脳もカラダもシェイプアップ」とかなんとかいっておきながら、台風によって破壊された我が家のハト迎撃システム復興作業のために、頭脳もカラダも絶不調です。 というわけで、昨日くらいからのダビドフはいつもはシャドウとして潜伏している人格が表に出てきています。つれあいにもビビられました。たぶん明日には回復します。お許しください。(2)今日の日記は週刊少年ジャンプで魁!!男塾を読んだことのある方(おそらく30代~20代の男女)にしかわからないネタです。さて、本日のテーマですが、みなさんもうご存じでしたか?あの幻の出版社、民明書房の全てが明らかになる宮下あきら著『民明書房大全』がついに予約開始です。念のためにおさらいしておくと、民明書房とはほんとうの意味での「幻の出版社」なのです。しかし、その出版する書籍はあまりにも興味深く、たとえば以下のような記述は少年少女たちの心をこの出版社にクギ付けにしたものでした。★民明書房図書館より引用★操象戮かん闘法(そうぞうりくかんとうほう)…陸上最大の生物・象は最大の破壊力をもつことで有名である象の欠点として鈍重な動きがあるが それを特殊な訓練法により恐るべき敏捷性を身につけさせ これを数々の秘技をもつ戦闘法として確立したのが古代インド人である古代インドでは 戦争の時 象の多寡で勝敗が決するとさえ言われたちなみに 英語で象をエレファントというが これは当時 象の訓練をインド洋上のエレファン島で行なっていたことが語源といわれる 民明書房刊『闘う動物大百科』よりほかにも、『浮虻流(ふあぶる)昆虫記』や『武士魂』などの興味深い書籍を出版している出版社であり、今日の出版不況を打開するリーディング・カンパニーとなりえたかもしれないとすら思えます。なお、『民明書房大全』ですがアマゾンでは、予約できます。(楽天の警告を受けたのでリンクははれませんが。)なぜ楽天では予約できない!?・・・それはさておき、思えば、本を探すときに「出版社」で探すということを初めて教えてくれたのが、この民明書房でした。中学生のとき町で一番大きな専門書店にいき、歴史関係やスポーツ関係の書棚を探したのに「民明書房」発行の本はない。「やっぱり東京とか大阪にいかんとないんかな~」と友達といいあっていた無邪気な中学生であった日々を懐かしく思い出します。しかし、これは書斎人として重要なステップであったと思います。出版社、というものに対するこだわりをはぐくむ重要なきっかけをつくってくれたのが、魁!!男塾であり民明書房であったのですから。そんな思い出をつくってくれた民明書房の全てが今、あきらかになろうとしているのです。書斎人としてこれは買わねばなるまい!★民明書房サイトはこちら。男塾塾長・江田島平八先生もお言葉を寄せておられます。補鸚鵡経絵慈(ほおむぺえじ)の定義の味わいは流石ですね(^^;)
2004年09月01日
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長期出張からかえってきてみれば、いきなり台風直撃である。福岡に引っ越してから1年半くらいになるが、いちばん「ヤバさ」を感じる台風だ。台風被害経験の豊富な私の勘が告げるのだからかなりのものだと考えられてさしつかえない。台風の怖さは風>雨である。今回の台風16号は長期にわたって強風が吹くので恐ろしい。高校生の時に実家が平成3年台風19号の直撃で7日間、停電。(この台風、なんと日本の台風ワースト5に入るのです。気象庁「台風災害の例」HPに詳細情報あります)祖母の家は平成9年台風で高潮の直撃を受け、床下浸水。生活道路が波でえぐられしばらくは近所の往来にも不自由していた。海から遠い地域の方は高潮って?と不思議がられるだろうが、重さ5t以上はあろうと思われるコンクリートの塊でできた桟橋が波でさらわれて消えている、なんてことが起きてしまうのが高潮である。強風はもっと恐ろしく送電用の鉄塔をボキっと折ってしまうくらいの威力を発するときがある。とくに7日間の停電生活で実証されたのがマンション生活の脆弱さだ。実家は一軒家であったが、マンション暮らしの人は電源が絶たれてしまうと、「水」の供給もストップしてしまうのである。マンション暮らしの知人の一家がいちばん困ったのは、トイレの水が使えないということであったという。ついでにコードレス電話が使えなくなったのが、マンション生活でも一軒家暮らしでも多くきかれた悩みであった。高校の連絡網もこのせいでしばらく機能がストップしてしまい、電気の影響をうけない黒電話の家の生徒から近所の生徒に回覧板方式で連絡がまわってきたものだった。(私が高校生のときには携帯電話は普及していなかったのだ。)意外に頼りになるのがガスで、地下埋設もしくはボンベ方式を採用しているガスはライフラインの中でもっとも水没、強風の影響を受けにくいのである。(ただし地下埋設方式の都市ガスは地震には弱いのでその点は注意。)以上のようなこれまでの私の経験にてらしあわせて、台風進路にあたる地方在住でマンション生活をしておられる方へのアドバイス。(1)浴槽、バケツ、ペットボトル、鍋類にできるだけ水をためておく。(2)携帯電話の電源は充電しておく。できればコンビニに走って電池と充電器を買っておくと心強い。(3)雨戸がないマンションは、窓に□印(外周補強)と×印(内面補強)をしておくと飛来物があってもガラスの飛散を防げる。(ちなみに補強作業は、家の中からしてください!強風時に家の外に出るのは命取りです。)なお、食料に関しては停電状態が長期化する場合、同じように停電してしまった近所のスーパーで在庫処分の投売りがはじまるはず。そんなに心配しなくても大丈夫。★我が家の最強防災グッズ★ハンドルを回すだけで、携帯電話充電、ラジオ、懐中電灯が利用できる!過去最悪の被害の台風はいずれも9月上陸です。備えあれば憂いなしですよ!『手回し充電たまご』充電たまご
2004年08月30日
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最近いちばん気に入っている書き手のひとり。内田樹(うちだたつる)である。名前の字面だけを見て美人ライターだと思わないように。1950年生れ、東大仏文卒のれっきとした大学の先生でオジサンである。知識人には50代に入ると急にせっかちになってどうしちゃったの~という人が多いが、この人の場合はそういう心配は一切ない。自分に対しても世間に対しても十分に抑制的だし、少なくとも文章上の人格は快活だし、なにより穏健な毒舌という持ち味が好きなのだ。今日よんだ『ためらいの倫理学』にもそれは反映されている。私はこの人とは気があいそうだと思っているのだが、たとえば次のような文章なぞ、私の常日頃の考えとの共通性を感じて、小躍りしたくなるほどうれしい。 私は「邪悪な」人間である。… こういうことを公言すると、心優しい人々は憂い顔になって、困った様に私を見る。 しかし、これは大事な情報だと私は思う。 「この先危険、カーブあり」とか「この先、熊が出ます」とかいう標識と同じで、「この人は邪悪なところがあります。この先、取扱に注意」という看板を私はおでこに貼っているのである。…ある意味ではたいへんにコミュニカティヴ(ダビドフ註:対話的)な態度といえるのではないだろうか。 私が言いたいのは、もし「邪悪さ」の程度や性質が適切に表示されているならば、周囲の人たちは「邪悪さ」の被害というものを最少限度に抑えることができるはずだ、ということである。これは逆の場合の「自分は善良であると信じこんでいる人間」のもたらす迷惑に比べるとずっと管理しやすい。善良さの神話に対し、このようにちょっぴりからめのコメントをする。しかし自分自身を議論の対象からはずさないという態度でマイルドさを確保している。料理にたとえるなら過激一辺倒の知識人がココイチの激辛カレーとすると、内田樹は完成度の高いタイカレーというところだろう。戦争も、フェミニズムも自分じしんを議論の対象からはずした人々によって、穏健さを失い、愚かな非難合戦に堕落しがちだ。過激にはしりやすいこういう時代にあって、内田のような知性はとても貴重だと思う。おすすめです。戦争とか、差別っていけないと思ってるけど、大声で語りすぎるのもおかしくない?という感覚をおもちの方はぜひ一読を。納得するフレーズに出会える確率は高いですよ。
2004年08月22日
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ときどきファーストフードの禁断症状が出てしまう。昼食に行ったモスバーガーは時間帯もピークをはずしていてのんびりした雰囲気。前から食べてみたかったナンチョリソーにかぶりつきながら、ふと隣を見ると子どもが本を読んでいる。何かと思ったらなつかしの『宿題ひきうけ株式会社』だ。子どもならこんな会社がないかな、とあこがれる会社だろう。私もあこがれた。特に自由研究と絵が大嫌いだったので、会社が実在すれば是非仕事を委託したくなったはずだ。ラジオ体操は意外と好きだった。読書感想文は、高度な図書を扱っていて「小学生らしくない」と先生にリジェクトされた。だから教師は嫌いだ、とはいわないが。この宿題ひきうけ株式会社、社長、営業、作業員となかなか効率的な仕組みで会社運営をしていたように記憶している。今なら企業家精神(あんとれぷれなーしっぷ、とかいう。個人的にはさもしげな用法が増えて好きじゃなくなりつつある言葉)の発揮とかいって、あまり怒られないかもしれない。もちろん作品の中では、先生の指導で会社をたたむ。イマドキの児童文学者が同じモチーフで作品を書いたら、「業種変更」をして会社はつづけさせるというラストになるかもしれない。でもきっと『宿題ひきうけ株式会社』のようにロングセラーにはならないと思う。大人には大人の、子どもには子どものノルマがあって、それを果たして大きくなっていくのだから。宿題は自分でやるべきだ。と、大人になっても自分に言い聞かせている私の言うことでもないか。自分が子どものときと同じ本を読んでいる子どもをみつけて、うれしく、そしてなつかしく不思議な感覚になった。この本を読んでいる隣の席の男の子の夏休みの宿題はどうなっているのだろう?気にしつつも、あわただしく店を出たのだった。
2004年08月19日
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帰省はしないつもりだったのだが、同窓会をやると言われ、急遽実家に戻ってきた。そこで聞いたホームセンター勤務の同級生の愚痴。ホームセンターには、いろいろなお客がやってくる。子どもも年寄りも、男も女も、犬も猫も(!)当然のように困った客がいる。(1)返品魔 近所の会社の事務担当の30代女性。 事務関係のこまごまとした物品を毎日のように買いに来ては、その後に買ったうちの1つか2つの商品を必ず返品しに戻ってくる。 その理由というのが、園芸売り場にいる若い男性スタッフに会いたい一心だ、というから恐れ入る。 好きな人に会いたいという気持ちがあるなら、1日に2度買いにくればいいのにね、とスタッフの間でも噂される有名なお客となっているらしい。(2)王子様 ある日、レジ係の女性スタッフに、「衣装ケース1個もってきて~」とのたまう20代半ばのうら若き男性。 見れば、立派な体格をしている。 衣装ケースなら、売り出し中で大量に平積みしてあるはず、カートに乗せてきていないのは何故だろう? そう思った女性スタッフが不審に思い「在庫切れでしょうか?」と聞くと、「違うよ、重たいからもってきてほしいんだけど~」と平然と命令する男性客。 仕方なく女性スタッフが衣装ケースをよっこらせと抱えてもってきてあげたのだとか。 それ以来、そのお客のあだ名は「王子様」。 こちらはお客なので、金をはらっているからサービスを受けたいという気持ちは分かるんだけどね、「王子様」。 でも、それってあまりにカッコ悪くないか? 私がそのように感想を述べると、同級生は苦笑しながら言った。「いや結構いるんだよ、困ったお客がね」 この日記のテーマは男のファッションだが、外見だけでなく、内面もファッショナブルでありたいと思わないのだろうか? もちろん、男に限らず、女性にもそうあってほしいと願うが、女性の場合、ここまで傲慢な客は少ないように思う。(もちろん、いるにはいるだろうが。) 男性の場合、普段、サービスを提供する側にいることが多く、そのストレスなのか鬱憤ばらしなのか「客だから」「金をはらっているから」という理由で、信じられないほど傲慢な態度をとっている場面に出くわすことがある。 私は常々、いろんな場所で(もちろん楽天でも)「サービスをして気持ちの良い顧客」であることが様々なメリットを生むという経験をしている。 サービスを提供する人にとっても受ける人にとっても、気持ちのいい買いものをすると、何らかの形で良い結果につながる。 故池波正太郎氏が、タクシーの運転手に心付けをはずんでいたのは有名な話だが、それは金満趣味などではない。 タクシーの運転手が、いい気分になり、次のお客、その次のお客にいい気分で接していけば、気持ちのいい人々が増えていく。 そんなポリシーに基づいていた、と記憶している。 私には池波氏ほどのサイフはないが、嬉しいサービスを受けたときにも、それなりのサービスであった時も感謝の気持ちを「ありがとう」という言葉でなるべく示すようにしている。 これが私の「顧客道」だ。 気持ちのいいお客であることで、自分のメリットにもなるし、相手のメリットにもなる。 もちろんその気持ちがまわりまわって世の中のメリットにもなっていく。 「王子様」はお客という立場に甘えた貴族気分を味わいたいようだが、それはもっとも卑しい態度であることに気づく日が早く彼に訪れんことを願う。 ポスター クマ王様京都の誇る二大雑貨店の一角、INOBUNで取り扱いの「クマ王様」です。どうせ精神的な貴族を目指すなら、このように愛嬌と余裕を持ちたいものです。INOBUNオンラインショップはこちら京都の雑貨店のもう1つの雄アンジェはこちら
2004年08月16日
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お盆で帰省されている方も多いことだろう。そんな中で、こっそりとHPのメイン部分の文字サイズを「中」にしてみた。やっぱり近眼には「中」がちょうどいい。文字サイズを変更可能にするべく、楽天様にもの申してくださった皆様に感謝。「中」というと思い出すことが。ラーメンマンではない。(30代、20代の限定ネタですみません)生き様のことだ。私もつれあいもこんな風になりたいな、と思っている共通の恩師の話。一緒に食事をした際にオーダーで悩んでいると、ふと、そのセンセが「コース料理で、上・中・下とあったらワシ、中を食べることにしとるんや」と言って「中」のコースをオーダーされたことがあった。なんだかそのセンセの、人好きで笑い好きで過激でもなく驕慢でもない生き様に、コース料理の「中」がぴったりくる感じがしたものだ。というわけで文字サイズも生き様も「中」がいいな、とふと思った次第。★疲れ目に★ワイルドブルーベリーグッド税抜き価格7800円で60本入り。一本単価が130円だと思うとそれほど高くは感じません。リンク先のすこやネットさんは料率30%。初めて見ました、料率30%ショップ。
2004年08月11日
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土日+1日の夏休みは安曇野で過ごした。つれあいの実家があるのだ。日曜日にレンタカーを借り、諏訪湖、霧が峰から美ヶ原へ抜け、松本へ降りるという1日がかりのドライブをした。諏訪湖の片倉館は、戦前日本の資本主義をささえた製糸業がどれほど凄いものなのかを伝える遺産である。千人風呂という名前で一般客にも公開されているのだが、彫刻やステンドグラスをいたるところに配した豪奢なつくりとなっている。霧が峰ではグライダーを楽しむ人々がいた。鳥のように空を舞うのはさぞ気持ちがいいだろうと思うが、費用もかかりそうだ。さてドライブの中で一番興味深かったのは、美ヶ原高原だ。標高2000メートル。天気が良ければ立山連峰まで一望できるというが、残念ながら薄雲に隠れていた。しかし眼下にひろがる上田市方面の眺望は、真田太平記の愛読者なら皆、ひとしおの感慨をもって眺められることだろう。あの真田一族の居城が信州上田城にあったのだから。信州上田の地勢は池波正太郎によれば次のような表現がされている。真田昌幸が岩櫃の天険に立てこもったとなれば、簡単に攻め落とすことができない。・・・だが上田城を攻めるのならば、そうした不安はまったくない。千曲川をへだてた塩田の平地いっぱいに軍勢を展開させ、押し詰めることができる。(真田太平記(三)上田攻め、7頁、新潮社文庫。)この描写のとおり、美ヶ原からみおろす上田盆地は、峻険な山の合間にあって、千曲川沿いに広がるおだやかな平地となってひろがっている。およそ戦には向かない地勢と思われるのだが、真田一族は智恵をつくして徳川勢を二度にわたって敗北に追い込んだのだ。上田城時代の真田一族をもっと知りたい方は信州上田・真田ロマンHPへどうぞ。完成度の高さに舌を巻きます。ところで、この真田太平記、5年越しで読んでいるのだがなかなか読破できない。思い出して書店で続きを買おうとするときに、どこまで読んだかも忘れてしまい、新潮社文庫8巻の「紀州九度山」など3回も買ってしまった。今年中に読破することを目標としておこう。真田太平記第1巻~第12巻はぜひ楽天ブックスで。私も残り3巻を読破するよう努力せねば。追伸:トップページ更新しました。「酒や葉巻や寄付金や~」と題して、福井水害に売り上げの5%を寄付するリカーショップ大越さんの特集を組んでいます。こちらもぜひごらんください。
2004年08月10日
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1万円札で有名な福沢諭吉の自伝である。日常生活では福沢先生にご縁はないが、この福翁自伝でなら親しみを覚える。もっともリンク先の楽天ブックスにある「自伝文学の最高傑作」などという言葉を鵜呑みになされないよう。これは自伝であっても文学ではない。むしろ幕末、明治を生き抜いた下級士族が世間の動乱をどのように渡りきってきたかというドキュメンタリーに近い。現代の言葉でいうならノンフィクションだろう。死の4年前、64歳のときに口述させたらしいが、あまりの記憶力の良さと語り口の闊達さに福沢の人生にどんどん引き込まれていく。若い頃の福沢は大阪の適塾で修行していたのは有名な話。さぞ秀才の集まりだろうと思いきや、どうもこの適塾、明治の学生につづいていく蛮カラの元祖であるらしい。「夏は真実の裸体、褌(ふんどし)も襦袢もない真裸体(まっぱだか)」喧嘩の真似事を街中でくりひろげるのもしょっちゅうで、若き日の福沢諭吉は「何でもこの野郎を打ち殺してしまえ。理屈をいわずに打ち殺してしまえ」と怒鳴りたてたこともあるとか。おかげで適塾生といえば、大阪の街中で娘さんたちがよけて通るほどの存在だったとか。その他、福沢は大酒飲みで酒の失敗談なども事欠かない様子。なんでも子どもの頃に駄々をこねると、家族が「酒を飲ませてやる」と言って福沢を大人しくさせていたのだというから筋金入りだ。そんな福沢だが、明治以降の政府に対する独立不羈の態度は有名だ。某国首相も福沢の設立した慶応義塾の出身だが、独立不羈の態度はどうも伝授されていないようで。それはさておき、なぜ福沢が明治政府に対し、距離を保っていたのか、この本を読むとよくわかる。明治政府の役人の態度が癪に障っていたのだ。「政府はその方針を開国文明と決定して大いに告示を改革すると同時に、役人たちが国民に対して無暗に威張る、その威張るのも行政上の尊厳と言えばおのずから理由もあるが、実際はそうでない。ただ殻威張り(からいばり)をして喜んでいる」福沢にも立身出世の野望はあっただろうが、自らを卑しくしてまで明治政府に取り立てらることは自尊心が許さなかったのだ。子どもの教育費のために、官立学校の校長の話が来たときに受諾するかどうかで苦悩する話などは、身につまされた。一時の急場しのぎのために、人間、一番大事なものを捨てるべきではないのだ。
2004年08月05日
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トップページにある回転式本棚を買ってしまった。7月末の楽天ポイント優遇セールの時に購入。ゴールド会員の私は23800円の10%を還元してもらった。ほんとうはポイント優遇中に紹介したかったのだが、自分で使ってみないと責任あるコメントができないので残念ながらこの時期にずれこんだ。利用してみて、これはとても重宝だと実感しているので、書斎人として日本全国津々浦々の書斎派や読書人に発信せねばと思った次第。デスク周りに本の山ができるタイプの書斎人には必須アイテムになるはずである。ぜひ次のポイント優遇期間に購入されるべきものの一つ、といってもいいくらいだ。実際の利用の感想。組み立て時間は不器用な私で30分程度。器用な方だと20分くらいですむだろう。簡単で女性にも組み立てが可能である。(うちはつれあいの方が器用なので、つれあいが一人で組み立てた方が早いくらいだった。チームワークが悪いのだ、私達夫婦は。)さて、本を収納してみた。デスクの上に山と積まれていた本とファイル類、そしていつも本棚までとりに行くのが面倒だった辞典類を収納。ざっと100冊は収納できた。この商品、要するに四角柱なのだが、商品説明では雑誌入れとなっている2面にも標準サイズのハードカバーが収納できる。 そして、もう2面は1面が深めの書棚、のこり1面が浅めのCD・DVD・ビデオラックとなっている。深めの書棚にはA4ファイルだけでなく、B4コピーを綴じたファイルも楽に収納できる。 ☆写真下段に入っているのがB4横長ファイル、下から2段目左端の青いファイルがA4縦長ファイル。さらにCD等の収納スペースに、とされている浅い方の棚にもハードカバーが余裕で収納できる。分厚い洋書や辞典類もすっぽりとおさまる。 ☆ハレーションを起こしていますが最上段に分厚い洋書などを入れています。これを導入したおかげでデスクの上がすっきりとした。また、辞典類をデスクの横の棚に入れたおかげで、移動が少なくなった。ご存知のとおり、考え事中の移動はインスピレーションを逃がしてしまうことがあるのだ。おかげで、導入以降、生産性が上昇している。書斎内部の書籍の収納にお困りの方にはぜひ検討をいただきたい。★もし商品を購入される場合は、ぜひこちらのリンクで。リンク先のロイヤル通販では、通常期でも楽天ポイント1%のほかに独自ポイント1%を付加して、次の買い物に役立てることができます。回転収納ラック 5段(GT-018)雑誌もCDもビデオもDVDも何でも収納しちゃいます!追伸:楽天日記の更新も大変なくらい、広場が混雑していますね。日本人の新奇趣味(newism)のエネルギーの凄まじさを確認しました。もちろん私も新奇趣味ですが。トップページの更新もままならないので、しばらくデザインが安定しないかもしれません。ご了承のほどを。
2004年08月04日
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シーザーサラダの真のレシピというのを見つけたので早速チャレンジ。正しいシーザーサラダには、リー&ペリン社のウスターソースが欠かせないという。早速、近所の輸入食品を置いているスーパーで購入し、ソースを味見。私は日本のウスターソースが嫌いで全くといっていいほど使わないのだが、このリー&ペリン社のものは驚くほど旨い。日本のウスターソース以上にさらっとしているのに、うまみが深い。しかし、くどくなく、後味もさっぱりとしている。レタスにからめるだけで、いつもの味とは全く違う素敵なサラダになる。まさに魔法の調味料だ。もちろん、せっかくチャレンジしたので、入手できなかったロメインレタス以外が正しいシーザーサラダを作った。玉子に火を通しすぎてしまった以外は満足すべき仕上がり。それにしてもこのリー&ペリンウスターソースはほんとうに旨い。リー&ペリン社のウスターソースの由来(サイバー百科事典Wikipedia)を見ると、ウスターソースの元祖はこのリー&ペリンなのだ。今度は、これでハンバーグを作ってみよう。かなり美味が期待できそうだ。リーペリン ウスターソース追伸:独立行政法人 農畜産業振興機構「砂糖類HP」にもウスターソースの由来についての情報がありました。ソース業界も奥の深い世界のようです。それにしても「砂糖類HP」とは、なんとも味わい深いタイトルですな。
2004年08月02日
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楽天広場が変わるらしい。私も少しHPの様子を変えてみたいと思う。今日は早速、楽天の福岡県人会に入ってみた。楽天広場で活躍しておられる方が多い。恐るべし、福岡県人会。興味のある方は、日記リンクにあるネットアルカディアさんか、のほほんmamaさん、もしくは福岡県人会バナーをクリックしてください。
2004年08月01日
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重慶でのアジアカップで中国人のサポーターのマナーがかなりよくないものであったと報道されている。そして日本の新聞報道によれば、あたかも「北京オリンピックがあるのに、もし日本がアジアカップ出場辞退したら大変なことになるよ。そんな恥ずかしい態度じゃ中国人としてダメでしょ!」というような趣旨の記事が掲載されたかのようにいわれている。これは、中国青年報をソースとしているが、偏狭なナショナリズムにもとづく記事であるかのような印象を与える。しかし、この中国青年報の記事を全翻訳している南京ドンブリさんの日記を一読いただきたい。確かに前半では、日本で報道されたような趣旨と合致する文章もあるのだが、後半部分の論述は素晴らしい。中国の利益というよりも、スポーツの普遍的なよさ、人類的な意義を主張し、今回の重慶での日本バッシングに反省を促している。おそらく、これを書いた記者は、彼個人の様々な日本に対する感情を持ちつつも、最大限の「寛容さ」をもって日本人とそして中国人にメッセージを送ったのであろう。日本で報道されているような、狭い一国利益主義を越えた視点がそこにはある。今回の事件で、もし偏狭なナショナリズムを恥じるべき者がいるとすれば、それは中国人批判を繰り広げる日本人の方であろう。私自身は、中国に対する戦後処理、補償交渉が失敗している以上、われわれはそのマイナスの感情は甘んじて受け入れなければならないと思う。でも、それは人によって意見はことなるだろう。しかし、意見は違っても「寛容さ」を持つことは普遍的に重要なことだ。最近社会から「寛容さ」が失われている。この間も、横浜で台湾系出身の医師による胎児の不法処理が報道されたが、それを理由に平然と台湾人差別発言をする若者がいた。イキがって言っているだけだったが、もちろん厳しくしかった。何かを差別することがカッコイイというのは、今のぬるい「やさしさ」に包まれた日本だけの現象ではなく、余裕のない社会に共通の病状でもある。しかし、差別や排除は、新たな差別と排除にしかつながらない。その悪循環を断ち切るための本当の強さこそが「寛容さ」なのである。読者諸兄姉に敢えて問いかけておこう。アジアカップでの中国人サポーターの態度について、腹立ちつつも、相手を口汚くののしらないだけの「寛容さ」を持っていますか?
2004年07月30日
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この本は小説ではない、エッセイである。何度も繰り返し書いているが、(とくに戦後の)恋愛小説は読めないのである。恋愛に関するエッセイなら読めるかもしれないと、『恋愛の格差』を買ったのだ。が、「恋愛」の本ではなく「格差」の本であった。要するに、「フリーターと引きこもりとパラシンに恋愛はできない」ということを延々と繰り返し巻き返し、言っているだけだ。若者に受けるように意識したポップな文体で、しかしどうしようもなく説教くさい内容を書いているのである。なおパラシンとはパラサイトシングルの略語である。要するに、村上龍の文章が鼻についてたまらないのだが、けなしてばかりではフェアではないので、いいなと思ったところを紹介しておこう。村上龍は女性に関する描写は良いのである。以下の描写は、私も感じたことがある違和感とも通じている。「打算的なところがなく、相手に媚びることもなく、見栄を張ることもなく、無理もせず、現在がバラ色というわけでもないのに暗いところがなく、将来がバラ色というわけでもないのに絶望したり世をすねたりもせず、たとえば資格をとるとか、語学をやるとか、将来はイタリアに住んでみたいとかアジアを横断してみたいとか具体的な夢があって、淡々と人生を歩んでいる二十代後半から三十代前半の女性を形容する言葉がないのは不思議なことだ」(88頁)ね、鋭いでしょう?しかしこれ以外の、とくに男の引きこもりとフリーターには徹底的につきはなし、それゆえに単調な内容なので、全体的に面白さはないことを再度強調しておく。何度もいうが小説でもエッセイでも村上龍は苦手だ。最近は、橋本治も苦手になってきた。原田宗典はOK。原田宗典と橋本・村上の間には格差がある。それは、たとえていうなら仮に大阪に移住したとして、原田は浪速っ子になれるだろうが、橋本と村上には厳しいだろうなあということだ。要するに、原田は自分を「落とせる」が、村上・橋本は「落とせない」のである。もっとも橋本の場合にはややひねくれていて、自分を落としたように見せかけつつ教養のあるところをチラっと見せるというワザを会得している。四捨五入すれば「ボクって実はアタマいいけどちょっと変わってるでしょ」という自分をアピールする立場なので、やはり橋本も自分を「落とせない」のだ。そんなわけで関西人的基準からすれば、原田が断然「勝ち組」に見えるのだが、実際にはそんなに話がスムーズに行くわけでもない。かつて、関西人であるところの私の友人(A君としよう)、つれあいと私の3人で飲んでいた。そのときに、村上龍ってええよなあ、という話でA君とつれあいが盛り上がってしまい、私は話に乗りきれなかった。しかもそれ以降、A君とつれあいの方が友情を深めてしまい、A君ともともと親しい友人であった私の立場が弱くなってしまったのだ。まるで親友を別のクラスメートにとられた心境である。そんな私怨もあるので、村上龍が嫌いなわけではないのだが。私が、根っからの関西人体質だから嫌い、という理由に今日はしておこう。★原田、村上、橋本のテイストの違いを楽しめる3冊。 「オジサンが若者に向けたエッセイ」という共通性で選んでみました。私は断然、原田派。(原田宗典に関する過去の日記はこちら)村上龍『恋愛の格差』(幻冬舎文庫、520円) 橋本治『橋本治の男になるのだ-人は男になるのではない-』(ごま書房、1155円) 原田宗典『少年のオキテ』(主婦の友社、1365円)
2004年07月29日
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ものすごくがんばってやった仕事が却下された。もはや挽回の機会はない。完全な失敗だ。しかし、不思議と気持ちいいのである。これまでの約30年の人生でも、たぶん筆頭格の「気持ちいい失敗」のひとつである。失敗して気持ちいい、というのはマゾヒスティックな感情とは少し違う。(私はメンタルにはマゾの傾向があるので、その感情との違いははっきりとわかる。)なぜ気持ちいいかというと、「これはお前にとって大事なことじゃない」と神様だか仏様だかがささやいてくれたように思えるからだ。私にはもっと私にとって大事なことがあるのだなあ。昔、THE BOOMの宮本和史が雑誌で、自分に妥協していないか、常に問い続けるという記事を読んだことがある。私は、仕事には妥協していなかったけれど、自分には妥協していたのだ。それを教えてくれたのが今回の失敗なのだ。というわけで、今日は夏空のように青い気持ちで、自分の大事なことにとりくんでみたのである。追伸:ちなみに、他の「気持ちいい失敗」の例としては高校のテストで500人中490番代をとったとき。これ以上落ちることはない、というくらい大胆な失敗で我ながら可笑しく、それ以降、安心して勉強に取り組むようになった。つれあいにはナイショの話。
2004年07月28日
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海水浴に行ってきた。私は海が大好きなのだ。昨年は冷夏で一度もおよげなかったが、今年は猛暑のおかげで海水浴を楽しめる。つれあいと二人でしばらく泳いでいると、海草がやたらとただよっているのに気付いた。海草というのは普通、うっとおしく感じられる方が多いのだが、今度海にいかれる際には、目を皿のようにしてみていただきたい。魚の稚魚がかくれていることがあるのだ。稚魚だけではなく成魚がかくれていることもあり、今回はキンセンハゼの成魚をみつけた。熱帯魚屋でもめったにみかけることのない希少種だ。ただ、本来なら沖縄の海などあたたかい場所に生息しているので、夏のせいか、あるいは海水温上昇のせいかは不明である。(今回、海水浴をたのしんだ福間町の浜辺では、5月くらいに海水温上昇を示す典型例であるハリセンボンの大量死を目撃しているので、やはり海水温上昇の影響かもしれない。)うれしい反面、生態系の乱れを感じなくはない。しかし、たくさんの魚と出会えるのはさすが水質のよい玄界灘ならではである。私の育った瀬戸内海では、工場廃水や生活汚水のせいで、こんなにきれいな海ではなく、魚の種類もまったく違ったので、ことさらに感動する。たくさんいたのがイシダイの幼魚だったのだが、今回は非常に面白い体験をした。3匹のイシダイ幼魚が、なぜか私とつれあいになついてきたのである。マリン・アクアリストの私とつれあいが、海草の中の稚魚観察に夢中になっているうちに、ふと気付いたら足元にいたのである。人間嫌いの魚にしては珍しい。幼魚なので、大きなものでも3センチ、小さなものは1.5センチ程度だが、玄界灘の透明度の高い海水なので確認しやすかった。最初はすくいあげようとして、四苦八苦していたのだが、いくら私とつれあいにいじめられようとも、我々にくっついて離れないのである。そして面白いことに、あまりいじめていると、我々の足を口先でつっついて攻撃してくるのである。けっこう痛い。それでも我々から離れずに、どこへ泳ごうがついてくる。だんだん可愛くなってきて、しばらくずっと一緒に泳いでいた。最後は、海草に送り届けて、大きくなれよ!と無事を祈った。魚が遊んでくれた御礼に、最後は浜辺でゴミひろいをしてかえった。宗像市の海岸線を毎週綺麗にしているマイスターさんには及ばないが、私も散歩にいったり遊びにいったりしたときにはゴミひろいはするようにしている。ハングル文字の容器もあったけれど、スイカ割りの残骸、近所のスーパーのゴミ袋などの方がたくさんあった。どうせ海にきたならみんな綺麗にして帰ってほしい。それが海への恩返しだし、子どもが安心して泳げる環境作りにもつながると思う。海を汚す人間は、天に向かって唾を吐くのと同じ行為をしているのだ。福間町はあまり海浜清掃に熱心ではないけれど、たとえば大きめのザルを用意しておいてそのザル一杯にゴミをひろって来た子どもには、観光協会のシャワーを無料にしてあげるとか、そういう工夫があってもいいと思う。来年は、「ウミガメ課」で有名な津屋崎市と合併するという。せっかく合併するのなら悪い方に基準をあわせるのではなく、良い方にあわせていってほしいものだ。
2004年07月25日
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著述家・中野孝次が亡くなった。享年、79歳。この死の意味を誰かとくらべることはできない。(ほんとうは、老害を撒き散らしている某大手新聞社OBと比較したい欲望にかられたが、それは中野先生に対する侮辱にしかならない。)等身大でものを考え、語る態度に共感を覚えていた。いやらしくない自分のルーツのさらしだし方もあこがれだった。信州を愛してやまない態度に、結婚して以降の私との共通点を見出していた。それ以上に学究として、好奇心を失わない態度を尊敬していた。人はいつか死ぬ。死ぬ前に、何を残していけるのだろう。その前に、自分は中野孝次先生のように闊達な好奇心と筆の力を維持していけるのか?死人の生き様から何を読み取ろうと個々人の勝手である。しかし、なるべくなら、その死人の生き様に何かしら応じる生き様でありたい、そう思う一人が亡くなったのである。謹んでご冥福をお祈り申し上げる。★以下、文献リスト○おそらく遺作『セネカ現代人への手紙』○あこがれの老後像のひとつ『趣味に生きる愉しみ』○もっとも有名な著作『清貧の思想』○私がもっとも共感を覚えた作品『若き木下尚江』※楽天フリマ
2004年07月22日
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中沢新一『愛と経済のロゴス』を紹介する。10000ヒットにあたりなにがふさわしいか考えたのだが、自分が今読んでいて、一番面白い本のことを正直に書くのがいいと思った。資本主義経済、というのはとても合理的な仕組みだ。お金(貨幣)がすべてのものと交換可能な仕組み、というのは便利だしすごいものだ。でも、お金が全ての世の中はむなしさもともなう。(たぶん21世紀の”セレブ”とか”勝ち組”とかいっている日本は限りなくそれに近い)豊かで、にぎやかで、でもどこかむなしい。それを抜け出すための思考実験がこの本だ。「愛」と「経済」がともに生きていた太古の人類のことが思い出される。そして「経済」が「愛」から分離をはじめた瞬間を、アーサー王物語の原型のひとつである”聖杯の騎士”伝説に発見する。そして未来において再び「愛」と「経済」が結合する可能性を展望するのだ。私は、ホモ・エコノミカス(経済人)でもあるけど、「愛の人」(ホモ・アモールとでもいうのか?)でもありたい。資本主義体制における労働が人間を疎外する~、という昔サヨクの演説も悪くはないけど、「愛と経済って結びつけるはずじゃない?」というモチーフにいろどられた中沢節の方が私にはこのましい。ちょっとこの中沢理論を楽天広場に応用してみる。楽天広場(アフィリエイト)というのは、「愛」と「経済」のきわどい境目にあるな、と思うときがある。たとえば、自分の買いものをわざわざ私のサイトを経由して買ってくださる方がいる。この場合、楽天ポイントが数十円分ついたりして、それはそれで経済的に「得した」気分になるけど、むしろ私にうれしい気持ちを分けてくれる相手の好意(これは広い意味での愛)の方が自分にとっては大事だったりもする。そういう意味で、楽天広場は、愛と経済の関係の最前線にあるのかもしれない。これからもどうぞよろしく。
2004年07月21日
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福井県庁のボランティア受け入れ情報のページを見つけたので、とりあえずアップしておきます。
2004年07月20日
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三連休のうち2日は仕事だったが、出張のついでに神戸で買い物が出来たので良しとする。神戸にいっていつも感心するのは、男性もお洒落だということだ。男性の休日というとポロシャツや開襟シャツが定番だが、正直、あまりかっこよくきこなしている人は少ない。(奥さんの影響か、ピンクでチェックの開襟シャツを着ている人などいると、この暑いのにやめてくれ~といいたくなる。)しかし、休日はTシャツ派が目にとまるのはさすがファッションの都、神戸である。普段からTシャツ派の私だが、30代も40代も、60代ももしかしてそれ以上の人にもお洒落なTシャツ派がいて、「それどこで手にいれたんですか?」と聞きたくなるようなものも多い。今回見て、真似してもいいかもと思ったのは、Tシャツにトートバックというスタイル。若者の定番だが、休日なら、大人の男にもOKだろうと思った。40代くらいのおじさんが、白地に水色の幾何学模様のTシャツ、ベージュのチノパンに合わせてカーキ色のトートバックをもっていたのを見て、「あ、いいな」と直感。そのおじさんは、40代の標準体型で顔立ちも普通のおじさんなのだが、トートバックがとてもよく似合っていて若く見えたのだ。白+水色+カーキというのは実は上級者の組み合わせのようにも思えるので、おじさんにもなじみやすい渋めの組み合わせを提案しておく。■BURBERRYメンズTシャツ(ホワイト)30代以上の男性は、Tシャツも良いものをきてほしいですね。バーバリーのこの柄だと初心者が着ても浮きにくいと思います。★高密度コーマチノパンツ(カーキ色)カーキ色というのはひとつもっておくとかなりお洒落度が上昇します。TAKEO KIKUCHI◇A4サイズトートバッグトートバックに抵抗を示す男性も多いのですが、こういうかっちり感のあるトートなら、仕事にも休日にも使いまわしがききますよ。★なお、髪の毛はあまり固めすぎずに、わりといい加減でいいと思われます。(朝のゴミ出しの時のまんま、かまわない髪の毛くらいの方が、Tシャツにはよく似合うのです。私もいつもボサボサ・・・言い訳してるわけじゃないですよ(^^;))★おまけ:神戸の買い物について。今回の獲物は、HIDEXのウッディマウスパッド。楽天では残念ながら取り扱いはないが、関連商品のウッディ・バインダーを他のオンラインショップで見つけたので、こっそりリンクしてしまおう。(残念ながらマウスパッドは売っていないようですが、これがまたいいんだな。きっとお洒落なインテリアショップでは取り扱いがあるはず。)マウスパッドをずっと探していたのだが、気にいったものがなくずっとノベルティグッズを使っていた。今回買ったマウスパッドは、オーバル形状をしているのだが、その形とともに色合いが気に入った。濃い木目をニスで仕上げて近未来なような、北欧系のような、面白いハイブリッド感がある。これでまた書斎生活が楽しくなりそうだ。楽天では、HIDEX LEATHER ブックマーカー(馬)の取り扱いがある。これもなかなかよさそうだ。★追伸 明日、日赤の募金をしに郵便局に行こうと思います。災害ボランティアがたくさん集まっているというニュースを見て、日本も捨てたものじゃないなとうれしくなりました。福井の被害も甚大なもので、こちらもボランティア・募金等の情報があれば日記で紹介していこうと思います。
2004年07月19日
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福岡は夏空。積乱雲がもくもくと成長していく様をぼーっと眺めていると面白い。しかし、同じ空のもとで、集中豪雨の被害に苦しんでおられる方もいる。新潟・福島集中豪雨は悪天候もありまだまだ被害が拡大するかもしれない状態にある。近い場所に住んでいたら片づけのボランティアにでも行ってあげたいのだが、九州なので思うにまかせない。日赤義援金(新潟・福島集中豪雨)に連休明けにでも寸志を託そうと思っている。ちなみに日赤ではボランティアも受けつけているそうだ。★日本赤十字社新潟県支部(電話025-231-3121)もしくは新潟県災害救援ボランティア本部(電話025-281-5527)私もかつて実家で集中豪雨の被害にあったが、1時間に100ミリ以上の雨がふると5分、10分ですぐに浸水がはじまるのだ。大事なものを二階に上げる暇もない。もちろん外に逃げようにもまさに滝のような大雨でかえって命を危険にさらすことになる。集中豪雨というのはそれくらい怖いものなのである。そして後かたづけも大変だ。水とともに入り込んできた土砂は思いのほか手強い。お年寄りにはきつい仕事だと思う。天候が回復して、被害にあわれた地域の方が早く安らかな日常を取り戻せるよう願うばかりである。
2004年07月16日
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「1次関数は恋愛の初期の気持ち、2次関数は一回嫌いになって好きになる大人の関数」7月12日の日記に書いた私の経験談が思わぬ波紋を広げている。ひさびさに持論の恋愛関数論を思い出したので、その話をまわりの人間にしてしまったら、出るわ出るわいろんな恋愛関数論が。Y軸に恋愛感情を、X軸に時間をとってみると・・・「私の場合、右肩下がりの反比例なのよね。」(熱しやすく冷めやすいタイプ。恋多き女性です、たしかに。)「私の場合は、ガウス関数かなあ」(一歩、一歩、確実に手順をふんでいく堅実なタイプの男性です)→ガウス関数わすれた~という方はこちらへ(大阪教育大学附属高校・池田校舎・友田勝久先生HP)その他にも理系の方々からはチンプンカンプンな関数の名前が飛び出してきた。たとえば「恋愛はやっぱりtan関数でしょ」「え~そう?結婚してる俺から見ればsin関数ってとこだけど?やっぱ周期っていうのがさあ~」こらこら、文系人間を置いていくな~。三角関数すら忘れているんだぞ~。というわけで思い出したい方はこちらへ(数学の散歩道HP)結婚生活sin関数説には賛成なのですが、tan関数って一体あなた、どういう恋愛感情ですか?どなたか解釈してください。(中だるみがあるってこと?)そんなわけで実はみんな恋愛だと数学好きになれることが判明。こんな発想できていれば絶対に数学嫌いにはならなかったよな~。さらなる後悔を前進へのバネにつなげて、数学嫌いを少しでも数学好きそうにできそうな本を紹介。★「数学と恋愛・日常をつなぐ本」(1)柳谷晃『男と女のすべてのことは数学でわかる』(三笠書房刊、1200円) ほんとうにすべてわかったら人生苦労はしませんが、内容的にも興味深そうだったので。(2)小川洋子『博士の愛した数式』(新潮社、1500円) 楽天の読書家たちが軒並み撃沈されている名作小説。私もこの機会に読んでみようかな。(3) 森博嗣『笑わない数学者』(講談社新書、900円。文庫版もあります) タイトルの通り、天才数学者の家で起きた事件に、理系師弟が挑むミステリー。文系人間にでも読めますよね~!?(弱気)追伸:ほんとはもっと難しい関数の名前「リサージュ曲線」とか「対数関数」とか出てきたのですが、文系人間にはこれ以上フォローしきれませんでした。理系の方、どうぞ想像してお楽しみください。(できれば解説も~)
2004年07月14日
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最近のお気に入りのメニューについて書こうと思う。名づけて書斎人式サラダバイキング。バイキングといっても好みの野菜を皿の上に載せ、適当にまぜつつ食べるだけ。用意するもの。・レタスもしくはベビーリーフ・トマト・バジル等好みのハーブ・みょうがの千切り(サラダによく合います!)・サイコロ切りにした鶏ムネ肉のロースト(カリカリベーコンやシーチキンでもいい。)ほか、サラダにはこれでしょ!という具材を大皿盛りにして並べる。・塩コショウ・サルサソース・明太子マヨネーズ等お好みのドレッシング数種類。粉チーズやクルトンなどがあってもいいかもしれない。要するに、1人用の小さ目のサラダボウルにこれらを取りつつ、まぜつつ、1回1回別の野菜の取り合わせを楽しんだり、ドレッシングの配合を変えながら食べるだけ。サラダにはうるさい私もつれあいもこれなら喧嘩をせずに共存できる。それだけが夕食だと寂しいので、・クレープ(これにサラダの具を包んで食べると腹持ちがいい)・野菜スープ(個人的に好みなのは暖かいトマトのポタージュ)等あると完璧。私のベスト配合は、レタス+みょうが+シーザーサラダ用ドレッシング(マヨネーズ、白ワインビネガー、マスタード、アンチョビ、レモン汁をまぜる)+鶏ムネ肉+粉チーズ野菜室の残り物退治にもいいですよ。白ワインともよくあいます。え?こんなもので足りるのかって?普段はこんなものじゃすみませんが、お察しの通り、立派な夏バテなのです!
2004年07月13日
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『偶然を飼いならす』の読書日記のつづき。今日は12章「大数の法則」を読んだ。数学嫌いの私が思うこと。日常に起きる様々な出来事を数学の式に落とし込む社会統計の発想を中学生くらいの時にならっていれば数学を好きになれたかもしれない。かくいう私は、その後悔を生かし、塾講師をしていた時、中学2年生に関数を恋愛の比喩で教えていたものだ。すなわち、初期の恋愛感情は1次関数であらわせる、と。(ほら、人を好きになる最初って、ぐーっと直線的にその人への愛情が高まっていくでしょう?)ちなみに、同じ恋愛でも一回嫌いになってもまたよりがもどって好きになる大人の恋愛は二次関数。中2には、もうちょっと大人になってからじゃないとわからないから、中3になってから教えてやると言っていたものだ。中学生もこうするとノリよく覚えられて、なかなかの評判を博していたものである。それはさておき、確率や統計は学校でならうと、うんざりするくらいにつまらない式の羅列なのだ。でも、実は、統計学は机上の学問たる数学として発達してきたのではなく、日常の出来事を説明したり予測する社会統計として発達してきたのだ、ということが本書を読むとわかる。つまり上のたとえでいうと、1次関数先にありきなのではなく、恋愛感情って数学的に説明つかへんかな~という発想のもとに発達してきたのだ。もちろん恋愛感情のような卑近な例ではなく、19世紀フランスで統計学の発達を促したのは、「陪審制の多数決は何対何で行うべきか」という問題への対処である。フランスの陪審員は12人で、コンドルセによれば8:4がベスト、ポアソンによれば単純多数決がベストということだ。詳しい経緯はややこしいので省くが、この多数決をめぐる議論の中で、かの有名な「大数の法則」をポアソンが主張した。かの有名な、といっても数学嫌いの私も参考書を紐解くまですっかり忘れていた。「ある試行を何回も行えば、確率は一定値に近づくという法則。例えば、さいころを何回も振れば一の目の出る確率は六分の一に近づくなど。」という大辞泉の定義が分かりやすいだろう。この「大数の法則」を提唱したポアソンは、サイコロの目の確率のことなどを説明したかったのではなく、なんと「陪審員が誤審をする確率は一定だ」(!)ということを主張したかったのだ!(この場合「試行」=裁判の評決、ですね。)私が、数学的センスを持っている人は恐ろしいなあと思うのかこういう瞬間である。普通の人間ならば、「陪審員はミスしないよう細心の注意をすべきだ」という「信念」に解決を求めるだろう。あるいは、証拠をチェックしたり他の陪審と話し合ってミスが出ないように手続きを整備すべきだ、という「制度」の問題に還元するはずだ。ところが、ポアソンは「人間(陪審員)のミスは一人一人のいきさつに違いはあるかもしれないが、陪審員全体で見れば絶対にある一定の確率でミスは出現してしまうのだ!」と直感してしまったのである。ちなみにポアソンの計算では、陪審員がある被告に刑事罰を与える評決で賛成7人:反対5人に分かれたとき、誤審の確率は0.1627(16.27%)だという。このデータの影響もあり(ほんとうはもっといろいろいきさつがあるのだが数学嫌いなので説明しきれません、すみません)、フランスの陪審員制が単純多数決制に戻ることになったという。数学的センスをもっている人は恐ろしい、と書いたが、私が学生時代に受けていた経済学の講義で、受講生と教授が世間のさまざまなジレンマを関数表現し、解いてみるという授業があった。(私が劣等生であったことは言う間でもない。)その教授は、受講生と教授自身が四苦八苦してたてた関数式を3秒くらいじーっと見ると、次の瞬間に「これは、直感的に考えて××に収束するはずですね」と言うのが常であった。なんでそういう解になるのか、凡人である学生にはまったくわからないのだが、確かに式を解いてみるとそうなる、という恐ろしい才能の持ち主なのだった。いまだもってその教授のいう「直感的」ってどんな感覚なのか、まったくわからない。ポアソンもおそらくは、陪審員のミスについて定式化しようとあれこれ悩んでいるときに、「大数の法則」を直感してしまったのだろう。我々の「ミスをすべからず」という社会的通念を遥かに飛躍したところにある、違和感のぬぐえない、しかし正しい命題なのだ。どんな卑近な日常の出来事でも、一旦、式にして表現してしまうと、人間の日常生活では思いもよらない解を思い浮かべてしまう、数学的センスというのはそういう究極の想像というか発想を可能にする力なのである。しかし、19世紀のフランスの囚人もたまらなかっただろうな。統計学の発想ひとつで陪審制度が変わってしまったのだから。それは時として、ある人間の一生を変えてしまうほど大きな変化だったはずだ。しかし「大数の法則」は、現在の保険制度の中に生かされ、我々が比較的安い保険料でメリットを享受できるという恩恵ももたらしている。数学的直感はそういう意味では神の恩寵なのか、悪魔のささやきなのか、判断のできないスリリングな味わいを伴っているのだ。
2004年07月12日
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投票所は冷房が効いていない。立会人のおじさんたちは扇子でパタパタ。ちゃんと不正がないかどうか見てるのかな~。まあ田舎だし、大丈夫ってタカくくってるんだろうけどな~。立会人とその地域の雰囲気は関係があると思う。京都に住んでいた頃の立会人の方は全員というわけではないが、きわめて真摯な態度の方が何人かおられた。一票、一票をうなずくように頭を上下させながら見ておられる態度に、選挙の公正さの最前線を見る思いがしたものだ。ちなみにこの選挙立会人、公募制をとっていることも多く、日給1万円程度が出る。(もちろん、この1万円は税金です。)バイト感覚でできなくはないのだけど、立会人はあくまで「公正」の使徒であることを忘れないでいただきたい。まあ、そんなことを気にしつつも、私は私の意思を一票にしっかり反映させてきた。それにしてもあの下劣な選挙特番、なんとかならんものか。「踊る選挙戦」ねえ、やれやれだ。こういうセンスは批判してもいいんじゃないかと思う。NHKのみが許容水準だけれど、テレビは消して読書をする。結果は、明日の朝刊で確認することにしよう。追伸;トップページ更新しました。「回転!インスピレーション」と題して、書斎に関連する回転グッズを紹介しています。よろしければどうぞ。
2004年07月11日
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イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』(楽天ブックスに再入荷したようです!)を読み始めた。日記のタイトルは、『偶然を飼いならす』第3章のタイトルからの転載。人口、離婚件数、出生率、偏差値、食料自給率、少年犯罪件数、我々の日常は統計にあふれている。この本は、統計なるものが、近代国家の中で生成し、熱狂的に支持され、今や我々の生活と切っても切り離せないまでになったプロセス、そして我々が統計にいかに「支配」されているのか、ということを厚く精緻な記述で書ききったものである。私はこの本を読んで、「平均」や「正規分布」やなどの統計学の基礎概念が、犯罪学と密接に結びついていたことを知った。しばらく『偶然を飼いならす』についての日記を続けていこうと思うので、これについてはおいおい触れていくことにする。ところで、この3章のタイトルを読んで、最近の年金に関するニュースを想起された方も多いだろう。今も昔も「官僚は隠匿する」存在なのである。もっともハッキングが扱ったのは名君で知られるフリードリッヒ1世時代の18世紀プロイセン。当時のプロイセンは、統計の先端地であり、国力に関連する様々な項目に関して調査と集計が試みられていた。例えば、家族についての分類項目:家長、女主人、男児、男女、職人、農場労働者、使用人、青年男子、未婚の女子。職人以降の項目は、当然のことながら血縁に含まれる家族ではなく、「召使」や「小作人」の類である。産業や建築に関しても綿密な統計が整備されつつあった。当時の大陸ヨーロッパの政治状況を考えれば、国力に関する実態は極秘事項である。ゆえに、「官僚は隠匿」したのである。このように統計の最先端を行っていたプロイセンの影響で、ヨーロッパの知識人の間にもいろんな数値を集めるのが大流行。ゲーテもその一人。中には、旅先で有名な油絵を見ても、その絵のサイズを測ることに夢中で、絵そのものには興味のない人もいたという。そして旅行記の中で様々な数に関するデータを公表することが、当時のイケてる知識人の条件だったようだ。ゆえに「アマチュアは公表」するのだ。国力を知られることが一国の盛衰を左右する時代にあって、「官僚は隠匿する」ことが、使命であり正義だったはずだ。ずさんきわまりない年金制度を、国会期間中にギリギリ成立させるために少子化のデータを隠匿した厚生労働官僚に、正義はあるのだろうか?追伸:あさっての投票は、白票でもいいので一票を投じにいきましょう!私は、「官僚に隠匿させた」党には入れないつもりです。
2004年07月09日
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昔の恋人から携帯電話の番号を変えたと留守電が入っていた。夜にかけなおしたの不純な動機からではなく、今では良い友達だからだ。「周りの友達がみんな結婚したり、恋人がいたりして、なかなか遊んでくれない」という悩みを聞かされた。社会に出ると、案外、友人をつくる機会は少ないものだ。そのほかお互いに仕事の愚痴などを言って、バカな話をして、「じゃあね、お休み」と切る。もう10年近い昔に喧嘩別れをしたのだが、つきあっていた時代がすっかり乾いた思い出になっていることに気がつく。お互いそうだからいい友達になれるわけだが。恋愛小説は苦手な私だが、なんだか恋愛小説に出てきそうで自分で書いていてこそばゆいようなエピソードではある。でも、昔の恋人で、今は大事な友人が電話をくれたのがうれしくて、日記に書きとめておこうと思った次第なのだ。
2004年07月06日
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生まれて初めて!という体験は人生を重ねる毎に少なくなっていく。しかし私は今日生まれてはじめての体験をした。玉虫を初めてみたのである。自宅マンションの駐車場でアスファルトを歩いている物体を発見。近づくと、キラキラしたゴキブリみたいな生き物だった。お互いにしばらくじーっと見つめあっていたのだが、ふと私は気付いたのだ。「これがもしかして、あの玉虫とかいう生き物では!?」と。早速、携帯を取り出して1枚パチリとやったのだが、アスファルトの暑さに耐えかねてか、私の視線をうざったく感じたのか、次の瞬間、ぶーんとどこかに飛んでいってしまった。↓これが証拠写真。 玉虫といえば、玉虫の厨子で有名だが、日本人で一体何人が見たことがあるのだろうか?なんだかとても得した気分である。そして、身近な自然の豊かさにも感動した。自然は大事にしなくては、とこういう瞬間に誓ってしまうのだ。綺麗な玉虫の写真はこちら。 岡山県立倉敷天城高校HPより転載させていただきました。タマムシマニアにはたまらない(?)本も見つけました!タマムシの翅(はね)はなぜ玉虫色か(楽天ブックス)新刊本では品切れなようなので、入手希望の方は楽天フリマ(古本)へどうぞ。
2004年07月05日
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男のおしゃれについて語る際、今、いちばんいいたいのは、「こらおっさん、着メロをどうにかせえ!」ということである。柄の悪い関西弁で失礼した。しかし、にいちゃんはともかくおっさんの着メロに関しては課題が多い。以下、列挙しておく。1)家族依存系:あきらかに家族(しかもたいていの場合、娘ではないか)に着メロの選択を依存しているおっさん。主として30代後半から40代前半に多い。 くたびれはてた最終に近い列車の中、突如なりひびく「トットロ、トットーロ♪」やミッキーマウスマーチ。挙句の果てにはドラえもんのオープニングという恥ずかしさの頂点のような着メロの人もいる。2)やる気満々系:こちらは年代にこだわらず。強いて言えば家族の呪縛を逃れた40代半ば以降の年代に多い。たぶん、自分のやる気が出るテーマソングみたいなものがあって、それを着メロにしている人が多いのだ。 ドラマだと、太陽にほえろ!が一番人気で、アニメだとルパン3世のテーマ、ウルトラマンのテーマ。私が聞いた問題着メロは、早朝の近鉄電車の中で鳴り響く暴れん坊将軍のテーマであった。3)やたらでかい着信音:営業で外回りの人は、電車の車内でも異様にでかい着信音設定をしている。ごくろうさんです、この不況、外回りはつらいですよね。居眠りしててもクライアントには対応しなきゃいけないわけですから。 しかし周りの人の心臓を止めそうなほど大きな着信音はいかがなものかと。私は一回、読んでいた本を取り落として前の座席の人に迷惑をかけてしまったことがある。 さてさて、このように問題の多い男性の(とくにおっさんの)着メロであるが改善策も提案しておきたい。A.静かなクラシック:私自身もクラシックにしている。ショパン「別れの曲」や、ベートーベン「月光」など聞かせる曲だとなおよい。逆に「威風堂々」や「第九」など立派すぎる曲だと、人間の方に見劣りがするので要注意。B.60年代、70年代の洋楽:ビートルズやカーペンターズあたりを想定。同じ60年代、70年代でも橋幸夫ではいけない。あ、しかし邦楽でも「戦争を知らない子どもたち」とか知る人ぞ知る名曲でメロディックなものだと、さり気なくネタになっていいかもしれない。C.列車の中ではマナーモードに、やむをえずしゃべるときは小声に:日本人の最悪の携帯マナーは、たいていおっさんによって実践されている。仕事がからんでいるのは分かるが、電車の中で、大声で取引先と話されても良い迷惑である。逆に、電車の中で話していても小声で落ち着いたやりとりで「○分後にこちらからかけなおします」と言っているのを聞くといかにも、できるビジネスマンという感じで私は好感を持つ。以上、男のおしゃれは着メロから、というオピニオンでした。淑女たちにもお願い。愛する夫や恋人や父親の着メロに厳しい愛の鞭を振るうべし!
2004年07月01日
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たてつづけに面白い偶然に恵まれる日がある。今日は用事で、とある自治体の役所に行ったのだが、そこで面談した方と雑談の最中に共通の友人がいることが発覚。仕事を超えて仲良くなってしまった。さらにその方の上司というのが面談中にちょっと顔をのぞかせたが、私がかつて別の仕事でお世話になった方が異動になっておられたのだ。(以前は今回の仕事とはまったく関係ない別件でその上司の方とお会いしたのでほんとうに驚いた。)凄い偶然もあるものだ、と思って職場に帰ろうとしたら、今度は駅で職場の同僚とばったり。自宅がその近くでたまたまその時間帯に出勤することになったのだという。これまた電車の中でもりあがって、いろいろ前向きな話もできた。偶然、というのは重なるものなんだなあと実感。1日に3つ以上、偶然が起きるというのは、幸運の女神か不幸の女神がとりついているようで、なんだか怖くもなるが、人とのつながりが深まったという意味ではいい1日。役所に行くのも昨日にふと決めたことなので、今日のすごい出会いの偶然は、私が偶然を飼いならしているというより、私が偶然に飼いならされている、そんな感じだった。イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』楽天ブックスでは最後の一冊を私が買ってしまったので当面品切れ。到着を首を長くしてまっているところ。読了後に日記を書きたいと考えています。大手書店には在庫があるはず。追伸:偶然、という意味では私の親しい友人や親族には8月25日生まれと8月28日生まれの人が集中。なんと6人もいます。そしてその6人のうち4名がぼんやりしている私の「お世話係」なのです。これはたまたまなのでしょうが。
2004年06月30日
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私のHPのクリック数が最近けっこう増えている。世界中の人々の幸せを願う楽天広場の皆さんがいる。さて、この2つの現象をつなぐのは何?このちょっとしたクイズの回答は、この「楽天的書斎人の生活」のトップにあるワンクリック募金だ。詳細にアクセス解析をしたわけではないけれど、設置した時期とクリック増の開始時期が一致しているので、そう結論づけてもいいと思う。私もなるべく1日1クリックを心がけている。そしてこのHPをおとずれた方が、日本の子ども、世界中の子どもたちや自然環境のことを気にかけてクリックしてくれているのだと思うととてもうれしい。クリックしてくれた楽天広場のみなさんありがとう。ひきつづきよろしくお願いします。追伸:そういえばもうじきボーナス。ボーナスで美味しいものをたべるのも素敵ですが、ユニセフ募金で世界中の子どもたちの未来を少しでも明るく照らす、これもまた素敵なお金の使い方ですね。追伸2:楽天のスーパーポイントもいつの日か募金に使えるようになると素晴らしいと思いませんか?
2004年06月26日
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ハリー・ポッターをなんとなくテレビで見ていたら、映画『キング・アーサー』の予告編が流れていた。いやまあ王妃グィネヴィアはキーラ・ナイトレイでいいんじゃないかと思うが、アーサー王とサー・ランスロットの役者(名前も覚えてやらん!)に疑問符。とくにランスロットといえば湖の妖精に育てられた、凛々しく美しく勇気ある理想の騎士ではないか!男からみてもうらやましい美男だぞ!それがなんだ、このジゴロみたいな顔つきをしたあんちゃんは!と年頃の娘の彼氏に憤るお父さんのようになってしまった私である。まあこの映画は期待しないので、絶対に見にいかない。それにしてもハリウッドも最近はコンテンツ不足である。新しいヒーローを誕生させられないのは日本も同じだが、いたずらに古典の名作の香気を世俗の悪臭にまみれさせないでほしいものである。アーサー王伝説はぜひマロリー版でお読みください。トマス・マロリー『アーサー王の死』(筑摩書房)私は見ていませんがアーサー王をアニメで知った方には懐かしい逸品燃えろアーサー・円卓の騎士物語(テレビ名作劇場)残念ながら品切れでフリマにも出品がありませんが、ご自宅の倉庫に眠っていたら、今がチャンスかもしれませんね。追伸:たぶん明日出勤で滅茶苦茶機嫌が悪いので、なんだか乱暴な文章になってしまいました。古典の香気を世俗に貶めている犯人のひとりは私かもしれません。反省して週末には、まっとうな日記を書きたいものです。
2004年06月25日
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たぶん疲れがたまっているのだ。ここ数日の急激な温度変化も一因であろう。不眠。風邪をひいたわけでもないのにめまい。そんなわけで集中力がつづかず、デスクの前にいても思考が進まない。体も心も、からまわりである。そろそろ高い栄養ドリンクの出番かなあ。
2004年06月24日
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女の知人が見合い結婚することになった。それも、5年以上もつきあった年下の恋人を捨てて、の話である。(なんでも親にずっと結婚を反対されていたからだそうだが。)この話を親友から聞かされただけで気が重くなったので「結婚祝い」と称する飲み会の席には行かないことにする。なんだか最近、身の回りで「幸福な結婚」の話が少ない。30才をはさんで、男も女も結婚に対して急いでしまうのだろう、きっと。でも、そうして駆け込むようにして結婚したところで、所詮それは「不幸な結婚」でしかない。思うに30歳前後で独身だと「このまま一生ひとりでいる」という問題に一度は直面するのだろう。誰の人生にもふりかかる「孤独」問題である。「ひとりでもいい」と私は”自閉症”を疑われた幼少の頃からずっとそう思ってきて、いまもそう思っている。なぜかとっとと結婚してしまったが、本質的に孤独は苦手ではないしかし急いで結婚する知人たちは、人なつっこく「友だちの多い」人気者であったり、三世代以上家族の中でぬくもりにはぐくまれて育ってきたお嬢さんであったりする。「孤独」への耐性が弱い、といちがいに片づけたくはないのだが、「ひとりでいること」へのあせりがないとは言い切れないタイプだ。別に結婚するな!といっているわけではないのだが、「人生孤独でいいんじゃないか」と思い返す時間が、彼らにはあってもいいのかもしれない。「孤独」を仮定したところで、自分の人生に対する真剣な闘いが始まり、そこから何かあたらしいものが芽生えてくるときも多いのだがなあ。孤独に関する本は多いのですが諸富祥彦『孤独であるためのレッスン』(楽天ブックス)は読みやすく、「孤独もありかも」と思わせてくれる一冊。「結婚祝い」にはおよそ向かないので知人には渡せないのが難点。
2004年06月21日
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今年の梅雨は雨が降らない!今日の福岡も台風が近づいているのに雨が降らない!読書と書斎生活を愛する私にとって梅雨に雨が降らないことは、苛立ちの対象である。雨音を聞くと、読書への集中力や思考力が高まるという体質なのである。毎年梅雨時は口では「もう雨ばっかりで嫌になっちゃいますねー」といいつつも、内心では今晩も読書に集中できそうだとほくそえむのである。しかも梅雨寒の日だと、ほどよい室温で読書が楽しめなお良いのである。それが今年は雨が降らない。しかも暑い。全然読書に集中できない。そういうわけで雨の降らない梅雨に怒る書斎人なのである。雨乞いでもしようか?有力な参考文献になるかも!?祈雨祭:雨乞い儀礼の韓日比較民俗学的研究(楽天ブックス)
2004年06月19日
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神戸の古本市の戦利品のひとつ。渡辺一夫責任編集『世界の名著17』(昭和44年・中央公論社)に収録されている。痴愚をつかさどる女神・モリアが、己の行い(すなわち人間の痴愚)が人間の幸福にどれほど役立っているかを延々と自画自賛する物語=エラスムスが人間の愚かさを戒めようとした風刺譚、と教科書的に説明すると全然たのしくない本である。しかし、読んでびっくり。めちゃくちゃ面白いのである(翻訳の面白さがそれに拍車をかけている)。有名なのが「お花ちゃん」「猿より醜男」という名訳(!)だが、それ意外にもいろいろと楽しめる部分がある。「ほかほか婆さん」などは挿し絵入りで懇切丁寧に説明されているし、学者批判も絶品だ。学者連中のなかで、最前列を要求するのは法律学者くらいですね、なにしろこれくらい自分が気にいっている連中もいませんから。なんの関係もないことの上に法律の文面を積み重ねまして、・・・自分らの学問こそ最も困難な学問だという感じを出しますねエラスムスが痴愚神礼賛をしるしたのは1511年なので、かれこれ500年も法律学者は進歩していないのだなぁとしみじみ思う。ほかに哲学者、神学者、文法学者など当時の学術的権威がみんな槍玉にあがっている。無論、人間存在一般も痛烈な風刺の対象となっている。哀れな人間どもが、毎日どれほどたくさんな笑い話を神々に提供し、お楽しみの種をさしあげているが信じられぬくらいです。・・・つまらぬ女のために息も絶え絶えになり、好いてもらえないと、いよいよ熱をあげる男がいるかと思えば、妻をめとるのではなく持参金をめとる男もおりますね。こんな感じで(ここには書けないほど、露骨な表現も頻出で)全編がリズミカルな皮肉で彩られている。むろん、笑いつつも、ひやりとする心根は失いたくないが、それでも最後はあまりの痛快な皮肉に愉快な気持ちになれる一遍である。え?「ほかほか婆さん」って何かって?それは読んで確認してください。痴愚神礼賛(楽天フリマ)追伸:最近、仕事の谷間で、命の洗濯をしていたのですが、また戦いの日々がはじまりそうです。日記更新がこれまで以上にとどこおるかもしれませんが、どうぞ、お見捨てなきよう。マイペースで楽天日記を気長にやっていきたいというのが私の存念です。
2004年06月16日
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神戸に行くと本当に困る。何が困るかって、誘惑に満ちているからだ。いいバー、旨い洋食屋、絶品のすし屋、面白いインテリアショップ、味のあるお姉さんのいるカフェ・・・ただでさえ給料日前で青息吐息なのに、今回は神戸の古本市に行きあってしまい、とどめを刺された。場所は、三宮の有名な超大型古書店万陽書房の続きにあるビルの屋上広場である。たしか16日まで開催中。天気もいいのでお近くの方にはおすすめ。大阪や奈良からの出店が多く、京都の古本市とは規模も品揃えも比べ物にならないのだが、それでも普段は目につかないような面白い獲物がいくつかあった。現代漫画大観3 漫画明治大正史もそのひとつ。フリマでの出品も多く、結構人気の品なのだが、気楽に手にとって見て、面白い!と感じられるのが古本市のいいところである。現代漫画といっても、この本のいう現代は昭和3年。私の祖母すら生まれていない頃だ。漫画というのもコミックではなく、主には新聞の挿絵が収集されている。視点が漫画だけあって面白い。明治12年6月22日と日付のある漫画のタイトルは「學士の初もの」。東京大学が学士号制定以降、初の卒業生を出したのがこの日なのである。法学士が15人、理学士が45人とか。そういわれれば日本は昔から「技術立国」なのであった。同じ年のニュースがコレラ大流行と、勉強になるんだかならないんだかわからないところも面白い。給料日までは、粗食で、この漫画でも眺めて暮らすことにしよう。
2004年06月14日
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せちがらい高度資本主義の世の中。働きすぎるとすぐに生存本能が薄れてしまう私のような弱気ななまけものにとって、水木しげる先生はたのもしい同類であり大先輩なのである。こういうくだりを読むと、うれしさのあまり電車の中で小躍りしてしまいたくなる。どうしたわけか、ぼくは生まれつき寝るのが大好きだった。・・・要するに眠りこけてなんとなく生きたふりしているのが好きだった。若き日のぼくはそれを人生の方針としていた。しかし水木先生と私の間には大きなへだたりが。水木先生は物欲をいましめておられる。私はなんだかんだで物欲はある方だ。それにしても、これではあれが欲しい、これが欲しいの”欲しい欲しい”で毎日を追われ、そのうち一生が終わってしまうのではないだろうか。 日本がいい例で、学校の成績がよくないと、将来いい会社に入れないという恐怖心で、幼稚園の頃から、追われる生活を続け"生"を味わうことなく、あわてふためいている。・・・おっしゃるとおりです。なまけものの道は一日にしてならず。この消費社会の世の中で物欲を捨てることは難しいが、できる範囲からはじめてみよう。水木しげる『なまけものになりたい』 (河出文庫,800円)
2004年06月10日
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出張に北陸にいって、日本酒のよさをあらためて見直している。何度も日記には書いているが日本酒はとにかく量がのめない.一晩にせいぜい1合か2合程度である。しかし北陸は米どころ、酒どころ、そして海の幸にめぐまれているところで、絶品の酒の肴がたくさんあった。ちびりちびりと酒をやるのにちょうど良い肴を紹介していく。まず、能登の調味料「いしる」(”いしり”ともいうらしい)マルサ 能登特産いしるこの「いしる」をほたて貝の貝殻の上に注いで、イカと大根をさっと煮るのである。これはうまかった。真冬に熱燗で食べるともっといいだろう。それから、蕎麦屋で食べた蕎麦の実の佃煮。残念ながら同じものはみつからなかったが、蕎麦の実のもろみも日本酒にあう。そばの実 もろみ ( 150g入り ) 3ケセット もし時間があれば生の蕎麦の実をみりん醤油でじっくりと炊いて、最後に一味唐辛子をたっぷりとからませて佃煮にすると絶品の酒の肴になるだろう。話はそれるが私が育った瀬戸内の海産物ではイチオシの酒の肴が、鯛わたである。なぜか秋田の銘酒 高清水 (辛口 1.8L) との相性が抜群に良い。もちろんその他の酒との相性もいい。(できれば酒は辛口がおすすめ。)鯛わた塩辛最後に今回の金沢でいった、旨い店。金沢の旨い酒と肴の店・紙屋市ベゑいしり焼きはこの店で食べた。え?仕事してたのかって?もちろん!仕事をしたからこそ酒が旨いんですよ!追伸:今日で楽天日記100件達成です。8000ヒットももう間近。これも皆様のおかげです。感謝感謝。
2004年06月08日
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昨日、今日と月のきれいな夜である。国会では年金法案が強行採決になる模様。だいたい私達世代は恩恵はうけないので、いい加減にしろ、といいたい。20歳になりこつこつとバイト代から年金をはらってきて、学生生活も終わりになるころに「やっぱり学生は後納できるようにしましょう」という制度にころっと変わり、あげくの果てに将来の給付水準もあやふやなまま制度改正。朝令暮改とはこのことである。まあそれはそれとして強行採決の議員さんたちは、この綺麗な月を見る暇もないのである。もったいないことだ。月のきれいな夜なので、ジャズでもききながら一杯のむことにしよう。明日からはまた出張。来週もまた出張。せめて今晩くらいは月を肴にゆったりさせてもらおう。
2004年06月04日
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佐世保の女子児童殺害事件は加害者も被害者も痛ましいの一言につきる。ロン5708さんとばあチャルさんの日記に思考を触発されて、この日記を書いている。(それぞれの日記にトラックバックさせていただきました。)加害者が小6の女の子だからショッキングな事件に見える。だが、この女の子が「悪口を書かれた」という理由から殺害に至った原因は、私自身も心のなかに覚えのある感情と関係しているのではないかと思うようになった。どんな状況であれ、自分を否定されることは誰にとってもつらいことである。なぜなら私たちが生きる最大の理由が、自分だけでなく他人からも「認められる」=承認を得ることにあるからだ。人間は一人では生きるのでなく、他者との関係の中で生きている。その限りにおいて、人間は他者からの承認を求めて生きざるをえないのだ。こう喝破したのは私ではなく、思想界の碩学や、古今東西の大作家たちである。その系譜と、われわれ自身の日常の場面での承認願望とを巧みに関連づけて、論じたのが勢古浩爾『わたしを認めよ』という著作である。ひとは承認なしでは生きられない。この低脳が、という一言によって、あるいは最低の男ね、という面罵によって、わたしたちはいとも簡単に傷つく。自分という存在がその瞬間に転覆しそうになるのだ。傷ついたあとで、猛然と反発する。承認原則とは、畢竟、自分で自分を承認したいという願望にほかならないからである。(8頁)私はこの本を読んでから、他者を簡単に軽蔑したり排除しないという原則を自分の中でより明確に意識できるようになった。さて、今回の加害者の女の子は、普段は、成績もよく明るく、ただNOのいえない子だったのだと両親が語っている。だからこそ、彼女は親しく大切にしていた友達に悪口をいわれたとき、自分という存在が転覆しそうになり、自分を守ろうとしたのだと思われる。だからといって、殺人を犯していい、ということにはならない。ではなぜ殺人と結びついてしまったのか、ということになると、この加害者がこれまで愛されて育ってきた環境の良さが、裏目に出てしまったのではないかと思う。すなわち、自分を馬鹿にされたときに誰もが心のうちにわきあがる汚れた感情とのつきあい方を、よく知らなかったからではないのだろうか。ある人は、馬鹿にした相手を心の中でさげすみ、あるいは馬鹿にしかえすことで意趣返しをはかるだろう。ほかの人は、傷ついたことを悪口をいった人以外の周囲に広めることで、間接的なパニッシュメントを執行するだろう。それでいいのである。私自身もそうしてきた。人を殺すことに比べれば、人を傷つけて生きることの方が自分にとって有利なのだから。そういう汚れた感情とのつきあい方は、つらい目に何度もあう中でできあがるものだし、もともと自分自身の中にずるい部分がないと確立しにくい。そう思うと、この女の子はメンタルにはとても清潔な環境の中で育ってきたのだと思う。悪口をいった人物を排除するという、一見粗暴な行動の裏には、自分のバランスを保つための異分子を許容できないという心的無菌状態があった、と理解するのが私にとってはもっとも納得のいくことだからである。(むろん、これは私自身の経験に照らし合わせてのことなので、私的な推量の域を出ない。)殺人をおかしても、彼女を大切に育てた両親は彼女を「承認」するだろう。私も彼女のことを、遠くからではあるが「承認」したいと思う。悪口をいわれることのつらさに抵抗し、自分を守ろうとした。その考え自体は間違ってはいないからだ。ただ、自分を承認しないからといって、他人を殺してはいけない。それは彼女を承認する人物から彼女自身を遠ざけるという意味で、大きな間違いだからだ。そして、自分自身を守るために、被害者の女の子との関係の修復の機会もゼロにしてしまったことが、この事件のもっとも救いようのないところなのだ。彼女が罪を反省し、つぐない、いつか、正当な承認を得られる人間関係の中で生き、自分で自分を承認できるようになる日が来れば良い、そう願わずにはいられない。
2004年06月02日
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映画トロイを見た。ネタばらしになってしまうのであまり言えないが、映画館代の価値はある。もちろん「トロイの木馬」の話は誰もが知っているので、もともとネタは割れているというべきなのだが。その分、「ああ、このエピソードはこう消化したのか」というようなディレッタント的な楽しみはある。ところで映画TROYだけでなく、原作の『イリアス』にもひとつだけ文句を言いたいのは、トロイに戦争を挑んだギリシア側の総指揮官・アガメムノンの描写である。ご存知のとおり、王妃ヘレンを奪われた弟・メネラウスの雪辱のためと大義名分をかこつけて、トロイ(トロイア)への侵略戦争をはじめた人物である。イリアスでも映画でも強欲で傲慢な王として描かれている。どこかの大国の愚かな大統領のようにも見えなくはないが、アガメムノンは私の印象では快楽主義だが切れ者の戦略家という、どちらかといえば良い印象でもってとらえられるのだ。戦略的にいえばトロイア戦争とは、小アジア(現在のトルコ付近)の都市国家トロイアをギリシア連合軍が奪取し、アジアへの橋頭堡を手に入れようとするものだった。そのためにギリシア諸国の王を結集し、10年にもわたる戦争を挑むというのは並大抵の技ではない。(もちろん10年も戦争をするのは、戦術的にはアガメムノンが失敗したことの証左でもあるが。)しかし、トロイアをアジアへの足がかりとする優れた構想力と黄金の都・トロイアそして美女・ヘレンを餌に王達を戦局に投入するアガメムノンの戦略的手腕はなかなかのものであるといえよう。そういう目から見ると、強欲な王という描写は単調にすぎるように思える。映画なのだから、この点についてはもう少し「遊び」があっても良かったかな、と思う。もっとも、本来の領地であるミュケナイではそれなりに信望のある王だったらしく、イリアスにはアガメムノンへの民の信頼がうかがわれるようなくだりがあったと記憶している。だが、もう少し、壮年の男性の巧妙さと野望と、戦略家としてのクールさを兼ね備えたアガメムノンの描き方があってもいいな、と思う。あくまで一つのものの見方だが。ホメロス『イリアス』(岩波書店)追伸1:映画TROYで私が感心したのは、トロイ軍の指揮官であり王位継承者でもあるヘクトルを演じるエリック・バナの演技でした。追伸2:トップページ「30代のためのクールな書斎」をやっとこさ更新しました。よろしければご覧ください。
2004年06月01日
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日本酒はそんなに好きではなかった。だが今日はつれあいにひきずられるようにして兵庫県西宮市へ。銘酒で知られる灘五郷めぐりのためである。日本酒の酵母が体質的に受けつけられなくて、あまり量が飲めないから好きではなかったのだ。しかし、日本酒の丁寧な仕込や搾りのプロセスを知るにつれ、とても大切に飲まなくてはならない酒なのだということが分かった。それに、阪神大震災で失われた酒蔵への地元や酒造メーカーの人々の深い哀惜も聞くことができた。今の灘の酒は近世から近代へ、そして震災を経て継承されている大事な大事なものなのだ。そういうことを知って、日本酒が好きになった日が5月30日なのであった。追伸:私は量は飲めませんが味はわかります。白鷹の資料館で飲んで旨かった酒。極上白鷹
2004年05月30日
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