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シルヴィ・ギエムの、ダンスを超越した、肉体を駆使してのメッセージを感じました。「アジュー」はすばらしかった!シルヴィ・ギエムは本当にすばらしい表現者です! アジューはベートーヴェンのピアノソナタ第32番の2楽章をバックに映像も交えて演じられます。音楽とパフォーマンスがこんなにも一致するのか、と思いました。生きざまを感じます。やすらぎを感じます。そして苦難を乗り越えての明日への希望を感じます。まさに過去を振り返らず明日へ進んでいくため、常に今の自分や環境に「アジュー(さよなら)」なのでしょう。悲惨さではなく、希望の決別(アジュー)です。芸術やパフォーマンスをも超越したメッセージです。本当に感動しました。 その前、ウィリアム・フォーサイス振付の新作「リアレイ」は、彼女の長い手足を駆使して、かなり艶めかしい感じだったのですが、相手役のマッシモ・ムッルの、地に足着けながら表現する力強さと相まって、メッセージは一貫して明日への希望を感じました。 アジューが終わったあと、カーテンコールが何度も続き、最後は満席のお客さん全員でスタンディング・オベーションは、観客全員が、この感動を共有できてよかった!という表れだと思います。 東京バレエ団もよいものを見せてくれました。「春の祭典」は愛と生のベースとなる、エロスの集大成そして、「パーフェクト・コンセプション」はゴルドベルグ変奏曲があまりにも和のテイストにマッチしてました。バックに流れるゴルドベルグ変奏曲は、日本の田舎のイメージとたいへんしっくりきます。古い因習とも合います。そんなインスピレーションの中、和を満載したダンス・パフォーマンスには、まったりハマりました コンテンポラリー演目満喫!満足です!! 「春の祭典」振付 モーリス・ベジャール音楽 イーゴリ・ストラヴィンスキー生贄 長瀬直義2人のリーダー 柄本弾、森川茉央2人の若い男 氷室友、小笠原亮生贄 吉岡美佳4人の若い娘 高村順子、西村真由美、佐伯知香、吉川留衣 「リアレイ」*振付 ウィリアム・フォーサイス音楽 デヴィッド・モローシルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル 「パーフェクト・コンセプション」振付 イリ・キリアン音楽 ヨハン・セバスチャン・バッハ、ジョン・ケージ、レスリー・スタック田中結子、川島麻実子、松下裕次、宮本祐宜 「アジュー」(Bye)*振付 マッツ・エック音楽 ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第32番Op.111第2楽章シルヴィ・ギエム2011(平成23)年10月30日 東京文化会館大ホールにて
2011年10月30日
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まぁ進むにつれてノッてくるノッてくる!グルベローヴァ様全開!満員の東京文化会館大ホールで観客全員がスタンディングオベーション。そりゃラストにあんなすごいヴィオレッタ聞かされたら、熱狂します![m:209] すばらしい、すごいとしか言えません。前半ラスト、ルクレツィア・ボルジアを生で聞いて大興奮し、思わずシャンパン飲んじゃいましたが、後半はそれどころじゃない!エルヴィーラの狂乱は凄まじい迫力とアピールです。しかし、それをさらに上回るヴィオレッタでした。アルフレートもパトロンもすべて飲み込んでしまいそうな、ド迫力ヴィオレッタは初めでです! 観客を大興奮の渦にまいたあと、一転コメディタッチのアンコール。グルベローヴァも肩の力が抜けて、サービス満点でアピールします。それにしてもあのグネコンデに対抗できるのは、グルベローヴァより若さアピールできるナタリー・デセイくらいでしょうか。キャンデイードは、グルベローヴァのglitter and be gay だけで観客を満足させてしまうのでは?というインパクトでした。そして、あくまで優しくかわいいアデレードが続きます。まさにグルベローヴァの人間性が表れた、すばらしいアンコールナンバーで、これで観客はますますヒートアップ!あの文化会館大ホール満員の観客が全員でスタンディングオベーションするうえ、オケが引き上げてもまだ拍手続き、グルベローヴァは舞台に一人出てきて答えたのですから、興奮の度合いが違います。今日はさすがにみんな熱狂しました。 私は都民劇場会員ではないので、WEBチケットぴあで個別に買ったのですが、B席で1階1列28なんてビンゴ1位みたいなとんでもない席がとれて、なんとしても行くっきゃないと、かなり前から仕事調整に気合いいれました(笑)その最前列席で聞いて感じた驚き。グルベローヴァって4階や5階で聞く声と真前で聞く声と、ほとんど変わらないということです!真前だから大音量になるなんてことなく、どこの席でもレザービームのように自分に向かってくるのは、やはり奇跡だ、凄い、としか言えないです間近で見るグルベローヴァは、舞台に出て挨拶をすると、キッと表情が変わって瞬時に役に入り込むのがとてもよくわかりました。やっぱすばらしい集中力が、感情表現にもでているんですね! 最後、オケ引き上げ後の舞台に再度現れ、手を差し出す観客全員の手を取ってから袖に引き上げるグルベローヴァは、本当に素敵でした! 指揮 アンドリー・ユルケヴィッチモーツァルト 「後宮からの逃走」序曲モーツァルト 「後宮からの逃走」あらゆる苦しみがドニゼッティ 「ロベルト・デヴェリュー」序曲ドニゼッティ 「ランメルモールのルチア」狂乱の場 あの方の優しいささやきが~苦しい涙を流せロッシーニ 「ウィリアム・テル」 舞踏音楽「6人の踊り」ドニゼッティ 「ルクレツィア・ボルジア」聞いて、ああ~この若者は私の息子でした休憩トマ 「レーモン」序曲ベッリーニ 「清教徒」狂乱の場 あなたの優しい声がボンキエッリ 「ラ・ジョコンダ」 「時の踊り」ヴェルディ 「椿姫」ああ、そはかの人か~花から花へアンコールバーンスタイン 「キャンデイード」きらびやかに楽しく(グネコンデ)J.シュトラウス 「こうもり」田舎娘の姿で(アデレード)東京フィルハーモニー交響楽団2011(平成23)年10月13日 東京文化会館大ホールにて
2011年10月13日
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ずっとやさしく流れるケント・ナガノですが、最後は愛と再生の希望をアピールして締めました。 いろいろ出ているブログコメントを噛み締めながらの舞台であったことは事実。 でもやっぱダニエラ・ファリーはすごいです。みごとツェルビネッタのセックス・アピールを表現してます。 「偉大なる王女様」の長大なアリアを、わたし結構退屈すること多いのですが、ショートパンツ一丁のマッチョな男を手玉にとる演出が、ますます彼女の魅力をアップさせます。 もちろん、歌も、大音響ではないけど隅々響き渡るコロラトゥーラで、コケティッシュな魅力ともマッチしてました、感動です。 アドリエンヌ・ピアチェンカは、美しい声だけど、演出に活かされたファリーと逆に、演出に負けてしまった感じです。 予想外に普通だった「すべてが清らかな国がある」。 フィナーレ二重唱も、舞台バック全面を白くライトアップする演出で、オケも愛と希望を盛り上げて奏でているのですから、私は彼女にはもっとドラマティックにアピールしてほしかったです。 非常に美しい声で愛と生を歌っていただけに、とても残念です。 ナクソス島のアリアドネは、わたしにとっては、ストーリーがプツンと途切れるような感じで、イマイチのめり込めない作品でした。カーセンの演出は、それを私にとってうまく補って伝えてくれます、それに接したことも発見と感動でした。 オケメンバーも舞台にあがる恒例の楽日カーテンコールの中、「実現をありがとう」「変わらぬ友情を」の垂れ幕が出ていました。 今回観覧した人全員の気持ちだと思いました。 指揮:ケント・ナガノ 演出 :ロバート・カーセン 美術 ペーター・パプスト 衣裳 ファルク・バウアー 照明 マンフレート・フォスs 振付 マルコ・サンティ 執事長:ヨハネス・クラマ 音楽教師 マーティン・ガントナー 作曲家 アリス・クート バッカス / テノール歌手 ロバート・ディーン・スミス 士官 ケネス・ロバーソン 舞踊教師 トーマス・ブロンデル かつら師 ペーター・マザラン 下僕 タレク・ナズミ ツェルビネッタ ダニエラ・ファリー アリアドネ / プリマドンナ アドリエンヌ・ピエチョンカ ハルレキン ニコライ・ボルチェフ スカラムッチョ ウルリヒ・レス トルファディン スティーヴン・ヒュームズ ブリゲッラ ジェフリー・ベーレンス 水の精 中村恵理 木の精 オッカ・フォン・ダメラウ 山びこ アンナ・ヴィロフランスキー バイエルン国立管弦楽団 ◆上演時間◆ プロローグ、第1幕 Prologue, Act 1 15:00 - 17:20 2011(平成23)年10月10日 東京文化会館大ホールにて
2011年10月10日
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グルベローヴァ演ずる女王様のフィナーレはもう圧巻です! 先週の横浜と比べると、アレクセイ・ドルゴフが、全般的にずっと甘くエレガントになっているのにビックリです。 3幕カヴァティーナ、カヴァレッタは、先週はまだ伸びやかなだけでしたが、今日は表情がたいへんよく感じられました。 横浜の時より、彼への拍手や声援を多く感じたのも、納得です。 デヴィッド・チェッコーニのノッティンガム公爵も、先週よりずっと、友情に、愛情に、嫉妬に、すべてに熱い男になってました。こちらへ伝わってきます。 ソニア・ガナッシのサラは本当に安定してますね、お見事です。 先週は、男声陣頑張ったとはいえ、グルベローヴァとガナッシで引っ張っている感が強かったですが、1週間でこんなにかわるものなのかと、驚きと満足でいっぱいです。 グルベローヴァの歌うフィナーレは、会場静まり返っていました。そして嵐のような歓声と拍手。 あれだけみんなが帰らずカーテンコールが続くのも久しぶりです。 今日はメイン以外の舞台の方の表情とかも注視してました。 ジェームス役は、歌いはしませんが、3幕、ロベルト・デヴェリューと従者をリンチにし、横たわった従者の血を指で触って舐める演技してました。かなり性格的に問題ありそう! 箇所箇所でロベルトを敵視し、次の王位に虎視眈々で手段選ばないって感じを見せてましたから、相当食えないヤツです。 演出のスパイスみごとでした。 サラは今日は初日に比べゆるく縛られていたみたいかな?縛られながら動くのが楽そうでした わたしは、グルベローヴァのコンサートや演奏会形式はけっこう行っているのですが、オペラは機会か合わず、今回が初めてなのです。先週、今週と堪能できて満足です。 指揮 フリードリッヒ・ハイダー 演出 クリストフ・ロイ 美術・衣裳 ヘルベルト・ムラウアー 照明 ラインハルト・トラウプ 合唱指揮 ゼーレン・エックホフ エリザベッタ エディタ・グルベローヴァ ノッティンガム公爵 デヴィッド・チェッコーニ サラ ソニア・ガナッシ ロベルト・デヴェリュー アレクセイ・ドルゴフ セシル卿 フランチェスコ・ペトロッツィ グァルティエロ・ローリー卿 スティーヴン・ヒュームズ ロベルトの召使 ニコライ・ボルチェフ バイエルン国立管弦楽団/バイエルン国立歌劇場合唱団 ◆上演時間◆ 第1幕・第2幕 15:00 - 16:30 休憩 30分 第3幕 17:00 -17:40 2011(平成23)年10月1日 東京文化会館大ホールにて
2011年10月01日
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