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日本豆乳協会(東京)によると、豆乳の国内生産が本格的に始まったのは一九七〇年代で、二〇〇〇年ごろから急速に伸び始めた。豆乳特有の青臭さのない、飲みやすい豆乳が出始めた時期で、〇五年にはブーム前の九倍近い二十一万七千キロリットルに達した。」
豆乳業界最大手のキッコーマン飲料(東京)は五年ほど前から、豆乳に果汁や香料などを加えた飲みやすい商品の開発に力を入れている。「紅茶」や「バナナ」味などが人気で、五年前からは「焼きいも」「おしるこ」などの秋冬のみの季節限定商品も。デザート感覚で飲む若い女性に人気という。
同社チルド営業本部の大島秀隆さんは「鍋などの料理やホットケーキなどの菓子を作る時に豆乳を使うなど、家庭での利用の幅も広がっている」と話す。
東日本大震災の余波も豆乳消費に結び付いたようだ。首都圏に展開するスーパーのマルエツ(東京)では、昨年の豆乳商品の売り上げは前年の一割増。広報担当者は「三月は前年同期比で二倍超。震災直後は牛乳が品薄になり代わりに豆乳を買った人が多かったのでは」と言う。
外食にも広がりを見せている。東京駅八重洲地下街にある豆乳専門カフェ「ミスタービーン」。豆乳文化が浸透しているシンガポールの豆乳スタンドチェーンが手掛けたカフェ形式の店で、昨年五月にオープンした。
店内で大豆から搾ったばかりの豆乳を味わえる。運営する東急グルメフロントの担当者の粟野俊弘さんは「客層は、健康・美容志向の女性がほとんど。朝、仕事前に飲んで行く人も多い」と言う。
紅茶やコーヒーと混ぜたものや、野菜や果物と混ぜ、ジュース感覚で飲めるものなどが充実。生地に豆乳を練り込んだ「豆乳やき」やパンケーキなどの軽食も用意している。
コーヒーチェーンのスターバックスコーヒージャパン(東京)では、エスプレッソに豆乳を注いだ「ソイラテ」を〇八年に発売。それ以前にも牛乳の代わりに豆乳を選べる有料サービスはあったが、今や定番メニューに。同社商品本部の中島史絵さんは「豆乳を気に入り、リピーターになってくれる人が多い。昔に比べ、より身近な飲み物として豆乳を選んでくれている」と話す。
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