温故知新

2005.04.11
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今週から通常保育になった。

朝、9時に娘を連れて保育園に。
慣れない作業にとまどりながら、エプロン、着替えなどを所定の位置に置き、
連絡ノートを提出し、
お昼寝布団をセットし。

すでに遊びはじめていた娘に、
朝から説明していたことを、手話を交えて、もう1度繰り返す。

お母さんが迎えにくるまで、みんなと一緒に遊んで、待って、しててね。

朝と同じように、


涙の別れはなかった。

保育園を出て、近くの大学へ。

学外者用のIDカードを作ってもらい、
かねてから見たかった研究者の論文が載っている紀要を端末で検索し、
地下の書庫へ向かう。

書庫に入るための受付でIDカードを預け、荷物をロッカーに入れ、ゲートをくぐると、
地下とは思えない高い天井の広く暗い空間が現れた。

戸棚の番号をチェックしながら、お目当ての紀要を発見すると、かじりつくように、その場で座りこんで読みふけった。

はるか上方の明りとりの窓から、暖かな日差しが一本、私の足元に伸び、
その光の中で、書庫独特の埃が舞う。
湿っぽく、少し肌寒い。

同じ目的でここに来て、同じ目的でここの本を手にした、そんな先人たちの息遣いが聞こえてくるかのような静けさ。

私は猛烈な眠気に襲われ、思わず目を閉じた。

目を閉じた暗闇の中、頭の中をグルグルと、様々な思いがめぐる。
いつもの衝動。
吐き気をもよおす程の胸の痞え。

泣けてくるほどの焦燥感。

が、一瞬で、ここの広い空間の中に、木っ端微塵の砕けちったかのように霧散し、
コンクリート剥き出しの柱にもたれて、私は本当に眠ってしまった。

家に戻る時。
意識したつもりは全くなかったのに、何故か通園路を通っていた。

保育園を遠くから眺め、娘の姿を探してみると、皆に交じって走りまわっていた。

途中、タンポポが群生している空き地で足を止めた。
空き地に入らないように渡してある柵で、娘はいつも、鉄棒遊びをしている場所だった。

私は携帯を取り出して、満開に咲いているタンポポの写真を一枚、撮った。
学生時代の友人が、タンポポが好きだ、と、言っていたのを思いだしたからだった。

綺麗に撮れていることを確認すると、私は彼女にメールを送った。





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Last updated  2005.04.15 10:20:28
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