温故知新

2005.04.12
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通常保育、2日目。

初日の昨日は、いきなり背中でバイバイ。
涙のお別れもないまま、私は保育園を後にした。

が、お迎えに行ったら、私を見つけるなり足を踏み鳴らし駆けてきて、
首にかじりついた。

担任の保育士さんに日中の様子を聞くと、涙も見せず楽しく過ごしていたそうだが、
私を見つけたときの興奮しようからすると、
「明日がどうなるか、ですね。」
と、言う。

次の日から理解して愚図つく子供も多い、という。

初日の帰り道。
娘は興奮状態で、何かしきりに言っていた。
分かる言葉は、
手話をつけて「いーしょ(一緒)」
「あまま(バナナ)」
手話をつけて「あってぇ(待って)」
のみ。
察するに、
「保育園で、お友達と一緒に遊んで、お母さんを待って出来たよ。頑張ったよ。」
ということらしい。


ひっきりなしに「あまま(バナナ)」と私に言い、
私が、
「保育園で、ばなな△△(娘の名前)ちゃんに変身できたね。」
「あ、もしかして、保育園では、ばななですか?」
などと聞いてあげると、



実は、この表情(顔)を見るの初めてでは、ない。

結局、日記には書けず仕舞いでここまで来てしまったが、
娘は今年の1月から3月までの3ヶ月間であるが、
近所のスポーツジムの体操と水泳に通っていた。

フリー出席制で、予約が空いていればいつでも行け、
体操と水泳、合わせて8500円。
毎日は無理でも、一日おきなら必ず予約を入れることが出来たので、
体操と水泳を交互に。
療育や通院がない日は、足しげく通っていた。

保育園が無理だった場合の苦肉の策で、
母子参加型では、母親無しで頑張る練習にならないし、
かといって、完全に預ける型では断られるし、
断られないとしても、補聴器の管理、食事など、心配の面が残るし、
勉強系の幼児教室では、本人もやる気になるのに時間がかかるだろうし、
教室を一人、走り回っている姿を見守るのも辛いし、周囲にも恐縮だし。

消去法でたどりついたのが、ここだった。

体操も水泳も母子分離で行われるが、ガラスのこちら側から親が見学していることが出来るので、
補聴器などのチェックも出来るし、
食事の心配もいらないし、運動系は娘の好きな分野。
しかも、曜日関係なく割り込んでくる通院も、フリー出席制なら無駄にしなくえすむ。

あるあるの状態だった。

問題は『補聴器を付けての参加』を、どうやって認めてもらうのか。

娘の補聴器は補助金もなく眼鏡と同じ扱い。
眼鏡をかけて参加出来るのに、どうして補聴器は駄目なのか。

相手は全国展開している有名なスポーツジム。
いざとなったら、評判を悪くすると揺さぶろうか。

理論武装バリバリで交渉に行ったところ、あっさりと快諾してくれた。

それどころか、担当のコーチから電話をいただき、

どんなことに気をつけたらいいですか。
補聴器の付け方を勉強させてください。
覚えた方が良い手話はありますか。

などなど、気にかけていただき、最後に、

コーチ全員に徹底させますから安心してくださいね。

とまで言ってもらった。

実際、3ヶ月間。
娘は本当によくしてもらい、
保育園の入園で、時間が合わなくなったので止めざるを得なかったのだが、
心から残念に思い、娘も未だにそこを通ると、行きたそうにする。

たかだか1時間。
しかも、ガラス越の母子分離だったが、娘にとっては大きな壁だった。

初日は、ただただ泣いているだけで1時間があっという間に過ぎた。

2週間たっても、その状態はほとんど変わることはなかった。

3週間たった、ある日の水泳。

相変わらず大泣きで連れて行かれ、プールでも泣いていたのだが、
その日はいつもと違い、スペシャルゲストがいた。
娘がようやく抱えられるぐらいの大きさのプーさん、だった。
水遊び用に、その日から投入されたものらしいのだが、
娘はそれを見つけるなり、ぱっと泣き止み、奪いさった。
そして、1時間中、何をする時でも、ずっと抱き合っていた。
コーチも取り上げることはしなかった。

時間を終えて、ウサギのバスローブ姿で帰ってきた娘は、
これまでに見たことのないような誇らしげな表情をし興奮していた。
それを見たとき、
あぁ、ここに払ったお金は無駄じゃなかったな、
と、心から安堵の息をもらした。

その日以来、涙を見せることはなく、
まもなく、ガラス越の私を振り返ることもなくなった。


保育園の初日後。

私は、また、この誇らしげの表情をみて安堵した。
きっと大丈夫だろう、と、思った。

2日目がどうなるかは分からなかったが、
長い目でみれば、きっとやっていける、と、思った。

そして、2日目の朝。

私は娘に聞いてみた。

「保育園に行く人?」

笑顔で娘は手をあげた。「はぁーい!」

保育園に着き、すでに遊びはじめている娘に、また、初日と同じように説明した。
「ここで、お友達と一緒に遊んでお母さんを待っててね。」

娘はチラリと私を見上げると、「うん」と言い、
また、すぐにブロックで遊びながら、「ばいばーい」と言った。

涙の別れはなかった。

帰り道。

私は、スポーツジムで泣いてかじりついていた娘を思い出して、
初日の昨日とは違い、少しだけ、ほんのほんの少しだけ、寂しくなった。






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Last updated  2005.04.16 16:17:40
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