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もう12月がそこまで来ているのですが、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008は、詳細が発表されておりません。どーするんだろ? 確かに5月の初めだから、あと5ヶ月はありますが、それにしてもメールマガジンでも詳しいことは聞こえて来ないし........ そろそろ前売り日程とかお知らせがあってもいい頃なんですけどねぇ。全然聞こえて来ないのはどうしたんだろ?一昨年の時は、正月6日くらいが会員発売だったので、この時期にはアナウンスされてたけど、今年はどうだったかな?前売り時期は2月だったとは思いますが。 来年分は、そもそもいつ発売かもまだはっきり知らされてないし。まぁ、会期は分かってるからいいようなものの...... ただ、そろそろ根詰めて通うのもどーしよーかなー、という気分にはなってきました。3年も通うとね。それに、シューベルトと言いながら、多分歌曲はあまり公演がないだろうし、買うの大変だろうし。いまいち気合いが入ってないのであります(^^;
2007年11月29日
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オーチャードホール 15:00~ 3階右手 「天ぬき」というのがあります。蕎麦屋の酒の肴のメニューですが、天ぷら蕎麦の蕎麦ぬきのこと。天ぷらを蕎麦汁に入れて出す訳です。蕎麦は酒の肴にしては腹がくちくなるので、こういう注文の仕方があるわけです。私はまだやったことはありませんが。(だって蕎麦あった方がいいし) 大事なのは、「天ぬき」で抜くのはあくまで蕎麦であって、天ぷらを抜いてはいけません。天ぷら抜いたら、それはただのかけそば。 この公演の正式タイトルは何だったんだろう?「イル・トロヴァトーレ」演奏会形式全曲上演、ということなのですが、実はチケットにも「コッソットのアズチェーナ」と明記してあるのです。そう、この公演は、デビュー50周年となったフィオレンツァ・コッソットの記念演奏会の一環で、御歳70を越した御老体がアズチェーナを歌うというイベントだったわけです。 さて、席について、開演時刻。と、主催者が現れて一言挨拶.......って、挨拶どころではありません。コッソットが急な体調不良でキャンセル!おいおいおいおい。コッソットのアズチェーナからコッソット抜いたら、事実上何も残りませんよ?どーすんの?ざわめく場内。 主催者の提案は、 1:とにかく代役立てて上演します。 2:皆様に本日のプログラムを無償で配布(そういや、開演前に売ってなかった) 3:お帰りになる方には払い戻しを受け付けます。但し後日ですが。 入場前に知らせずに、席に着かせてから発表というのはちょっとずるいですが、まぁ払い戻しは受けるというのだし、向こうも商売だからこのくらいのことはしないとねぇ。加えて体調不良のコッソットが現れてご挨拶。寝てろよ、調子悪いんなら........ 正直迷いましたが、席に着いてることだし、何よりトロヴァトーレというので、結局聞くことにしました。弱いよなぁ、自分。前半だけ聞いて帰った人には払い戻したようですが、恐らくこれが正解。ついつい3幕聞きたさに残ってしまった自分の弱さ加減がなんとも....... まぁ、主催者側の対応は、最初に客を入れちゃうところを除けば、合格でしょうね。払い戻しを受けるチャンスは与えて、途中で帰る人にも払い戻したんだから、それでも残る方が悪いってもんでしょう。長年聞いてるとこれに近い経験はありましたが、これだけやれば十分でしょう。むかしヨッヘン・コワルスキーがリサイタルでキャンセルした時は、ベルリン・コミッシェのオケがモーツァルトの交響曲やって終わったし、カップッチッリが不調だった時は、元のプログラムの半分も歌わずに、代わりに共演の菅英美子(有実子の方だったかな?)が歌って誤摩化しちゃったし。 だからっていって、払ったお金に見合っていたかどうかは別問題ですけどね....... 一言で出来を言えば、田舎芝居のオペラ。場末の劇場で結構頑張っちゃいました、的公演でしょうか。とにかくイケイケ系のパワフルな演奏。でも、トロヴァトーレだとこれでもありなんですよね。いや、一昔前の二流劇場の垢抜けないオペラって、こんな感じなんじゃないかな?昔、壁が開いて2,3年くらいの頃にプラハに行った時を思い出します。 歌手陣は、まぁ立派と言っていいでしょう。ただ、一部PAを入れてたんじゃないかな?少なくとも、4幕とかでマンリーコが裏で歌ってる時は、あり得ない位置に音像がくっきり出てましたから、少なくともあの部分はPAだな。どうせ、元々そんなに期待してないから、そんなことしなくていいのに...... 前半終わって帰ってもよかったのを最後まで聞いてしまったのは、3幕が聞きたかったというのもありますが、レオノーラ役のバルバラ・ザルノヴィツカが割合に良かったから。結構声量があるし、高音も歌えている。ちょっと厳しい部分もあったけれど、なんとか纏め上げていて、これを聞いた時点で「おお、悪くない」という判断をしてました。後半、ちょっとへたり気味だったけれど、まぁなんとか。惹句の「コッソットが認める驚愕の実力派」を揃えましたというのはちょっと言い過ぎだけど、流石に「コッソットの土台」となるには十分なそれなりの面々だったようです。 そこいくと、マンリーコとルーナ伯爵は、悪くはないけどもうちょっと頑張れ~、ってところかなぁ。歌えてるんですけどね。マンリーコは、3幕もちゃんと歌えてて、声もあるにはあるようなんだけど、ちょっとPA入ってるような感じの声で。そうでなくても、カバティーナはいいけどかバレッタが弱い、というのは頑張って欲しいですなぁ。ただ、下手な二期会公演よりは全然良かったですけどね。そういう意味では楽しみはしました。 問題のアズチェーナは、急遽呼んだという森山京子。この人聞いたのも久々ですが、代役でいきなりの割にはちゃんと歌えて大熱演でした。ただ、流石にオケや他の歌手との合わせでは、相当苦労したようですね。まぁ、これは全般に言えることで、オケも東フィルは新国でカルメンをやっている裏なので、失礼ながら二線級でしょう。ただ、この場末感が、合わなさ加減と相俟って、妙な調和(たえなる、ではなくてみょうな、ですが)を醸し出していたのではあります。 うん。最初からこういうもの、と聞かされてたら、絶対行ってないし、多分前半だけ聞いて帰って払い戻しを受けるのが正解だったと思うけど、それほどには悪い気はしない公演でした。でも、これ、トロヴァトーレだからでありまして、これがカルメンだったら速攻で帰ってたな。絶対。 アズチェーナ:フィオレンツァ・コッソット > 森山京子 マンリーコ:ハ・ソクベ レオノーラ:バルバラ・ザルノヴィツカ ルーナ伯爵:スック・サングン 指揮:ニコレッタ・コンティ 東京フィルハーモニー交響楽団 東京オペラシンガーズ
2007年11月25日
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新国立劇場小劇場 14:00~ 時々書くことですが、アマチュアの公演は取り上げないようにしています。それは、時に嫌味で言うこともあるのだけど、やはりプロと同列に論じるのは、アマチュアとしてやってる人に対しても失礼というか、厳し過ぎるというか、まぁそんな理由で避けているつもりです。大体がアマチュアの公演はあまり聞かないんだけどね。 ということなのだけど、今日これを聞いた後で知人と会って話していたのですが、「いや、彼らはアマチュアのつもりでやってはいないだろ?」と御指摘を受けたので.......一応プロ扱いすることにしました。 とはいえ、なぁ。うーん。良し悪し上手い下手でなく、ここの研修所の研修生というのは、プロなんでしょうか?アマチュアなんでしょうか?どっちなんだ?当人達はどっちのつもりなんでしょう?よくわからん..... よしんばプロだとしても、これ、「試演会」ですよね。研修生のオペラ公演というのはあって、あれはそれなりに本気だろうと思って観たけども..... で、そうはいっても、こっちは聞いてる時は正直「アマチュアでしょ」モードで聞いていたので、あんまり良し悪しがどうこうっていうのはないんですよね。そもそも小劇場だし。あの狭いスタジオ空間で良し悪しもないだろう、と。 演目はというと、シェークスピアを原作とする様々なオペラの1シーンを切り取ってオムニバスのように上演しようというもの。取り上げられたオペラは、ヴェルディ「ファルスタッフ」、トマ「ハムレット」、グノー「ロメオとジュリエット」、ヴェルディ「マクベス」、ロッシーニ「オテロ」、ベルリオーズ「ベアトリスとベネディクト」、パーセル「妖精の女王」、ディーリアス「村のロメオとジュリエット」、ブリテン「夏の夜の夢」、ヴェルディ「オテロ」。全部で13シーン。それに、休憩を挟んでの第二部の冒頭に、出演者達によるソネットの朗読。オケは無く、ピアノ2台とチェンバロを使っての演奏。 個人的には、一応生で、一部とはいえ、ディーリアスが聞けるという興味で行ったのですが、結果的には結構盛り沢山で、その割に破綻することも無くよくやっていたと思います。難しいこと考えなければ、そこそこ楽しめると思います。明日もあるけど、チケットあるのかな?今日は狭いながらも満員のようだったし。どうかな? 敢えて言えば、ロッシーニの「オテロ」でイアーゴを歌っていた歌手がちょっと良かったかな。それと、ヴェルディの「オテロ」の方、柳の歌を歌った人。今年入った人のようですが、良さそうでした。まぁ、小劇場だから、これが今後大劇場で通用するのかどうかはわかりませんが、それを言い出したらねぇ。 ちょっと気になったのはソネットの朗読。あのくらいのホールなら、もうちょっと声出して欲しいなぁ。歌じゃないから、というのはあるけど、役者ならもうちょっと声出てると思います。
2007年11月24日
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NHKホール 15:00~ 3階最後方 チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」 エフゲニ・オネーギンより ポロネーズ 幻想序曲「ロメオとジュリエット」 指揮:ネッロ・サンティ この日は結局ダブルヘッダー。出掛けていて、時間があったのと、やはりネッロ・サンティなら....ということで、聞きに行きました。実は、一番聞きたかったのは、オネーギンのポロネーズ。一番短いのに(苦笑) まぁ、悪くはなかったですね。ただ、正直、前後の交響曲と幻想序曲はそれほど好きではないので....... 面白いには面白いし、特段演奏が悪い訳ではないと思うんですが。ただ、よく書けてはいるんだろうけど、やっぱり1番はあまりキャッチーではないので、私のようないい加減な聞き手には..... そういう意味では、「ロメオとジュリエット」の方が良かったかなぁ。いい加減に聞いてるなりに楽しめますからね。 肝心のポロネーズは、それなりによ御座いましたです。本当はねぇ、アンコールでワルツの方もやってくれないかなー、とか思ったんですけどねぇ...... いい悪いがどうとか言うより、聞き手が集中力を欠いていたというのが正直な所です。或いは、興味が涌かなかったというか。寝てた訳でもないのに。我ながら曲との相性が悪いんだろうなぁ。
2007年11月19日
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オペラシティコンサートホール 15:00~ 3階中央 ヴェルディ:シチリア島の晩祷 序曲 / 「友よ、ありがとう」 椿姫 前奏曲 / 「不思議だわ!....ああ、そはかの人か」 ロッシーニ:セミラーミデ 序曲 ドニゼッティ:ランメルモールのルチア 「あたりは沈黙に閉ざされ」(第1幕) ロベルト・デヴリュー 序曲 ルチア 狂乱の場 <アンコール> プッチーニ:ボエーム ムゼッタのワルツ マスネ:マノン ガヴォット ソプラノ:ナタリー・デッセイ 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:エヴェリーノ・ピド 実は折り合いがつかなくて、デッセイを生で聞くのは多分初めてです。前回の来日は休日公演がなかったし、その前、どっかで一度くらい聞いてる気はするのですが、まぁ覚えてないんだし、聞いててもこれが初めてと同じことでしょう。 今から確か10年くらい前、デッセイが出たての頃、このblogの姉妹blogの前身で(当時はまだblogなんてなかったし、自分のサイトを開くのが流行り始めた頃でしたか)、デッセイのアリア集のことを書いた記憶があります。当時、「1998年型最新コロラトューラソプラノ・ナタリー・デッセイ!」みたいな書き方をした覚えがあります。勿論、皮肉です。結局、それから実演で聞くのに10年掛かってしまいました。 一言で言えば........普通にいいコロラトューラのコンサート、でしたでしょうか。 こっから先、あくまで高いレベルでの話として書かせて頂きます。 高レベルな話で言うと、グルベローヴァとはやはり役者が2枚くらい違います。 ちょっと乱暴な言い方かも知れませんが、確かに声は綺麗なのです。ただ、デッセイの歌い方は、少なくとも今日は、綺麗な声を響かせて聞かせてしまうというやり方。これは、確かに聞いている分にはいいんですが、そこが見て取れてしまうと、ちょっと興が醒めます。意地悪な言い方をすると、これが東京文化会館だったらどうなっていたのか。今日は調子が悪くて、前回来日ほどじゃない、という話もあるようですが、最新のイタリアオペラ・アリア集が、実はこのスタイル、つまり「綺麗な声を響かせて聞かせてしまう」というスタイルでして。よく聞くと、風呂場ほどではないにせよ、かなり残響効かせています。だから、これを良しとしてはいるのでしょう。 感心しないのは、声の入れ方。確かに、高い所が決まってはいます。ただ、決め方がかなり乱暴。恐らく調子は悪かったのでしょう。本来ならそういう風には処理しないだろう?と思うような終わらせ方(例えば椿姫やルチア1幕のアリアの最後など)をしていたので、本調子ならもう少し丁寧だったのでは、とも思います。ただ、それにしても、高音への持って行き方、声の入れ方が、突然無理に捩じ込む感じで、これは聞いている方はドキドキしてしまいます。言い様によってはスリリングってことでしょうが、むしろ全体に力みが感じられて、リラックスして聞けませんでした。 好き嫌いはあるでしょうが、この辺の入れ方という点では、この春に来たエレーナ・モシュクなんかの方が丁寧だったと思います。 やはり、全般に声が細いですね。結局この点に尽きると思います。声量がないではないけれど、それが歌う際の余裕に繋がっていない。歌としての弱さが、高音でのコロラトューラの決まり方よりも、歌唱全体の基盤に絡んでしまう。普通にいいコロラトューラ、というのはそういうこと。よく言うことだけれど、コロラトューラは確かに華麗で見事な技法ではあるけれど、歌手として歌っている時間は、コロラトューラで決めるよりも、普通に、中高音域で歌う方が長いのです。その基盤がしっかりしているかどうかが重要。椿姫ではやはりそのへんが出てしまったかな。声質が軽い、というのもあるかも知れないけれど、そういうこととは少し違う気がします。 それと、ルチアの1幕のアリアは、狂乱の場と比べて明らかに歌い込みが足りない。仏語版を支持していて、だからこのアリアはあまり歌っていない、という話だけれど、それじゃダメでしょ。 2007年型最新コロラトューラを聞きに来たお客さんは大満足でしょう。コロラトューラ・ソプラノが歌を歌うのを聞きに来た自分としては、普通にいいコロラトューラだったね、いいんじゃない。というところでしょうか。我ながらやな奴だねぇ。でも、嘘吐いてもしょうがないもんなぁ... ヴェロフォンという楽器、初めて聞きましたが、まぁあまり感心しません。響きは独特ですが、繊細さに欠けます。グラスハーモニカの方が繊細な音です。それに音が大き過ぎる。個人的には一回聞いたのでもう結構、かな。 東フィルはまぁいいでしょう。指揮のピド、最初「シチリア島」序曲で、やたら大きい音を出すのでどうしたもんかと思いましたが、序曲・前奏曲での大音量系の演奏とは別に、各アリアではきめ細かくやっていたので、あれは一種のガス抜きかな、と思いながら聞いていた次第。もしそういうことであれば、これはこれで正解でしょう。別に序曲の類いの出来映えを聞きに来ているわけではないのでね。
2007年11月18日
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19:00~ サントリーホール 1階中央 バッハ:イギリス組曲第2番 ショパン:バラード第2番、夜想曲 ヘ長調 op.15-1 ラヴェル:ラ・ヴァルス (フレデリック編) リスト:ピアノソナタ ロ短調 <アンコール> ラヴェル:古風なメヌエット ストラヴィンスキー:練習曲 op.7-4 フレデリック:楽興の時 バッハ:オルガン・ソナタ ~ラルゴ ピアノ:ジャン=フレデリック・ノイブルガー いろいろ経緯がありまして出掛けました。以前、ラ・フォル・ジュルネでも来ている若いピアニスト。プログラムは結構意欲的だと思います。古典派が無いのが気に掛かるけど、さて、どんな案配か? ........結論。基本的にダメでした。金返せとは言わないけどさ。 冒頭のバッハ、イギリス組曲のプレリュードからずっこけてしまいました。速くて音が大きい。それが俄にいけないわけではないけれど、繊細さが無くて、フレージングがさっぱり分からない。 以下、イギリス組曲は、リズム感がなんだか妙な演奏に終始してしまいました。表現もねぇ。表現はあるんですけど、単調と言うか..... 公平に言って、表現力はそれなりにあるんです。バッハとショパンの弾き分けだって一応出来てる。でもねぇ。引き出しが如何にも少ないんですよ。例えば、強弱。音の一つ一つに対しては、多分、ピアニッシッシモからフォルティッシッシモまで、一応弾けるんでしょう。でも、音楽としての単位として見ると、「強」「弱」の二種類しか無い感じなんですね。全般的に表現力はあるけど、総合すると2種類ぐらいの類例のどちらかの演奏になってしまう。 音楽的にも、濃淡の差が激し過ぎます。ショパンなんかは確かに悪くない演奏だったけど、表現の落差が大きい上に途中がないので、はっきりし過ぎるのです。いや、そういう意味では分かり易いですよ。だけど、分かり易いから面白いかと言われると....... それに、ショパンや、アンコールのラヴェル「古風なメヌエット」で上手く出来ても、バッハでは上手く行っていない。だったらバッハ弾かなきゃいいのに、と思うのです。 そう、このラヴェルの「古風なメヌエット」、エキセントリックな面のある曲ですが、ここでは彼の極端な表現の落差がぎりぎり活きていて、今日一番良かったかも知れない。けれど、他は、基本的に「強弱」の「弱」ばっかりで纏めた感じだったり、まぁそれはそれで認めるけど、という感じでした。「ラ・ヴァルス」はねぇ。確かに弾けてはいるけど、何の為に弾いてるのかよく分からん、という感じでした。別にこれ弾かなくても、それに、これ、それほど凄まじい音楽でもないし、というか。 あー、後、細かいけど、休符で「タメ」る表現と言うか演出を多用してたけど、これも、多用すると単調なんだよな。リストなんかも、それなりにちゃんとやってるんだけど、30分も聞いてると飽きて来るんだよな...... 今日聞いていて思い浮かべたのは、高校ルーキーの投手。内外角と高低の投げ分けは出来るけど、ストライクになるかどうかは分かりません。球種はストレートとカーブだけど、ストレートは遅いの投げられなくて、カーブはよく曲がるけど遅いから、バリエーションが無い。 一軍で投げるにはきついよね、ってところですね。 ま、まだ若いし、技術はそれなりにあるのだろうから、もうちょっと音楽的に磨いてきて下さい、ってところですかね。
2007年11月17日
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NHKホール 15:00~ 3階左寄り プッチーニ:ボエーム ミミ:アドリアーナ・マルフィージ ムゼッタ:パトリツィア・ザナルディ ロドルフォ:イグナシオ・エンシーナス マルチェッロ:ステファノ・ヴェネツィア ショナール:吉原輝 コリーネ:グレゴル・ルジツキ ブノア/アルチンドロ:パオロ・ルメッツ 二期会合唱団、東京少年少女合唱隊 指揮:ネッロ・サンティ ネッロ・サンティがオペラを振るのだから、行かない手はありません。N響の機関誌によると、本来なら今現在世界で5指の内に入る筈の指揮者で、録音に恵まれなくて云々、だそうですが、んなこと言っても日本では交響曲の出来映えでしか判断しないので実感がないでしょう。叩き上げの実務者なのです。 そういう私もサンティは、日本以外ではチューリッヒでしか聞いていませんが、打率10割というところ。イタリア・オペラを振らせたら極上なのです。何が?捌きが。まさに職人芸にして芸術的。チューリッヒでオテロを聞いたことがあります。ホセ・クーラとルジェロ・ライモンディ。クーラの数倍もライモンディが良かったけど、それ以上に、あの小さい劇場で、怪しいSF演出で、それでも観客を正しく熱狂させられる。チューリッヒで、グルベローヴァ以外で熱狂させられたと言っていいのは、あの時くらいだろうな。 で、今日の公演。結論は、予想通り、ネッロ・サンティの一人勝ち。圧勝です。 サンティがいいのは最初から既定の事実。問題は、何処までN響が、歌手が、付いて行けるか? 歌手はかなり厳しかったですね。まずもってロドルフォが全然安定しない。テンポが取れていないので、アリアや二重唱でフラフラしてしまう。これじゃ駄目です。冷たい手を、も、テンポは揺れる、音程がぶら下がり気味、声は伸びて来ない(声量的にはNHKホールということを考えれば十分あったと言っていいけど、声量があるのとそれが歌としてきちんと生きるかどうかは別問題!)、と散々でした。まぁ、期待はしてなかったけど。 マルチェッロもねぇ。とにかく声が出てない。もっと小さい所なら別だろうけど、NHKホールとは言え弱過ぎです。マルチェッロは役柄的には主役レベルなので、ここが弱くてはいけません。 ミミのマルフィージ。以前、やはりN響で聞いたことはあります。公平に言ってよく歌えていたと思いますが、率直に言って、私はこのタイプの声はあまり好きではないので.... 駄目ではないのだけど、やや硬いと言うか、金属質のタイプで、好きではないなぁ。でもまぁ、今日の中ではよく歌えていた方なのだし、聞いて厭というほどではないし。贅沢は言えません。 ムゼッタもまぁまぁですね。マルフィージの陰に隠れて、もう一つぱっとしませんでしたが、よく歌えていたと思います。 後は、ベノワとアルチンドロを歌ったルメッツが、実はいい味出してました。 で、ネッロ・サンティの指揮ですが。まず、「最初にそこ?」と言われそうですが、指揮が面白い。まさに実務者、という感じで。流麗というのとは違うけれど、必要なことを必要なだけ伝える指揮でしょうか。大仰な身振りで盛り上げる為に盛り上げる訳ではない。言ってみりゃ普通の指揮です。 その指揮で求められている音楽はなんだったか?簡単に言えば、メリハリがあって、ソット・ヴォーチェを大事にした、よく歌う演奏。そう。ボエームならばこうだろうな、というように思い描く様そのものの、ベタで極上の演奏なのです。 で、よく見ていると、本当に指示が細かい。細かくてうるさいというより、よくオーケストラの面倒を見てあげている感じなのです。その中で一貫して要求していたのが、「抑えろ!」という指示。はい。やはり、音、大き過ぎでした。ボエームというのは、本当はかなり繊細な音楽の筈です。NHKホールには似合わないくらい。今日のN響は、弦は8-7-6-5-4プルトの編成。このホールであることを考えれば決して大き過ぎはしないけれど、デュナミークを考えれば減らせなかったんでしょうね。 N響は、そういう点も含めて、サンティの指揮とプッチーニの音楽に付いて行けて無かったですね。今日は特にロドルフォ中心に「事故」が少なくなかったけれど、ああいう時の反応が鈍過ぎます。定番系の交響曲やその親戚みたいな曲と違って、オペラは、只でさえ不安定な歌唱陣がああでもないこうでもないと掛け合いながらやっていくものだから、事故、特に致命的でない小事故の発生率は桁が違います。通常の定期演奏会と比べて、どの程度練習量を持てたのか知らないけれど、恐らく練習量の問題でなく、オペラに慣れていなさ過ぎる。新国立劇場の時は、練習量の問題もあるけど、聞く方もやる方もおっかなびっくりですしね。プッチーニあたりだと経験がもろに出ます。 それと、音楽そのものへの姿勢がちょっとね。畢竟、オペラでオーケストラは脇役なのです。特にプッチーニなどでは。お客さんはオーケストラを聞きにはこない。歌手を、物語を楽しみに来る。それは、定期演奏会の公演ででも同じことです。主役はオペラ。オーケストラではない。百歩譲っても、歌手や物語と同等の位置にしかオーケストラはいない。だから、たとえ多少オーバーで下品に見えても、泣く所では泣かなければいけないし、煽る所では煽らないといけない。N響にしてはよくやっていたとは思うけど、まだまだですね。少なくともサンティの要求レベルではなかった。 それでも、サンティの紡いだボエームは、見事でした。今年のTop 10圏内は確実です。 クリスマス頃に、FMで放送するみたいです。
2007年11月11日
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15:00~ オーチャードホール 3階中央 シューマン:クライスレリアーナ J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ BVW903 シェーンベルク:6つのピアノ小品 op.19 ショパン:幻想曲 op.49 ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番 op.36 改訂版 <アンコール> ラフマニノフ:前奏曲 op.23-6 / op.32-12 / op.3-2 小山実稚恵は6月に聞きに行ったのですが、これはタイトルにあるような12年計画、年二回計24公演という息の長いシリーズでして。で、前回行った時、いまいちかなぁ、と思いつつつい買ってしまったので(安いんすよ、チケット)、また出掛けたのでした。 前回の結論は「結構微妙」でしたが....... 今回の結論も微妙ですねぇ。 まずね、これは行く方が悪いと言えば悪いんですが、ちょっとこのプログラミングはどうなんだろう。少なくとも、前回、今回と聞いて、私の好みではないなぁ。つまり、ロマン派に偏り過ぎてるんですね。 いわゆる古典が少な過ぎます。特に、ベートーヴェンがいない。それと、シューベルトも居ない。これはまぁ好みの問題と言われればそれまでなんですが........ で、今回強く感じたのが、フレージングの問題。曲の性格もあるんでしょうが、どうもフレージングが「弱い」気がするんですね。つまり、聞いていて、それぞれの曲をどう捉えてどのような音楽として聞かせるか、というのがよく分からない。 最初のクライスレリアーナは、それでもまだある程度なんとかなってましたが、バッハは...... 確かに、音を紡ぎ出して繋いで行くことで音楽を続けて行くというやり方もあるとは思います。また、特にフーガは、何処で切れるのか分からない、というのも一つの特質ではあるかも知れない。でもやっぱり、バッハの「幻想曲とフーガ」は、そういう音楽ではない。フレーズをどのように取って音楽を造るか、しっかりして欲しいと思うのですけどね。 正直、この辺の問題は、私が読み取れなかっただけかも知れません。なかなか好評だったようだし。でも、後半、ショパンの幻想曲(うっかりするとシューベルトの作品では?と思わせるような歌謡性と構築感を持った、「らしくない」作品)あたりはまだよかったですが、ラフマニノフになるともう何がなんだか....... アンコールの前奏曲はまた別の話としても。 それと、シェーンベルク! 実はこのコンサートの後、タワーレコードに行って探したのですが、新ウィーン楽派のピアノ曲の演奏、本当に少ないんですね。ある程度まとまったのは、シェーンベルクでポリーニの名盤があるくらいで、ベルクは全集ものにわずかにソナタが入っているだけ、ウェーベルンもブーレーズの全集に収録されているだけ。このへんのピアノ曲、それなりに理解されているのでしょうか。聞こうと思っても気楽に聞けない状況というのは良くないですよね。 で、最近この辺の曲、弾く人もいないではないけど、今回の小山のように、普通にアプローチしてしまうんですね。音符は少ないし、形式がないから、全体を見通して、それこそ後期ロマン派の音楽であるかのように総括されて弾かれるのだけど、どうもこの行き方は不満です。 ポリーニのベルクは一度生で聞いたことがありますが、結局彼のやり方は、「音楽としてフレージングを考える」ではなくて、「次から次へと現れる音符一つ一つに集中力を高めて最適な音を出す」というような感じなんですよね。だから、演奏としてはロマンティックなんだけど、音楽としては重たいのです。まとめようがないものをそのままぶつけられてる感じ。それは、彼のシェーンベルクでも同じでしょう。 小山は、このシリーズでも継続して新ウィーン楽派を演奏するようだけど、このへんもうちょっと考えて欲しいかな、と思います。 とか言いつつ、つい次回分も買ってしまった......... ピアノ自体は達者ですしね。それに、日本の演奏家で、こんな風に演奏を続けて行ける人はそうはいないですしね。めぼしい所では仲道郁代くらいじゃないかな?その点でも、もう少し付き合ってみようかな、と思いまして。
2007年11月10日
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17:00~ 日比谷公会堂 2階中央 D・ショスタコーヴィチ:交響曲第1番、第2番「十月革命に捧ぐ」、第3番「メーデー」 サンクトペテルブルク交響楽団 栗友会合唱団 指揮:井上道義 別段ショスタコーヴィチがそれほど好きというわけではないんですけどねぇ...... それでも出掛けたのは、日比谷公会堂ということ。実はここでコンサート聞くの初めてなんですよね。少なくとも、昭和人見記念講堂くらいが、私にとっては「懐かしのホール」ですからねぇ。 第二に、サンクトペテルブルク交響楽団、というのに期待。実際、このオケを聞けるとすると、後は予定が入っていて、ここで聞くしかなかったので。 で、聞きました。 いやー、やっぱりショスタコーヴィチの初期はよく分からん。お手上げです。いいのか悪いのか、面白いのかつまらないのか、よくわからない。ショスタコーヴィチ特有のとっ散らかった感が先鋭的に出ている1番、「御用作曲家」とつい言いたくなってしまう(勿論例の"音楽の代わりの荒唐無稽"事件の前です)2番と3番。分からんなぁ。我ながら、大抵の音楽は、生で聞けば聞いたなりの感想というか結論が出るのですが、これはよく分からん。後期の作品、交響曲で言えば13番から15番あたりは、まだそれなりに整理もつくのですが..... ま、ある程度予想通りですが。じゃ分かってて行くな、という話ですが、だって他に行けそうな日が無いんだし......ぶつぶつ...... サンクトペテルブルク響も、いいんだか悪いんだかよく分からないですね。良くも悪くも「2流のオケ」。指揮も井上だし、多くは期待出来ないけれど、凄いことは無い代わりに、それなりに粒は揃うし、フレージングとかでも「え?」と思うような変な所が無い。まぁ、曲自体よく分かってないのであまり大きなことは言えませんが、そういう感じのが聞けるかな、という通りのような演奏で、悪い気はしません。 日比谷公会堂。狭いですねぇ。本当に椅子が小さい、狭い。昔の神宮球場とか横浜球場とか、あと、川崎球場の内野席とか、そういうくらいのスペースかな。本当に何もかも小型で。階段も狭いし、天井も低い。一階席は半分くらい被ってるし、ノリで言うと神奈川県立音楽堂くらいの大きさじゃないかと思うのに、2階建てで2千人収容ですからね。 音響はかなりデッドでしょう。でも、たまたま聞いた位置が良かったか、変な感じじゃない。むしろ自然かな。サントリーホールあたりの響き過ぎ厚化粧ホールに比べれば、ねぇ。
2007年11月03日
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