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2008年03月29日
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カテゴリ: オペラ
 新国立劇場  14:00~
 3階左手

 アイーダ:ノルマ・ファンティーニ
 ラダメス:マルコ・ベルティ
 アムネリス:マリアンナ・タラソワ
 アモナズロ:堀内康雄
 東京交響楽団
 新国立劇場合唱団
 指揮:リッカルド・フリッツァ


 一言で言うと、普通にいい公演、というところでしたか。

 人気の「新国立劇場のアイーダ」の千秋楽。今回が再々演となります。自分が観るのは、多分2回目。最初の時は観てないんじゃないかな?
 しかし、観に行っておいて何ですが、やっぱり私はアイーダはあまり好きではありません。音楽の密度がもう一つ.........凱旋の場面が劇の中心に据えられてしまっているのも弱みかも。

 今回、非常に評判のいいアイーダ役とラダメス役ですが、正直、1幕はかなりよろしくなかったですね。特にベルティは、声量は確かにあるんだけどぶら下がり気味で音程が安定してないし、一本調子なので声に深みが無かった。その後、徐々にエンジンが掛かって行って、調子は上がったけれど、基本的に「声量の人」ですね。確かにかなり余裕はあるから、聞いていてそれなりに楽しいけれど、大味でもある。声が出るのは当然アドバンテージではあるけれど、それを活かして音楽的にも聞かせて欲しい訳でして。特にラダメスは、ヴェルディのスペクタクル・オペラとは言いながら、結構リリカルな面のある役でもあるのだし、ねぇ。リサイタルで聞いてみたいと思うタイプではないなぁ。
 ファンティーニは、まだしも良かったのでは。ただ、やはり1幕では安定感を欠いていたのは事実。後半に進むに従い、こちらも良くなってはいきましたが。加えて、声量はあるけれど、決して声の懐が深いタイプではない。まぁ、この辺は好みの問題なので、なんともですが。ただ、「声量のあるカップル」ではあるけれど、それ以上のこと、例えば音楽的に聞かせる、ということではないなぁ、というのが感想。これはオケの問題もありますけど、正直、私、第3幕の後半のアイーダとラダメスのやり取り、眠気を抑えられませんでした。春眠暁を覚えず?まぁ、そういうことにしておきましょう。でも、本当に、そこだけ寝てました。
 3幕前半寝なかったのは、堀内康雄のアモナズロが良かったから。本当に、今日の堀内康雄は良かった。主役2人に足りない、声の深みがありました。今日の面々の中では、一番安定していたかも知れません。アモナズロ如きに存在感が感じられてしまうってのはどうなんだ、という気はしますけどね。もう一人、アムネリスのマリアンナ・タラソワも良かったと思います。主役2人の声量十分・音楽不十分という状況を支えたのは、堀内康雄と、やはり出ずっぱりのアムネリス役・タラソワだったのでは。確かに声量では負けるけれど、十分声は出ていたし(3幕の低声のパッセージはちと厳しかったが)、決して役に合っているとは言えないけれど、それを補う声の深みがある。3幕での嘆き、怒り、呪いの折り重なった歌唱は、厳しい面もあったけれど、主役級2人の歌唱以上にオペラとしての楽しみを聞かせてくれたと思います。
 全体に、いいと言っていいと思うんですけどね。

 フリッツァ指揮の東響。固い。固過ぎる。ソリッドな音楽。アイーダは結構イケイケ大音量でやれてしまう音楽だし、2幕2場をがっつりやれば取り敢えず「良かった」となるのではありますが、それでは躱し切れないのでして。2幕1場然り、3幕然り。特に、3幕後半のラダメスとアイーダのやりとりで爆睡したのは、全然リリカルさを感じさせなかったから。これは指揮の問題なのか、オケの問題なのか。今日は千秋楽なので、練れてないということは無いと思いますしね。2幕2場とかは大爆発で聞かせていたし、そういう面ではいいんでしょうが........
 まぁ、アイーダだから、難しいこと言わない方がいいのか。

 ゼッフィレッリの演出は、正直、もう一回観たいかと言われると、観てもいいけど......というところでしょうか。元々ゼッフィレッリの演出は「そういう演出」なので、各幕毎にちゃんと休憩が入ります。そういうのはいいことだけど......
 ゼッフィレッリで印象深いのは、ウィーンで長年出していた「ボエーム」の演出ですが、あれは人の動かし方が秀逸だった。2幕の「カルチェ・ラタン」の場面、二段重ねの街に人が途切れること無く流れ続けている。単にぐるぐる回しているだけの筈なのだけど、それを徹底させることで、賑わいを感じさせる。そういう感覚が勝れている。豪華さに目が向きがちのゼッフィレッリですが、実は、彼の演出の肝は舞台そのもの以上に「人の使い方」なのだと思います。

 演出の本来のポテンシャルを活かし切れず、話題も舞台装置の豪華さに行ってしまうのなら、まぁ、もう自分はいいかなと。元々それほど好きな演目じゃないし.....







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最終更新日  2008年03月29日 22時09分56秒
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