Greeting Cards from.....

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July 15, 2025
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アメリカで少しでも暮らしたことがある人なら、トランプ政権に熱狂しそうなタイプの人たちを以前から良く見かけていたのではないだろうか。
悪い人には見えないけど、ものごとを絶対的な善と絶対的な悪に分けて単純に語ることが大好きな人たち。そして白人の自分やアメリカ人の自分が大好きな人たち。

報道を通すと首をかしげるようなトランプ政権の主張も、アメリカで出会ったあの人たちをイメージすると何となく合点がいく。

だけど少し心配なのは、トランプ政権が特効薬のように言う関税の最終的な負担者が、アメリカにいる自分たちだということをあの人たちは理解できているのか、ということ。

もうひとつ心配なのは、ブチ上げた政策が思い通りにいかなくなると突然他人のせいにし始める現政権の癖がまた出ないだろうか、責任逃れに走ったりはしないだろうか、ということ。

そんなこんなで、このところSNSで流れる雑なコメントを目にするのが少し嫌になり、紙の本に心を浸す時間が増えてきている。

今は、なぜかモンゴルに興味を持っていて、読みたい本を探しているうちに司馬遼太郎さんの「街道をゆく」に行き当たった。

「街道をゆく5 モンゴル紀行」



1973年8月に司馬さんは、新潟からハバロフスク→イルクーツクを経てウランバートルに入り、その後ゴビまで旅をしている。
民主化前のモンゴルに行くためにはソ連を通る必要があり、本書にはそれ故の苦労も綴られている。

司馬遼太郎さんの文章は盛んに横道に逸れ、しばらくするとスッと本論に戻る。「モンゴル紀行」でもその筆致はそのままだった。司馬さんは疑問にぶつかると調べずにはおけない性分なのだろう。そして「横道」に含まれる豊かな情報の量にはいつものことながら感服した。

「司馬史観」と言われるように、彼独自の歴史認識を随所に織り込んでいることも読んでいて心地よかった。

何よりも、主張がありながらも読者を煽らない穏やかな文体には何度も何度も心が救われる思いがした。

ボリュームのある作品ながら、無心に読むことができた。





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Last updated  July 15, 2025 08:00:04 AM
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