ヴィラムジカ葡萄酒村

ヴィラムジカ葡萄酒村

2006.04.03
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カテゴリ: 車庫
Aクラスのフロントガラスは無事修理されました。


ドイツ滞在が一年になる前に日本の免許から書き換えた三代目、しばらくペーパードライバーでした。
真夜中でも地下鉄や夜の路線バスが走っているベルリンの街中に住んでいたら、免許がなくても生きていけます。
まあ保険みたいなものです。
ところが、その保険を使う日がやってきたのです。

ベルリン芸大で高齢学生やっていた頃、構内に手書きのメモが張り出されました。
歌手オーディション 『妖精の女王』
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』を長編オペラ化したイギリスの作曲家パーセルの傑作です。

色めき立つ学生。
で、私もオーディションに参加しました。
バロックのアリアが課題だったのでヘンデルの『ジュリアス シーザー』からクレオパトラのアリアを歌いました。
緊張して窓の外の木を見つめて歌ったのに、後で『すごい集中力だった。』と言われ、赤面。
ちゃうちゃう、木を 睨んでただけ

そしたら電話が掛かってきて、2次オーディションに呼ばれました。
ソプラノ メゾ バリトンは2名ずつ、テノールは一人。
おいおい、それってテノールは他に候補が居ないってことかい?
この2次が 『ガラスの仮面』 でした。


『愛とは』などなど延々と続く課題。
はっきり言って歌は関係ありません。
これは俳優のオーディションか!?
連載開始当時から愛読してきた『ガラスの仮面』が役に立つ時がきました。
持久力忍耐力に欠ける、もう一人のソプラノは『やってらんないわ。』と自ら脱落。(後で知ったのだけど、有名なオケ奏者の娘であった。)

三代目ソプラノ役ゲット。

本題の免許から延々と関係ない話をしましたが、やっと戻ります。
その仕事、『妖精の女王』の旅回りの最終公演の後、3ヶ月ほとんど毎日顔をあわせ、明日は5都市に散らばる共演者と別れを惜しんで打ち上げが徹夜状態。
それでなくても面子は、クラリネットのFが新しい公演地に着くとまず最初にビールを1ケース買出しに行ったほどの呑み助揃い。
結果、ベルリンに帰る車に乗る免許持ちのオトコは全員つぶれました。

翌朝クラのFが三代目に聞きました。
『免許持ってる?』
『持ってるよ。でもドイツで運転したことない。』
『それでもいいから運転して。』
『右側通行初めてなんだけど。』
『それでもいいから。』
『久しぶりだから私が運転すると遅いよ。』
『いいから。』
『ミニバス運転するのも初めて。』
『頼む!』
・・・・・・初心者丸出しの私の方がこいつらよりまだ安全と判断し、アウトバーンだけ、という条件でハンドルを握りました。
だってまっすぐ走るだけだもん。
街中は曲がったり信号があったりするから嫌。(おいおい)
助手席に座る可愛いチェロの姉ちゃんKは顔色が真っ青。
実は公演中に彼女はクラのFとデキていたのに今日でお別れ。
相当ナーバスになっております。
給油中にタバコの火を付ける暴挙にも出ました。
しかし三代目の隣で真っ青になっているのは運転に不安を持っているからでもあるに違いない。

今思うと初心者にはハードルが高いとされている一桁アウトバーン(幹線)で三代目のドイツ運転デビュー。
・・・・で、30分後には追い抜きに燃えてました。
真っ青なチェロ、後ろで寝る美男で変人のバリトン、19歳の打楽器奏者、疲れた顔のメゾ、つぶれていないけど免許を書き換えていなかった真面目な韓国人のテノールと高価な楽器を載せて暴走するミニバス。
いやーバスとはいえメルセデス、加速がいいわ。

あっ、そろそろ交代する約束のサービスエリア。

追い越し車線を疾走中気づき、ひょいひょいと右側に寄り、時速160kmから急ブレーキで減速。
ひきつるチェロ。
さすがにマズイと冷や汗をかく三代目。

これが三代目のアウトバーン&ドイツデビューでございました。
良い子は真似をしないように。











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Last updated  2006.04.04 07:41:13
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