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どうも最近は新顔の虫が現れないと思っていたら、熱帯バジルの1種の上に大きなカマキリが居るのを見付けた。オオカマキリかチョウセンカマキリの何れかである。オオカマキリの全身(2007/09/27) 最近、この辺りで見るカマキリは、ハラビロカマキリかコカマキリばかりで、大型のカマキリを見ることは少ない。久しぶりにしげしげと顔を眺めてみると、見慣れたハラビロカマキリよりも虫相?が悪い。かなりヤクザっぽく、凶暴な感じ。オオカマキリは何となく凶暴そう(2007/09/27) 頭の形もかなり違う。額の部分にある縞模様が口にまで達し、複眼が大きく突出し、口先が尖っている。一方、ハラビロカマキリの方は、全体として御握りの様に丸味のある三角形である。それが何となくカマキリとしては柔和な印象を与えるのだろう。オオカマキリの頭.ハラビロカマキリとは異なり口が尖っている(2007/09/27) これまで見たことのない、頭部の裏側を撮ってみた。かなり不気味である。喉の所の襞や、複雑に分かれた口器が、未来映画に出てくる凶暴な宇宙生物を思わせる。裏側から見たオオカマキリの頭部.かなり不気味(2007/09/27) さて、このカマキリはオオカマキリとチョウセンカマキリの何れであろうか? チョウセンカマキリと言っても朝鮮からの外来種ではない。昔から居る種類で、図鑑に拠れば、只カマキリと言った場合はチョウセンカマキリを指すとのこと。 オオカマキリは前肢付け根の間が黄色く、チョウセンカマキリでは赤い。また、オオカマキリの後翅は全体に紫褐色の斑紋があるのに対し、チョウセンカマキリでは大部分が透明である。「蟷螂の斧」を振り上げる蟷螂(2007/09/27) カマキリの首根っこを掴んだら、カマキリはのけぞって翅を拡げた。オオカマキリであった。 余程ビックリしたのか、放してやった後も10分位、上の写真の様な格好をしたままであった。これが世間に言う「蟷螂の斧」の形であろう。ハラビロカマキリはこう言う格好をしない様な気がするが、定かではない。オオカマキリの後翅.全体に紫褐色の斑がある(2007/09/27) ついでに、前肢の付け根も示しておこう。この黄色い部分がチョウセンカマキリでは赤い。オオカマキリ前肢の付け根.チョウセンカマキリではこの黄色い部分が赤い(2007/09/27) ところで、オオカマキリとハラビロカマキリでは、顔つきばかりでなく、行動面でもかなり違って見える。ハラビロカマキリはジッと同じところに留まって獲物が来るのを何日でも待っているが、オオカマキリは待ち伏せ型と言うよりは、徘徊型の様である。 上の写真を撮ってから1時間後には、先の熱帯バジルから1m位離れた「キク科の雑草」の上に移っていた。菊花の上でもジッとしているのではなく、彼方此方歩き回っている。ツマグロヒョウモンの幼虫を食べるオオカマキリ(2007/09/27) 歩き回って捕らえたのが、隣の鉢でスミレを食べていたツマグロヒョウモンの幼虫。 其処には、ツマグロヒョウモンの幼虫がまだ何頭もいる。この調子では全部食べられてしまう恐れがあるので、オオカマキリを少し離れた所に置いてあるハナトラノオの鉢に移した。 此処でもカマキリは彼方此方歩き回っていたが、虫が沢山やってくるにも拘わらず、2日後には姿が見えなくなってしまった。かなり放浪癖が強いらしい。
2007.09.29
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最近はどうも新しい虫が来ない。花の方はカクトラノオ(ハナトラノオ)が満開となり、「キク科の雑草」(友禅菊の類他)も咲き始めているが、やって来るのはデュランタに来ていたのと同じイチモンジセセリ、キチョウ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン、オオスカシバ、ホシホウジャク、ハラナガツチバチの類、戻って来たハラビロカマキリ・・・。 仕方ないので、カクトラノオで吸蜜をしていたオオスカシバの写真を掲載することにした。オオスカシバの成虫は、昨年紹介したが、それは数年前にコンパクトカメラで撮った写真であった。今回のは撮りたてのホヤホヤである(新しいからと言って、別に大して有難くもないが・・・)。カクトラノオで吸蜜するオオスカシバ(2007/09/24) 写真は山程有るので、今日は特に大盤振る舞いである。 オオスカシバは我が家の「三大害虫」に認定されてはいるものの、本来は私の好きなスズメガ科の蛾である。先日はハラビロカマキリの餌食として甚だ面目ない形で登場させたので、今回は名誉挽回を図ってやらなければなるまい。 以下、オオスカシバ君のカッコイイ飛行姿と、可憐なる表情を御覧頂きたい。花粉が飛び散っている(2007/09/24)次の花に狙いを定める(2007/09/24)オオスカシバの口吻はホシホウジャクの1/2位しかなく頭を突っ込まないと蜜が吸えない(2007/09/24)花の周辺を遊弋中(2007/09/24)花に向かって突撃!!(2007/09/24)頭を突っ込む(2007/09/24)別角度から(2007/09/24)蜜を吸う前か、吸った後か?(2007/09/24)空中静止は御家芸(2007/09/24) 如何であろうか、オオスカシバ君の華麗なる飛行と愛らしくひたむきな姿を御堪能頂けたであろうか。 虫達にとって、害虫、益虫と勝手に決め人間は、ネロにも勝る暴君に違いない。私もその「暴君」の1人ではあるが・・・。
2007.09.27
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そろそろ秋の野菊の季節である。前から我が家にある「北米原産シオンの1種」も蕾を沢山付けているが、その前から新参者の友禅菊の類が咲いている。 友禅菊等と言うと如何にも日本のキクの様に感じられる。しかし、実際は主に北米原産のある種の宿根シオン(Aster属)に付けられた総称である。既にベニシジミのところで少し写っているが、今のところ花としては余り大したことがないので紹介はしない。今日の主人公は、その友禅菊にやって来たコアオハナムグリである。友禅菊に頭を突っ込むコアオハナムグリ(2007/09/22) ハナムグリと言う虫は、始終頭を花の中に突っ込んでいるので、よい写真が撮り難い。虫と雖もやはり頭が写らないと写真にならないが、ハナムグリの場合は、背中、酷い場合はお尻しか見えないことが多い。撮る方としてはイライラするのだが、それでいて、一寸チョッカイを出すと、直ぐに飛んで逃げてしまう。モデルとしての才能を甚だ欠いた虫である。葉にしがみつくコアオハナムグリ(2007/09/22) このハナムグリも筒状花の中に頭をつっ込んでいたが、暫くすると何故か花から下の方へ移動し、葉っぱにしがみついて動かなくなった。ハナムグリの顔を撮るには絶好の機会である。コアオハナムグリの胸部と頭部(2007/09/22) 撮った写真を見てみると、随分変な顔をしている。普通のカナブンとは全然違う。何か猿かカッパを思わせる顔。考えてみれば、普通ハナムグリは全身花粉にまみれていてチャンと見たことがない。「すっぴん」の顔を見たのは初めてである。ハナムグリ君の変な顔(2007/09/22) 何枚か撮った後、もう少し別の角度から撮ってみようと思って、一寸手を出した。やはり無謀であった。ハナムグリ君、立ち所に羽音を立てて何処かへ飛んで行ってしまった。
2007.09.24
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今年はツマグロヒョウモンが多い。一昨年も多くて、我が家のスミレは秋には丸坊主になっていたが、今年も同様である。大群落を作ろうと思って春にスミレ(種としてのスミレ)を沢山植えた一画は、現在では「更地」になってしまった。地植えのスミレ類は殆ど壊滅した様である。スミレ類は地面に生えているもの以外に色々な植木鉢に寄寓しているのが沢山あるので、地植えを食べ尽くした幼虫どもは今はそちらの方に移っている。 実はその他に、今年の春にチャンと種子を蒔いて育てた大事な鉢植えのスミレがある。これは来年シッカリ咲かせるつもりなので保護しているのだが、この残ったスミレの鉢に連日の如くツマグロヒョウモンが産卵にやって来る。 何分にも小さな鉢なので、産んだ卵は直ぐに見つかる。かなり小さな卵で、アゲハチョウの卵よりも2回り位小さい。等倍マクロの能力を超えているが、写真に撮ってみた。 例によって、ピクセル等倍の不鮮明な写真である。恐縮だが、何分にも卵の大きさは1mmの3/4位なので御理解いただきたい。ツマグロヒョウモンの卵.直径約0.75mm(2007/09/21) 写真を拡大してみると、まるで型から抜いたゼリーの様。外側に殻があり、その中に卵の「本体」が入っているらしい。そうだとすると、「本体」が餡で、回りを葛で包んだ和菓子の様にも見える。 昆虫の卵と言うのは、実に繊細な構造を持ったものが多い。Papilio属のアゲハやオオスカシバの卵の様な、殻に模様のない真珠の如き卵はかえって特殊なのかも知れない。ツマグロヒョウモンの卵.出来るだけ横から見たもの(2007/09/21) 卵殻の模様は、多分輸卵管内で形成されるのだろう。しかし、一体どうやってこんな複雑に凸凹した形を作り上げるのだろうか。卵の通過時に輸卵管が収縮して型となり、卵1個ずつ型に嵌めて行くのだろうか? また、考えてみれば、こんな複雑な模様のある卵を作って、如何なる利点があるのかも理解し難い。丸い鶏の様な卵では、何処か不利になることがあるのだろうか? 結語は昨日と同じ、虫の世界、分からないことだらけである。
2007.09.23
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昨日、ダニの卵と思われる白い玉の付着したオオハナアブを掲載したが、今日は、ダニに寄生されたクマバチを紹介する。 今月の上旬にデュランタ・タカラズカに訪花したクマバチで、撮影時には気が付かなかったが、写真を良く見てみたら、腹部にダニと思われるものが無数に付いていた。デュランタ・タカラズカで吸蜜するクマバチ.腹節に帯を巻いた様に無数のダニが付いている(2007/09/04) 昆虫を採っていると、ダニに寄生された虫に良く出会う。虫を採らなくなってから30数年も経つので記憶は定かでないが、糞虫やある種のハチに特に多かった様な気がする。別角度から(2007/09/04) 調べてみると、クマバチに寄生するダニには、クマバチコナダニ他何種類かあるらしい。これらのダニは、普段はクマバチの巣に居て、クマバチの運んで来た花粉と幼虫の排泄物を餌にしているとのこと。クマバチの体にくっ付いて居るのは、新たなクマバチの巣に運んで貰うのが目的で、移動中のダニは何も食べず、新しい巣に着くのをひたすら待っているのだそうである。従って、クマバチがダニの直接的な被害を受けることはない、と言うことになる。 この様なダニとの共生はクマバチ以外のハチにも見られ、ダニが付着するのに便利なハチの外骨格にある窪みにはアカリナリウム(Acarinarium、複数形はAcarinaria:ダニポケット)と言う名が付けられている。ハチとダニの共生は、かなり一般的な現象らしい。最初の写真の部分拡大.翅の基部にもダニが付いている.胸部にも付いている様に見える(2007/09/04) しかし、この写真のクマバチとダニがその様な関係であっても、昨日のアブとそれに付いたダニの卵(仮にそうだとして)との間柄は分からない。アブは巣を作らないが、ダニが花から花へ分布を拡げるのに役立っているのかも知れないし、或いは、その様な呑気な話ではなく、アブにとってもっと致命的な寄生者かも知れない。虫の世界、分からないことだらけである。
2007.09.22
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デュランタの花には、数は少ないが、ハナアブ類もやって来る。オオハナアブは昨年「北米原産シオンの1種」に訪花したものを紹介済みだが、今年また撮った写真を詳しく見てみたら一寸奇妙なものが写っていたので、改めて掲載することにした。 その変なものの前に、オオハナアブの背側からの写真を示しておく。前回の写真では拡大率が小さ過ぎてよく見えなかったが、腹部の黄色っぽい部分に細かい指紋の様な模様がある。こう言う模様は他のアブで見た記憶がない。オオハナアブ.腹部の模様が印象的(2007/09/19) さて、「奇妙なもの」とは、体の回りに付いている白い玉のことである。直径約0.2mm。下の写真では、約25個付いている。側面から見たオオハナアブ.白い小さな玉が沢山付いている(2007/09/19) 反対側から撮った写真を見ても同様で、約30個が認められる。上の写真の反対側.同じく白い玉が付いている(2007/09/19) 拡大してみると、「玉」はすべすべした球形ではなく、触発機雷の様に長さ0.03mm程度の突起が無数に付いている。始めは、ストロボの反射で光芒を生じたのかと思ったが、そうではなく、実際の構造の様である。 撮影時にはこの白い玉の存在に気が付かず、深度を深くするためにF32で撮ってしまったので、残念ながら写真の解像力は余り良くない。F11位で撮れば、もう少し綺麗な写真になったはずである。白い玉の拡大.触発機雷の様な形をしている(2007/09/19) 思うに、これはダニの卵ではないだろうか。触発機雷の様な形をしているのは、その突起の先に何かがあって、虫にくっ付き易くする為なのかも知れない。粘着性の強い虫媒花の花粉にも同じ様な機雷型をしたものが多い。オオハナアブの顔.御世辞にも美男とは言い難い(この個体は雄).額にも白い玉が付いている(2007/09/19) 昆虫を採集したり、余り虫を詳しく調べたことの無い読者には意外かも知れないが、昆虫は屡々微小なダニ類に寄生されている。この白い玉がダニの卵と言う確証がないが、その可能性は高いと思う。
2007.09.21
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飼育中のオオミズアオの幼虫は、飼育開始直後は環境が変わったせいか余り御飯も食べず(ウンコの量が少ない)、些か心配であったが、2~3日してからは順調に生育している。 先日、15日から16日にかけて、相次いで終齢幼虫に脱皮した。下の写真は、脱皮直前の写真。体長は、縮こまっているので4cm強。オオミズアオの4齢幼虫.脱皮直前(2007/09/15) 体の上部を枝に付けて居らず、3対の胸脚の爪を頭にくっ付けて、何か拝んでいる様な格好。上の個体の頭部拡大(2007/09/15) 脱皮してから1日位は殆ど何も食べない様である。その後は、モリモリ・・・。コナラの葉を噛むプチッ、プチッと言う音が聞こえる。時々、コロンと言うウンコの落ちる音もする。モンシロチョウの幼虫とは異なり、餌に水分が少ないので、ウンコも乾燥していて不潔感は無い。オオミズアオの終齢幼虫(2007/09/18) 脱皮後数日で、体が急に大きくなってきた。体を伸ばすと7cmはある。4齢幼虫と較べると、体のコブコブの大きさが相対的に小さくなって、全体として円筒形に近くなってきた。コナラの葉をモリモリ食べるオオミズアオの終齢幼虫(2007/09/18) 最後は、頭部の拡大。頭部の大半を占める赤っぽい部分は左右の頭頂、真ん中の三角形は前頭、葉に触れている一見ハサミの様に見える構造は上唇で、その奥に歯を有する上顎があるのだそうである(見えない)。上唇はハサミの様に見えても別に動くわけではないし、また、上唇を左右に動かして葉っぱを切るわけでもない。真ん中の切れ込みが深いし、葉っぱの端をその間に挟んでいるところを見ると、これは葉っぱを端から食べるのに適応した構造なのかも知れない(上唇の窪みは普通これ程深くない)。 少し離れて、葉を両側から挟む様にしているのは触角、成虫と違って頭の腹側を向いている。これで葉っぱを触って、食えるか、美味しいかを判断しているのだろうか。 眼は何処にあるかと言うと、頭頂の側面に単眼が6個ずつある、と物の本に書いてある。写真では上下に見える黒っぽい部分がそれである。幼虫には複眼はない。御食事中の顔を拡大(2007/09/18) ・・・と言うわけでスクスクと育っていると言えるが、この期に及んでもまだ「本当にこれがオオミズアオの幼虫なのか」と言う疑問が頭を去らない。幼虫の形態はどう見てもオオミズアオなのだが、成虫はこの辺りでもう30年も見ていないのに、その幼虫が我が家に3頭も居ると言うのは、どうも感覚的にピンと来ないのである。
2007.09.20
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先日、夏の間に伸び過ぎた庭木を剪定していたら、全身真っ黄色の大きなヨコバイが飛び出して来た。飛び出すと言っても、跳躍力は弱く、何とも頼りない感じ。よく見てみると、羽化したばかりのツマグロオオヨコバイ(オオツマグロヨコバイ)の様である。羽化したてのツマグロオオヨコバイ(2007/09/13) 翅端その他の黒い部分がまだ透明。時間が経つと黒くなるのであろう。ツマグロオオヨコバイは昔から我が家に沢山いるが、こう言うまだ色の出ていない個体を見たのは初めてである。一応歩くことは出来る(2007/09/13) 一応歩けるし跳躍もするが、幼虫の方が遙かに跳躍力がある。翅はまだ固まっていないらしく、拡げることすらしない。 一応歩けるとは言うものの、まだヨチヨチ歩きで、下の写真の様に、時々ズッ転ける。歩けるが時々ズッ転ける.左後脛節が折れているらしい(2007/09/13) しかし、写真をよく見てみると、どうも左後肢の脛節が折れている様である。まだ充分固まっていない脚で飛び跳ねたりしたので折れてしまったのかも知れない。 枝に留まらせて写真を撮ったが、そのまま其処でジッとしていた。 その後、このツマグロオオヨコバイがどうなったかは分からない。気が付いたときには、もう居なくなっていた。正面から見たツマグロオオヨコバイ.まだ顔の模様がよく出ていない(2007/09/13) ところで、私は子供の頃からこの虫を「オオツマグロヨコバイ」と呼んでいた。しかし、改めて調べてみると、「ツマグロオオヨコバイ」の方がずっと一般的であることが判明した。そこで、今回を含め以降は「ツマグロオオヨコバイ」と呼ぶことにする。 小學生の頃に使っていた昆蟲圖鑑は、叔父が使っていたと言ふ昭和拾年頃に出版された漢字カタカナ交りの古い本だったので、今とは少し違ふ名前が附いていたのかも知れない。
2007.09.17
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一昨日、ブルーベリーを植えてある鉢に寄寓しているスミレの葉を整理していたら、ツマグロヒョウモンの前蛹を見付けた。よく見てみると、蛹に脱皮するところであった。 まず写真を撮ったが、特に動きはないので、暫く様子を見ることにした。 10分位経ってから見に行くと、全く変化がない。30分経っても同じである。一寸触ってみると、まだ、柔らかい。しかし、全く動かない。一寸おかしい。 この個体、大きさが普通のツマグロヒョウモンの前蛹よりもかなり小さい。これも、おかしいと言えばおかしい・・・。蛹化に失敗したツマグロヒョウモンの前蛹(2007/09/14) どうやら、これは何らかの異常があって、蛹化に失敗した個体の様である。次の日の朝、もう一度見てみたが、全く変化は認められなかった。 午後になって、ベランダを通ったとき、その前蛹が無くなっているのに気が付いた。鳥に食べられたのか(我が家ではよくある)と思ったが、探してみると、下にコロンと落ちている。前蛹になるときに充分に足場を固めていなかったらしい。上の前蛹を横から見たもの.スミレの葉柄との間の連結が不充分(2007/09/14) 何故蛹化に失敗したのかは、知るべくもない。しかし、かつてクロアゲハの幼虫を多数飼育したとき、平均よりかなり小さい個体が元気が無くて足場を充分固めことが出来ず、また、前蛹から蛹への脱皮も上手く出来なかったことがある。この様な個体からは、必ずブランコヤドリバエの蠕虫が出て来た。 ブランコヤドリバエの類がツマグロヒョウモンに寄生するか否かは寡聞にして知らないが、別の寄生者が居る可能性もある。一応、蛹をシャーレに入れて、今後の変化を見てみることにした。
2007.09.16
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台風9号の来る数日前のことである。夕方遅く、もうかなり暗くなってから、建物の灯りがチャンと付いているか確かめに3階まで登って行くと、階段の途中に体長5~6cmのやや太めのカマキリが居るのを見付けた。誰かに踏み潰されるといけないので捕まえようとしたが、いたって元気、中々捕まらない。暗くてよく見えないので、首筋を掴むことが出来ない。そこで、両方の掌を丸めて、その中に入れてしまった。 何処に放つかは決まっている。虫の沢山やって来るデュランタ・タカラズカである。もう暗くなってよく見えない株にカマキリを放した。オオスカシバを捕らえたハラビロカマキリ(2007/09/03) 次の日の朝、カマキリが居ないかデュランタを調べてみたが見つからなかった。しかし、餌になる虫は沢山来ているし、此処から居なくなることはないだろう。 そう思っていたら、その日の午後、カマキリがオオスカシバを捕まえているのを見付けた。両方の翅をシッカリ押さえている。上の写真の反対側.前翅中央付近にハラビロカマキリの「商標」である白斑が見える(2007/09/03) 頭の部分はもう既に無い。オオスカシバは絶命しているらしく、全く動かない。カマキリは顔中鱗粉毛だらけになって、ムシャムシャと御食事中。一心に御食事中(2007/09/03) オオスカシバは、我が家の三大害虫の一つである。それを捕食するとは、このカマキリ、中々気が利いている。餌の多いところに連れてきて貰った恩返しのつもりか? カメラを近づけると、時折此方を向いて睨む。実際は、新たな餌がやって来たと思っているのかも知れない。時々恐い顔をして此方を睨む(2007/09/03) ハラビロカマキリの捕食行動は昨年も掲載した。その時の餌は、外骨格の固いハラナガツチバチであった。体長25mm位の雄であったが、殻が固くて食べるのにほぼ2時間を要した。 今回は柔らかい蛾である。どの程度の時間で食べ尽くすのだろうか。約1時間後、尾端を残すのみ(2007/09/03) 1時間程経ってから見に行くと、もう尾端を残すだけであった。頭の部分を食べるのにどの位時間がかかったか分からないが、胸部腹部との比率から判断して10分もかかっていないであろう。そうだとすると、全体を食べるのにほぼ1時間20分かかったことになる。量としてはオオスカシバの方が、先のハラナガツチバチの2倍以上はある。やはり、外骨格が固いと食べるのにずっと時間がかかることが分かる。 3日後、デュランタの株は台風で揉みに揉まれ、通過後の強風も含めて鉢ごと倒伏すること数回に及んだ。2日程して風が止んだとき、もうハラビロカマキリの姿は何処にも見当たらなかった。
2007.09.15
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我が家のシソは、以前掲載した様にハダニにすっかりやられて、残ったのは1個所のみであった。その1個所が、今度はバッタに食害されている。 別に珍しいことではない。昔から我が家では、シソが生えていれば必ずオンブバッタが何処からかやって来て、やがてまともな葉は1枚もない、と言う状態になってしまう。時々アースジェットで撃退するのだが、効いていないのか、余所から別の個体がやって来るのか、何時の間にか、またシソの葉の上にオンブバッタが乗っかっている。全く困ったものだ。シソの葉上に止まるオンブバッタ(2007/09/09) 以前にも書いたが、私はバッタと言う虫がどうも好きになれない。それで今まで写真を撮っていなかったのだが、今回何の風の吹き回しか、一寸撮ってみることにした。オンブバッタの顔(2007/09/09) しかし、やはりこの目付きが宜しくない。小心者のくせにずる賢くて、何時も人の顔色を窺っている、と言う感じがする。全く擬人的な解釈で、別にバッタが悪い訳ではないのだが、これもバッタを好きになれない理由の一つかも知れない。真上から見たオンブバッタの顔.複眼の内側に少し膨れた他の部分とは異なって見える領域がある(2007/09/09) 目付きは良くなくても、眼自体は結構面白い。複眼の上側(上の写真では内側)の一部だけ少し膨らんで他の部分と違う構造になっているのが分かる。トンボの複眼も上下に分かれているが、機能的にどう違うのであろうか。 昆虫が複眼を通してものをどう見ているのかは非常に興味深い。しかし、昆虫程度の脳神経では、人間がものを見ている様には見えていないだろう。人の目に映る「景色」は、極めて高度な脳の産物なのである。
2007.09.13
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今日は、久しぶりのハエトリグモである。シラヒゲハエトリ、建物の外壁や塀などに生息する種類らしい。一寸ネコハエトリに似ているが、腹部に殆ど紋が無く、全体的に白っぽい。眼の下に白い帯があり、これが頭胸部の後の方まで繋がっているのがこの種の特徴である。 ハエトリグモとしては、かなり毛深い。しかし、何故かクモは足が短くて毛深い方が可愛い。スイレンボクの枝を匍匐前進するシラヒゲハエトリ(2007/09/03) 実は、このハエトリさん、前の日に何処からか私の服にくっ付いて来て、仕事部屋の中で行方不明になっていたのである。部屋は外光が入らない様に締め切ってあり、スタンドが一つあるだけなので、一旦逃げ出したハエトリグモは直ぐに闇の中に消えてしまった。潰されなければよいが、と思っていたら、次の日、消えた場所と寸分違わないところに現れた。今度は、チャンと捕まえて、庭に放してやった。シラヒゲハエトリ.こう言う変な顔がお得意(2007/09/03) 放したのは木の葉の上である。建物の外壁や塀などが住処なのなら、一寸不適切だったかも知れない。正面から見たシラヒゲハエトリ.ハエトリらしく前中眼が大きい(2007/09/03) かなり敏捷で、彼方此方休む暇もなく歩き回り、また、葉から葉へ飛び移り、焦点を合わせるのに結構苦労した。背側から見たシラヒゲハエトリ.体が厚いので被写界深度に入り切らない(2007/09/03) クモの呼吸器官には、余り効率の良くない書肺と昆虫と同じ気管系の2つがある。原始的なトタテグモや所謂タランチュラなどは書肺しか持たないので、直ぐに息切れがする。獲物を捕らえる一瞬は、体内に既に溶けている酸素を使うので素早いが、後が続かない。一旦酸素を消費してしまうと、その補充に時間がかかるのである。 一方、ハエトリグモ類は、クモとしては効率の良い気管系が発達している。だから、この様に休む暇もなく素早く歩き回っても息切れしない。ハエトリ共通の姿勢.黒い上顎が目立つ(2007/09/03) クモさんは、スイレンボクからブルーベリー、西洋シャクナゲと移り歩き、やがてニワナナカマドの茂み中へ姿を消してしまった。 これまでに紹介したハエトリグモは、アリグモを含め、全部でたったの4種。この辺りにはもっと沢山のハエトリグモが居る筈で、4種とは如何にも寂しい。次にはどんな種類が現れるであろうか?
2007.09.12
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今日は我が家では「珍蝶」のベニシジミを紹介する。 ベニシジミは、全国的にはごく普通のシジミチョウである。この辺りでも少し草の原や畑がある所に行けば沢山居るのだが、我が家のような住宅地のど真ん中では、子供の頃ですらも全く見なかった「非常に珍しい」蝶なのである。食草は、この辺りの空き地には見られないギシギシやスイバ(スカンポ)等だから、それらの生えていない所には居ない、と言うことであろう。 それがどういう訳か、我が家の庭に現れた。菊の花に止まるベニシジミ(2007/09/07) 普段はかなり敏感な蝶である。しかし、まだ台風に吹き込む南風が強かったせいか、花にしがみついていて離れようとしない。逃げない点では楽だったが、矢鱈に揺れるので少し苦労した。ベニシジミの裏面は綺麗.拡大すると鱗粉も見えるのだがこの倍率では無理(2007/09/07) 表面は黒と赤で余りパッとしないが、裏面は見映えがする。派手ではなく、華麗な中にも落ち着いた雰囲気を醸し出している。風の弱まった隙に、裏面を等倍接写してみた。顕微鏡写真の様には行かないが、個々の鱗粉が識別できる。ベニシジミの翅の拡大.鱗粉が見える(2007/09/07) 強風の為、花にしがみついて殆ど動かずどうにも芸がない。そこで、例によってシジミチョウの顔を撮ることにした。シジミチョウ類は頭の大きさに比して目が大きい。顔中眼だらけ!!正面から見たベニシジミ.警戒している風にも見えるが、実際は風に飛ばされない様に踏ん張っているところ(2007/09/07) 他の昆虫と違って、このベニシジミ、複眼に六角形(レンズの絞りの形)のストロボの反射が現れない。複眼が複眼らしく見えず、「漆黒の瞳」と言う感じ。そう思うと、中々可愛らしい。ベニシジミの横顔.円らな「瞳」が愛らしい(2007/09/07) 数時間我が家に逗留した後、このベニシジミは何処とも無く飛び去ってしまった。また、我が家に現れることがあるだろうか?
2007.09.09
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今日は珍しいお客さんがやって来た。珍しいと言っても我が家だけの話で、毎年1、2度は見かけるのだが、何時も一寸止まるだけでサッと飛んでいってしまい、写真を撮る暇がない。 それが今日は、デュランタ・タカラズカの花蜜に惑わされたのか、一寸だけ長逗留をした。長逗留と言っても1分に満たない。 お客さんの名は、キオビツチバチ。触角が短いので雌である。キオビツチバチ(雌).我が家では珍客(2007/09/08) カメラを取りに部屋に戻ったものだから、正味の時間は僅か20秒程度。しかも、このツチバチの仲間はすぐ花を抱えて丸くなってしまうので、中々写真にならない。辛うじて撮ったのが、この1枚。 昔から、この辺りでは珍種とは言えなくても、稀種ではある。閲覧者の皆様には余りお分かり頂けないとは思うが、僅か1枚とは言え漸く写真に収めたので、こちとらは大の御満悦。 イャイャ、これは失礼仕った。
2007.09.08
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今年はアゲハ類(Papilio属)が少ない。ナミアゲハはある程度いるのだが、クロアゲハは非常に少ない。今年は2~3回しか見ていないのではないか? また、あの厭なブランコヤドリバエが活躍しているのだと思うと憂鬱になるが、何とも自然の摂理なので致し方ない。 そのクロアゲハが先日デュランタ・タカラズカにやって来た。かなりボロボロの個体である。デュランタ・タカラズカで吸蜜するクロアゲハ.かなり擦り切れている(2007/09/04) クロアゲハは、既に昨年オニユリの所で紹介している。しかし、その時はユリが主人公でクロアゲハは脇役に甘んじていた。今回はクロアゲハが主役である。 しかし、かなり擦り切れた個体なので、普通に撮っても一寸アゲハ君に気の毒。考えてみると、アゲハのような大型で中々静止しない蝶は全体を撮るのが精一杯で、余り細部の写った写真を見たことがない。 そこで、クロアゲハ君の吸蜜中の顔を撮ってみることにした。吸蜜中のクロアゲハ君の顔(2007/09/04) 何か、大きなサングラスをした兄さんがストローを吸っている様な感じ。こんな顔をしているとは、一寸意外であった。斜め後ろから見たクロアゲハ君の顔(2007/09/04) 余り面白くないが、少し後から撮った写真も掲載しておく。脚を全部揃えているのが印象的。踊るクロアゲハ(2007/09/04) オマケにもう1枚、最初の写真に構図は似ているが、表情が何か浮かれた感じ。題して「踊るクロアゲハ」。
2007.09.07
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ダイミョウセセリは当Weblog初登場である。しかし、この蝶は実はこれまでに何回も撮っているのである。それなのに掲載しなかったのは、ダイミョウセセリの写真と言うのはどうも面白味に欠けるからである。 何処に止まっても、出来損ないの展翅標本の様な止まり方をする(正しい展翅標本では、左右の前翅の後縁を一直線に揃える)。これが実に撮り難い。蝶に対して垂直の線から外れると、翅全体に焦点が合わない。斜めから、頭に焦点を合わせ翅をぼかして撮っても、水平に真一文字に伸びた翅が何とも機械的で、風情がない。デュランタの葉に止まるダイミョウセセリ(2007/09/04) 真っ正面から撮ってみたこともあるが、これも今一つ冴えない。 そこで、デュランタの花に逆さになっているところを撮ってみた。しかし、やはり大して面白い写真にはならなかった。それに、頭部下面の白い部分が飛んでしまう。デュランタに逆さに止まって吸蜜するダイミョウセセリ.眼に映るストロボの反射が気になる(2007/09/04) モデルが悪いとも言える。関西型のダイミョウセセリは後翅にも白斑があり見映えがするが、本州中部以北の関東型には殆ど紋がなく、ノッペラボーに近い。 ・・・今日は、どうも文句ばかりになってしまった様である。
2007.09.06
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今日、ベランダの椅子で朝のコーヒーを飲んでいると、目の前のヒュウガミズキに何か3cm位の芋虫が付いているのが目に入った。近づいて見てみると、芋虫と言うよりは毛虫、よく思い出せないが見覚えのある顔である。此奴、ヤママユガ科の幼虫の筈。オオミズアオの4齢幼虫.体長3cm強(2007/09/05) 早速写真を撮って調べてみると、何と、オオミズアオの幼虫であった。大きさから判断して4齢幼虫らしい。 最近はヤママユガ科の蛾を全く見ない。昔はシラガダユウ(白髪太夫)とかシラガタロウ(白髪太郎)と呼ばれるクスサンの幼虫が毎年のようにクリに付いていたし、その成虫もごく普通に見かけた。 オオミズアオもクスサンよりは少なかったが、街灯に止まっているのを屡々見かけたものである。しかし、何れもこの20~30年、全く見ていない。少し枝を動かしたら、この様な姿勢になった(2007/09/05) それが我が家のヒュウガミズキに居るのだから、一寸驚いた。 そう言えば、1ヶ月程前、ヒュウガミズキの葉裏に体長1cm位の橙色の毛虫が数頭居たのを想い出した。写真を撮ったような気もするが、探しても見つからないところを見ると、やはり撮っていないらしい。撮っておけば良かった。オオミズアオ幼虫の腹部拡大.透き通った黄緑色が美しい.中央下の丸いのは水滴(2007/09/05) もう一度、ヒュウガミズキを調べてみると、他に2頭も同じ形の幼虫が居た。やはり、一ヶ月前に見かけた毛虫が成長したものらしい。オオミズアオの初齢幼虫は橙色に小さな黒斑を多数帯びると言うから、まず間違いないであろう。 オオミズアオは大型の蛾である。と言うことは、その幼虫は大食漢に違いない。これでは高さ1m余りのヒュウガミズキは丸坊主になってしまう。また、最近はスズメバチ科の蜂がよくこの辺りを遊弋しているから、捉まって肉団子にされてしまう可能性も高い。オオミズアオは、今やこの辺りでは「珍種」乃至「絶滅危惧種」である。保護する必要があるのではないか?毛虫君の顔.口の周りの構造は複雑(2007/09/05) ・・・と言う訳で、飼育をすることにした。ヒュウガミズキはマンサク科である。オオミズアオの幼虫はかなり広く色々は木の葉を食べるが、調べた限りではマンサク科の植物を食べると言う記録はなかった。バラ科、ブナ科、カバノキ科などがお好みの食草らしい。そこで、枝が伸び過ぎて困っているコナラを食草にしてみることにした。 しかし、食草は幾らでもあるが、大食漢を3頭、世話が大変そうである。 なお、この幼虫は蛹で越冬をし、成虫になるのは来年5月である。まァ、気の長い話ではある。
2007.09.05
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6月の末にアワダチソウグンバイの所で述べた危惧が現実のものとなってしまった。 一昨日、街路樹として植えられている近くのプラタナスの葉裏に、小さな黒点が無数について居るのを見付けた。もう少し大きな白っぽい斑点も沢山付いている。 プラタナスグンバイに違いない。小さな黒点は糞と幼虫、白っぽい斑点の方は成虫であろう。プラタナスグンバイ.翅端まで3.3mm.以下倍率は総て同じ(ピクセル1/2倍)(2007/09/01) 早速我が家に戻って、玄関の前にあるプラタナスを調べてみた。樹冠部の葉にはまだ黒斑は認められなかったが、下の方から出ている枝を精査すると、若葉の葉裏にプラタナスグンバイの成虫数頭と微小な砂を撒いた様な幼虫の集団を見付けた。 このプラタナスグンバイ、「我が家の庭」からは2m程逸脱した街路樹に居る訳だが、まァ、それ程厳密にすることもあるまい、「我が家の庭の生き物たち」として紹介することにした。プラタナスグンバイ.ガラスの様な外骨格.時に壊れていることがある(2007/09/01) もう少し広く町の中に植えられているプラタナスを調べてみた。他の樹から離れて1本だけ植わっている場合には、まだ寄生されていない樹もあったが、殆どの樹はかなり酷くプラタナスグンバイにやられていた。正面からみたプラタナスグンバイ.兜の様な構造の下に頭がある(2007/09/01) プラタナスグンバイは北米原産の外来昆虫で、プラタナスの葉から汁を吸って葉表を白く変色させ、葉裏には無数の微小な黒斑(糞)を付ける。平成13年に名古屋で最初に見つかり、その2年後の平成15年には東京でも確認されたとのこと。アワダチソウグンバイと並んで、我が国で猛威を振るっている外国産グンバイムシである。プラタナスグンバイの幼虫.中央は終齢.棘の様なものはプラタナスの毛(2007/09/01) しかし、プラタナスグンバイに拠る被害は、葉を変色させ、酷い場合には落葉させる程度なのだろうか。プラタナスは街路樹として植えられることが多いので、景観を損なうのは確かである。それ以上に、樹が枯れたりすることがあるのだろうか。・・・調べた範囲では、枯れたと言う話は無かった。葉裏にかたまるプラタナスグンバイの若齢幼虫(2007/09/02) また、グンバイムシの様な吸汁性昆虫は、ウィルス病を媒介することが多い。しかし、このプラタナスグンバイは別段その様な悪さはしない様である。 ・・・と言うことは、騒がれている割りに実害は大したことない、と言うことか・・・。 外国産と言うのが一寸気になるものの、こう言う「害虫」に対して、如何なる態度を採るべきなのだろうか?
2007.09.03
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先日、シソの葉に集るハダニ類を掲載したが、今日は其処に居た捕食者を紹介する。「日本原色植物ダニ図鑑」に拠れば、ハダニの天敵には、同じダニ目に属すカブリダニ類や、ハダニアザミウマ、ハナカメムシ類、ハダニカブリケシハネカクシ、キアシクロヒメテントウ等の他、タマバエ、オドリバエ、アシナガバエ、ハナアブの各科に属す昆虫が居るそうである。その他にも、クサカゲロウ類の幼虫もハダニの捕食者として知られている。葉脈の陰に隠れる(?)ハダニアザミウマの幼虫.ピクセル等倍(2007/08/25) シソの葉にはアザミウマ類の幼虫が何頭か認められた。前述の図鑑に拠れば、ハダニを食べるアザミウマはハダニアザミウマのみらしいので、此処ではハダニアザミウマとしておく。 1枚の葉に2~3頭程度の密度である。ハダニアザミウマ雌成虫の1日当たりの捕食量は、ハダニ卵なら約40個、ハダニ雌成虫で約9匹とのことなので、その程度の密度でも良いのかも知れない。ハダニアザミウマの幼虫.その2.ピクセル等倍(2007/08/25) 普通、アザミウマと言えば吸汁性の害虫である。それが此処では、ダニを補食する益虫となっている。餌が植物と動物では随分違う様に感じられるかも知れないが、植物の汁を吸うのがダニの体液を吸うのに変わっただけのことである。口器の形を基本的に変化させないで済むから、大した変化ではない。歩き回るハダニアザミウマの幼虫.ピクセル等倍(2007/08/25) アブラムシの中には兵隊アブラムシと言う兵隊アリの様な防御個体を持つ種類が居て、普通は植物の汁を吸う筈の口針で敵を刺す。カメムシの仲間には、ハナカメムシ科やサシガメ科ばかりでなく、多くは吸汁性のカメムシ科の中にも捕食性の種類が居る。これも植物の汁を吸うのが獲物の体液を吸うのに変わったと考えれば納得が行く。 考えてみると、吸汁性の害虫と体液を吸う捕食性の益虫とは、意外に近いところに位置する必然性が有ることになる。
2007.09.02
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同じ様な虫で恐縮だが、今日はまたムシヒキアブの仲間を紹介する。多分シロズヒメムシヒキと思うが、交尾器が思ったよりも詳細に写っていなかったので「?」を付けておいた。 少し前に紹介したシオヤアブと較べると、このシロズヒメムシヒキは体長15~20mmでずっと小さい。スレートや庭の飛び石に留まりたがるので撮影には些か苦労したが、追いかけ回した挙げ句、漸く草の上に留まったので何とかなった。シロズヒメムシヒキ.小さいわりに毛深い(2007/08/28) 庭の草むらの中で撮影していると、急に飛び立った。逃げられたかと思ったら、一瞬の後、殆ど同じ所に着地した。このスクランブルと着陸を頻繁に繰り返すので焦点を合わせる暇がない。何をしているのかと、周囲を見渡すと、何と、このムシヒキアブ、私に集っているヒトスジシマカを攻撃しているではないか。 しかし、着陸したムシヒキアブは手ぶらである。ヒトスジシマカは直線ではなく非常に不安定な飛び方をする(まるで戦闘機の様)ので、中々捕らえ難いらしい。横から見たシロズヒメムシヒキ.小型だがカッコイイ(2007/08/28) 暫くしたら、やはり天性の捕食者、チャンとヒトスジシマカを捕らえていた。虫を捕らえている間は、余り逃げないので撮影し易い。ヒトスジシマカを捕らえたシロズヒメムシヒキ.前肢で獲物を抱えていない(2007/08/28) ムシヒキアブは、獲物が大きいときは前肢で抱きかかえて体液を吸う。しかし、ヒトスジシマカの様な小型で非力な虫の場合は、写真の様に抱えないでも良いらしい。ムシヒキアブの口器は先が丸いが、その中から鋭い針でも出して突き刺すのだろうか?獲物のヒトスジシマカの腹は血で膨れている(2007/08/28) このヒトスジシマカ、腹が膨れている。腹の中は人の血に相違有るまい。と言うことは、私の血ではないか!! こちとらの血も消化されて、ムシヒキアブの胃袋(中腸)に入ってしまう訳だ。ムシヒキアブに間接的に血を吸われたことになるのか???
2007.09.01
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