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最近はすっかり無精になってしまったが、今日は大晦日、ベランダに溜まった落ち葉の掃除くらいせねばイカンだろう。・・・と言う訳で、植木鉢を移動していたら、スミレの鉢にツマグロヒョウモンの幼虫が6~7頭いるのを見付けた。 よく知られている様に、ツマグロヒョウモンの越冬形態は幼虫である。我が家のベランダで最後まで越冬し切れるか否かは分からないが、現在越冬中であることは確かである。スミレの植木鉢の葉陰で越冬するマグロヒョウモンの幼虫中央~左に見える黄色い虫食い葉の裏に居る.左下に脱皮殻がある(実際は以下の2枚の写真を撮った後で撮影)(2007/12/31) 1cm位の2齢と思われる幼虫から、2cmを超える、多分4齢の幼虫までいる。みんな葉裏でジッとしている。 しかし、このスミレ、もう葉っぱの大部分は黄色になっていて、近日中に全部枯れてしまう運命にある。そこで、別の鉢に生えている、まだ青々としたツボスミレに移してやることにした。このツボスミレは、以前紹介したが、カサブランカの鉢に寄寓していたもので、主人のカサブランカがウィルス病にやられて駄目になってしまったので、今では植木鉢を独占しているのである。少し拡大.2齢?と4齢?がくっ付いて越冬中(2007/12/31) ツマグロヒョウモンの幼虫どもは、日陰ではジッとしていたが、陽の当たるところに鉢を移したら、少し動き始めた。ツボスミレの鉢に移してやり、鉢の隅に落葉を詰めたりして、少しでも越冬し易いと思われる状態にしてやった。更に拡大.終齢と較べると棘の比率が大きい(2007/12/31) ツマグロヒョウモンは近年の温暖化に伴って分布を北に拡張しているが、東京で越冬出来るのか否かは良く分からない。丁度良い実験材料が出来たので、これから来春まで観察してみることにした。 本年の更新はこれが最後となる。皆様、良いお年を!!
2007.12.31
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昨日、ブルーベリーの木の幹のごく下の方に、小さな黒いイモムシが居るのに気が付いた。鉢植えのブルーベリーで、その根元には北米原産のスミレが寄寓しており、ツマグロヒョウモンの若齢幼虫がつい最近まで居た。しかし、そのイモムシの背中はほぼ平滑だし、赤い斑点も無いから、ツマグロヒョウモンの幼虫ではない。良く見てみると、カブラハバチ類の幼虫の様である。セグロカブラハバチの幼虫.体長11mm弱(2007/12/28) マクロレンズで覗いてみると、体は真っ黒ではなく少し青みがかっており、体側に黒い斑紋がある。斑紋はハッキリしているのが11,不明瞭なのが胸部に2つある。どうやら、セグロカブラハバチの幼虫らしい。横から見ると、体側に13個の斑紋が認められる(2007/12/28) この幼虫、以前紹介した「クロムネハバチの近縁種の幼虫」と少し似ているが、横方向の皺があるだけで、イグアナの様な突起はない。 体を縮めているので体長は11mm弱、まだ若齢幼虫の様である。ハバチ類の越冬形態を調べてみると、多くは土中で繭を作り、その中で蛹にはならずに前蛹の状態で越冬するものが多いとのこと。しかし、幼虫で越冬する場合もあるらしい。このイモムシもこのまま冬を越すことになりそうである。一見眼の様に見えるのは胸部の斑紋で、一番下側のあごの様に見えるのが本当の頭部(2007/12/28) ハバチ類の幼虫は、鱗翅目(蝶や蛾)の幼虫とは異なり、比較的大きな単眼を1対持つ(鱗翅目では一般にごく小さい単眼を6対)。かなり「お目々パッチリ」なのだが、このイモムシ、頭を下に畳み込む様にしているので、眼は写っていない。正面から取った写真で眼のように見えるのは胸部の斑紋である。体の下から覗いているヒゲの様なのは、胸脚であろう。 アゲハ類(Papilio)の幼虫も胸部の斑紋が眼の様に見えるが、ハバチでも同じ様な真似をする芋虫が居ることになる。眼のような模様を持つと、気弱な捕食者がビックリするのだろうか?
2007.12.29
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昨日から植木屋さんが入って庭の手入れをしている。今朝、植木屋さんの来る前に外庭に植えてある木々を調べていたら、ハナミズキの枝先に何かが留まっている。良く見てみると、どうやらアブの類らしい。 早速カメラを取って来て、マクロレンズで覗いてみる。・・・特に変わったアブではなく、クロヒラタアブの雌であった。ハナミズキの枝先に留まるクロヒラタアブの雌(2007/12/27) 屹度、昨日の夕方から此処に留まっているのだろう。何もこんな北風が吹き抜けるような所で夜を過ごさなくても良さそうに思えるが、まァ、事情はクロヒラタアブに聞いてみなければ分かるまい。 考えてみると、冬に庭を一見当て処もなく飛んでいる様なヒラタアブは良く見かけるが、早朝や夕方に留まっているのは余り見た記憶がない。こう言うところに留まるのが普通なのだろうか?近くで見たところ.翅をたたんでいる(2007/12/27) 今日の朝は、この冬一番の寒さだったそうである。アブさん、翅をたたみ、枝にシッカとしがみついてピクリとも動かない。まるで、木の一部になってしまったかの様である。シッカと枝にしがみついている(2007/12/27) やがてハナミズキにも陽が射し、通りを歩く人の数も増えてきた。暫くして、少し暖かくなってから見に行ったら、もうアブさんの姿は何処にも無かった。
2007.12.27
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先日の雨で木々に残った葉もすっかり落ち、漸く冬らしいサムザムとした景色になった。成虫で越冬する虫達も、大きな樹の割れ目の中や落葉の下などでジッと寒さに耐えているに違いない。 ・・・と思っていたら、クリスマスローズの葉上にクサカゲロウがいるのを見付けた。 始めは羽化したばかりの個体かと思ったが(今頃??)、良く見てみると翅はもう充分に固まっている。天気が良くなって、葉の上に姿を現したものらしい。 このクサカゲロウ、翅が曲がっている。羽化するときに翅を充分伸ばせなかったらしい。クリスマスローズの葉上に居たクサカゲロウの1種
2007.12.25
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先日ヒメアカホシテントウを掲載したが、今日紹介するのは「ヒメ」の付かない只のアカホシテントウである。その幼虫の方はこの春に紹介済みなのだが、成虫の方は出そう出そうと思いながら随分遅れた登場になってしまった。 テントウムシの生活環には2通りある。1年の間に何回も発生を繰り返すものと、年1回しか発生しないものである。これまでに紹介したナミテントウ、ヒメカメノコテントウ、キイロテントウ、ムーアシロホシテントウ、クモガタテントウ等は前者、アカホシテントウは後者に属す。ヒメアカホシテントウについては良く分からないが、アカホシテントウと同属なので、後者かも知れない。仮眠中のアカホシテントウ.頭と胸の部分が窪んで独特の形をしている(2007/11/) アカホシテントウは6月頃に羽化し、気温が上がると夏眠に入る。下はウメの葉裏で夏眠中のアカホシテントウである。日付は8月24日。此処には3頭しか居なかったが、アカホシテントウは幼虫も成虫も集団を作る習性があり、時に何十頭もの大所帯で夏眠することもあると言う。ウメの葉裏で夏眠中のアカホシテントウ(2007/08/24) 次のは上の写真の部分をもっと近くで撮ったものである。鞘翅が互いに接するほどくっ付けて夏眠している。上の写真の部分拡大(2007/08/24) 夏眠中でも完全に寝ている訳では無く、葉っぱを酷くいじくったりすると動き出す。しかし、何もしないと殆ど動かないこともあるらしい。下の写真は、上と同じ葉裏を約2ヶ月後の10月17日に撮ったものである。2頭のテントウムシの位置は殆ど動いていない。尤も、休むのに良い足がかりか何かがあって、動いてもまた同じ所に戻る、と言う事も考えられなくはない。もう1頭は、確か台風か何かで大雨が降った後に居なくなってしまった。他のウメの葉裏に居たアカホシテントウも、或ものは同じ所に留まり、或るものは居なくなると言う風に様々であった。 夏眠から覚めるのは秋もかなり遅くなってからの様である。その後、12月から2月にかけて交尾し、カイガラムシの殻の中(カイガラムシの卵がある)に産卵する。卵は4月に孵化し、カイガラムシの幼虫を食べて成長する。約2ヶ月後の同じ部分.1頭居なくなったが残った2頭の位置は殆ど同じ(2007/10/17) アカホシテントウはヒメアカホシテントウやミカドテントウ等と共にクチビルテントウ族(Chilocorini)に属す。クチビルテントウと言うのは妙な名前だが、族名或いは亜科名の”chilo”(ラテン語で唇の意)が語源であろう。 クチビルテントウ族の特徴は、頭楯(上唇の直ぐ上)が目の前で横に拡がることにある。下にアカホシテントウの頭部を示す。真っ黒で分かり難いが、光沢のある複眼の下側に少しザラザラした感じのする部分がある。これが「頭楯の拡がり」である。この為、クチビルテントウ族の複眼は、頭部に嵌め込まれた様な形になる。これに対して、他のテントウムシ、例えば、以前掲載したナミテントウの顔を見てみると、複眼の下側には何もなく、複眼が頭部から左右に突出した形になっている。眼を醒ましたアカホシテントウ.頭楯の拡がりが良く分かる(2007/11/11) クチビルテントウ族のテントウムシはカイガラムシ類を専門に捕食する。頑丈なカイガラムシの殻の縁をこの横に拡がった頭楯でこじ開けて、中身を食べたり、産卵したりするらしい。 また、このテントウムシの仲間は鞘翅が横に拡がっており、全体の形が旧独軍の鉄兜の様な形をしている。また、脚の腿節や脛節が平らで、且つ、腹面にそれが収まる窪みがあるのだそうで、休止時には鞘翅で体全体をスッポリ覆う様になっている。これは、カイガラムシの補食のためではなく、「カメ・アルマジロ式外敵防御態勢」だそうである。長い間夏眠する習性と関連しているのであろう。寝ているアカホシテントウ.「カメ」になっている(2007/11/11) 愈々平成19年も終わりが近づいた。しかし、まだコナラには葉が残っているし、昨日はムーアシロホシテントウを2頭も見付けた。それに、この秋に撮った写真も少し残っている。年は暮れても、今年の虫の話はまだ終わらない様である。
2007.12.23
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ヨモギヒョウタンカスミカメの成虫は、かなり以前に掲載したが、今日はその捕食の様子と幼虫を紹介する。 舞台はまたコナラの葉裏である。今はもうかなりの葉が黄~茶色になって、1/3位は落ちてしまったが、今日の話はその葉がまだ緑色をしていた頃のことである。ヨモギヒョウタンカスミカメの幼虫.体長約4mm翅の「原基」が明瞭に認められるので5齢であろう.写真の上はテントウムシ幼虫の脱皮殻(2007/11/06) 先ず、幼虫を紹介しよう。以前にも書いた様に、このヨモギヒョウタンカスミカメやヨツボシヒョウタンナガカメムシ等の小さなカメムシは、大きさと言い歩き方と言い一見アリの様に見えるものが多い。成虫の場合は、翅があるのでやや平たく見えるからまだ区別が付くが、幼虫は体に丸味があり、本当にアリによく似ている。実際、コナラの葉裏にはアリも来ているので、何度かアリをカメムシの幼虫と間違えた。 成虫の大きさは翅端まで約5mmあるが、5齢(終齢)幼虫では体長約4mm、下の写真に示した若齢幼虫は3mm弱である。老眼鏡を掛けないとアリとの区別は一寸難しい。ヨモギヒョウタンカスミカメの若齢幼虫.体長約2.7mm(2007/11/06) さて、次は捕食の様子である。カスミカメムシ科にはイネその他を吸汁して被害を与える農業上の大害虫が沢山居る。しかし、中には専ら他の昆虫を捕食するものも居るし、環境によって食性を変えるものも居る。何れにせよ、口吻を突き刺して唾液を送り込み、相手を消化して汁を吸うのだから、カメムシにとっては大した違いでないらしい。何かを捕食している様に見える(2007/11/08) 上が捕食中の写真である。困ったことに、被捕食者が何者なのかが分からない。一見、ヤノイスフシアブラムシ(ヤノイスアブラムシ)の若齢幼虫の様に見えるが、そうではない。詳しくは、後で考察する。上の写真の50秒後.被捕食者が萎んで白っぽくなっている(2007/11/08) 50秒後の写真(上)を見ると、この不明幼虫が萎んでいる。カスミカメに吸い取られたものと判断して間違いないであろう。別の捕食の様子(2007/11/08) 別の捕食の様子を2コマ(上と下)示す。3番目、4番目の写真もそうだが、何れも口吻でただ触っているだけの様にも見える。しかし、カメムシは口吻そのものを突き刺すのではなく、その中にある口針を伸ばして刺すのである。口吻は謂わば口針の鞘に当たる。 これらの他に写真は示していないが、口吻の先がコナラの葉に触れているものもある。葉から吸汁しているのか、或いは、只休んでいるのか、区別は難しい。しかし、3番目と4番目の写真から、少なくとも、ヨモギヒョウタンカスミカメがこの不明幼虫を捕食することがあるのは確かであろう。 「カメムシBBS」に問い合わせたところ、「この属(Pirophorus)の仲間は基本的にアブラムシなどの小昆虫を捕食して生活しているものと思われます」との回答があった。 なお、このヨモギヒョウタンカスミカメの近縁種であるクロヒョウタンカスミカメは、コナジラミその他の吸汁性小昆虫を広範囲に捕食する為、現在、生物農薬としての利用を目指して研究が行われているそうである。口吻の先を被捕食者に付けているヨモギヒョウタンカスミカメの幼虫(2007/11/08) ところで、この捕食されている不明幼虫である。一体何の幼虫であろうか。ヤノイスフシアブラムシの幼虫と似ているが、このアブラムシの幼虫には毛がかなり生えているにも拘わらず、件の不明幼虫には、次の写真に示した通り、毛が生えていないし、背面にある赤色の点列は2列しかない(ヤノイスフシ幼虫では4列)。それに、ヤノイスフシ幼虫よりもずっと小さい。 写真に示したのは、終齢と思われる最も大きな個体であるが、体長僅か0.41mmである。ヤノイスフシ幼虫の方は約1.25mmで、体長にして3倍もある。 この被捕食者が終齢とする根拠は、他のこれよりもずっと小さい同様の形態を持つ幼虫が沢山居り、また、かなり長い期間観察したにも拘わらず、これ以上大きな幼虫個体は見つからなかったからである。不明幼虫の拡大写真(ピクセル等倍).体長0.41mmと小さい葉裏では良く分からないので灰色の厚紙に叩き落としてから撮影した体に目立った毛は無く比較的長い触角と6本の脚が見える(2007/11/12) 終齢幼虫が居れば、その成虫や、種類によっては蛹が見つかって然るべきである。しかし、このコナラの葉裏に見られる怪しげなものと言えば、最後以外の全ての写真に写っている長径0.5mm位の黒くて中央の白い楕円形の「何か」しかない。これは一見ある種のコナジラミの蛹殻に良く似ているのだが、普通のコナジラミの場合は小さなものでも長さ1mm位はある。これはその1/2である。 それに、コナジラミの幼虫は普通は葉に固着して略円盤形をしている。こんなアブラムシの様な6本脚で歩き回る幼虫ではない(この不明幼虫と白黒円盤とは関係ない可能性もある)。 ある種のカイガラムシの幼虫はこの「不明幼虫」に似た形のものもあるらしい。そこで「日本原色カイガラムシ図鑑」で調べてみたが、該当するものはなかった。 そこで、この黒白の円盤も「カメムシBBS」に問い合わせをしたのだが、残念ながら回答は何も得られなかった。専門家も投稿するこのサイトで回答がないのだから、こちとらとしてはもうどうしようもない。精々、来年の夏に辛抱強く観察するほか手が無い様である。 葉裏の世界は難しい。しかし、正体不明のものが色々と有って、妙に好奇心をそそる世界でもある。読者は来年も葉裏の話でウンザリさせられるかも知れない。
2007.12.18
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先日紹介したクリヒゲマダラアブラムシの写真を撮ったとき、栗の木の葉はまだ緑色をしていた。しかし、もう今では殆どの葉が枯れ落ち、幾ばくかの黄色い葉が乾いた枝にしがみついているだけである。 そんな栗の木を眺めていたら、そのツルツルした幹に小さなテントウムシがくっ付いているのを見付けた。 体長約4mm、黒い体の左右に小さな赤い真ん丸のホシが付いていて、胸の部分が腹部に打ち込まれた様に少し凹んでいる。ヒメアカホシテントウである。まだ陽が射さないせいか、ジッとして動かない。ヒメアカホシテントウ.胸部が凹んでいる(2007/12/04) 「ヒメ」の付かないアカホシテントウは我が家でも普通種だが、「ヒメ」が付く方はやや珍しい。早速御披露目の写真を撮ることにした。 このヒメアカホシテントウもアカホシテントウも、餌にするのはアブラムシではなく、もっと駆除の面倒なカイガラムシ。厄介な虫を食べるから、と言う訳ではないだろうが、この仲間の幼虫は何れも「怪獣」と言うべきオドロオドロしい姿をしている(アカホシテントウの幼虫は既に紹介済み)。 成虫の方も、これまでに紹介したテントウムシ類とは一寸違って、頭部も胸部も眼も真っ黒で表情が分かり難い。真っ正面から見ると、何とか言う宇宙戦争の映画に出てくる「悪い宇宙人」を連想させる。ヒメアカホシテントウの顔.眼が何処にあるかお分かりだろうか?(2007/12/04) もう虫は居ないとは思うものの、成虫越冬する虫はこれからも時々現れるだろう。この春~夏に撮った未掲載の写真はまだ出さなくても良い様である。
2007.12.15
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12月に入ってから見る虫と言えば、ヒラタアブ類を除くと、アブラムシの類ばかりであった。それ以外の虫はもう無理かと思っていたところ、先日、ギボウシの付け根辺りに、小さなナヨナヨした虫が数頭いるのを見付けた。 体長3mm弱、肉眼的には蠅だか蚊だかハッキリしない。しかし、良く見てみると、今年の春に紹介した「クロバネキノコバエの1種」の仲間の様である。枯れたギボウシの葉に逆さに止まるクロバネキノコバエの1種(2007/12/07) この虫、以前書いた様に「ハエ」と付いてもハエの仲間ではない。ハエやアブは基本的に触角が3節しかない(短角亜目)。しかし、この「ハエ」は糸状の長い触角を持っている。糸角亜目、即ち、蚊の仲間である。 以前紹介した「クロバネキノコバエの1種」は、触角が比較的短く体はかなり太っていたが、この虫の方は触角がそれよりも長く体は細長い。しかし、翅脈の走り方は同じである。別のクロバネキノコバエの1種と考えて良いであろう。まだ緑色のギボウシの上で動かないクロバネキノコバエの1種(2007/12/07) このクロバネキノコバエ、日陰の半分朽ち果てたギボウシに集っていた。このまま越冬するのであろうか。 蚊の仲間の越冬形態はどうなっているのかInternetで調べてみると、吸血性の蚊でも、成虫、卵、幼虫と様々である。クロバネキノコバエの場合はどうかと言うと、前蛹で越冬するものがあると言うことは分かったが、それ以外には参考になる情報は見つからなかった。 何時もなら、どうでもよい様な虫である。しかし、冬の苦手な私としては、この虫達が冬をどう過ごすのか、何となく気になってしまうのであった。
2007.12.13
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1週間ほど前、栗の枝を切り落としたついでに、その葉裏を調べてみた。ナラ類は非常に多種のアブラムの付く樹種だが、クリも負けず劣らずアブラムシに一方的に好かれている樹である。 コナラの葉裏には外部寄生者や捕食者がゴマンと居て、何も付いていない葉など1枚も無かった。しかし、このクリの方は不思議なほど綺麗で、このクリヒゲマダラアブラムシをやっと2頭見付けただけであった。 アブラムシの種の判別は難しい。しかし、クリの葉裏に居たこと、この独特の翅の模様、体に付いたワックス等から、クリヒゲマダラアブラムシとして間違いないだろう。クリヒゲマダラアブラムシ.翅脈に沿って暗色紋がある(2007/12/04) このクリヒゲマダラアブラムシの属すマダラアブラムシ亜科では、普通のアブラムシとは異なり、単為生殖で増殖するときに無翅虫ではなく有翅胎生雌を産むものが多い。アブラムシの祖先は総て有翅虫であったと考えられており、この様な有翅胎生雌を産むマダラアブラムシ類は、系統的に古いグループであるとされている。 ところが、このクリヒゲマダラアブラムシは、ときに短翅の有翅虫を産むのだそうである。この短翅虫は、翅はあってもそれを動かす筋肉が発達して居らず、飛ぶことは出来ないとのこと。有翅虫だけの原始的なアブラムシから、無翅虫で繁殖する進化したアブラムシへ至る途中で分岐したグループ、と言うことになる。上から見たクリヒゲマダラアブラムシ.腹部が妙に横に拡がっている(2007/12/04) これまでにアブラムシの有翅虫を何回か掲載したが、アブラムシでも有翅虫は結構見映えがする様である。 この1年半で、我が家に来る虫の大半は紹介してしまった。何分にも庭が狭すぎるのである。しかし、アブラムシならまだ色々居る。来年はアブラムシがネタ切れを救ってくれるかも知れない。
2007.12.12
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今日もまたアブラムシの話になってしまった。ワタムシ、最近全国的に有名になった「雪虫」である。昔は雪虫などという言葉は、東京では聞かなかった。 しかし、この雪虫、結構ややこしい。北海道ではトドノネオオワタムシが有名な様だが、「綿毛」を被っているアブラムシの有翅虫には多くの種類がある。 基本的に、トドノネオオワタムシやリンゴワタムシの属すタマワタムシ亜科の産性有翅雌は雪虫の潜在的候補である。しかし、その総てが雪虫と言えるほどの「綿毛」を被っているのだろうか。ヒメリンゴの枝上を歩くワタムシ(2007/11/26) ワタ(綿)に寄生するアブラムシ亜科のワタアブラムシは別として、和名に「ワタ」の付くアブラムシはタマワタムシ亜科以外にもいる。実際、マダラアブラムシ亜科に属すエノキワタアブラムシの有翅虫は多量の綿毛を被って、飛んでいるところはまるで雪虫だが、このワタムシが沢山飛ぶのは春から夏にかけての様だから、ワタムシではあっても、雪虫の候補には成り得ない。同様に、その他のマダラアブラムシ亜科のアブラムシも、寄生転換を行わないからその有翅虫が晩秋に大挙して飛ぶとは考えられず、雪虫の候補にはならないであろう。 また、トドワタムシやカンショワタムシは、無翅虫は著しい綿状物質が体を覆っているが、有翅虫はそうでもないらしい。背側から見たところ(2007/11/26) 更に、「ワタ」が名前に付かないアブラムシでも、無翅虫が多量の綿状物質にまみれている種類がかなりある。この様な種類の有翅虫が「綿毛」を被るのかは、これまた良く分からない。 色々調べてみたが、結局、晩秋に飛ぶ「綿毛」を帯びる有翅虫が総てタマワタムシ亜科に属すか否かは分からなかった。枝を下るワタムシ.そのまま下の方に行って見えなくなってしまった(2007/11/26) 一般論では完全に行き詰まった。しかし、此処に掲載したワタムシがタマワタムシ亜科に属すことは、ほぼ確実である。多くの他の亜科とタマワタムシ亜科では、翅脈の分岐や走り方が異なるのである。ヒラタアブラムシ亜科とは少し似ているが、やはり違う。翅脈に関する文献は持っていないが、図鑑と自分の写真を良く見比べてみれば、これは明らかである。 此処に掲載した写真を見てみると、どうも2種類の様に見える。大きさが違うし、飛んでいるときの印象も違った。しかし、翅脈に関しては何れもタマワタムシ亜科の構造をしている。ボケに留まったワタムシ.上の個体よりも大きいし触角も長い(2007/12/05) 写真のワタムシがタマワタムシ亜科に属すとすると、一体その内のどの種類であろうか。このワタムシは、どうも我が家のヒメリンゴやカイドウがお目当ての様に見える。何れもリンゴ属(Malus)の植物である。・・・とすると、リンゴワタムシ、サンザシハマキワタムシ、リンゴネアブラムシ等が候補に挙がる。 リンゴワタムシは300以上ものサイトで雪虫の候補として挙げられている。しかし、調べてみると、この外来のアブラムシの日本に於ける生態は良く分かっていない様である。タマワタムシ亜科のアブラムシは例外なく宿主転換を行い、晩秋に1次寄主に戻る産性有翅虫が雪虫の候補となる。しかし、このアブラムシの2次寄生について書いてあるサイトは一つも見つからなかった。どのサイトでも、リンゴの根や樹皮などで越冬し、その後は葉茎部に移ると書かれている。しかも、有翅虫は6月、或いは、9月に移住すると言う。これは有翅胎生雌であり、リンゴからリンゴへの移住である。これでは晩秋に飛ぶ雪虫にはならないではないか!! 良く分からないが、リンゴワタムシは雪虫とは関係がない様な気もする。広辞苑に雪虫の正体としてリンゴワタムシが挙げられているのが「リンゴワタムシ説」の起源らしい。しかし、この項目を書いたのはたして昆虫学者なのだろうか。国語学者が有名なリンゴワタムシ(名前の響きがよいし・・・)を根拠なく雪虫の候補として挙げたのがそのまま無批判に転載され続け、こうゆう事態になった可能性もなくはない。上の写真と同一個体(2007/12/05) リンゴネアブラムシは、「日本原色虫えい図鑑」に拠ると、1次寄生がアキニレで、リンゴは2次寄生だと書いてある。だから我が家の雪虫とは関係無さそうである。 この虫えい図鑑には、カイドウハマキフシと言うカイドウの葉を不定型に巻く虫えいが載っている。我が家のカイドウは毎年春先にアブラムシに寄生され、葉がしわくちゃになっている。どうも、これの可能性が高い。寄生するのはリンゴハマキワタムシ(Prociphilus crataegicola)と書かれている。このリンゴハマキワタムシは、アブラムシ図鑑にも載っていないし、Internetで検索しても出てこないが、学名で検索すると、何と、サンザシハマキワタムシのことであった。すると、我が家の雪虫は、このサンザシハマキワタムシの産性有翅虫である可能性が高い。 しかし、此処に掲載した雪虫は2種類の様である。この内の何れがサンザシハマキワタムシであろうか? 或いは、何れもサンザシハマキワタムシではないのだろうか? 九州大学の日本産昆虫目録データベースを参照すると、タマワタムシ科には58種もの種類が登録されている。一方、「日本原色アブラムシ図鑑」に載っているのは、僅か12種。しかも、雪虫として有名なトドノネオオワタムシも我が家の雪虫の候補であるサンザシハマキワタムシも載っていない。 結局のところ、雪虫の種を判別するのは、素人には無理と言うことであろう。随分時間がかかったが、まァ、順当な結論と言う他ない。
2007.12.10
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今日は久しぶりに植物を紹介する。しかし、花ではなく葉っぱである。 ソモソモ、我が家の庭には紅葉、或いは、黄葉する樹木が少ない。昨年は、善寺丸と言う古い品種の柿の葉が綺麗であったが、何故か、今年は全く赤くならなかった。 代わりに、普段は余りパッとしない黄色になる筈のシジミバナの葉が紅葉した。シジミバナの紅葉(2007/12/04) 紅葉は年によって全く異なると言うことは経験がよく教えてくれる。札幌に20年近く住んだことがあるが、一度だけ、札幌を取り囲む山々が全山真っ赤に紅葉したことがある。青空を背景に、夕日に照らされて燃える様に赤く輝く山々は不気味ですらあった。シジミバナの葉腋に付いた花芽(2007/12/05) シジミバナはユキヤナギに近いシモツケ属の灌木で、高さは2m程にしかならない。しかも我が家のは鉢植えだからもっと小さい。その小さい株が幾ら紅葉しても燃える様にはならないが、それなりに風情はある。 しかし、シジミバナが好きな者にとっては、赤い葉よりも、その葉腋で膨らんできた花芽の方が気がかりである。昨年は切り詰めてしまったので、今年の春は花の付きが良くなかった。その失敗に懲りて今年は一切枝を切らなかったから、枝という枝にビッシリと花芽が付いている。来年が楽しみである。花芽の拡大(2007/12/05) 何時もマクロ写真ばかり撮っていると、花芽も接写しないと気が済まなくなる。しかし、花なら兎も角、芽を接写しても余り面白くはありませんな。
2007.12.05
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前回もコナラの葉裏の話だったので、次は葉裏でない話にしたかったのだが、この季節では新しいネタはやはり無理の様である。仕方なく、また葉裏の話と相成る。しかも、人気の無さそうなアブラムシの話。 しかし、今日紹介するヤノイスフシアブラムシは、一寸変わったアブラムシである。普通見かけるアブラムシは、以前紹介したカシワトゲマダラアブラムシの近縁種(Tuberculatus sp.)の様に触角が長く、有翅形は左右の翅の面が互いにかなりの角度を成しているので、畳んだ所を後ろから見ると翅は重ならずに山形になる。一方、このアブラムシの仲間(Nipponaphis属)は触角が短く、左右の翅がなす角度が小さいので、畳むと互いに重なってほぼ一つの面に収まる。ヤノイスフシアブラムシの有翅形.触角が短く、翅は葉っぱにほぼ並行以下倍率は幼虫を含めて総て同じ(2007/11/29) 有翅形を初めて見たときは、アブラムシとは思えなかった。アブラバチの様な捕食寄生性の昆虫と一緒にいたので、これもアブラムシを捕食するか、或いは、寄生の為に産卵に来ているのかと考えた位である。 しかし、どう見ても捕食性の昆虫の様な精悍さがない。ナヨナヨしている。第一、ハチではないし、ハエでもない。一体何目(分類単位の目)に属す昆虫か?横から見たヤノイスフシアブラムシの有翅形.腹部は黄色い(2007/11/29) 虫全体の体付きを見ると、以前紹介した「謎の虫」=オオワラジカイガラムシの雄成虫に似ている。・・・と言うことは、アブラムシの有翅形かもしれない、と思って「日本原色アブラムシ図鑑」を調べてみたら、ソックリなのがあった。 ヤノイスフシアブラムシ、確証はないがこれであろう。斜めから見たもの(2007/11/29) このヤノイスフシアブラムシは、冬~春期はイスノキに寄生して虫えい(虫こぶ、「えい」の漢字は機種依存で使用できない。全く困ったものである。IT関連の人間は国語力に欠ける人物が多いのでこう言うことになるのか?)を作り、夏になるとコナラの葉裏に移住するとのこと。この仲間でコナラに二次寄生するのはヤノイスフシアブラムシだけらしい。イスノキは暖地性の大型木本で、この辺りで見た記憶はないが、何処かの家の庭にでも植わっているのだろう。 コナラの葉裏では無翅形が繁殖を繰り返し、晩秋に有翅形が出てイスノキに戻る、と書いてある。ヤノイスフシアブラムシの幼虫.普通のアブラムシの幼虫とは随分形を異にする.頭は下側(2007/11/28) 幼虫は、これもアブラムシとしては変な形である。上から見ると楕円形、乃至、コバン型で、触角は短く、何処にあるかよく分からない。背中に4列の赤色斑があり、そこに数本のやや長い毛が生えている(今日の写真は成虫も幼虫も総て同一倍率)。 かなり毛深い様だが、葉裏に居るとコナラの毛と一緒になってよく見えない。そこで、灰色のボール紙の上に落として写真を撮ってみた。赤い斑点から毛が出ているのが分かるであろう。なお、頭は、上の写真では下側、下の写真では左側である。 無翅形の成虫はどんな形をしているのか分からない。図鑑には出ていないし、コナラの葉裏に居たのは、有翅形とこの幼虫だけである。もう少し早い時期に葉裏を見れば、恐らく居たのであろう。幼虫と殆ど変わらない形をしていると思われる。ボール紙の上に移したヤノイスフシアブラムシの幼虫赤い斑紋から透明な毛が数本出ている.頭は左側(2007/11/28) あと何回か掲載すれば、葉裏の話も終わる。その後、ネタ切れに陥るのは必定、この春や、それ以前に撮った写真を出すことになりそうである。
2007.12.04
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さて、今日は、先月12日に掲載したアブラムシに寄生するアブラバチの話の続きである。 アブラムシに寄生したアブラバチの幼虫は、アブラムシの体の中でその組織を食べて成長する。やがて宿主のアブラムシは死に、アブラバチの幼虫はアブラムシの外骨格の内側に繭を作って蛹化する。 この繭は、外観的にはミイラに何となく似ているので、マミー(Mummy:ミイラ)と呼ばれている。アブラバチのマミー(2007/11/09) 上にマミーの写真を示した。アブラムシの外骨格の中に繭が有るのが分かるであろう。宿主は、縞模様の触角を持っており、また、角状管の先端にある黒斑らしきものも見えるので、前回紹介したカシワトゲマダラアブラムシの近縁種(Tuberculatus sp.)と推測される。上から見たアブラバチのマミー(2007/11/09) 次は最初の写真を上から見たものである。宿主は有翅型であったことが良く分かる。右側にも古いマミーがあるが、これはもう既にアブラバチが羽化しており、尾部に穴が開いている。中央のマミーとは色も大きさも違うが、寄生者の種類が違うのか、アブラムシの種類が違うのか、或いは、その何れもが異なるのかは良く分からない。 葉裏の世界を覗くと、色々と変なものが目に入る。左側の小突起の沢山ある透き通ったものは何であろうか? 多分、ヒラタアブ類の卵だろうと思うが、定かでない。下側に見える楕円形の「物体」は、ヤノイスフシアブラムシ(?)の幼虫である。 残念ながら、この中央の大きなマミーからは未だに何も出て来ない。 アブラバチの成虫が出て来たのは、次の写真に示したマミーである。別のアブラバチのマミー.お尻の方から撮っている(2007/11/09) これも触角に縞模様があるので、同じくカシワトゲマダラアブラムシの近縁種(但し無翅型)に寄生したものであろう。マミーから出て来たアブラバチ(2007/11/14) マミーを確保してから4日目に、小さなハチが1頭出て来た。この様な場合、2次寄生者(寄生者に寄生するもの)でないかを注意する必要があるが、形態的にはアブラバチなので、2次寄生者とは思えない。 先日紹介したアブラバチと大きさや体付きがよく似ている。しかし、色はかなり違うので、恐らく別種であろう。「アブラムシの生物学」に拠ると、日本には約80種のアブラバチが棲息するそうである。翅を拡げたアブラバチ(2007/11/14) マミーを良く見ると、アブラムシのお尻の方に穴が開いている。アブラバチの脱出口である。アブラバチの脱出したマミー.穴が開いている(2007/11/14)上のマミーを横から見たもの.お尻の部分が無くなっている(2007/11/14) しかし、どうも解せない。アブラバチの幼虫は、どうしてこうも綺麗に外骨格だけ残して宿主を食べ尽くせるのだろうか? 食べ物をひとかけらも残さないとは、良く躾の行き届いた虫だが、消化液でも体外に放出するのだろうか。 全く、虫の世界は分からないことだらけである。
2007.12.01
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