
大君の
命
恐
み
大殯
の
時にはあらねど 雲隠ります
(万葉集巻3-441 倉橋部女王)
世の中は 空しきものと あらむとぞ
この照る月は 満ち欠けしける (万葉集巻3-442)
(世の中は空しいものだということを示そうというのか、この照る月も満ち欠けするのであることよ。)
(注)この歌は長屋王の子、膳部王(膳夫王)の死を「悲傷しぶる」歌である。
<長屋王自作の歌>
佐保過ぎて 寧楽の手向に 置く
幣
は
妹を目
離
れず 相見しめとぞ (万葉集巻3-300)
宇治間山 朝風寒し 旅にして
衣貸すべき 妹もあらなくに (万葉集巻1-75)
(宇治間山の朝風が寒い。旅先にてあれば、衣を貸してくれる筈の妻もいないというのに。)

(竜田川)
竜田川沿いの道を行くと川に沿って緑地がある。竜田公園である。
竜田川と言えば、在原業平の
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
や、能因法師の
嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
を持ち出すまでもなく、秋の紅葉であるが、まだ秋の入口を過ぎたばかりにて、もみぢならぬ萩の花が咲き匂っていました。


(竜田公園・堂山橋) 
(竜田公園・紅葉橋) 
(竜田公園の道)
竜田公園は竜田川の右岸に沿っているが、それが途切れる処に架かっている橋が岩瀬橋である。右岸をそのまま行くと三室山(標高82mの小山)。左岸に渡ると白山神社、岩瀬の森である。

(白山神社)
(白山神社境内)
(岩瀬の森?)
万葉の昔は森が広がっていて「磐瀬の杜」と歌われたらしいが、今は田畑と住宅となり、森の欠片もない。いや、ありました。でもこれを森と言うのは無茶ですな。せめてもアト2本は木が欲しい(笑)。
神奈備の 磐瀬の杜の ほととぎす
毛無
の岡に いつか来鳴かむ
(万葉集巻8ー1466 志貴皇子)
もののふの
石瀬
の
社
の ほととぎす
今も鳴かぬか 山の
常陰
に
(万葉集巻8ー1470
刀理宣令
)
(
もののふの磐瀬の森のほととぎすよ。今、すぐにも鳴いてくれないものかなあ。この山のいつも日陰になっている処で。)
こんな看板が立っていたが、見渡せど「塩田の森」らしきものも見えませぬぞ。
むしろ、対岸の三室山や白山神社の森がそれらしい風情である。
(岩瀬の森跡地から眺める三室山)

(竜田川に架かる岩瀬橋上からみる三室山)

(竜田川左岸から眺める三室山)
三室山に植わっているのは殆どが桜の木。春は花の山となり、秋深まれば能因法師さんの期待に応えて桜葉の紅葉が錦織りなすこととなります。
万葉とは少し外れますが、三室山にも登って来ましたので、それは、次回にご報告ということで、本日はここまで。
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